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男子高校生・杉原 七雄(すぎはら ななお)は、

男子校に通っていたー。


明るく、話しやすい性格で、成績もそこそこー

先生からも、友達からも頼りにされるような存在だったー。


しかし、そんな彼がー


「---っ!?!?!?!?!?!?」


ある日、目を覚まして、自分の身体の異変に気付いたー


「--ないっーーーーーーーー!?!?!?!?」

七雄は大声で叫ぶー


「ない!?!?」

七雄は、自分の股間のあたりを触りながら、

そう叫んでいたー。


「--ど、どうなってるんだぁああああああああ!?」

男子高校生とは思えないような、可愛い声でー。


・・・・・・・・・・・・・


「---って言うと…

 昨日、寝るまでは普通だったのに、朝起きたら

 女子になっていた、、と?」


父親の功(いさお)が言うー。


功は、土日が仕事で、平日に2日間の休みがある職場のため、

今日はちょうど休みで、自宅にいる日だったー。


「--まぁ…そんな感じ…」

胸のふくらみを気にしながら、七雄が言うと、

母親の丸江(まるえ)が、戸惑った表情を浮かべながら、

七雄の方を見たー。


七雄はー

”朝、起きたら女になっていた”のだー。


何故そんな風になってしまったのかは分からないー


だが、髪は伸びー、

胸は膨らみー

代わりに男の象徴である、アレはなくなったー


元々、中性的な感じの顔立ちだった七雄は、

ベースとなる顔自体はそのままだが、

肌の感じが女子のような感じになり、

身体も女体化したことで、

”美少女”のような感じになってしまっていたー。


「---本当に、七雄なんだよな?」

父の功が戸惑いながら言うー。


「--当たり前だろ!?俺の部屋で知らない女子高生が

 寝てるわけないだろ!?」

女になった七雄が可愛い声で叫ぶと、

父親の功と母親の丸江は戸惑いながら、お互いの顔を見合わせたー。


顔自体は、七雄を女子にしたバージョン…

みたいな顔だったため、

両親に何とか”俺が七雄だ!”と信じてもらうことはできたー


それは不幸中の幸いだったかもしれないー


けれどー

どうして、こんなことにー。


「ってか、学校どうしよう?!」

長くなった髪をいじりながら言う七雄。


七雄が通っているのは”男子校”だー。


女体化してしまっただけでもまずいのに、

男子校となれば、さらにまずいー。


その言葉を聞いた父親は「確かにそうだな…」と考え込むー。

母の丸江は「病院に行った方がいいんじゃないの?」と不安そうだー。


確かに、”朝、起きたらいきなり女になっていた”というのは

かなりおかしなことだ。

母・丸江が言う通り、病気である可能性もあるかもしれないし、

当然の不安だったー。


「---とりあえず、学校に連絡してみるか」

父の功がそう呟きながらスマホを手にするー。


七雄の父親と、七雄が通う男子校の校長は”高校時代の同級生”だー。

父・功が連絡をすれば、なんとかなるかもしれないー。


七雄が入学するまでは、七雄の父である功も

そのことを知らなかったのだが、七雄が学校から

持ち帰ったプリントを見て「あいつ、校長になってたのか!」と

父・功が叫び、それからは父と校長は度々プライベートで会うようになっていたー


そんな父が、校長に電話で事情を説明してくれているー


「---ねぇ、本当に病院行かなくていいの?」

母親の丸江が言うー。


七雄は自分の髪や手を触りながら

「女になっちゃったって以外は、特に調子悪いところとか

 ないんだよなぁ~」と呟くー


「--でも、普通、急に性別変わったりしないでしょ?」

母親の丸江がなおも心配そうに言うー。


「---まぁ…そうなんだけど…」

自分の声にも違和感を感じながら、七雄がそう返事をすると、

父親の功が「あいつには話しておいた。そういうことなら

登校していいってさ」と、スマホを机に置きながら

校長先生との話がついたと、七雄に言い放ったー


「-え!?いいの!?」

七雄が言うと、

「--休み続けるわけにはいかないだろ?

