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面接を受けている就活生3人に対してー

面接官が5人ー。


緊張した空気の中、面接は続いていたー


だが、面接官にも、就活生にも、戸惑いの表情が浮かんでいるー


ただ、一人を除いてはー。


面接官のひとりが咳払いをすると、気を取り直して

”質問”を続けたー。


「--皆さんの特技を教えてください」


一人目の女が回答を終えるー。


そして、二人目の女に順番が回って来るー。

指名された女性は、質問に対する”答え”を口にしたー。


「--エッチな服を着て、気持ちよくオナニーすることです」

とー。


「---」

唖然とする面接官ー


信じられない答えを口にした女性は、「なんならここで聞きます?

わたしの喘ぎ声」と、笑みを浮かべたー。


彼女はーー

”憑依”されてしまっていたー


・・・・・・・・・・・・・・・・


”前日”-。


「--美姫(みき)、明日面接だったよな?頑張れよ!」

大学生の村里 美姫(むらさと みき)は、就職活動中ー。


そして、企業の面接を明日に控えていたー。


美姫と同居している兄・健治(けんじ)が、

色々と面接のアドバイスをしていくー。


兄・健司は社会人、妹・美姫は大学生ー

そんな二人が、同居しているのには、ある”理由”があったー。


その理由とは、”両親”だー。

父親は暴力的な父親で、母親は浮気性ー

地獄のような両親の元で育った二人はー、

なんとかここまで生き延びて来たー。


そんな家庭で育った故に、兄の健治は、”自分が美姫を守るんだ”と

小さいころから、父親の暴力の盾になってまでー

美姫を守ったー。


そんな健治は、美姫が大学生になるタイミングで

”一人暮らし”を始めたー。


本当はもっと早く出ていきたかったのだが

美姫を”あの両親のところに置いておくことはできない”と、

必死に我慢しー

高校卒業のタイミングで、すぐさま美姫を連れて

家を出たー。


別々に暮らす、という手もあったし、

美姫も”お兄ちゃんの迷惑になりたくないから”と

そう言っていたのだが、収入面が非常に厳しいこともあり、

”就職してちゃんとお金を稼げるようになるまで”、

兄・健治の家に同居する、ということを二人で決めて

今に至るー。


「--ま、美姫なら大丈夫だからー。

 とにかく、頑張れよ」

一通りアドバイスを終えた健治は、そう言うと、

笑顔で美姫の頭を優しくなでたー。


美姫は”応援してくれたお兄ちゃんのためにも、頑張らなくちゃ”と

心の中で自分を奮い立たせるー。


けれどー

そんな美姫の想いは、”踏みにじられる”ことになるー。

身勝手な憑依によってー。


・・・・・・・・・・・・・


そしてー運命の面接当日ー

美姫は、緊張した表情で、面接の会場に向かうー。


その後ろ姿を見ていた

公園のベンチで、缶コーヒーを飲んでいる男・

沢村 順太郎(さわむら じゅんたろう)は、舌打ちをしたー。


就職活動ー。

この時期になると、毎年、就職活動をしている

大学生の姿を、このあたりではよく見かけるー。


この辺りは、オフィス街でもあり、数多の企業が

面接や説明会を行っているからだー。


「チッ」

舌打ちをする順太郎ー。


順太郎は”就職活動”に苦い思い出があったー

”そのせい”で、自分は今、フリーターとしての貧困生活を強いられているー


”夢と希望に満ち溢れた就活生”を見ると腹が立つー


歯ぎしりをする順太郎ー。

彼の手には、”憑依薬”が握られていたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


面接会場に到着した美姫は拳をぎゅっと

握りながら深呼吸をするー


緊張の中、時間が経過していきー

ついに、面接会場に呼び出されたー。


美姫の他に、二人の就活生が、一緒に

