<皮>訳アリの”皮”②~安さの理由~(完) (Pixiv Fanbox)
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知る人ぞ知る怪しげな「人の皮」を販売しているお店で、
女子高生・美花の皮を購入した信敏ー。
美花の皮を着ては、美花の身体でエッチなことをしたり、
色々なことをしゃべってみたり、
コスプレを楽しんだりー、
存分に”女子高生の皮”を堪能したー。
現在は、”物件”を探しているー。
と、いうのも、現在、信敏が暮らしているこのアパートは
当然”信敏が借りたアパート”だから、
美花の皮を着たまま、美花になりきって生活することは出来ないー。
信敏がいなくなれば、近所が不審に思うだろうし、
何より、美花の姿で、信敏が借りた部屋に出入りしていれば
色々と問題になる可能性が高いー
だからー
美花の姿でどこか別の場所に部屋を借り、
そこで”美花”としての新しい人生を始めるつもりだったー
「へへへ…メイドカフェでのバイトとかしてみるか~
俺からすりゃ、周りがメイドだらけとか、むしろご褒美だし」
美花の皮を着たまま、美花として声を発している信敏ー。
美花はメイド服を着た状態で、
ネット上のメイドカフェの求人を見つめていたー。
「しっかし、この”皮”ラッキーだったよなぁ…」
美花の皮を着たまま、ソファーにだらしなく寄り掛かると、
謎の商人の店で美花の皮を購入した日のことを思い出すー。
「価格は需要と供給のバランスですからな」
商人はそう言っていたー。
その言葉通り、需要が高いと思われる
女子高生や女子大生の”皮”は非常に高額で、
500万円以上するものがほとんどだったー。
”おっさん”の皮は安かったが、
おっさんがおっさんの皮を着ても
何か人生が変わるとは思えないー
諦めかけたその時に見つけたのが、この美花の皮ー。
なんと、50万円で購入できたのだー
「その”皮”が安いのには、理由がありましてなー」
そんな風に言っていたがー
正真正銘、女性であることは間違いないようだったし、
健康状態も問題なかったのだというー。
ならば、何も問題はないー
「---へへへ 外出するとき以外は、俺は…
いいや、わたしは美花よ♡ うふっ♡」
わざとらしく女言葉を使って嬉しそうに部屋の中を歩き回るー
最近の信敏は外出時と人がやって来る時以外は、
ずっと美花の皮を着たまま過ごしているー
そしてー
無事に物件を見つけて”引っ越し”をすれば、
あとは、美花としての生活を存分に堪能することが出来るー。
「---でも最近、な~んか、調子良くねぇんだよな…」
美花の姿のまま、そう呟く信敏ー。
美花の頬を引っ張ってー
じーっと、鏡で顔を見つめるー
「か…かわいい…」
寝不足のような感覚で消し飛んでしまいそうなぐらいにー
美花になっている自分は可愛いー。
「---へへへ…早く、物件を見つけないとなー」
そう呟くと、
今日も、美花の皮を身に着けたまま、信敏は眠りについたー。
しばらくするとーー
美花が目を開くー
「--許さない…次は、あの子ー」
美花は、そう呟くと、不気味な笑みを浮かべたー。
まるで、信敏ではないかのような、不気味な笑みー。
美花は、今日もゆらり、ゆらりと深夜の街に出かけていくー。
”ある目的”を果たすためにー。
・・・・・・・・・・・・・・・・
翌朝ー
「---------!!」
目を覚ました美花は、表情を歪めたー
まるで、徹夜したかのような、感覚ー
おかしいー。
やっぱり、普通じゃないー。
そんな風に思いながら、部屋を見回すとー
テーブルの上に”血痕”のようなものが見えたー
「--こ、、これは…!?!?」
美花の皮を着た信敏が、驚きながらそれを見つめるー。
「なんだ、、これは…!」
驚いた美花は、慌てて部屋の周囲を見渡すー
すると、そこにはー
美花と同じぐらいの年齢の女性が、血まみれで倒れていたー
「ひぃぃっ!?!?」
美花の姿のまま、尻餅をつく信敏ー
「こ、、こ、、これは…!?なんだ!?」
美花は驚いたまま、パニックを起こすー。
自分の家に、知らない女がいて、血まみれで倒れているー。
「--な、、な、、何が…?」
美花の姿のまま、そう叫ぶ信敏ー。
そしてー
さらに衝撃が走ったー。
スマホで救急車を呼ぼうとした美花は
”日付”が1日飛んでいることに気づくー
昨日、寝たときには「17日」だったはずなのに、
「19日」と表示されているー
「ど、どういうことだ…!?」
美花の手にも、血がついているー。
”な、、なんだ…??なんだこれは…?”