 中身はお前なんだし、男であることには変わりないから、

 とりあえずそのまま学校に通う、ってことでいいらしいぞ」

と、父親の功は答えたー。


”身体は女”だが、中身は七雄だー。

確かに、問題はないかもーー

いや、あるかもーー


そんな風に思いながらも、七雄は学校に行く準備をするー。


制服に着替える七雄ー。


「ーーって、いつもの制服でいいのか?」

七雄が着替え始めながら言うと、

父の功は「まぁ、その制服しかないだろうし、

今はズボンとスカート選べるところもある時代だし、

問題ないだろ」と答えたー


「そうだな」

七雄もそう呟きながら、服を脱いで、着替えるー。


「----」

「-----」


七雄が顔を真っ赤にするー


「どうした?」

父・功が言うと、七雄は真っ赤な顔のまま功を見たー


「滅茶苦茶はずかしいんだけど!?

 なんか、女子の裸見てるみたいで!!」

と、七雄が叫んだー


「はははっお前も思春期の男子って感じだな!

 別に他人の身体を見てるわけじゃないんだし、

 いいじゃないか

笑う功ー。


「--妙に冷静だな 父さんは」

と、苦笑いしながら、さらに服を着替えながらー

胸が晒されて、ドキッとしてしまうー


「---……」

「------」


「--どうした?」

父・功が再び表情を歪めながら質問するー


七雄は、少しだけ躊躇ってたから、父親の方を見たー


「これ、どうしよう?」

自分の膨らんだ胸を指さすー。


「---」

父の功も、少しだけ戸惑ったような表情を浮かべるー


「---どうしようって?」

功が、目をそらしながら言うー。

さすがに、息子が女体化した姿とは言え、

高校生の胸を直視するのは、なんだか違和感を

感じたのだろうー。


「---ほら、、その…ノーブラ?でいいのかな?って」

七雄が言うと、

功は「おまえ、、ブラなんて持ってないだろ?大丈夫だよ 見えやしない」と

目をそらしながら答えたー。


「まぁ、確かにブラなんて持ってないけどさ」

七雄は首を傾げながらそのまま制服を着て、身支度を整え終えたー。


「--まぁ、ほら、あれだ」

功が言うー。


「いざとなったら、母さんのやつ、借りればいいさ」

と、父・功の言葉に、

母・丸江は「えぇっ!?」と、叫ぶー。


「---ま、、ま、、まぁ…必要そうなら買ってくるよ。

 今の身体のままなら、買っても問題ないだろうし」

七雄はそう言うと「じゃ~……学校、行ってくる」と、

母・丸江、父・功の方を見ながら呟いたー


「ホントに、病医行かなくていいの!?」

丸江が戸惑いながら言うと、

父・功は「--朝起きたら女になってました!って

病院に行ったらどうなると思う?」と丸江に対して言うー


丸江は「それは、先生が…見てくれて色々と…」

と、戸惑いながら答えるー


父・功はその返事に対し、

「あぁ。見てくれるだろうさ。精神科でな!」と、答えたー。


”朝、起きたら男から女になってました”

そんな病気は、この世に存在しないー

そんな現象も、聞いたことがないー

だが、七雄は実際にそうなっているー


しかしー

その状況で病院に行ったらどうだろうか。

きっと”頭がおかしいやつだ”と判断されて

精神科だの心療内科に案内されるに決まっているー


父・功はそう考えていたー


「--ま、、まぁ…一晩寝れば治るかもだし、

 とにかく学校に行くよ」

七雄がそう言うと、功と丸江は頷いたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


学校に向かう七雄ー。


”ってか、クラスのやつらにどう説明すればいいんだ?”