面接が行われる部屋に入るー。


「--ゴクリ」

美姫は、緊張しながら、面接の礼儀作法をしっかりとこなし、

イスに着席するー。


面接官が5人ー。

複数人いることは想定していたが、

実際にこういう場面になると、やはり、緊張するー


美姫は、事前に練習していたことを頭の中で

急いで整理をしながら、面接に備えるー。


しかしー

そこで、美姫の”意識”は途切れたー


「うっ…」

美姫がうめき声をあげるー。


隣にいる男性の就活生が「?」と、美姫の方を少しだけ見つめるー。


「どうか、されましたか?」

5人の面接官のうち、中央に座っている

少し若そうな眼鏡の男が、美姫に声を掛けるー。


美姫は少しだけにやっとすると、

「ああ、いえ、大丈夫です」と、微笑みながら

改めて姿勢を整えたー。


「--それでは、まずはお名前を教えてください」

中央に座っている眼鏡をかけた若めの男性が、そう呟くー。


一番左に座っていた女性の就活生から自己紹介を始めるー


箱崎 純恋(はこざき すみれ)と名乗った女性が

自己紹介を終えるー。


続いて真ん中の座席に座っている美姫の順番がやってきたー。


だがー

さっきまで緊張した様子だった美姫からは、

そんな様子は消し飛んでいたー。


美姫が自己紹介を始めるー。


「--海王星からやってきた、美姫おねえさまです!うふっ♡」

面接官に向かってピースする美姫ー。


「----」

面接官5人が唖然としているー。


右側に座る就活生の男が目を見開いて驚いているー。


美姫はーー

面接開始時に、”憑依”されてしまったー。


美姫を滅茶苦茶にしようと、美姫の身体で、

とんでもない受け答えをしたのだー。


「ーー真面目に答えて頂けますか?」

呆れた様子で、左側に座る女性面接官が言うー。


「--だから、わたし、美姫おねえさまだもん!」

頬を膨らませて叫ぶ美姫ー。


両隣の就活生は”この子、落ちたな”と確信するー。


「--ーじゃあ次」

呆れた様子で、5人のうちの一人、一番高齢の面接官がそう呟くー。


右隣の就活生の男・宮城 創(みやぎ はじめ)が、少し動揺した

様子で自己紹介を終えたー。


美姫は、足を組み、妖艶な笑みを浮かべながら

面接官を見つめるー。


「---」

面接官も、美姫以外の就活生二人も、戸惑った様子だー。


「--では、当社を志望した理由を教えてください」

若い眼鏡の男が、そう質問をすると、

左隣の純恋が、無難な回答をするー。


そして、美姫の番がやってくるー。


面接官の男も、正直、美姫に質問したくなかったが、

形式的に美姫に志望動機を問うー。


乗っ取られたままの美姫は、笑みを浮かべて

”志望動機”を口にしたー。


「-御社の社長のハゲ頭に萌えたからです」

ーと。


「--ぶっ」

右隣の創が吹き出して目を逸らすー。


確かにこの企業の社長は禿げ頭で、

企業の公式サイトの社長あいさつにも、禿げた頭で

出演していたー。


「---ふっ」

5人の面接官のひとりが少しだけ笑って、すぐに咳払いをして「失礼」と

呟くー。


右隣の就活生・創は、美姫のとんでもない受け答えのせいで、

自分の本来の答えようと思っていた志望動機が

記憶から飛んでしまい、困惑の表情を浮かべたー。


「--皆さんの特技を教えてください」

面接官が、次の質問を始めるー


左隣の純恋は、またまた無難な答えを口にしたー。


そしてー

美姫の順番んが回って来るー


美姫は、笑みを浮かべているー


”へへへ…さぁ、落とせ!こいつの人生、滅茶苦茶にしてやる!

 とんでもない回答に、震えろ!”

乗っ取られた美姫は、そう思いながら満面の笑みで回答したー。


「--エッチな服を着て、気持ちよくオナニーすることです」

とー。

「---」

唖然とする面接官ー


信じられない答えを口にした女性は、「なんならここで聞きます?

