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超がつくほどの草食系男子・安藤誠太郎と、

明るく気配りの出来る優しい女子大生・藤崎涼香が

入れ替わってしまったー。


入れ替わってしまった二人は、元に戻る方法が分からないために、

ひとまず、入れ替わった状態のまま生活することになるー。


だが、涼香になってしまった誠太郎は、入れ替わった直後から、

ずっと目を閉じて、涼香の身体を見ないようにー、

そして触らないようにした状態で、謝り続けるほど、

異性に対する耐性は”0”だったー。


そんな、奥手すぎる誠太郎と、明るく優しい涼香の

入れ替わり生活の行方は…?


★前回はこちら★

fanbox post: creator/29593080/post/2424647

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


誠太郎(涼香)と、涼香(誠太郎)が

お互いの情報を交換するー。


「--そっか、安藤くんは実家暮らしなんだね」

誠太郎(涼香)が微笑みながら言うー。


普段、暗い表情を浮かべてばかりいる誠太郎が、

明るい表情を浮かべているー

と、いうだけで、ものすごく違和感がある光景ー。


「--ご、、ごめんなさい」

涼香(誠太郎)が言うー。


逆に、いつも明るく元気な涼香が、とても申し訳なさそうに

暗い表情を浮かべている光景もー、

普段の涼香を知る人間からすれば、違和感しかない光景だー。


「--えぇ!?別に謝ることじゃないでしょ?

 実家暮らしの子なんて、どこにでもいるから

 気にしなくていいし、何も悪いことじゃないよ」


誠太郎(涼香)が言うと、

涼香(誠太郎)は「そ、そうだよね…ごめん」と、

またもや謝罪の言葉を口にしたー


「~~~~~…」

誠太郎(涼香)はちょっと困ったような笑みを浮かべると、

「-じゃあ、安藤くんが、普段家の中でどんな風に

 生活しているか、ちょっとは聞いておかないとね」と、

言葉を続けたー


「あ、うん…」

涼香(誠太郎)は、顔を真っ赤にしながら、

恥ずかしそうに、自分の私生活を話していくー。


ゲームをしたり、漫画を読んだり、のんびりしたりー

特別なことはなかったのだがー

女子に話をする、というだけで恥ずかしくてたまらなかったー。


「--ほっ」

誠太郎(涼香)が少し安心した様子でため息をつくー。


「-家ですごいことしてたらどうしよう~って思ってたけど、

 こんな感じなら、何とかなりそう!」

そんな風に安堵の笑みを浮かべる誠太郎(涼香)-


涼香(誠太郎)は、恥ずかしそうに顔を真っ赤にしているー。


”顔が真っ赤な自分”を他人の身体で見ることに、

誠太郎(涼香)は違和感を感じながらも

「わたしは一人暮らしだから、帰宅さえしちゃえば、

 あとは、安藤くんの好きなようにしてて大丈夫だね」と、微笑んだー。


涼香は一人暮らしー。

今回のような件では、”救い”の一つと言えるかもしれないー。


家族がいると、”家族に違和感を抱かれないよう”に行動しないといけないしー

入れ替わりがバレたり、不審な感情を抱かれたりすれば、

あまりよろしくない展開になりかねないー。


だが、一人暮らしであれば、家に入りさえすれば、

あとは、なんとかなるのだー。


「--え…え…ぼ、、僕が……藤崎さんのい、、い、、家に…?」

涼香(誠太郎)は、もごもごしながらそう呟くー。


”わたしも、そんな喋り方…できるんだ”と

思いつつー、

「--だって、わたしの身体で安藤くんの家に帰るわけにはいかないでしょ?」と、

誠太郎(涼香)が言うと、涼香(誠太郎)は

「そ…そうだけど…」と、戸惑いながら首を振るー。


「--で、、で、、でも、、でも、、ぼ、、僕…」

涼香(誠太郎)の言葉に、

誠太郎(涼香)は「もちろん、変なコトはしないでほしいけど、

安藤くんなら、大丈夫だよね?」と、誠太郎(涼香)が言うー


涼香(誠太郎)は「う、、う、、うん…うん…」と

顔を真っ赤にしながら返事をするとー

誠太郎(涼香)と涼香(誠太郎)は、お互いがお互いとして

生活できるように、さらに情報交換をしてからー、

明日、再び二人で会う約束をしてー

お互いの家に向かったー。


明日からちょうど土曜日・日曜日で連休ー。

その間に、なんとか元に戻る方法を見つけたいー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「--ただいま~!」

