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悪の組織・ナイトメアー


あらゆる分野の技術を独占し、

世界を裏から支配しようと目論む秘密組織ー。


企業・国家・個人ー

相手も、手段も問わず、”技術”を盗み出し、

最先端の技術を独占ー

世界のコントロールを目論んでいるー。


人を支配する寄生虫”パラサイト”も、そうして手に入れた

技術によって生まれた存在ー。


そして今は、

とある企業の開発している新技術”α技術”を狙っているー。


とは言え、悪の組織ナイトメアにとっても

”大企業の技術”を盗み出すことは、決して簡単なことではないー。


そこで、目をつけたのが

社長の娘・樹里だったー。


「クククククー」

悪の組織・ナイトメアのアジトで、

スーツ姿の男が笑みを浮かべるー


樹里に”パラサイト”を寄生させてから数日ー。

樹里の支配は着々と進んでいるー。

樹里を完全に支配下におけば、”娘”という立場を利用して

α技術を盗み出すのはたやすいー。


「ーーーあの子も、わたしの仲間になるのね」

小悪魔のような服装の女子大生・玖瑠美が微笑むー。


彼女も過去に今の樹里と同じように、

パラサイトを寄生させられてしまいー、

完全に支配されてしまった人物だー。


「--クク…そうさ…我々のように、なー」

スーツ姿の男は笑みを浮かべながら

モニターの方を見つめたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


樹里の脳は”錯乱”状態にあったー。

パラサイトという脳にとっての”異物”が混入したことー

そして、樹里本来の脳と、パラサイトー

”2つの命令”が脳の中に発されていることによって、

完全に脳は”エラー”を起こしている状態になっていたー。


「---わたし、何だか疲れちゃった」

樹里が呟くー


樹里の脳に巣くう”パラサイト”が作り出した

”存在しない兄”に向かってー


「--そっか。色々あったし、疲れちゃったんだな」

兄が優しくほほ笑むー。


「-ー頭痛はもう大丈夫?」

兄の優しい言葉に、樹里は

「もうすっかり大丈夫!わたし、寄生虫に勝ったよ!」と

嬉しそうに呟いたー。


「--ははは…良かった。

 じゃあ、疲れてるみたいだし、そろそろ寝たほうがいいんじゃないか?」


兄の言葉に、

樹里は「うん…」とほほ笑むー。


「----」

樹里の中に巣くうパラサイトは、

樹里の脳のシグナルが弱まっていくのを感じるー


徐々にー

徐々に、脳を支配していくー。


急激に脳を支配すれば、拒否反応が出て、

その身体が死んでしまうリスクがあるー。


だから、こうして、徐々に支配していくのだー。

そして、今が仕上げの段階ー


「--お兄ちゃんがいてくれて…本当によかったー」

樹里が目を閉じるー。


存在しない”兄”の姿が揺らぐー。


「--安心してー”その身体”を委ねるんだー」


そう呟く”兄”


”この人間の身体は、貰った”

