<寄生>パラサイト・ナイトメア③~支配~ (Pixiv Fanbox)
Content
悪の組織・ナイトメアー
あらゆる分野の技術を独占し、
世界を裏から支配しようと目論む秘密組織ー。
企業・国家・個人ー
相手も、手段も問わず、”技術”を盗み出し、
最先端の技術を独占ー
世界のコントロールを目論んでいるー。
人を支配する寄生虫”パラサイト”も、そうして手に入れた
技術によって生まれた存在ー。
そして今は、
とある企業の開発している新技術”α技術”を狙っているー。
とは言え、悪の組織ナイトメアにとっても
”大企業の技術”を盗み出すことは、決して簡単なことではないー。
そこで、目をつけたのが
社長の娘・樹里だったー。
「クククククー」
悪の組織・ナイトメアのアジトで、
スーツ姿の男が笑みを浮かべるー
樹里に”パラサイト”を寄生させてから数日ー。
樹里の支配は着々と進んでいるー。
樹里を完全に支配下におけば、”娘”という立場を利用して
α技術を盗み出すのはたやすいー。
「ーーーあの子も、わたしの仲間になるのね」
小悪魔のような服装の女子大生・玖瑠美が微笑むー。
彼女も過去に今の樹里と同じように、
パラサイトを寄生させられてしまいー、
完全に支配されてしまった人物だー。
「--クク…そうさ…我々のように、なー」
スーツ姿の男は笑みを浮かべながら
モニターの方を見つめたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
樹里の脳は”錯乱”状態にあったー。
パラサイトという脳にとっての”異物”が混入したことー
そして、樹里本来の脳と、パラサイトー
”2つの命令”が脳の中に発されていることによって、
完全に脳は”エラー”を起こしている状態になっていたー。
「---わたし、何だか疲れちゃった」
樹里が呟くー
樹里の脳に巣くう”パラサイト”が作り出した
”存在しない兄”に向かってー
「--そっか。色々あったし、疲れちゃったんだな」
兄が優しくほほ笑むー。
「-ー頭痛はもう大丈夫?」
兄の優しい言葉に、樹里は
「もうすっかり大丈夫!わたし、寄生虫に勝ったよ!」と
嬉しそうに呟いたー。
「--ははは…良かった。
じゃあ、疲れてるみたいだし、そろそろ寝たほうがいいんじゃないか?」
兄の言葉に、
樹里は「うん…」とほほ笑むー。
「----」
樹里の中に巣くうパラサイトは、
樹里の脳のシグナルが弱まっていくのを感じるー
徐々にー
徐々に、脳を支配していくー。
急激に脳を支配すれば、拒否反応が出て、
その身体が死んでしまうリスクがあるー。
だから、こうして、徐々に支配していくのだー。
そして、今が仕上げの段階ー
「--お兄ちゃんがいてくれて…本当によかったー」
樹里が目を閉じるー。
存在しない”兄”の姿が揺らぐー。
「--安心してー”その身体”を委ねるんだー」
そう呟く”兄”
”この人間の身体は、貰った”
と、パラサイトが、勝ちを確信したその時だったー
「--樹里!」
樹里の異変を感じ取った樹里の彼氏・宅磨が
樹里の家に直接様子を見に来たのだったー。
樹里の両親に事情を説明し、
樹里の部屋まで駆け付けた宅磨ー
樹里はーー
今、まさにパラサイトに完全に乗っ取られようとしていたー。
「ーーー樹里!」
宅磨が樹里に向かって叫ぶー。
樹里の耳からー
ミミズのような得体の知れない物体が見えるー
「なんだ…これは?!」
樹里は、へらへらと笑っていて、虚ろな表情をしているー。
樹里本来の意識は、今まさに、完全に乗っ取られようとしていたー
「------ふぁ… 誰…?」
完全に消えようとしていた樹里の意識がー
彼氏・宅磨の呼びかけで目を覚ましたー
樹里の目には見える”パラサイトが作り出した偽りの兄”が
表情を歪めるー。
「--お兄ちゃん…?誰か来たの?」
樹里が言うと、
”兄”は笑みを浮かべたー
「--樹里…!あいつだ!…あいつが来たぞ!」