誠太郎(涼香)が誠太郎の家に帰宅すると、

母親が「あれ?」と、誠太郎(涼香)の方を見てほほ笑んだー


「誠太郎、今日は妙に元気ね~

 何かいいことあったの?」

母親の言葉、誠太郎(涼香)は「えっ!?」と思わず戸惑ってしまうー


涼香からすれば”明るく過ぎず、暗すぎず、普通に”挨拶

したつもりでしかなかったからだー。


「--全身から喜びが溢れ出てるけど、何かあったんじゃないの?」

母親の言葉に、誠太郎(涼香)は

「そんなことないよ!」と、適当に誤魔化して、部屋の方に駆け込んだー。


「---はぁ~~~」

部屋の扉を閉めると誠太郎(涼香)はため息をつくー。


”普通にただいま”と言っただけで、

”何かいいことがあったんじゃないの?”と言われてしまうぐらいに、

誠太郎はいつも暗いのだろうかー。


そんな風に思いながら、誠太郎(涼香)は、スマホを取り出したー。


”自分のスマホ”をー。


最初、どうするか迷ったものの、二人で相談した末に

”自分のスマホ”を持ち帰ることにしたー。


つまりは、”中身”のスマホだー。


誠太郎になった涼香は”涼香のスマホ”を、

涼香になった誠太郎は”誠太郎のスマホ”を互いに持っている状態ー。


周囲に見られれば、”あれ?なんで違うスマホ持ってるの?”と

なってしまうが、本来の自分のスマホを持っていれば

少なくとも、電話以外のことは、いつも通り出来るー。

相手に声も姿も見せる必要がないからだー。


また、プライベートを守る意味でも、スマホはお互いの中身のものを

持っておいたほうがいい、という判断だったー。


”とりあえず帰宅したよ!安藤くんもそろそろわたしの家についたかな?”

