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オークに皮にされる場面を目撃してしまったメイドのリリア。


なんとかしてルミナ姫を助け出そうと奔走していたリリアは

騎士団長の一人・ユリウスに協力を得ることに成功する。


そんな中、同室のメイド・メイから

「姫様を助ける方法を見つけたと告げられたリリアは、

メイと共に地下室へと向かうー。


だが、既にメイは、オークに乗っ取られていたー。

ルミナ姫から乗り換えたオークに…。


そうとも知らず、地下に誘われるリリア。


そして、地下に向かうリリアとメイの姿を

軽口が目立つ騎士団長・レビンが見つめていたー。


★前回はこちら↓★

fanbox post: creator/29593080/post/2498279

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


地下牢に入ったリリアは、

灯を手にしながら、不安そうな表情を浮かべて、

地下への階段を進むー。


先に進んでいるメイが、邪悪な笑みを浮かべているー。


オークに着られてしまったメイは、

もはや何も抵抗することなどできないー。

オークの意のままに身体を動かされー、

身も心も完全に支配されてしまっているー


(俺…お前…地下に誘う…!)

メイが、口元を歪めるー。

「ぐふふふふふふ…」

思わず、小声で笑ってしまうメイー。


「---メイ…?」

リリアが不安そうにメイの名前を呼ぶと、

メイは「姫様の役に立てるのが、嬉しくてー」と、

リリアの方を振り返ってほほ笑んだー。


「--ーーー…うん」

”ルミナ姫を助けたい”という思いは、同じー。


メイは、リリアの反応を確認すると、

さらに奥へと進んでいくー。


「-ねぇ、リリア、そろそろ聞かせて…?

 どうやって姫様を助け出すの?」


”姫様を助ける方法を見つけた”

その言葉は信じたいー。

だが、どうしても、地下牢にそんな方法があるとは思えなかったー。


「-ーレビン様に何を聞かれたの?」

リリアが不安そうに言うー。


メイは”姫様が皮にされている”と、王国の重鎮たちの前で

言い放ったあと、”事情聴取”と称して

騎士団長のレビンの部屋に連れられていったー。


その後、数日間、メイは消息不明の状態だったー。


レビンに何を聞かれたのかー

あるいは”何か”されたのかー。


「---…いいから、あたしについてきて」

メイは答えなかったー。


「---…メイ…?何で隠すの?」

リリアが不安そうに言うー。


メイはイライラした様子で振り返るー。

乗っ取った相手の記憶を読み取ることが出来る故に、

ある程度冷静に振舞えているがー、

ルミナ姫を乗っ取り、メイに乗り換えたオークは、

元々ごく普通のオークー。


怒りをコントロールできるほどの知性を持ち合わせていなかったー。


「---いいから」

メイが怒りの形相でリリアを見つめるー。


「--姫様、助けたいでしょ?」

メイの言葉に、リリアは首を振るー。


「助けたいけど…なんかメイ…変だよ…

 こんな地下に来て…何をするつもりなの?」

リリアは涙目でメイの方を見て叫んだー。


メイとは、共にメイドとして姫を支えて来た間柄ー

だから、リリアには分かるー

今のメイは、”様子がおかしい”とー。


「---いいから来い!」

メイが乱暴な口調で、リリアの腕を掴むー


悲鳴をあげるリリアー


メイに抵抗することもできず、

リリアは地下牢の奥深くに引っ張られていくー。


そしてーーー

地下牢の深部にたどり着いたー


メイが、リリアを容赦なく突き飛ばすー。


「---メイ…!どうしちゃったの!?メイ!」

地面に手をつきながら、泣きながら叫ぶリリアー。


「ぐふふふふふふふふ」

メイが口から涎を垂らしながら笑うー。


野蛮な、笑い方ー


「----!!」

メイが何も言わずとも、直感的に、リリアは悟ったー


「まさか…メイ…あのオークに!」

リリアは叫んだー。


メイは凶悪な笑みを浮かべながら、

斧を手にすると、リリアに襲い掛かって来たー。


「--お前…邪魔…!

