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大学卒業を機に、同居生活を始めたとあるカップルー。


真下 久義(ました ひさよし)と、

滝渕 佳菜恵(たきぶち かなえ)は、

”お互いの仕事が安定したら結婚しよう”と約束しているほどの

間柄だったー。


新社会人としての生活にも慣れてきて、

同居を始めてから半年が経過した今でもー

2人の絆は変わることなく、ますます、深まっていったー。


だがー

ある日ー


彼氏の久義は、”ある力”を手に入れてしまったー。


それがー

”他人を洗脳する力”だったー。


久義が、会社で生意気な上司の方を見つめながら

”自分の頭を叩け”と強く念じたところー

自分の頭をその上司は、叩いたのだと言うー。


そんな久義の話を聞いた佳菜恵は、思わず笑ってしまったー


「それって、偶然、その上司の人が、

 自分の頭をポンッて、やっただけでしょ?」

とー。


佳菜恵の反応はーー

ごく自然な反応だったー。

”人を操る力”なんて、信じてもらえるわけがないー。


だが、久義はすぐに

「俺だって信じられないけど、本当なんだ」と、

戸惑った表情を浮かべたー。


「---たとえば……」

久義が、そう言うと、

佳菜恵の方を見つめながらー

”胸を揉め”と、強く念じて見せたー。


「---も~~久義ってば~

 最近、疲れてるんじゃないの?」

そう言いながら、佳菜恵は、両手で自分の胸を揉んでいるー。


「--佳菜恵!ほら!」

久義が叫ぶと、佳菜恵はハッとした様子で、

自分の胸を揉んでいることに気が付くー

無意識のうちにー

それが”当たり前”のことのように、胸を揉んでいた自分に驚きー、

久義の方を見つめる佳菜恵ー。


「---…え…いま、わたし…?」

戸惑う佳菜恵に、久義は「俺…本当に人を操れるようになっちゃったんだ」と、

困惑の表情を浮かべたー


佳菜恵は驚くー


”身をもって”操られる”という状態を体感”したー。


佳菜恵は、久義が”他人を操る超能力に目覚めた”ことを

信じるしかなかったー。


「---って……!」

佳菜恵は、急に顔を真っ赤にして叫ぶー。


「--なんで胸を触らせるの!?エッチ!」

佳菜恵の言葉にー、

久義は慌てた様子で「ご、ごめん!この力信じてもらうには

一番早いかなって」と、すぐに平謝りをしたー。


「ーーだ、、だって、髪を触れ!とかじゃ、

 ”操られてる”って実感しにくいだろ…?」

と、久義がつけ加えると、佳菜恵は「ま、まぁ…確かにそうかもしれないけど」

と、恥ずかしそうに呟いたー。


”彼氏が他人を操る超能力に目覚めた”


そんな事実に、佳菜恵は急速に不安を覚えたー。


「--原因は…?何なの?」

佳菜恵の言葉に、久義は、「わからない」と、首を振るー


「--病院とか、、行ったら?」


佳菜恵の不安も最もだったー。

”急に他人を操ることができるようになる”なんて、普通じゃないー


「---でも、”急に人を操れるようになりました”なんて

 病院で言っても信じてもらえると思うか?