と、パラサイトが、勝ちを確信したその時だったー


「--樹里!」


樹里の異変を感じ取った樹里の彼氏・宅磨が

樹里の家に直接様子を見に来たのだったー。


樹里の両親に事情を説明し、

樹里の部屋まで駆け付けた宅磨ー


樹里はーー

今、まさにパラサイトに完全に乗っ取られようとしていたー。


「ーーー樹里!」

宅磨が樹里に向かって叫ぶー。


樹里の耳からー

ミミズのような得体の知れない物体が見えるー


「なんだ…これは?!」

樹里は、へらへらと笑っていて、虚ろな表情をしているー。

樹里本来の意識は、今まさに、完全に乗っ取られようとしていたー



「------ふぁ… 誰…?」

完全に消えようとしていた樹里の意識がー

彼氏・宅磨の呼びかけで目を覚ましたー


樹里の目には見える”パラサイトが作り出した偽りの兄”が

表情を歪めるー。


「--お兄ちゃん…?誰か来たの?」

樹里が言うと、

”兄”は笑みを浮かべたー


「--樹里…!あいつだ!…あいつが来たぞ!」


とー。


パラサイトが脳を刺激するー。


樹里の目にはー

彼氏の宅磨が、悪の組織ナイトメアのスーツの男に見えたー


「--来ないで!!来ないで!!!」

樹里が暴れ出すー。


「--!?!?樹里!?おい、いったい、、どうしたんだ!?」

宅磨は戸惑うー。

目の前の樹里が突然暴れ出したからだー。


樹里の耳から飛び出ているミミズのような物体を見つめながら

宅磨は叫ぶー


「--お前の仕業か!?」

とー。


樹里が、暴れるー


「助けて!!!!助けて!!!!来ないで!!!!」

とー。


宅磨は必死で樹里に近づこうとするー


「お兄ちゃん!!お兄ちゃん!!!たすけて!」

樹里がパニックを起こして、”誰もいない”はずの場所に叫ぶー


「--!?」

宅磨が、樹里の見ている方向を見るー。


だがー

樹里が”お兄ちゃん”と呼びかけている方向には、何もいないー。


しかもー

樹里に”お兄ちゃん”など、そもそも存在しないー。


「---樹里!しっかりしろ!お前にお兄ちゃんなんていない!!」

宅磨が”これまでの人生で一番叫んだんじゃないか”と思うぐらいの声で叫ぶー。


樹里が、目をぱちぱちさせるー。

耳から飛び出しているミミズのような虫が蠢くー。


”絶対にこいつのせいだー”

そう思った宅磨は、樹里の耳で蠢く”パラサイト”を

なんとかしようとするー。


「---あっ…」

樹里が急にビクンと震えると、

「---邪魔な人間…だ」と、樹里がぎこちなくしゃべり始めたー


まだ不完全ー

だが、危機を感じたパラサイトが樹里の身体を

一時的に完全に乗っ取ったのだったー


「-!?」

驚く宅磨ー


樹里が突然、宅磨をグーで殴りつけるー。


悲鳴を上げて倒れる宅磨ー


「--調子に乗るなよ、人間が」

無表情・無感情で、樹里が倒れた宅磨を何度も何度も蹴りつけるー。


「--な、、なんなんだ!なんなんだお前!」

宅磨が叫ぶー


「-樹里の身体から、出ていけ!」


宅磨は必死に樹里に近づき、パラサイトをどうにかしようとするー


「--邪魔だ!」

しかしー

樹里が近くにあった花瓶を手にすると、

それを宅磨の頭に叩きつけたー


「がっ…!」

宅磨はそのまま意識が遠のくのを感じたー


「じゅ…り…」

倒れる宅磨ー


「---あ…」

樹里が涎を垂らしながらその場に座り込むー



「---樹里…悪党は、やっつけたよ」

樹里の目には”兄”が見えていたー

存在しない、兄がー


「--ありがとう」

樹里が安心した様子で微笑むー


「--今度こそ、おやすみ」

”兄”の優しい言葉に、

樹里の意識は安心した様子で眠りについたー


「---くくく……はははははははははっ!」

倒れた宅磨を前に、完全に乗っ取られた樹里が嬉しそうに

笑い声をあげたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


「----…大丈夫?」


宅磨が目を覚ますと、樹里の母親が、心配そうに宅磨を

見つめていたー


「あ…いえ…」

宅磨は慌てて、「あの、樹里は!?」と聞き返すー。


「-樹里は…今は落ち着いて寝ているけど」

母親が言うー。


宅磨は”樹里の耳から蠢いていた寄生虫”のことを

話そうとしたが、樹里の両親を心配させちゃいけない、と、

そのことは話さなかったー


「あ、、あの、それでー俺はいったいー」

宅磨は”樹里が宅磨の頭を殴った”ことを両親が

知っているかどうか、確認しようとしたー


だがー

樹里の母親は、宅磨が廊下で倒れているのを発見して、

とりあえずこの部屋に連れ込んだのだと説明したー。

娘が、彼氏を殴った場面は、見ていないようだー


「--あ、、はは、ちょっと壁に頭打ちつけちゃってー」

宅磨は、苦しい言い訳をしたが、

母親は、「そう…気を付けてね」とだけ、宅磨に言い放ったー。


・・・・・・・・・・・・・・・


樹里の家から一時撤退する宅磨ー


”人に寄生する虫”