 お前…殺せと…言われた!」

メイが、オークの口調でしゃべりながら、

はぁはぁ言いながら斧を振るー。


メイの身体には、重すぎる斧だったがー

オークが強引に、メイに斧を振らせていたー。


リリアが悲鳴を上げながら必死に、メイの斧を避けるー。


狭い地下牢ー。

さらに奥に向かってリリアが逃げ出すー。


「--待て…お前…殺す!」

メイが、腕をギシギシと言わせながら、斧を掴み、リリアを追いかけるー。


リリアは逃げながら思うー。


”お前…殺せと…言われた”

乗っ取られたメイの言葉ー

いったいー、どういうこと?


とー。


オーク一人で、ルミナ姫を乗っ取るなんて、

大それたことが出来るはずもないし、

オークの知能では、そんなこと思いつくわけがないー。


”誰かが”オークに入れ知恵をしているー?

誰かが、あのオークを利用しているー?


だがー

魔物たちの王は遠い昔に討伐され、

現在、アクア王国周辺に生息している魔物はー

”下級”の魔物のみー。

他の魔物を統治できるような、存在はいないはずー


と、なればー


リリアは逃げながら、4人の騎士団長の顔を浮かべるー。

軽口のレビン、メイドを見下すフォボス、

気難しい女性騎士団長のアテナ、そしてユリウスの4人ー。


「-----!」

リリアは、軽口の騎士団長・レビンの顔を浮かべるー。


”メイは、レビンに連れ去られて行方不明にー”


そうこう考えているうちに、地下牢の”一番奥”に

たどり着いたリリアは、表情を歪めたー。


「---姫様!」

そこにはー

”皮にされたルミナ姫”が、椅子の上に置かれていたー。


ルミナ姫を乗っ取っていたオークは、今はメイの中にいるー。

そのため、ルミナ姫は”脱皮した昆虫の抜け殻”のような

無残な状況だったー。


「---ぐふふふふふ…もう…逃がさん」

斧を持ったメイが、後から入って来るー


手をガクガクと震わせているメイー

メイの身体には、この斧は重すぎるー。


だが、なりふり構わず襲い掛かって来るメイー。

リリアは泣き叫びながら必死にそれを回避するー。


やがてー

メイの身体が限界を迎えて、冷や汗をかきながら

斧を落としたー。


「ぐぅ…人間…非力…!」

メイが怒りの形相で叫ぶー。

リリアは、怯えながらメイの方を見つめたー。


その時だったー。


「---!」

リリアは、目を見開いたー。


地下牢最深部の部屋にー

リリア、メイに続きーーー

見覚えのある人物が入って来たのだー


「--よぉ、リリアちゃん」

入って来たのは、軽口の騎士団長・レビンー


「レ…レビン…さま」

リリアが震えているとー、

レビンは、メイの方を見て笑ったー。


そしてー

突然メイの頭を掴むと、容赦なくメイの頭を引き裂くようにしてー

中のオークを引きずりだしたー。


「--メイ!」

リリアは”メイが殺される”と思ったー。


「--やめて…!やめて!!!!!!!!!」

リリアが大声で叫ぶと、

レビンは「おいおい」と笑うー。


「--オークを庇うのか?リリアちゃんー」

レビンは、メイの皮を引きはがして、中身のオークを

引きずり出し、オークを殺そうとしていたー。


「----…え」

リリアが泣きながらレビンの方を見ると、

「--あ、もしかして、リリアちゃん、俺が”黒幕”だと思ってる?」と

いつもの調子で軽口を叩いたー。


「--悪いけどさぁ、俺じゃないんだよなー

 黒幕ー」


レビンはそう言うと、「出て来いよ」と、笑みを浮かべたー。


リリアが驚いて振り返ると、

背後に、カメレオンのように姿を消していた人物が

姿を現したー。


そしてー

その人物も、リリアにとって見覚えのある人物だったー。


「---ゆ、、、ユリウス…さま?」

リリアが驚くー。


リリアが”一番信頼できる”と、”姫が皮にされたこと”を

相談し、協力を快諾してくれていた騎士団長ー

ユリウスが姿を現したのだー。


「-お前かー。」

レビンが苦笑いしながら言うと、ユリウスは真剣な表情で

レビンを見返したー。


「ーー私の邪魔をするつもりか?」

とー。


「--ど、どういうことですか!?」

リリアが叫ぶと、レビンが口を開いたー


「そいつが、”黒幕”だよー。

 オークに指示を出して、姫様を乗っ取らせた。

 