慌てて水道で手を洗い、血を落とすー。
だが、血はなかなか落ちないー
半分パニック気味で、”この女、誰だ!?”と、
血まみれで倒れている女を見ながら、
テレビをつけるー
するとー
ちょうど、テレビでは、
”昨日から行方不明になっている女子大生の、
穂野崎 麗華さんの行方は以前として分からずー”
と、ニュースが流れていたー
「--!?!?」
美花は表情を歪めるー。
信敏の部屋で倒れている女ー
その顔はー
紛れもなく、今ニュースで報道されている女だったー
「なんだ…!?!?なんなんだこれは!?」
”見知らぬ女が倒れている”と、救急車を呼ぼうとしていた
美花だったが、
今、呼べばすれば”俺が殺した”と思われるー
そう思った美花の皮を被ったままの信敏は、
美花の皮をとりあえず脱ごうとしたー
しかしー
「---!?脱げないっ!?!?どうして!?」
慌てて洗面所に走り、鏡を見ながら
後頭部のあたりを触るー
だがーー
”脱げないー”
それだけではないー
美花の顔が、ニヤァ…と笑ったー
「--わたし、、復讐するのー」
美花が勝手に喋ったー
信敏が喋ったのではないー
美花が、勝手にー
「ひっ!?!?!?!?」
思わず悲鳴を上げるー
「--わたしは、、、、復讐するの…
あと、、、三人にーー」
美花の皮が勝手に喋るー
そして、身体が勝手に動き出すー
部屋に転がっている女の死体に、再び包丁を差し始める
美花の皮を着た信敏ー
”おい、、やめろ!!なんで俺の身体が、、勝手に…!?”
信敏はーー
美花の皮に逆に乗っ取られつつあったー。
寝不足なのは、寝ている間に美花の皮に乗っ取られていたからー
近所の住人が「可愛い子だったねぇ」と言ってきたのはー
美花の皮に乗っ取られて、夜に外出した
美花の皮を着た信敏を、目撃していたからー
「----------!!!」
次に、信敏の意識が戻ったのは、夜だったー
「くそっ…ふざけんな!」
美花の姿のまま叫ぶ信敏ー
このままじゃ、自分が逆に乗っ取られてしまうー
しかも、自分が犯罪者にされてしまうー。
”復讐ーーー”
”許さないーー”
”許さないーーー”
”神様はわたしに復讐のチャンスをくれた”
脳に美花の声が響き渡るー
「ふざけんな!!!」
美花の声のまま叫ぶ信敏ー
信敏は、ある場所に向かっていたー
それはーー
「--おや?お客様」
”皮”を売っている商人のお店だー。
「--何なんだこの皮は!?!?
なんか、、なんか、変だぞ!」
美花の姿のまま叫ぶ信敏に対しー
商人は、不気味な笑みを浮かべて笑ったー。
「その”皮”が安いのには、理由がありましてなー」
「-ーと、ちゃんとお伝えしたはずですが?」
商人が言うー。
美花の姿のまま、信敏は起きていることを説明したー
意識が飛ぶことー
逆に乗っ取られている気がすることー
どうやらこの身体で、人殺しをしているかもしれないことー
商人は「--その皮は、いじめを受けて自殺未遂をしてーー
寝たきりになってしまった女子高生の皮です」と、説明したー。
「両親からの希望で、私のお店に皮として提供されたー。
ですがーー
自殺未遂で寝たきりになった人間の”皮”には怨念が宿ることが多いのですー。
この世に、恨みを抱いたまま、死んだも同然の状態に
なるわけですからねぇ。」
美花は3年前に自殺未遂で寝たきりになった子で、
それが皮にされたものだったー。
当時のいじめっ子たちは現在女子大生になっておりー
信敏の家で死亡していた麗華は、その一人ー。
皮にされた美花は信敏に着られた状態で、身体の主導権を奪い、
いじめっ子たちに復讐しようとしているのだー。
商人の言葉に、
美花の姿のまま、信敏は叫んだー
「--お、、俺はどうなるんだ!!