 ”現実と妄想の区別がつかなくなったみたいですね”と

 先生に笑われるだけだろ?」

久義の言葉に、佳菜恵は「今みたいに、実際に操ってみれば

信じてもらえるかも!」と、提案するー


けれどー

久義は乗り気ではなかったー。

最悪、訴えられるかもしれないし、

おかしな力を周囲に言いふらすことには”リスク”も伴うー。


「---……とにかく、しばらくは様子を見ようと思う」

久義がそう言うと、佳菜恵は不安そうに頷いたー。


「----……」

佳菜恵の不安そうな表情を見て、久義は笑ったー


「大丈夫さ。悪用したりは絶対にしないし、

 この力を使うとすれば、佳菜恵を守るためだけ、

 喜ばせるためだけにするからさ!」

久義の言葉に、佳菜恵は少しだけ微笑んで、頷いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


「今日、このあと、飲みに行くぞ」

上司が久義に声を掛けるー。


「--え、、あ、、あの」

今日は、佳菜恵の誕生日で、久義はすぐに帰ると、

佳菜恵に約束しているー。


「---」

久義はやむを得ず”力”を使ったー


”飲み会に他の人間を誘うな”と、

強く念じながら”命令”するー


「---あ、、いや、悪い。やっぱなしだ」

上司はすぐに久義の力に操られて、飲み会に誘うのを

やめて、そのまま立ち去っていくー


上司はそのまま”一人飲み会”をしたようだー。


久義の会社は、最新鋭の電子機器などを開発している会社で、

ここ数年シェアを伸ばしている会社だー

上司に何人か問題児がいる以外は、特に悪い部分もないー


”人を操る力”に目覚めてから、久義は上司の撃退など、

小さなことにのみ、その力を利用していたー。


帰宅した久義は、佳菜恵と充実した誕生日を過ごしたー。


だがー

誕生日のあとぐらいから、佳菜恵は、元気を失ってきたー。

何かに、悩んでいる様子を見せ始めたのだー


「どうした?」

久義が言うと、

佳菜恵は、”会社の同僚からしつこく言い寄られている”ことを

打ち明けたー


「--なんでもっと早く相談してくれなかったんだ?」

久義が心配そうに言うと、佳菜恵は

「久義だって、忙しいだろうから、心配かけたくなくて…」と

悲しそうに呟いたー。


「--そんな…いいんだよ…。

 詳しく、聞かせてくれ… な?」

久義の言葉に、佳菜恵は頷いたー。


佳菜恵の話によれば、佳菜恵の職場の同僚が

佳菜恵にしつこくアプローチを仕掛けてきていて

ハッキリと「No」と告げても、彼氏がいることを告げても、

その行動は次第にエスカレートしているのだという。

しかも、相手は彼女持ちだー。


最近では、佳菜恵にコスプレを要求してくるなど、

常軌を逸した行動が目立ち始めている。


「なんてやつだー…」

話を聞き終えた久義は怒りの形相で呟くー


「--俺が”話”をつけてやるー

 佳菜恵は心配するな」

ちょうど、明日仕事が休みの久義は、そう呟いたー


だがー


「--久義…!あの力…変なことに使わないでよ…?」

心配そうに言う佳菜恵ー。


そんな佳菜恵に対して、

久義は”何も心配しなくていい…”と心の中で強く念じながら

佳菜恵を見つめると、佳菜恵は、一瞬、目をとろんとさせてー

「--久義に任せておけば、、安心だね…」と呟いたー。


「--そう。俺に任せて」

久義はそう呟くと、”明日”のことを考え始めたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


佳菜恵の会社の仕事が終わる時間帯を見計らって

久義は、会社の前で、”その男”を待ち伏せしていたー。


しばらくすると、佳菜恵に言い寄っていた男が出て来るー。


中井 利通(なかい としみち)-

佳菜恵に言い寄っていた男が、久義に気づくと、

「どちら様ですか?」と警戒心を露わにしたー


「--お前が言い寄っている相手の彼氏だー」

その言葉を聞いて、利通は逃げ出そうとしたー。


しかしー

”俺と話をしろ”と強く念じると、利通は、逃げるのをやめて

振り返って近づいてきたー


”強く”念じれば念じるほど、

その効果がより強く、長く出ることが、

この力をしばらく使ってみて、分かったことだー。


話し合いをする久義ー

利通は、反抗的な態度で反論し始めるー。


「--つまり、俺と佳菜恵は結婚していないから、

 言い寄るのは自由だと、そう言いたいのか?」

久義が言うと、利通は「あぁ、そうだよ!」と

声を上げたー。


「--お前なんかより、俺の方が佳菜恵ちゃんを

 幸せにしてあげられる!!

 お前みたいな野郎には、佳菜恵ちゃんは釣り合わない!」

利通の言葉に、

久義は「でも、お前、彼女いるんだろ?」と睨みつけるー


利通は「うっ…」と、表情を歪めたー


「---その彼女に、”自分は浮気してます”って言えるのか?」

久義の言葉に、利通は表情を曇らせながら、

「--そ、、それは…」と、目を泳がせたー


久義は、”自分の彼女に手を出してくるこの男”に

とても強い苛立ちを覚えたー。


そしてー


「電話しろ。その彼女に”自分は浮気してます”って言え」

久義は、怒りから、きつい言葉を投げかけたー。


「---え、、、えっと…その…」

利通が困惑した様子で、呟くー


「電話しろ」

そう言い放つと同時に、久義は強く、そう念じたー


「--はい…」

利通は、虚ろな目になると、彼女に電話をし始めたー


その時だったー。


「---!?!?!?!?!?」

利通のスマホの画面にー

メイド服姿の佳菜恵の写真が写っていたのだー。


それを、スマホの背景にしているのが、見えたのだー


「--お、、お前!!!」

久義が叫ぶと、利通が「ひっ!?」と、驚くー


スマホを強引に取り上げた久義ー

利通のスマホには、メイド服姿の佳菜恵の写真が写っていたー


「こ、、こ、、こ、、これは…」

利通が、慌てた様子で呟くー


久義は「なんだこれは?素直に全部言え!」と

叫びながら利通を”洗脳”すると、

利通はすべてを自白したー。


佳菜恵の”指導役”でもある利通は、

佳菜恵にしつこく言い寄りー、

”俺が上司に言えば、お前をクビにすることも出来るんだぞ”と

脅したうえで、佳菜恵を自分のアパートに連れ込み、

コスプレをさせたというのだー。


「--なんで…」

久義は悲しそうな表情で呟くー。


”脅された”とは言え、

佳菜恵は、自分以外の男の家に行き、メイド服を着たというのかー。


「-----」

久義の中に、嫉妬の感情が溢れ出るー。


怒りと悲しみが爆発しそうになるー。


そして、利通を睨んで、強く強く、念じたー


”死ね!”

