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男子大学生の津田 淳也(つだ じゅんや)は、

彼女いない歴=年齢だったー。


とは言え、同性の友達は多くー、

女子とも必要があれば普通に話をするタイプで

特にコミュニケーションが取れない、とか

孤立している、とか、そういう男子大学生ではないー。


ただ、昔から

女子を前にしても、特に態度が変わらず、

男子・女子をあまり意識していないような感じで、

エッチな話にも特に興味は示さないことから

”淳也は女子に興味がない”と、周囲の友人たちは

そんな風に思っていたー。


だがー

そんな淳也に”疑い”を抱く人間がいたー。


それがー


「---兄さんってさ~、彼女とか、本当にいないの?」

弟の優貴(ゆうき)だったー。

優貴は、現在高校2年生ー。

そんな優貴が兄の淳也に向かって、ニヤニヤしながら言うー。


「---ん?あぁ、いないよ。

 まぁ、今はそれより大学の勉強に集中って感じだな」

淳也は苦笑いしながら言うー。


その言葉には”負け惜しみ”という感じは微塵もなく、

至って冷静な回答だったー。


「--ふ~~~ん」

弟の優貴は、兄の淳也とは”正反対”な性格ー

下心丸出しで、女子の前では、いいところを見せようとしたり、

エッチな動画をこっそり見たりもしているー


そんな優貴からすれば、兄の淳也が

”全く異性に興味が無さそう”と、いう状態は信じられなかったー


「--兄さんって、彼女いたことないよね?」

優貴が揶揄うようにして言うと、淳也は全く隠す様子も

恥ずかしがる様子も、妬むような様子もなく

「そうだな」と頷いたー。


「--ー勿体ないなぁ~!兄さん、イケメンだし、

 優しいんだから、その気になればすぐ、モテると思うんだけどなぁ~」

優貴が言うと、淳也は「ははは」と笑いながら

「別に勿体なくはないだろ。その分別のことに時間を費やしてるんだしさ」

と、答えたー


兄・淳也の中に”恋愛”という要素が全く存在していないように思えるー。


「-でも、ってことは、兄さん、童貞なんだろ?」

弟の優貴は、既に彼女とヤッたことがあるー。

その彼女とはもう別れてしまったが、今はまた別の彼女がいるぐらいだー。


「--ははははっ!今時、童貞なんてたくさんいるさ」

淳也が笑うー。


本気でーー

全く彼女を欲しがる様子もなければ、

エッチなことに興味を示す様子も全くないー。

かと言って、同性が好きとか、そういう素振りもなく、

弟の優貴からすれば、兄・淳也は”宇宙人”とも言えるぐらい

未知の存在だったー。


「---兄さんって本当に全く下心ないのかなぁ…?」

部屋に戻った優貴は、戸惑いながらそう呟くー。


「--実は隠れエッチだったりしてな」

ニヤニヤしながら、優貴はそう呟いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「--な、、な、、な、、なんだこれええええええええええ!?!?」

優貴が叫ぶー。


その声は、とても可愛らしい声だったー。


「--!?」

弟・優貴の部屋の前を偶然歩いていた

兄の淳也も、その声を聞いて、部屋の外から

”どうしたんだ?”と声をかけるー。


”ってか今、誰の声だ?”

淳也はそんな風に思いながら戸惑っていると、

部屋の中からーーー

”女の子”が出て来たー。


「---え?」

淳也は思わず唖然としてしまうー。


部屋の中から出て来たのは、

弟・優貴のシャツとパンツを履いた美少女だったのだー。


「--だ、、誰?」

淳也が戸惑った様子で言うと、

その美少女は言ったー


「-お、、俺だよ、、兄さん…!」

とー。


「--は?」

淳也は思わず変な声を出したー


意味が分からないー

目の前にいる少女は、どう考えても優貴ではないー。


年齢的に弟の優貴と同じぐらいに見えるから、

優貴の彼女か何かだろうか。


そんな風に思っていると、

その少女は続けたー。


「--お、お、お、起きたら!起きたらこうなってたんだよ!