とー。
パラサイトが脳を刺激するー。
樹里の目にはー
彼氏の宅磨が、悪の組織ナイトメアのスーツの男に見えたー
「--来ないで!!来ないで!!!」
樹里が暴れ出すー。
「--!?!?樹里!?おい、いったい、、どうしたんだ!?」
宅磨は戸惑うー。
目の前の樹里が突然暴れ出したからだー。
樹里の耳から飛び出ているミミズのような物体を見つめながら
宅磨は叫ぶー
「--お前の仕業か!?」
とー。
樹里が、暴れるー
「助けて!!!!助けて!!!!来ないで!!!!」
とー。
宅磨は必死で樹里に近づこうとするー
「お兄ちゃん!!お兄ちゃん!!!たすけて!」
樹里がパニックを起こして、”誰もいない”はずの場所に叫ぶー
「--!?」
宅磨が、樹里の見ている方向を見るー。
だがー
樹里が”お兄ちゃん”と呼びかけている方向には、何もいないー。
しかもー
樹里に”お兄ちゃん”など、そもそも存在しないー。
「---樹里!しっかりしろ!お前にお兄ちゃんなんていない!!」
宅磨が”これまでの人生で一番叫んだんじゃないか”と思うぐらいの声で叫ぶー。
樹里が、目をぱちぱちさせるー。
耳から飛び出しているミミズのような虫が蠢くー。
”絶対にこいつのせいだー”
そう思った宅磨は、樹里の耳で蠢く”パラサイト”を
なんとかしようとするー。
「---あっ…」
樹里が急にビクンと震えると、
「---邪魔な人間…だ」と、樹里がぎこちなくしゃべり始めたー
まだ不完全ー
だが、危機を感じたパラサイトが樹里の身体を
一時的に完全に乗っ取ったのだったー
「-!?」
驚く宅磨ー
樹里が突然、宅磨をグーで殴りつけるー。
悲鳴を上げて倒れる宅磨ー
「--調子に乗るなよ、人間が」
無表情・無感情で、樹里が倒れた宅磨を何度も何度も蹴りつけるー。
「--な、、なんなんだ!なんなんだお前!」
宅磨が叫ぶー
「-樹里の身体から、出ていけ!」
宅磨は必死に樹里に近づき、パラサイトをどうにかしようとするー
「--邪魔だ!」
しかしー
樹里が近くにあった花瓶を手にすると、
それを宅磨の頭に叩きつけたー
「がっ…!」
宅磨はそのまま意識が遠のくのを感じたー
「じゅ…り…」
倒れる宅磨ー
「---あ…」
樹里が涎を垂らしながらその場に座り込むー
「---樹里…悪党は、やっつけたよ」
樹里の目には”兄”が見えていたー
存在しない、兄がー
「--ありがとう」
樹里が安心した様子で微笑むー
「--今度こそ、おやすみ」
”兄”の優しい言葉に、
樹里の意識は安心した様子で眠りについたー
「---くくく……はははははははははっ!」
倒れた宅磨を前に、完全に乗っ取られた樹里が嬉しそうに
笑い声をあげたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「----…大丈夫?」
宅磨が目を覚ますと、樹里の母親が、心配そうに宅磨を
見つめていたー
「あ…いえ…」
宅磨は慌てて、「あの、樹里は!?」と聞き返すー。
「-樹里は…今は落ち着いて寝ているけど」
母親が言うー。
宅磨は”樹里の耳から蠢いていた寄生虫”のことを
話そうとしたが、樹里の両親を心配させちゃいけない、と、
そのことは話さなかったー
「あ、、あの、それでー俺はいったいー」
宅磨は”樹里が宅磨の頭を殴った”ことを両親が
知っているかどうか、確認しようとしたー
だがー
樹里の母親は、宅磨が廊下で倒れているのを発見して、
とりあえずこの部屋に連れ込んだのだと説明したー。
娘が、彼氏を殴った場面は、見ていないようだー
「--あ、、はは、ちょっと壁に頭打ちつけちゃってー」
宅磨は、苦しい言い訳をしたが、
母親は、「そう…気を付けてね」とだけ、宅磨に言い放ったー。
・・・・・・・・・・・・・・・
樹里の家から一時撤退する宅磨ー
”人に寄生する虫”
樹里の”どう見ても正気じゃなかった”姿と、
