Home Artists Posts Import Register

Content

とある男子高校生の日記。

彼女が憑依されてしまったことにより、人生が激変しー

最後には破滅してしまった

悲運の男子高校生の戦いの記録である。(第12週)


★前回はこちら↓★

fanbox post: creator/29593080/post/2164592


発生した事件の重要な証拠品として、

現在、警察がこの男子高校生の遺した日記の解析を進めているのだというー。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


男子高校生・森山 晴夫が遺した日記とブログを

読み終えた刑事・高浜 秀平(たかはま しゅうへい)は表情を

歪めたー


彼は、この事件の担当者だったー。


5月ー。

晴夫の親友であった零夜から、先日、この日記とブログの

提供を受けた秀平たちは、

晴夫の彼女である香里に憑依した”闇蜘蛛興業”のアジトを突き止めたー


闇蜘蛛興業の経営する違法店・デビルエンジェルは既に押さえたー。

あとは、やつらの本拠地に突入するだけだー。


秀平が表情を曇らせるー


今回の件は、極秘任務ー

”憑依薬”なる存在を世間に知られるわけにはいかないー…

と、警察上層部の目黒警視正は言っていたー。


”憑依”が明るみに出れば、

世間は大混乱に陥ってしまうー、と。

だからこそ、”憑依”が明るみに出る前に、

闇蜘蛛興業を壊滅させなくてはならないー。


秀平は、目黒警視正経由で手配された

警察官4名と共に、闇蜘蛛興業のアジトにやってきていたー。


闇蜘蛛興業は街はずれの廃工場周辺にアジトを作り、

そこを本拠地としていたー。


「---目的を確認する」

秀平は4人の部下たちに対して言葉をかけるー


目的はー

闇蜘蛛興業の殲滅ー。

極秘任務であるため、場合によっては相手の射殺も許可されているー。


会長とされる田原 伸次郎ほか、構成員の始末、

「日記を遺した男子高校生」森山晴夫がもしもまだ生きていれば

その救出ー

さらには、その彼女の、香里ー、

憑依されてしまった香里の救出ー。


「--そして、憑依薬の抹消ー」

秀平の言葉に、4人の刑事たちは頷いたー。


闇蜘蛛興業の構成員が待ち構えている廃工場の方を見つめて秀平は

息を飲むー。

あらゆる修羅場をくぐって来た彼だったが、

これほどまでに禍々しい気配を感じるのは、初めてだったー。


「---」

心の中で深く深呼吸をすると、

秀平は目を見開いたー。


「行くぞ!」

その言葉と共に、修平と4人の刑事は、それぞれ闇蜘蛛興業が

根城としている廃工場に突入したー


・・・・・・・・・・・・・・


「あ~~~~?」

闇蜘蛛興業の構成員が、監視カメラを見つめながら首を傾げたー。


「どうした?」

いかにも、悪党、という風貌の、高級そうなスーツを身に着けた男が

立ち上がるー。


その横には、憑依されて、すっかり悪女になってしまった香里もいるー。

チャイナドレスを着た香里はほほ笑むー


「刑事じゃん」

とー。


「---チッ」

闇蜘蛛興業の会長・田原伸次郎は、表情を歪めるー。

そんな伸次郎に対して香里は「会長…」と呟いてから、

「この女の身体を人質にすれば、やつらは手出しできないはず」と

悪い笑みを浮かべたー


「ククク そうだな」

伸次郎も悪い笑みを浮かべるー


「--この女は、ただの女子高生」

伸次郎が香里の胸を触ると、憑依されている香里は

嬉しそうに笑みを浮かべるー。


「-この女を盾にすれば、やつらも手出しは出来まいー

 たとえ、中身が極悪人であったとしても、なー」

伸次郎の言葉に、香里や周囲の構成員は笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・・・・・


銃声が工場内に響き渡るー。


闇蜘蛛興業の構成員たちが、あっという間に制圧されていくー


目黒警視正が用意した4人や、

