Home Artists Posts Import Register
The Offical Matrix Groupchat is online! >>CLICK HERE<<

Content

大学生の麻帆は、

一人暮らしを始めて、なかなか新しい地に馴染めずにいたところ、

大学で声を掛けてくれた一人の女子と仲良くなったー。


その相手が、立花 千鶴だったー。


やがて、千鶴と同居を始めて、二人で共同生活をしながら、

大学生活を満喫していた麻帆ー。


見慣れぬ地で、一人暮らしを始めー

高校時代のバイト先の後輩からストーカーされた経験から、

大学でも、なかなか親しい友達が出来ずに

辛い思いをしていた麻帆が、

平穏な大学生活を今、送ることが出来ているのは、

千鶴の存在があったからこそ、だった。


しかしー。


「ーーすごいだろ?僕、女の子になったんだ…!

名前も変えて、今じゃ麻帆ちゃんの親友だー」


数日前ー

成人して初めての機会ー、ということで

お酒を飲んで酔いつぶれてしまった千鶴が言った言葉が

どうしても、麻帆の頭の中から離れなかったー。


「-ちづる?えへへへ…僕は鷹雄だよぉ♡」


下園鷹雄ー。

忘れもしない、高校時代のバイト先で

ストーカー化した後輩の男だー。


「-ねぇ、麻帆ちゃん、だいじょうぶ?」

顔を妙に近づけて来る千鶴ー。


千鶴は、距離感がやたらと近いー。

そのことを今までは何とも思わなかったのだがー、

”僕は鷹雄だよぉ”という言葉を聞いてから、

恐怖を感じるようになってしまったー。


「---あ、、、ううん、なんでもない…」

麻帆は、引きつった笑みを浮かべながら、そう返事をしたー。


「---も~~!麻帆ちゃんってば~!

 ほら、笑って笑って!」

千鶴はそう言いながら、麻帆を突然くすぐり出すー。


こういうことも、よくある光景だー。

だが、千鶴と下園鷹雄の存在が、だぶって見えてしまうー。


「麻帆ちゃんは元気が一番だよ~!

 ほら、元気出して元気だして!」

千鶴はそう言いながらふざけて麻帆の胸を揉み始めたー


これも、別に特別なことじゃないし、

麻帆も”今までは”何とも思わなかったー


「--やめて!」

麻帆は思わず、千鶴を振り払ったー。


下園鷹雄に胸を揉まれているような気がしてしまってー

身体が拒絶してしまったー


「--え…そ、そんな顔しないでよ」

千鶴が表情を歪めるー。


「-わたしは、、ほら、、麻帆ちゃんといられれば

 幸せなんだから…♡」

千鶴が顔を赤らめながら呟いたー。


”今まで”は、

何とも思わなかったー


今まではーー。


千鶴のこの積極的な性格が、麻帆にとっては

何よりも支えだったし、

千鶴も居心地が良かったー


けどー

先日の酔った日の言葉ー


”僕は鷹雄”

”女の子になってよかった”


という言葉が本当なのだとすればー

目の前にいる”立花千鶴”という名の親友は

”下園鷹雄”が女体化した姿ということになるー


つまりは、姿は違っても、

立花千鶴=下園鷹雄ということになるのだー。


「---ご、、ごめん」

麻帆が目を逸らすー。


「---何か悩んでるなら、教えて。

 わたし、麻帆ちゃんのためだったら、なんだってする」

千鶴が言うー。


千鶴は、”本当に酔っていた”

まだ成人したばかりで”初めてのお酒”だったために、

少量しか飲んでいないつもりだったが

自分の予想以上に酔ってしまい、

酔った自分がまさか、”自分が女体化した下園鷹雄”だと、

自ら自白してしまったなどと、夢にも思っていないー。


「---…いいの、ごめんね」

麻帆は、千鶴にそう言うと、ベッドの方に向かったー。


麻帆は、言い出せなかったー

千鶴には、”高校時代にストーカー被害に遭ったこと”も話してあるー

だから、その話を覚えていて、

酔った弾みで冗談を口にしただけの可能性は、

当然、十分にあるー


けれどー

もしもー

もしも、本当に千鶴が鷹雄なのだとしたらー。


この”幸せな生活が壊れてしまう”かもしれないことー


そしてー

”自分が何をされるか分からない恐怖”から、

麻帆は言い出せなかったのだー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


夜ー


麻帆が寝静まると、千鶴は麻帆の側にやってきて、

麻帆の寝顔をじーっと見つめたー


「ふふふふ…可愛い…」

千鶴がペロリと舌を舐めるー。


「----」

じーーっと、麻帆を凝視して、はぁはぁと息をする千鶴ー。


千鶴はスマホを手に、麻帆の寝顔を撮影し始めたー


”こんなに近くに、こんな風に一緒にいられるなんてー

 僕、最高だよー”