 起きたら、俺が女に!」

可愛らしい声で叫びながら、その美少女は、

「うわあああ…やべぇ…胸…おっぱい!」と、ニヤニヤしながら

自分の胸を揉み始めるー。


「--ははははははは!初めまして 優貴の彼女かな?

 俺は兄の淳也。よろしく」


”また面白い彼女さん連れて来たな~”

などと、笑いながら淳也は、優貴の部屋の中に足を踏み入れたー


「--優貴~~!」

弟の優貴の名前を呼ぶ淳也ー。


だがー

淳也は気づいていないー。

目の前にいる美少女こそが、弟・優貴が”女体化”してしまった

姿であるとー。


「--兄さん!お、俺なんだってば!」

美少女の姿になった優貴も、自分の部屋の方に戻ってきて叫ぶー


淳也は口をぽかんと開けたまま、

「--それ、本当に言ってる?」と苦笑いしたー。


「ほ、ホントだって!マジだって!」

可愛い声で叫ぶ優貴ー。


「---」

淳也は、そんな優貴の姿を見ながら、

”確かに、優貴のシャツとパンツ姿だしなー”と呟くー。


奇妙な格好の美少女を前にしても、

全く動じる様子を見せない淳也ー。


優貴は、”まだ兄さん、信じてくれてないみたいだ”と呟くとー

”兄弟の間でしか知らないであろうこと”を、

淳也に向かって話し始めたー。


すると、ようやく淳也は信じてくれたのか

「お前、ホントに優貴なのか?」と呟くー。


「だ、だから、最初からそうだって言ってるだろ?」

恥ずかしそうにする美少女姿の優貴を見て、

淳也はー


顔を赤らめたりすることもなく、

「急に女になっちゃうなんて……何かの病気か?

 大丈夫か?」と、心配そうに、その身を案じたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


女体化した原因は不明ー


確認してみたところ、容姿だけではなく、

身体も完全に”女”になっていたー


「--あぁぁぁ~~ここについてないって、なんかヤバイ感覚なんだけど!」

優貴が股間のあたりをズボンの上から触りながら言うと、

「だろうなぁ」と、淳也や呟いたー。


兄・淳也のおかげで、なんとか両親にも説明することができ、

こうして無事に夜を迎えているー。


だが、一向に優貴が元に戻る様子はなく、

優貴自身も、兄の淳也も困惑していたー。


「-ー本当に、何も思い当たることはないのか?」

淳也の言葉に、優貴は「--ないよ。昨日、特に特別なコトしてないし」と

可愛い声で呟くー


正直、女体化した優貴はとても可愛いー。

優貴自身、鏡で自分を見つめると顔を赤らめてしまうぐらいだし、

声も可愛いー。


だがーー

そんな”女体化した優貴”を前にしても、兄の淳也は

やっぱり普通で、相手に対する接し方が

”男女どちらが相手であろうとも”全く変わらないのはいつもの通りだったー。


”兄”として、弟・優貴の身を案じてくれてはいるがー

”女”の部分には、何も興味が無さそうな感じで、

優貴の胸を凝視したりすることもなければ、

身体に必要以上に触れて来ることもなかったー。


「明日、月曜だけどちょうど俺、大学休みだからさー、

 明日、病院ついていってやるよ」

淳也が優しく言うー。


「--あ、でも、俺、学校がー」

優貴が可愛らしい声で言うー。

特に意識はしていないのだが、

美少女の顔で困り果てた顔を浮かべながら

言い放ったその言葉は、あざとい感じにも

なってしまっていたー。


だが、淳也は特にそれにも反応せず、

普通に話を進めたー。


「-まぁ高校はあるだろうけどー…

 さすがにその姿じゃいけないだろ?

 明日は休んで、病院に行ったほうがいいんじゃないか?