目黒警視正に直々に指名された秀平は

優れた実力の持ち主だったー


あっという間に鎮圧されていく闇蜘蛛興業の構成員たちー


その様子を、少し離れた場所からーー

男が見つめていたー


「---このまま、黙ってみてるわけにはいかないぜ」

男は、事件の日記を遺した男子高校生・晴夫の親友である

零夜だったー。


親友の家族が、彼女が、あらゆるものが滅茶苦茶にされて

このまま黙っているわけにはいかないー。


零夜はどう思い、警察にも内緒で、ここまで

ついてきたのだったー。


”いざというときのため”の鉄パイプを握りしめて

零夜が秀平ら5人の警察官とは違う方向に向かうー


銃声が響き渡るー。

秀平らは、順調に闇蜘蛛興業のアジトの最奥部へと進んでいるー。


だがー

闇蜘蛛興業の構成員たちも、そう簡単に秀平らを通すつもりはなかったー。


「---!」

廃工場中間地点の広い場所に出た直後、

激しい銃声が響き渡ったー


「--峰屋(みねや!)」

秀平が叫ぶー。


目黒警視正が用意した4人の刑事のひとり・峰屋 昭三が、

闇蜘蛛興業の機関銃に貫かれて即死したー。


峰屋の死を確認した秀平ら4人は咄嗟に物影に隠れるー


「へへへ ようこそ地獄へ!へへへへへっ!」

機関銃を回しながら笑みを浮かべる闇蜘蛛興業の男ー。

先程、監視カメラの映像で秀平ら刑事の侵入を察知した男が、

そう叫んだー。


「---」

秀平は物影に隠れながら、機関銃までのルートを確認するー。


「--俺が囮になる その間にお前たちは脇道から背後へまわれ」

秀平がすぐにそう指示をすると、残りの3人は頷いたー


”香里を助けたい”

その想いから、2ヵ月以上、一人で過酷な戦いを続けた

男子高校生の思いに報いるためにもー、

”市民の命を守る”使命を果たすためにもー

秀平は、ここで引くわけにはいかなかったー。


・・・・・・・・・・・・・


「--ーー」

闇蜘蛛興業の会長・田原伸次郎が立ち上がるー

香里を抱き寄せて、香里にキスをするー。


香里は高校の制服に着替えていたー


”正気のフリ”をしー

”人質”として刑事たちの前に姿を現し、

そしてーーー


「--ーーー」

香里は、一人、邪悪な笑みを浮かべたー。


・・・・・・・・・・・・・・・・


工場の奥に一足先にたどり着いていた零夜は、

管理室のような場所から、闇蜘蛛興業の会長・伸次郎と、

憑依された香里が、外に出ていくのを確認したー。


思わず、叫びそうになったがー

香里の救出は、後だー。


零夜はそのまま工場の一角へと向かいー

そして、牢屋のような場所にたどり着いたー。


そこにはーーー

晴夫の姿があったー


「晴夫!!!」

そう叫ぶ零夜ー


しかしー


カチャーーー


背後から、真面目そうな顔立ちのOLに銃を突き付けられたー。


「---ふふふ ネズミちゃん発見」

OLはペロリと唇を舐めると、零夜に向かって銃を突き付けたまま

無気味な笑みを浮かべたー



<次週に続く>


・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


”日記”の後日談にあたるお話デス~!

事件の解決まで、ぜひお楽しみください~!


※「コンパクト枠」(リメイクや日記シリーズ)の曜日が

私の仕事のスケジュール変化に伴い、今週から「毎週火曜日⇒毎週土曜日」に

変更になりました!

(今週から火曜日は普通の新作小説(いつもの長さぐらい)のものを書いています!)


(コンパクト枠とは)

毎週土曜日(先週までは火曜日)のみ、書く時間が

あまり確保できないのですが、それでもせっかくなので

皆様に少しでも作品をお届けしたい、という想いから、

いつもより若干文字数が少ないコンパクトな作品

(リメイクや日記シリーズ)をお届けしています~!

(※いつもより短いため、100円プランで読めるようにしてあります!)


(Fanbox)


Files

Comments

No comments found for this post.