この皮を、クーリングオフさせろ!」
とー。
商人はゲラゲラと笑うー。
「--あなたが、私の説明をちゃんと聞かなかっただけー。
あの日あなたは、勝手に私の言葉を遮り、その皮を買って
立ち去って行ったー。
返品などお受けしませんーー
いえーーー
もう、手遅れですよ。
あなたはその皮に、支配されるー」
美花の姿のまま、信敏は叫ぶー
「頼む!!!助けてくれ!!!金ならいくらでも払うー」
「ーー私は商売人ー
形のないものは、販売いたしません」
「--そ、、そんなこと、言わないで…おい!!!助けてくれ!おい!」
美花姿の信敏が叫ぶと、
商人は美花の方を見て、微笑んだー。
「--あなたーーーー
いい笑顔ですね」
商人が、手鏡を向けて来るー
美花の顔はーー
悪魔のように笑っていたー
「--や、、やめろ!俺から、、俺から出ていけ!!
この皮を、、脱がせて、、くれぇええええ!」
美花が悲鳴を上げながら、店にあったハサミを手に、
皮を引き裂こうとしたー
しかしー
その直後、信敏の意識は飛んだー。
「---ふぅぅ……許せない…
絶対に…許せないー」
美花が恨みの言葉を口にするー
「--おやおや」
商人が、美花の皮を着た信敏が、美花の怨念に
乗っ取られたことを確信して、苦笑いするー
「--わたしに、復讐の機会をくれて、ありがとうー」
美花が、目を赤く光らせたまま呟くー
商人は首を振るー
「私はただ、あなたの両親から頼まれてあなたを買い取り、
皮にして、それを販売しただけー。
復讐の機会など、別に与えてはいません」
冷静に、淡々と答えると、
美花は「でも、結果的にわたしは、こうして、また、動くことができてる」と
だけ言うと、ゆらゆらと歩きながら、
そのまま夜の街へと消えていったー
一人、お店に残された商人は、
いつものように、1日に1人来るか来ないかの客を
待ち続けて、笑みを浮かべたー
・・・・・・・・・・・・・・・・
ゆら ゆら と不気味に歩く女性がいたー
1か月後ー
美花は、当時のいじめっ子を全員始末することに成功したー
「---ふふふ♡ ふふふふ… ふふふふふふふふ」
無気味に笑う美花ー
髪は幽霊のようにボサボサでー
目は虚ろー
唇はカサカサになっている美花はー
夜空を見上げながら、不気味な笑みを浮かべたー
「--復讐…おわったよ♡」
美花の皮を着たままの信敏は、
美花に完全に乗っ取られてしまい、
この1か月間、一度も表に出てきていなかったー
美花は、夜空を見上げながら、満足そうな笑みを浮かべたー
復讐は達成したー。
もう、満足ー。
美花は、クスッと笑うと、夜空を見上げながらー
山の高台から飛び降りたーーー
ーーーーーーーーーーーー!!!!
信敏が、自我を取り戻したのは、
美花の皮を着たまま”落下”している最中のことだったー
「---え、俺ーー」
そう呟いた信敏は、
何が起きているのか分からぬまま、地面に激突したー
おわり
・・・・・・・・・・・・・・・
コメント
安物の皮を購入したことで、
逆に恐ろしい目に遭うお話でした~!
皮を買うとき(?)はちゃんとしたものを買いましょうネ~!笑
お読み下さり、ありがとうございました!!