<入れ替わり>わたしの身体でそんなに謝らないで②~帰宅~ (Pixiv Fanbox)
Content
超がつくほどの草食系男子・安藤誠太郎と、
明るく気配りの出来る優しい女子大生・藤崎涼香が
入れ替わってしまったー。
入れ替わってしまった二人は、元に戻る方法が分からないために、
ひとまず、入れ替わった状態のまま生活することになるー。
だが、涼香になってしまった誠太郎は、入れ替わった直後から、
ずっと目を閉じて、涼香の身体を見ないようにー、
そして触らないようにした状態で、謝り続けるほど、
異性に対する耐性は”0”だったー。
そんな、奥手すぎる誠太郎と、明るく優しい涼香の
入れ替わり生活の行方は…?
★前回はこちら★
fanbox post: creator/29593080/post/2424647
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誠太郎(涼香)と、涼香(誠太郎)が
お互いの情報を交換するー。
「--そっか、安藤くんは実家暮らしなんだね」
誠太郎(涼香)が微笑みながら言うー。
普段、暗い表情を浮かべてばかりいる誠太郎が、
明るい表情を浮かべているー
と、いうだけで、ものすごく違和感がある光景ー。
「--ご、、ごめんなさい」
涼香(誠太郎)が言うー。
逆に、いつも明るく元気な涼香が、とても申し訳なさそうに
暗い表情を浮かべている光景もー、
普段の涼香を知る人間からすれば、違和感しかない光景だー。
「--えぇ!?別に謝ることじゃないでしょ?
実家暮らしの子なんて、どこにでもいるから
気にしなくていいし、何も悪いことじゃないよ」
誠太郎(涼香)が言うと、
涼香(誠太郎)は「そ、そうだよね…ごめん」と、
またもや謝罪の言葉を口にしたー
「~~~~~…」
誠太郎(涼香)はちょっと困ったような笑みを浮かべると、
「-じゃあ、安藤くんが、普段家の中でどんな風に
生活しているか、ちょっとは聞いておかないとね」と、
言葉を続けたー
「あ、うん…」
涼香(誠太郎)は、顔を真っ赤にしながら、
恥ずかしそうに、自分の私生活を話していくー。
ゲームをしたり、漫画を読んだり、のんびりしたりー
特別なことはなかったのだがー
女子に話をする、というだけで恥ずかしくてたまらなかったー。
「--ほっ」
誠太郎(涼香)が少し安心した様子でため息をつくー。
「-家ですごいことしてたらどうしよう~って思ってたけど、
こんな感じなら、何とかなりそう!」
そんな風に安堵の笑みを浮かべる誠太郎(涼香)-
涼香(誠太郎)は、恥ずかしそうに顔を真っ赤にしているー。
”顔が真っ赤な自分”を他人の身体で見ることに、
誠太郎(涼香)は違和感を感じながらも
「わたしは一人暮らしだから、帰宅さえしちゃえば、
あとは、安藤くんの好きなようにしてて大丈夫だね」と、微笑んだー。
涼香は一人暮らしー。
今回のような件では、”救い”の一つと言えるかもしれないー。
家族がいると、”家族に違和感を抱かれないよう”に行動しないといけないしー
入れ替わりがバレたり、不審な感情を抱かれたりすれば、
あまりよろしくない展開になりかねないー。
だが、一人暮らしであれば、家に入りさえすれば、
あとは、なんとかなるのだー。
「--え…え…ぼ、、僕が……藤崎さんのい、、い、、家に…?」
涼香(誠太郎)は、もごもごしながらそう呟くー。
”わたしも、そんな喋り方…できるんだ”と
思いつつー、
「--だって、わたしの身体で安藤くんの家に帰るわけにはいかないでしょ?」と、
誠太郎(涼香)が言うと、涼香(誠太郎)は
「そ…そうだけど…」と、戸惑いながら首を振るー。
「--で、、で、、でも、、でも、、ぼ、、僕…」
涼香(誠太郎)の言葉に、
誠太郎(涼香)は「もちろん、変なコトはしないでほしいけど、
安藤くんなら、大丈夫だよね?」と、誠太郎(涼香)が言うー
涼香(誠太郎)は「う、、う、、うん…うん…」と
顔を真っ赤にしながら返事をするとー
誠太郎(涼香)と涼香(誠太郎)は、お互いがお互いとして
生活できるように、さらに情報交換をしてからー、
明日、再び二人で会う約束をしてー
お互いの家に向かったー。
明日からちょうど土曜日・日曜日で連休ー。