 でー、リリアちゃんが、姫様を助けようと

 しつこく嗅ぎまわっていたから、

 メイちゃんを乗っ取るようにオークに指示をして、

 リリアちゃんをここで殺そうとしたんだよ」


レビンが言うと、ユリウスは本性を現して、

ニヤッと笑ったー。


「-ー”姫様”は私のものだー」

騎士団長のユリウスは笑うー。


かねてから、ユリウスは、ルミナ姫に一方的に

好意を抱いていたー。

だが、ルミナ姫と結ばれることはかなわず、

ルミナ姫に求婚したところ、断られてしまったのだー。


失意のユリウスは、偶然、”人を皮にして乗っ取る能力”を持つ

オークを見つけたー。

魔物の中にも、この世界の力”エナジー”による能力を持つ魔物はいるー。

このオークは、偶然、

”人を乗っ取る力”を持っていたのだー。


下級のオークで、始末することは、造作もないことだったし、

野放しにしておいても、知能もロクにないため、大したことも出来ないー


だがー

ユリウスは”オークの力”を利用することを思いついたー。


オークと接触し”いい思いをさせてやる”と持ち掛け、

ユリウスは、オークにメイドのアリスを与えて、”皮”にさせたー。

そして、アリスの姿でルミナ姫に接触、

オークはルミナ姫を乗っ取ったのだー。


オークに乗っ取られたルミナ姫と毎晩のようにエッチなことを

楽しみー、オークはルミナ姫の身体で人間としての快感を味わったり、

ルミナ姫として贅沢な生活を送りー

騎士団長のユリウスは、ルミナ姫を手中に収めることに成功したー


レビンは、メイから事情聴取をしたあと、

”オーク以外にも誰かが関わっている”と察知、

メイを解放したあとから、調査を続けていたー。

部屋から返したあとに、メイがユリウスらに捕まってしまったのは

誤算だったがー

他に誰かを巻き込まないためにも、そのことは隠していたー。

他の人間からメイの行方を聞かれた際にも、はぐらかしていたのは

そのためだー。


「--私は、姫様を手に入れたんだ!」

ユリウスが普段の真面目そうな顔立ちを歪めて笑うー。


「--下らねぇ理由だな」

レビンが蔑むようにしてユリウスを見つめるー。


「--ほざけっ!」

ユリウスが剣を手に、レビンに向かうー。


ユリウスが、剣から炎を放つー


「先祖代々受け継ぐ、我が炎のエナジーを喰らうがよい!」

ユリウスが、自らの力を解放し、炎の剣を、レビンに向かって振るうー


だが、レビンが呆れた様子で笑ったー。


「--先祖様も、お前みたいな醜い子孫を見たらー

 悲しむだろうよー」


レビンは、そう言うと、突然、周囲にオーロラのようなものが

出現するー


「----!」

ユリウスが表情を歪めるー。


「--俺の能力さー」

騎士団長レビンの”エナジー”による能力

”バトル・オーロラ”