そんな風に思いながらも、学校はどんどん近づいてくるー


比較的友達の多いタイプの七雄ー

いつも明るく振舞っているためー

今日も”朝、起きたら女になってたんだよ ははは”

ぐらいで済むかもしれないー


それでもー

やはり、心配になってしまうー


「ーーー」

「-----」

「------」


学校に到着した七雄ー

どうしても、周囲からの”視線”を感じるー


七雄が通っているのは男子校だー。

事務員や教職員に女性はいるが、

生徒は全員”男”だー。


だから、物珍しいのだろうー


長い髪にー

女子らしい肌や手ー

そしてイヤでもわかってしまう胸ー。


いつもの制服を着ているとは言え、

男子だと主張するのは、ちょっと無理があったー


それに、声も完全に女子の声だー。


「--あの子、なんだろ?」

「女子…だよな?」

「ってかあれ七雄じゃね?女装?」


周囲の生徒のヒソヒソ声が聞こえるー


七雄はドキドキしながら、教室に入ろうとすると、

背後から担任の先生に声を掛けられたー。


「-わっ!?急に後ろから話しかけないで下さいよ」

七雄が可愛い声で言うと、担任の先生は

「驚いたな…校長から聞いてたけど、ホントに女子になってるとは」と、

戸惑いの表情を見せながらも、笑みを浮かべたー


「ま、あれだ、お前ならなんとかなるだろ。

 今、一緒に説明するから、教室に入ろう」

担任の先生の言葉に、七雄は頷くと、

”まるで転入生の紹介みたいだな”と思いながら、

担任の先生と共に、教室の前に扉を開けて、

そのまま教室の中へと入ったー


ざわめく教室ー


「え?なに?」

「女子!?」

「転入生!?」

「あれ?七雄!?」


色々な声が聞こえるー


担任の先生が咳払いをすると、

少し戸惑った様子で

「え~~~~…杉原は、今日の朝、起きたら女子になっていてーー…

 ちょっと…今のところ原因が分からないみたいだからーー

 う~~ん」

と、言葉を発したー。


少し言葉を止めた挙句に

「まぁ、身体は女子になってるけど、杉原は杉原だから、

 みんな、普通に接してやってほしい」

と、強引に説明をまとめたー。


クラスメイトたちがざわめくー。


七雄はそんなクラスメイトたちを見て、

「みんな、ほら、俺は俺だから!気にすんな!」といつもの調子で

笑いながら言い放ったー


だがーー


「うぉぉぉぉ 声が可愛すぎるだろ?」

「やべぇ~!!」

「卑猥な言葉言わせてぇ!」


色々な声が上がったー


「---ははは、やめろって」

七雄は笑いながら自分の座席に座ったー


「--え?マジ?」

隣の座席の男子、野宮 照也(のみや てるや)が

興味津々に七雄の胸の方を見つめるー


「--それ?何か入れてるんじゃなくて?」

照也の言葉に、七雄は「いや、マジで胸だよ」と

呟きながら、平然と自分の胸を触ったー


「---ほら、触ってみ?本物だろ?」

七雄が言うと、照也は顔を真っ赤にしながら、七雄の方を見たー


「-っおいおい、そんな顔すんなよ!

 別に女子の触るわけじゃないんだから!」

七雄が言うと、照也は「そ、そうだな」と、七雄の胸を触ったー


「ま、、マジで本物っぽい…」

照也の言葉に、周囲の男子が「俺にも触らせてくれ!」などと言いだすー


七雄は「ったく、お前らってやつは」と呆れ顔で笑いながらも、

”一応”はクラスメイトたちに受け入れられたことを安堵していたー


だがー

図らずも”男子校唯一の女子高生”となってしまった

七雄の学校生活は”そう簡単なもの”ではなかったー


七雄は、まだ知らないー。

やがて、色々な”壁”に直面していくことをー。



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・


コメント


ある日、突然女体化してしまった

男子校に通う男子高校生…!


今のところ、なんとなく上手くやっていけそうな感じですネ…☆


続きは、また次回デス!

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