その間に、なんとか元に戻る方法を見つけたいー。
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「--ただいま~!」
誠太郎(涼香)が誠太郎の家に帰宅すると、
母親が「あれ?」と、誠太郎(涼香)の方を見てほほ笑んだー
「誠太郎、今日は妙に元気ね~
何かいいことあったの?」
母親の言葉、誠太郎(涼香)は「えっ!?」と思わず戸惑ってしまうー
涼香からすれば”明るく過ぎず、暗すぎず、普通に”挨拶
したつもりでしかなかったからだー。
「--全身から喜びが溢れ出てるけど、何かあったんじゃないの?」
母親の言葉に、誠太郎(涼香)は
「そんなことないよ!」と、適当に誤魔化して、部屋の方に駆け込んだー。
「---はぁ~~~」
部屋の扉を閉めると誠太郎(涼香)はため息をつくー。
”普通にただいま”と言っただけで、
”何かいいことがあったんじゃないの?”と言われてしまうぐらいに、
誠太郎はいつも暗いのだろうかー。
そんな風に思いながら、誠太郎(涼香)は、スマホを取り出したー。
”自分のスマホ”をー。
最初、どうするか迷ったものの、二人で相談した末に
”自分のスマホ”を持ち帰ることにしたー。
つまりは、”中身”のスマホだー。
誠太郎になった涼香は”涼香のスマホ”を、
涼香になった誠太郎は”誠太郎のスマホ”を互いに持っている状態ー。
周囲に見られれば、”あれ?なんで違うスマホ持ってるの?”と
なってしまうが、本来の自分のスマホを持っていれば
少なくとも、電話以外のことは、いつも通り出来るー。
相手に声も姿も見せる必要がないからだー。
また、プライベートを守る意味でも、スマホはお互いの中身のものを
持っておいたほうがいい、という判断だったー。
”とりあえず帰宅したよ!安藤くんもそろそろわたしの家についたかな?”
誠太郎(涼香)はそんな風にメッセージを送ると
「まずは着替えないと」と、誠太郎の部屋で服を探してー
”男の人の身体で着替えるなんて、なんだか新鮮な気分だなぁ…”と
思いながら着替えていくー。
「--う~ん、わたしの身体より、楽?」
下着はパンツだけだし、自分の身体での着替えよりも
楽な気がするー。
と、いうより楽だー。
そんな風に思いながら、誠太郎(涼香)は
私服に着替え終わるー。
胸のあたりを触りながら、「なんか違和感…」と呟く
誠太郎(涼香)-。
自分の身体にあった膨らみがなくなったことでー
身体の一部分が失われたような、そんな不思議な感覚になるー。
涼香からすれば”ここに何もない”という状況はー
小さいころ以来の感覚ー。
とても、言葉には言い表せない、不思議な感覚だったー
「--スースーして落ち着かないけど…
安藤くんの身体でつけるわけにはいかないし…我慢我慢」
下着をつけずに生活するー
それも、涼香にとっては違和感だったー。
いつも、胸のあたりには下着の感触があるのが、
涼香からすれば当たり前ー。
けれどー
誠太郎の身体になった今は、それがないー。
「--普段からつけてない子なら、あんま違和感ないかもだけど…」
そんな風に思いながらも、誠太郎(涼香)は、
「とにかく!まずは慣れる慣れる!」と
自分に言い聞かせるように呟いてからー
「せっかくだから…」と、誠太郎の部屋にある漫画で
”何か面白そうなものないかな…”と、
部屋の中を物色し始めたー。
”1日が終われば、元に戻るかもしれない”と、
思いながらー。
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「---」
涼香(誠太郎)は、涼香の暮らすアパートの
部屋の前に立ったまま、何度も何度も深呼吸を
繰り返していたー
「僕なんかが藤崎さんの家に…」
「僕なんかが女の子の部屋に…」
目を瞑って何度も何度もため息をついてはー
鍵を開けようとして、
再び首を振るー
「ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい」
涼香(誠太郎)はー
”女子の部屋”に入ることすらできなかったー
いやー
それだけではないー
ここで涼香の身体で、涼香の部屋に入れば
犯罪者になってしまうー、と、
そんなような考えまで抱いてしまっていたー。
「--…あぁぁぁぁ……」