「--綺麗なオーロラだろ?」

レビンが言うと、

「貴様にオーロラなど…似合わんな」

と、ユリウスが歯ぎしりしながら答えるー。


リリアが唖然とする中ー

「--俺もそう思うよ」と、

レビンがユリウスをオーロラで包み込もうとするー。


ユリウスが炎の剣で反撃しようとしたが、

炎は弾かれ、ユリウスの身体は吹き飛ばされたー


「ぐがぁあああああああああ!」

レビンの背後から、姫を乗っ取っていたオークが飛び掛かって来るー。


「だめ!!」

メイドのリリアは、咄嗟にオークに突進したー。


そしてー

必死にオークを、華奢な手で叩くー。


「---く、、くくくく」

起き上がったユリウスが、ルミナ姫の皮を手にするー。


「--皮になった姫様を私が着ればー

 もしかしたら私が姫様になれるかもなぁ!」

追い詰められたユリウスが狂気の笑みを浮かべたー


”人を皮にする能力”を持たないユリウスが

皮を着ればどうなるか、ユリウスにも分からなかったが、

このままではやられるー、と思ったユリウスは

凶行に走ろうとしたー。


「やめろ!」

レビンが叫ぶー。


だがー、

オークを叩いていたリリアは、咄嗟に、

そんなことさせない!!!と、ユリウスに突進したー。


吹き飛ぶユリウスー


”ユリウスに着られるぐらいならー”と、

リリアは咄嗟にルミナ姫の皮を自分が身に着けるー


「---ーーー…あなたなんかに、姫様は、好きにはさせません!」

ルミナ姫の声でー

リリアは、必死にそう叫んだー。


”自分が姫を守るー”

その一心で、ユリウスに奪われそうだった姫の皮を

守るために、リリアが着たのだー


「--はは、やるなぁリリアちゃん」

レビンはそう言うと、追い詰められたユリウスを見つめたー。


「ーーーくそっ…!私は、私はただ、ルミナ姫を、この手にー」

ユリウスが悔しそうに叫ぶー。


レビンは憐みの目でユリウスを見つめたー。


「---どんなに表面上真面目でもー

 お前のそういう本性を、姫様は見抜いていたんだろうさー」

レビンが言うと、ユリウスは

レビンを睨みつけたー。


もう、ユリウスは何も語らないー


「--あの世で、ご先祖様に詫びて来るんだなー」

レビンはそう言うと、静かに目を閉じて、

ユリウスにとどめを刺したー。


「---ふぅ」

レビンが一息つくー。


地下牢最深部の部屋には、ルミナ姫の皮を着たリリアと、

皮にされたままのメイド・メイがいるー。


「---あ、、あの、レビン様ー」

ルミナ姫を着たリリアが言うとー

レビンは「ん?」と答えたー。


「--姫様とメイを、どうやって元に戻せばいいのでしょうか?」

不安そうなルミナ姫ー


「--そりゃあ、あいつにーー」


レビンはそう言いながらー

オークの方を見ると、

オークは、リリアに突進された際に、壁に頭を打ち付けて

既に死んでいたー


「--って、死んでんじゃねぇか!」

レビンが思わず叫ぶと、

「ご、、ごめんなさい!わたし、必死でー」と、

ルミナ姫の姿でリリアが叫ぶー。


「---突進でオークを殺すなんてー

 たいしたメイドさんだな」


レビンはそれだけ言うと、

「でも、姫様たちを元に戻す方法が

 こうなると分かんねぇな…」と、

戸惑いの表情を浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


後日ー


王宮の重鎮が謁見の間に集まり、

ルミナ姫が、騎士団長ユリウスの悪事と、

ユリウスの死を発表したー。


残る三人の騎士団長、

レビン、フォボス、アテナの三人も

その場に居合わせているー。


ルミナ姫が堂々とした様子で、

臣下たちにいつものように、話を終えると、

王宮会議は終わりー、解散となったー。


廊下を歩くルミナ姫ー


「--お疲れ様でした 姫様」

レビンが少しふざけた様子で言うー。


凛とした表情をしていたルミナ姫が

急に弱弱しい表情になって、

「レビンさま~!…わたしには、やっぱ無理です~…」と、

戸惑いながら言葉を口にしたー


「ははは、でも、リリアちゃん、姫様っぽく振舞えてるぜー。

 ずっと、姫様の御側にいたんだー。

 やっぱ、さすがだな」


レビンはそれだけ言うと、

「姫様たちを元に戻す方法、探してるから、

 それまでは、王国の混乱を防ぐために、姫様として、頼むぜ?」

と、笑いながら立ち去って行ったー


「そ、、、そんなぁ~~~~」

ルミナ姫の皮を着て、”元に戻す方法が分かるまで”という条件で、

メイドのリリアは、ルミナ姫として振舞うことに

なってしまったのだったー。



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


ファンタジー世界を舞台とした皮モノでした~!


しばらくは姫様の皮を着たメイドのリリアが、

頑張ることになりそうですネ~!


お読み下さり、ありがとうございました!

(Fanbox)


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