治験に参加してよかったー。

まさか、こんな”副作用”が起きて、女になることが出来るなんてー


「--おかげで”僕”は、いつも麻帆ちゃんと一緒だー」

千鶴はそう呟くと、麻帆にキスをしようと、顔を近づけたがー

麻帆を起こしてしまうと考えて、

そのまま麻帆の側から離れたー。


千鶴が立ち去っていくと、麻帆は少しだけ身体を動かしたー


「------」

麻帆は、”寝たふり”をしていたー。


(今のは…)

麻帆は、今の千鶴の言葉に、改めて恐怖したー。


千鶴=鷹雄である可能性がさらに上がってしまったー。


麻帆はその日から

”女体化”

”性転換”

”男が女になる”

そのような現象をこっそりと調べ始めたー。


もしもー

”気にしすぎ”ならそれでいいー


あの時のストーカーが女になって、自分と同居を始める、なんて

現実的にはあり得ないー。

下園鷹雄が、立花千鶴であるはずなど、ないー。


千鶴のことは大好きだし、

これからも、千鶴と一緒にいたいー。


けれど、一方で、

もしも、「千鶴」=「鷹雄」なのであれば、

話は別だー。


千鶴が鷹雄なのであれば、

”今”は良くても、将来的に自分が酷い目に遭う可能性は

十分にあるー。

あの時のストーカーが女体化して”立花千鶴”を名乗っているのならー

今度、”何かのきっかけ”で千鶴が豹変する可能性も非常に高いー。


だからー

はっきりさせたかったー。


”本人には聞けない”

そう思いながら

”男が女になることなんてあるのかどうか”

という点を必死に調べていく麻帆ー。


「---はぁ…」

麻帆は、ため息をつくー。

今日も大学から早めに帰宅し、自宅のパソコンで、

”女体化”について調べるー。


千鶴は完全に”女子大生”だー。


下園鷹雄のような人間が、今の立花千鶴のような姿に

なることなど、あり得るのだろうかー。


”千鶴が、正真正銘、千鶴であるという確証が欲しかった”


”千鶴が、鷹雄ではないという確証が欲しかった”


「---…」

麻帆は疲れて、いったんトイレの方に向かうー。


トイレに入ってしばらくすると、

玄関の扉が開く音がしたー。


”あ、千鶴…帰って来たのかな”

そんな風に思いながら、トイレを済ませて、

部屋に戻った麻帆は、表情を歪めたー。


”女体化”について調べていたパソコンの画面を

うっかりそのままにしてしまっていたのだー


それを、千鶴が見つめているー。


「-----ち、千鶴…おかえりなさい」

麻帆が千鶴の様子を伺いながら、そう呟くと、

千鶴は「ただいま!麻帆ちゃん!」と、いつものような笑みを浮かべたー


そして、千鶴はパソコンの画面の方を見つめるー


「--”女体化”なんて調べて、どうしたの?急に」

微笑む千鶴ー。


その笑顔がー

なんだか、とっても怖く感じたー。


「---…え、、あ、、、ううん…

 ちょっと大学の研究でー」

麻帆が言うと、千鶴は「嘘はよくないよ」と、微笑みながら言ったー


「--麻帆ちゃん、

 わたしたち”親友”だよね?

 隠さずに言ってごらん?


 なんで、”女体化”なんて調べてたの?」


千鶴の言葉に、

麻帆は震えながら答えたー。


「----ち、、ち、、千鶴がー」

麻帆は、先日、大学の集まりで飲んだ際に、

想像以上に千鶴が酔ってしまいー

家まで運んで来た時に、千鶴が


”僕は鷹雄だ”と言っていたことー

”女の子になってよかった”と言っていたことを明かしたー


その上で、

「わたし、本当にあの時のことがトラウマなのー

 だから、ただの寝言だと思っていても、

 どうしても気になっちゃってー

 それで、最近ずっと悩んでてー」と、

言葉を口にしたー。


「-------」

千鶴は、パソコンの画面の方をじーっと見つめているー


指でトントンと机を何度も何度も叩いて、

少しいら立っているように見えるー


だが、深呼吸をすると、千鶴は麻帆の方を見つめたー。


「--麻帆ちゃん、わたしはわたしだよー

 酔ったときなんて、何を言うか分からないんだしー。

 わたしが、その下園鷹雄って人なわけないでしょ?」

千鶴が笑いながら言うー。


「そ、そ、そ、そうだよね!うん、、うん!ごめんね」

麻帆は青ざめながらも、そう答えたー


「-そう!わたしは千鶴だよ!鷹雄って人じゃない!