樹里の”どう見ても正気じゃなかった”姿と、

”完全に操られていた姿”を思い出すー


「人間に寄生する虫なんて…聞いたことねぇぞ」

そう呟く宅磨ー。


「--ちょっと、いいかなー」


「-!?」


宅磨が振り返ると、そこには警察官がいたー。

警察手帳を見せる警察官ー


「--え?」

いきなり声を掛けられたことに驚く宅磨に対し、

警察官は”君の彼女の件で、話を聞かせてもらえるかな?”と呟いたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「--ナイトメアに忠誠を誓います」


翌日ー

樹里は、制服姿のまま、ナイトメアのアジトで膝を折っていたー


「くくく…いい子だ」

スーツ姿の男が、樹里の頭を撫でると、

樹里は嬉しそうに顔を赤らめたー。


「--では、予定通り”α技術”を奪うためー

 父親の会社の専務をその身体で誘惑して落としー

 計画を進めるのだ」


「--はい」

樹里はもうー

完全にパラサイトに乗っ取られてしまっていたー。


樹里本人の意識は”幸せな夢”を見続けているー

もはや、現実を認識することが出来ずにー


”幸せな悪夢”を見続けているー。


「--ふふふふ あなたのこれから、

 ナイトメアのために身体も心も捧げるのよ」

女子大生・玖瑠美が言うと、

樹里は「はい、お姉さま」と、微笑んだー。


パラサイトは、寄生して、その人間の脳を完全に乗っ取ると、

元の人格を転写して、完全に身も心も支配するー。


今の樹里はー

樹里の記憶と人格を転写したパラサイトに乗っ取られているー。


そのためー

”樹里のふり”をして、行動することもお手のものだったー。



「--へへへっ…樹里ちゃん…」

専務は、簡単に落ちたー。


チャイナドレス姿の樹里の太ももを嬉しそうに触っている専務ー


「お父さんには、内緒ですよ…♡」

甘い声で囁く樹里に、専務はニヤニヤしながら

「も、もちろんだよ」と呟くー


にこっと微笑んだ樹里は、胸を触らせながら

専務に囁いたー


「α技術のデータ…ほしいな♡」

とー。


「も、もちろんだよ樹里ちゃん!」

専務のその言葉に、

樹里は、悪女の笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


一方、彼氏の宅磨は

警察官・小田切 隆造(おだぎり たかぞう)と共に、

悪の組織・ナイトメアを追っていたー。


樹里の豹変について、小田切に話をした宅磨は

小田切から、それが悪の組織ナイトメアの”パラサイト”に

よるものだと言うことを知ったー


そして、宅磨は小田切に対して、協力を申し出たのだったー。


「--樹里…俺が必ず助けるからなー」


学校の授業を終えた宅磨は、

今日も悪の組織ナイトメアについて調べていたー


ほとんど情報はないー

だが、確かに”ナイトメア”は存在するー。


警察官・小田切と共に、ナイトメアについて調べていく宅磨ー


そして、1週間後ー

「---あいつらのアジトは、ここかー!」


”樹里を助けたい”

その一心で、宅磨はついに”悪の組織ナイトメア”のアジトを

突き止めたー


もはや、執念だったー。


”あんた、最近おかしいよ”

と、樹里の友人・美津穂から言われたものの、

止まることは出来ないー。


「まぁ、悪の組織なんて言いだしたらおかしいと思われるのも当然だな」


宅磨はそんな風に思いながら

”悪の組織ナイトメア”のアジトがある建物が見える喫茶店で、

刑事・小田切の到着を待ったー


しばらくして、小田切が「あそこか?」と、喫茶店にやって来るー。


「--えぇ、あの建物がナイトメアのアジトですー」

宅磨が言うー。


”すべては樹里を助けるために”

宅磨は、小田切と共に、ナイトメアのアジトの方に向かったー



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


次回が最終回デス!

パラサイトに支配された彼女の運命は…?


今日もお読み下さり、ありがとうございました~!

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