 いきなり”女になりました”も、きついと思うし」


淳也のその判断は、確かに妥当と言えたー。

仮に万が一、元に戻れないとしても

学校に事情を説明するのには、おそらく時間もかかるだろうー。


「--うん…わかった」

優貴は頷くー。


「ーーーははは!そんな不安そうな顔するなって!」

笑いながら言う淳也に対してー、

「---なぁ、兄さん」と、優貴は声をかけたー


「--俺が女の子になっても…その…

 なんかこう、戸惑いとか、、ないの?」

とー。


「---戸惑い?あぁ、まぁ、それはあるさ。

 だって、弟の身体に異常が起きたら、兄として

 心配するのは当然じゃないか。


 元に戻れるのかなぁ、とか

 戻れなかった場合、学校どうするのかなぁ、とかさ」


淳也は笑いながら言ったー。


”本当にいい兄さん”だと思うー。

けど、同時に、優貴は”聞きたいのはそういうことじゃないんだ”とも

思ったー。


「そ、そうじゃなくて、そのー

 俺が女の子になって、エッチな目で見たりとか、そういうー」

優貴が恥ずかしそうに言うと、

淳也は「ははは!」と笑ったー


「--優貴は優貴だろ。

 どんな姿であったって、それは変わらないさ。

 安心しろよ!な」


淳也はそれだけ言うと、

「-じゃ、明日、俺が病院ついていくからー!

 あんま夜更かしするなよ!」と、

優貴の方を指さして、そのまま優貴の部屋から

立ち去って行こうとしたー


「--あ、でも」

立ち止まった淳也ー。


てっきり”ちょっとドキドキはするかもな”とでも、

言われるのかと思ったが、淳也が口にしたことは

全く関係ないことだったー


「一晩寝れば、また元に戻ってるかもしれないな!」

淳也の言葉に、優貴は「確かにそうだな…」と、笑ったー


「おやすみ」

そう言うと、立ち去っていく淳也ー。


「おやすみ、兄さんー」

そう言いながらー

優貴は、”兄さん、マジで賢者か何かだろ”と、

心の中で思ったー


”弟がこんなかわいい美少女”になったのに、

エッチな要素を、兄の淳也からは1パーセントたりとも

感じることが出来ないー。


イヤらしい視線も感じないしー

そういう発言も一切ないしー

変に触って来ることもないー

それでいて、別に恥ずかしそうにしている様子もなければ、

何か特別、態度を変えたりする様子もないー


”女”が嫌いなのかなー?とも一瞬思ったが、

それも違う気がするー。


女体化した優貴は、兄・淳也のことを考えながら、

そのまま眠りについたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


兄の淳也に付き添われて病院に向かうー。

病院で、淳也が必死に先生に状況を説明しー

半信半疑ながらも、なんとか信じてもらい、

色々な検査を行ったー。


だが、結果は”原因不明”で、

元に戻る方法も分からない、とのことだったー。


「-そんな落ち込むなって」

淳也が言うと、優貴は「うん…」と言いながら

少しだけ涙をこぼしたー。


「--心配すんな。俺も全力でサポートするから」

そんな風に言う兄は、

どこまでも頼りがいのある存在だったー。


病院から帰宅した二人ー。

兄・淳也が母親に状況を説明したー。


そして、それぞれの部屋に戻る二人ー。


「----------ふ~~~~~~~~」

部屋に入ると、兄・淳也はため息をついたー。


そして、自分の額の冷や汗のような汗を

静かに拭きとるのだったー。



一方ー

弟の優貴はしばらく落ち込んでいたが、

やがてー

あることを思いついたー


「----待てよ」

元々ポジティブな思考で、お調子者な感じの優貴はー

それまで落ち込んでいたのが嘘かのように、

ニヤリと笑みを浮かべたー。


「----この姿で、兄さんを誘惑したらー

 兄さんの知らない一面が見えたりするかも…」


そう呟いた優貴は、

ニヤニヤしながら

「--兄さんのエッチな一面が見てみたい…!」と、

一人、小さく笑い始めたー



”俺を誘惑するな!”

そんな声が、津田家に響き渡るのはー

時間の問題だったー。



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


彼女いない歴=年齢のお兄さんを誘惑し始めるのは…

次回からデス~!


果たしてお兄ちゃんの反応は…!?


お読み下さりありがとうございました~☆!

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