誠太郎(涼香)はそんな風にメッセージを送ると

「まずは着替えないと」と、誠太郎の部屋で服を探してー

”男の人の身体で着替えるなんて、なんだか新鮮な気分だなぁ…”と

思いながら着替えていくー。


「--う~ん、わたしの身体より、楽?」

下着はパンツだけだし、自分の身体での着替えよりも

楽な気がするー。


と、いうより楽だー。


そんな風に思いながら、誠太郎(涼香)は

私服に着替え終わるー。

胸のあたりを触りながら、「なんか違和感…」と呟く

誠太郎(涼香)-。


自分の身体にあった膨らみがなくなったことでー

身体の一部分が失われたような、そんな不思議な感覚になるー。


涼香からすれば”ここに何もない”という状況はー

小さいころ以来の感覚ー。

とても、言葉には言い表せない、不思議な感覚だったー


「--スースーして落ち着かないけど…

 安藤くんの身体でつけるわけにはいかないし…我慢我慢」


下着をつけずに生活するー

それも、涼香にとっては違和感だったー。


いつも、胸のあたりには下着の感触があるのが、

涼香からすれば当たり前ー。


けれどー

誠太郎の身体になった今は、それがないー。


「--普段からつけてない子なら、あんま違和感ないかもだけど…」

そんな風に思いながらも、誠太郎(涼香)は、

「とにかく!まずは慣れる慣れる!」と

自分に言い聞かせるように呟いてからー

「せっかくだから…」と、誠太郎の部屋にある漫画で

”何か面白そうなものないかな…”と、

部屋の中を物色し始めたー。


”1日が終われば、元に戻るかもしれない”と、

思いながらー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「---」

涼香(誠太郎)は、涼香の暮らすアパートの

部屋の前に立ったまま、何度も何度も深呼吸を

繰り返していたー


「僕なんかが藤崎さんの家に…」

「僕なんかが女の子の部屋に…」


目を瞑って何度も何度もため息をついてはー

鍵を開けようとして、

再び首を振るー


「ごめんなさい

 ごめんなさい

 ごめんなさい」


涼香(誠太郎)はー

”女子の部屋”に入ることすらできなかったー


いやー

それだけではないー

ここで涼香の身体で、涼香の部屋に入れば

犯罪者になってしまうー、と、

そんなような考えまで抱いてしまっていたー。


「--…あぁぁぁぁ……」

鍵を持つ、綺麗な手を見つめるだけで、

手を直視できなくなってしまって、顔を赤らめるー。


今は自分の手なのに、

その手を直視することも出来ないー。


誠太郎の異性に対する耐性のなさはー

まさに”究極”と言えるほどのものだったー。


家族に姉や妹がいれば、少しは違ったのかもしれないー。

だが、家族は両親と、既に家を出て一人暮らしをしている兄だけー。

その兄も”女なんて嫌いだ”というタイプで

彼女は一度もいたことが無く、

異性を嫌悪するタイプだったから、なおさら、

誠太郎は異性に対する苦手意識を強めてしまったー。


「---あら?藤崎さん、どうしたの?」

アパートの他の住人が、偶然通りかかって、

部屋の前に立ち尽くしている涼香(誠太郎)を見つめて

不思議そうな表情を浮かべたー。


「--ひぁっ!?ご、ご、ごめんなさい!」

涼香(誠太郎)が叫ぶー


突然謝り出した涼香(誠太郎)に、アパートの住人は

さらに不思議そうな表情を浮かべるー


「ど、どうしたの?急に謝ったりしてー?」

OLの女性が不思議そうに言うー。


涼香(誠太郎)は顔を赤らめながら目を逸らすー。

女性がニガテな誠太郎からすれば、

”女性との会話”自体が、非常に難易度の高い出来事なのだー。


ゲームに例えるのであればハード…

いや、ベリーハード。


「---……あ、、、ぅ…う…うぁ!」

もはやコミュニケーションになっていない涼香(誠太郎)を見て

同じアパートに住むOLは、心配そうに

「あ…鍵を忘れて入れないの?それなら大家さんにー」

と、呟くー。


母親か、お店の人との業務的な会話ー

それぐらいしか異性と会話する機会は、誠太郎にはないー。


こんな風に、いきなりフレンドリーに声を

掛けられてもー

誠太郎にはー


「-うあああ…ごめんなさい!」

涼香(誠太郎)は半分パニックになりながら、

慌ててアパートの部屋の中に飛び込んだー。


OLに声を掛けられたことで、

結果的に、涼香の部屋の中に足を踏み入れることに

成功した誠太郎ー。


一人残されたOLは不思議そうに「どうしたのかしら…?」と

首を傾げたー。



部屋の中に飛び込んだ涼香(誠太郎)は

部屋の中に漂うほのかな香りに、既にドキッとしてしまったー。


単なる芳香剤の匂いなのだが、

それを女の子の部屋の匂いと思ってしまった

涼香(誠太郎)は目を瞑りながら、鼻をつまみー

涼香の部屋を見ないようにー

女の子の匂いを嗅がないようにー

と、そのまま部屋の中央に向かって歩き始めたー。


だがー

そんな状態で歩けば当然ー。


躓いて転倒してしまう涼香(誠太郎)-


「いたたたたたたた…」

そう呟きながらも、鼻をつまんだままの涼香(誠太郎)-


やがて、呼吸が苦しくなってきて

真っ青になった涼香(誠太郎)は、

ようやくギブアップして、荒い息をしながら、

部屋の中で呼吸をし始めたー


部屋を見つめる涼香(誠太郎)-


涼香のイメージ通りー

綺麗にまとめられていて、その上、程よいかわいらしさも漂っているー。


お姫様みたいな部屋ではないが、

随所随所に”女子”を感じさせるようなー

そんな、部屋の中身ー。


「---……」

涼香(誠太郎)は、表情を歪めながら

部屋の端っこで体育座りをするとー

トイレに行くことも我慢しながら、

そのまま一切何もせず、自分のスマホを見つめたー。


友人の恭司からの連絡ー

少しでも気を紛わせようと、恭司とLINEのやり取りを続けるー。


綺麗な指で、スマホの画面をタッチしているー


それだけでー

”女の子に無理やり僕みたいなキモイ奴のスマホを触らせている”という

罪悪感が湧き出て来るー


「ごめんなさいごめんなさい」と、何度も謝罪の言葉を口にしながら

恭司とのやり取りを終わらせた涼香(誠太郎)は、

そろそろ限界だったー。


そうー

もう、トイレが限界だったのだー。



③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


色々大変そうな入れ替わり…!

特に、涼香になった誠太郎側が、大変そうですネ~!


以前書いた入れ替わり「ネガティブ⇔ポジティブ」という作品でも

ネガティブ系男子との入れ替わりをやったことがありますが

それとはまた違う感じで描けるように頑張ります~!★


今日もありがとうございました~!!

(Fanbox)


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