 たぶん、酔っぱらったわたしが悪ノリして

 そう言っただけ!


 本当に、、、本当にごめんね」


千鶴はそれだけ言うと、

無意識なのだろうかー。

髪を何度も何度もいじりはじめたー。


「---!」

麻帆は思うー


下園鷹雄の癖ー

忘れもしないー

下園鷹雄が、バイトで何かをミスしたときにー

よくやっていた癖ー。


「ーーあ、、ちょっと、、、、手を洗ってくる」

千鶴はそれだけ言うと、洗面台の方に足早に立ち去って行ったー。


「--ち、千鶴…」

麻帆は、震えていたー


千鶴本人から

”わたしは鷹雄じゃない”

”わたしは千鶴だよ”


と、言われたのにも関わらずー

余計に不安が増してしまったー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


数日後ー


”女体化”について調べているパソコンを

見られてから、千鶴の様子がおかしいー


麻帆にさらに接近してくるようになり、

麻帆を束縛するような発言も目立ち始めたー。


”わたしは千鶴だよ”と言いつつも、

行動が”おかしくなってきている”


麻帆は、そう感じざるを得なかったー


そしてーー


麻帆はついに、そのことを指摘したー


「最近の、千鶴、変だよ!」

とー。


千鶴に対する恐怖心に、耐えられなくなってしまったのだー。


「-----」

千鶴は、黙り込んでいるー。


「--千鶴、一回、別々に暮らそう?」

麻帆が言うと、

千鶴が表情を歪めたー


その顔を見て、麻帆は咄嗟に付け加えるー。


「---…ご、ごめんね…

 べ、別に、千鶴のことが嫌いになったとかじゃなくて、

 千鶴は、わたしの親友だけどー」


そこまで言ってから、深呼吸して、さらに付け加えたー。


「最近は、お互いになんだか、変になっちゃってるし、

 千鶴のためにも、わたしのためにも、

 一回別々に暮らして、頭を冷やしたほうがいいと思うのー。


 親友だからー

 親友だからこそ、お互い、気持ちよく過ごせることがだいーーー


「--どうしてだ?」

千鶴が呟いたー


「え…?」

麻帆は言葉を止めて、千鶴を見るー


「--どうして、麻帆ちゃんはーー

 どうして、麻帆ちゃんは僕を拒むんだ!」


千鶴が大声で叫んだー


「え…ちづ、、、千鶴…?」

麻帆は青ざめるー。

それと同時に、過去のトラウマがよみがえるー


「--あぁ、そうだよ、僕は下園鷹雄だよー

 この姿は、治験の副作用で女になった姿さー


 いいじゃないか。

 いいじゃないかよ。

 今は、わたしたち女同士なんだからさー


 何が不満なんだ?

 毎日僕は、麻帆ちゃんのために尽くしたー


 毎日毎日わたしたち、楽しかったじゃん!

 僕の何が不満なんだよ!」


千鶴が、千鶴としての口調と、

鷹雄としての口調が入り乱れた口調で叫ぶー。


「--僕は花園から立ち上がった一輪の花だー。

 僕は、鷹から鶴になって、麻帆ちゃんを迎えに来たんだー!」


千鶴が笑いながら叫ぶー。


下園鷹雄から、立花千鶴へー。

その名前にも、麻帆への愛を込めたのだと、千鶴は狂ったように叫ぶー


「--同棲解消なんて、わたし、絶対に許さないー」

千鶴は、麻帆を睨みつけたー


その瞳には、狂気が宿っている。


麻帆は、あまりの恐怖に震えながら、千鶴のことを見つめることしか

できなかったー。


③へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


ついに本性を現した元ストーカー…!

続きはまた次回デス!


今日もお読み下さり、ありがとうございました!!

Files

Comments

No comments found for this post.