鍵を持つ、綺麗な手を見つめるだけで、
手を直視できなくなってしまって、顔を赤らめるー。
今は自分の手なのに、
その手を直視することも出来ないー。
誠太郎の異性に対する耐性のなさはー
まさに”究極”と言えるほどのものだったー。
家族に姉や妹がいれば、少しは違ったのかもしれないー。
だが、家族は両親と、既に家を出て一人暮らしをしている兄だけー。
その兄も”女なんて嫌いだ”というタイプで
彼女は一度もいたことが無く、
異性を嫌悪するタイプだったから、なおさら、
誠太郎は異性に対する苦手意識を強めてしまったー。
「---あら?藤崎さん、どうしたの?」
アパートの他の住人が、偶然通りかかって、
部屋の前に立ち尽くしている涼香(誠太郎)を見つめて
不思議そうな表情を浮かべたー。
「--ひぁっ!?ご、ご、ごめんなさい!」
涼香(誠太郎)が叫ぶー
突然謝り出した涼香(誠太郎)に、アパートの住人は
さらに不思議そうな表情を浮かべるー
「ど、どうしたの?急に謝ったりしてー?」
OLの女性が不思議そうに言うー。
涼香(誠太郎)は顔を赤らめながら目を逸らすー。
女性がニガテな誠太郎からすれば、
”女性との会話”自体が、非常に難易度の高い出来事なのだー。
ゲームに例えるのであればハード…
いや、ベリーハード。
「---……あ、、、ぅ…う…うぁ!」
もはやコミュニケーションになっていない涼香(誠太郎)を見て
同じアパートに住むOLは、心配そうに
「あ…鍵を忘れて入れないの?それなら大家さんにー」
と、呟くー。
母親か、お店の人との業務的な会話ー
それぐらいしか異性と会話する機会は、誠太郎にはないー。
こんな風に、いきなりフレンドリーに声を
掛けられてもー
誠太郎にはー
「-うあああ…ごめんなさい!」
涼香(誠太郎)は半分パニックになりながら、
慌ててアパートの部屋の中に飛び込んだー。
OLに声を掛けられたことで、
結果的に、涼香の部屋の中に足を踏み入れることに
成功した誠太郎ー。
一人残されたOLは不思議そうに「どうしたのかしら…?」と
首を傾げたー。
部屋の中に飛び込んだ涼香(誠太郎)は
部屋の中に漂うほのかな香りに、既にドキッとしてしまったー。
単なる芳香剤の匂いなのだが、
それを女の子の部屋の匂いと思ってしまった
涼香(誠太郎)は目を瞑りながら、鼻をつまみー
涼香の部屋を見ないようにー
女の子の匂いを嗅がないようにー
と、そのまま部屋の中央に向かって歩き始めたー。
だがー
そんな状態で歩けば当然ー。
躓いて転倒してしまう涼香(誠太郎)-
「いたたたたたたた…」
そう呟きながらも、鼻をつまんだままの涼香(誠太郎)-
やがて、呼吸が苦しくなってきて
真っ青になった涼香(誠太郎)は、
ようやくギブアップして、荒い息をしながら、
部屋の中で呼吸をし始めたー
部屋を見つめる涼香(誠太郎)-
涼香のイメージ通りー
綺麗にまとめられていて、その上、程よいかわいらしさも漂っているー。
お姫様みたいな部屋ではないが、
随所随所に”女子”を感じさせるようなー
そんな、部屋の中身ー。
「---……」
涼香(誠太郎)は、表情を歪めながら
部屋の端っこで体育座りをするとー
トイレに行くことも我慢しながら、
そのまま一切何もせず、自分のスマホを見つめたー。
友人の恭司からの連絡ー
少しでも気を紛わせようと、恭司とLINEのやり取りを続けるー。
綺麗な指で、スマホの画面をタッチしているー
それだけでー
”女の子に無理やり僕みたいなキモイ奴のスマホを触らせている”という
罪悪感が湧き出て来るー
「ごめんなさいごめんなさい」と、何度も謝罪の言葉を口にしながら
恭司とのやり取りを終わらせた涼香(誠太郎)は、
そろそろ限界だったー。
そうー
もう、トイレが限界だったのだー。
③へ続く
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コメント
色々大変そうな入れ替わり…!
特に、涼香になった誠太郎側が、大変そうですネ~!
以前書いた入れ替わり「ネガティブ⇔ポジティブ」という作品でも
ネガティブ系男子との入れ替わりをやったことがありますが
それとはまた違う感じで描けるように頑張ります~!★
今日もありがとうございました~!!