とー。


怒りの形相でー。


利通は「はい…」と呟くと、

突然交差点の方に向かって歩き出しー

車にはねられて、そのまま死亡したー


「---!?!?!?!?!?」

久義は、一瞬、何が起きたのか分からなかったー。


けれどー

すぐに”自分の力”によるものだと気づくー。


「---…は、、、はは…」

救急車が駆けつける中、茫然とする久義ー。


怒りに任せて、”洗脳”して、人を死なせてしまったー。


「ははははは…」


それと同時にー

久義は”自分の力”の強さに改めて気づくー


「ははははっ!!!

 はははははははははははははっ!!!!」


”この力があれば、なんだって出来るー”


久義は、そんな風に思いながら、その場を後にしたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


帰宅した久義は、先に帰宅していた佳菜恵から

不安そうに聞かれたー。


「--ねぇ…例の件は…?」

とー。


「--大丈夫。あいつはもう言い寄って来ないから、安心して」

久義は、それだけ言うと、

大きな紙袋から、何かを取り出したー。


「--!?」

佳菜恵が表情を歪めるー。


「---佳菜恵、あいつの前で、メイド服着たんだってな」

久義は、そう言いながら、紙袋から、今、買ってきたばかりの

メイド服を取り出したー


「---……俺にも見せてくれよ」

久義は、優しく笑うー。


嫉妬で狂いそうだったー。


「--え、、、あ、、、……そ、それは…あのね…」

佳菜恵は、”無理矢理”着せられたのだー

会社から、追い出してやると脅されてー。


勿論、それでもNoと言うべきだったのだと思うー

けれど、佳菜恵は、”職を失う恐怖”と

”久義に心配を掛けたくない”という一心で、

”次は絶対にない”という条件で、それを引き受けてしまったのだったー


「--浮気男の前ではメイド服を着れて、

 俺の前では着られないのか?」

久義が優しく微笑みながら言うー。


「--ひ、久義、 

 ご、、ごめんってば…

 お願いだから、わたしの話を聞いてー」


あの日ー

佳菜恵は泣きながらメイド服を着たー。

そして、泣きながら帰宅したー。


パワハラとセクハラのコラボを前にー

佳菜恵になすすべはなかったのだー


「久義を、心配、、させたくなくてーーー」


「着ろよ!」

久義が大声で叫んだー


「ひっ…」

佳菜恵が目から涙をこぼすー


”メイド服を着ろ”

強く念じる久義ー


「あ、、やめ、、、て…」

佳菜恵が服を脱ぎ始めるー


”着ろ”

さらに強く念じるー


「--はい…」

佳菜恵が虚ろな目になって、服をその場で脱いで、

今、久義が購入してきたメイド服を身に着けるー。


「ーーーかわいいじゃん」

久義が顔を赤らめるー

佳菜恵もどこか恥ずかしそうにしているー。


嫉妬と怒りー

そして、”洗脳で人を殺した”という恐怖と不安から

久義は壊れ始めていたー


「--じゃあ、たっぷりご奉仕してくれよ。

 ”彼氏”の俺にー」


その言葉に、佳菜恵は完全に操られてー

「--はい…ごしゅじんさま…」と、

久義に”ご奉仕”を始めるのだったー。


・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「--ーーこれから、佳菜恵はコスプレ好きの女になるんだ」

久義が、そう言い放つと、佳菜恵はメイド服から元の服に

着替えながら「もう、、やめて…久義…」と、震えながら呟いたー


”お前はコスプレ好きの女だ”

これまで以上に強く念じる久義ー


「--あ、、、、、あ、、、、……うん…わたし、コスプレ大好き!」

佳菜恵はほほ笑むー


「久義の前で、い~っぱい、見せてあげるね」

ご機嫌そうに佳菜恵がそう呟くのを見て、

久義は満足そうに笑みを浮かべたー


そして、静かに呟いたー


「-そうだー

 佳菜恵のことは俺が守らないとー。


 未熟な佳菜恵のことは、俺がちゃんと導かないとだめなんだー」


とー。



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


人を操る力を手に入れてしまった彼氏…!


早速、不穏な感じになってしまいましたネ~…!


今日もお読み下さり、ありがとうございました!!

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