”完全に操られていた姿”を思い出すー
「人間に寄生する虫なんて…聞いたことねぇぞ」
そう呟く宅磨ー。
「--ちょっと、いいかなー」
「-!?」
宅磨が振り返ると、そこには警察官がいたー。
警察手帳を見せる警察官ー
「--え?」
いきなり声を掛けられたことに驚く宅磨に対し、
警察官は”君の彼女の件で、話を聞かせてもらえるかな?”と呟いたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「--ナイトメアに忠誠を誓います」
翌日ー
樹里は、制服姿のまま、ナイトメアのアジトで膝を折っていたー
「くくく…いい子だ」
スーツ姿の男が、樹里の頭を撫でると、
樹里は嬉しそうに顔を赤らめたー。
「--では、予定通り”α技術”を奪うためー
父親の会社の専務をその身体で誘惑して落としー
計画を進めるのだ」
「--はい」
樹里はもうー
完全にパラサイトに乗っ取られてしまっていたー。
樹里本人の意識は”幸せな夢”を見続けているー
もはや、現実を認識することが出来ずにー
”幸せな悪夢”を見続けているー。
「--ふふふふ あなたのこれから、
ナイトメアのために身体も心も捧げるのよ」
女子大生・玖瑠美が言うと、
樹里は「はい、お姉さま」と、微笑んだー。
パラサイトは、寄生して、その人間の脳を完全に乗っ取ると、
元の人格を転写して、完全に身も心も支配するー。
今の樹里はー
樹里の記憶と人格を転写したパラサイトに乗っ取られているー。
そのためー
”樹里のふり”をして、行動することもお手のものだったー。
「--へへへっ…樹里ちゃん…」
専務は、簡単に落ちたー。
チャイナドレス姿の樹里の太ももを嬉しそうに触っている専務ー
「お父さんには、内緒ですよ…♡」
甘い声で囁く樹里に、専務はニヤニヤしながら
「も、もちろんだよ」と呟くー
にこっと微笑んだ樹里は、胸を触らせながら
専務に囁いたー
「α技術のデータ…ほしいな♡」
とー。
「も、もちろんだよ樹里ちゃん!」
専務のその言葉に、
樹里は、悪女の笑みを浮かべたー
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一方、彼氏の宅磨は
警察官・小田切 隆造(おだぎり たかぞう)と共に、
悪の組織・ナイトメアを追っていたー。
樹里の豹変について、小田切に話をした宅磨は
小田切から、それが悪の組織ナイトメアの”パラサイト”に
よるものだと言うことを知ったー
そして、宅磨は小田切に対して、協力を申し出たのだったー。
「--樹里…俺が必ず助けるからなー」
学校の授業を終えた宅磨は、
今日も悪の組織ナイトメアについて調べていたー
ほとんど情報はないー
だが、確かに”ナイトメア”は存在するー。
警察官・小田切と共に、ナイトメアについて調べていく宅磨ー
そして、1週間後ー
「---あいつらのアジトは、ここかー!」
”樹里を助けたい”
その一心で、宅磨はついに”悪の組織ナイトメア”のアジトを
突き止めたー
もはや、執念だったー。
”あんた、最近おかしいよ”
と、樹里の友人・美津穂から言われたものの、
止まることは出来ないー。
「まぁ、悪の組織なんて言いだしたらおかしいと思われるのも当然だな」
宅磨はそんな風に思いながら
”悪の組織ナイトメア”のアジトがある建物が見える喫茶店で、
刑事・小田切の到着を待ったー
しばらくして、小田切が「あそこか?」と、喫茶店にやって来るー。
「--えぇ、あの建物がナイトメアのアジトですー」
宅磨が言うー。
”すべては樹里を助けるために”
宅磨は、小田切と共に、ナイトメアのアジトの方に向かったー
④へ続く
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コメント
次回が最終回デス!
パラサイトに支配された彼女の運命は…?
今日もお読み下さり、ありがとうございました~!