わたしの喘ぎ声」と、笑みを浮かべたー。


「ーー君!いい加減にしたまえ!」

年配の面接官が机を叩いて叫んだー。


「ーーー」

その言葉に、美姫はわざとらしく鼻をほじり出すー。


さらに唖然とする面接官と2人の就活生ー。

美姫は無許可で歩き出すと、

”いい加減にしたまえ”と叫んだ年配の面接官の方に

歩いていきー、

信じられないことに、その面接官のスーツに

指についた鼻から出て来たゴミを、くっつけたー。


「---なっ…」

面接官は怒り狂った形相で美姫を睨むー。


美姫は「わたしからのプレゼントですぅ~あっはははは♡」

と言いながら座席に戻り、

イスにあぐらで座ったー。


スカートがめくれて、見てはいけないものが

見えてしまいそうな状態の美姫ー


右隣の男性就活生・創は、完全に動揺しているー。

左隣の女性就活生・純恋は、動じる様子を見せないようにしているー。


特技を聞かれる創ー。


創は美姫のせいで、完全にペースを乱されていたー


「---あ、はい、特技はオナニー、、ち、違う!」

創は、そこまで言うと、美姫の方を見て叫んだー


「いい加減にしてくだいよ!何なんですか!?

 僕まで迷惑してるんですけど!

 あんたのせいで、こっちはいい迷惑だ!」


美姫につられてとんでもない回答をしてしまった

創が怒りの形相で叫ぶー


美姫はあぐらをしたまま、

「-ここで私とヤッちゃう?」と笑みを浮かべたー


創はドキッとしながらも、面接官に

「この女、つまみ出してください!」と叫ぶー。


だが、面接官のひとりが「お静かに」と呟くと、

そのまま面接が再開されたー。


”つまみ出す”ことで、美姫が面倒に騒ぎ出すことを

面接官たちは恐れていたー。


「--自分の短所を教えてくださいー」

気を取り直して質問が再開されるー。


最初に指名された純恋が

「-ひとつのことに夢中になりすぎてしまうところです」

と、回答するー。

あくまでも純恋は、美姫に反応を示さないようにしているー。


次に、創が指名されるー。

「-ー予想外の出来事があると、ペースを乱されることですかね…

 今のように」

と、美姫への嫌味もかねて答えるー。


面接官はそれを聞くと「それでは、次ー」と言いだすー


”美姫”に質問を振らないようにし始めた面接官ー


しかし、美姫は叫んだー


「は~~~~?わたしを無視するの~~~?

 最低なんですけどぉ~!」

とー。


そして、勝手に答え始める美姫ー。


「-わたしの短所は、ビッチなところで~す♡」

イスから立ち上がって笑いながら叫ぶ美姫ー


「男とヤリまくってるからぁ~♡」

スカートを指さして美姫は笑うー


「ここ、きったな~いの うっふふふふ♡」

乗っ取られている美姫に、もはや恥はなかったー。


どうせ恥をかくのは、美姫本人だし、

美姫がどうなろうと、関係ないのだー

これは、復讐でもあるー。


「---いい加減に、しろーーーー!!!!!」

年配の面接官が大声で怒鳴り声をあげたー


「--石田さん、お静かに」

中央に座る眼鏡の若い男性面接官は、冷静だったー。


「---お座りください」

若い男性面接官が、美姫にそう言い放つと、

美姫は「あんたもわたしにいれる~?」と笑いながら

イスに座ったー


左隣の女性就活生・純恋もさすがにイライラしているのか

美姫だけに聞こえる大きさで舌打ちをしたー。


「--あ?」

美姫が純恋の方を見るー


「-テメ~今、美姫おねえさまに向かって舌打ちしたよなぁ~~~?」

美姫が純恋に絡み始めるー

純恋は美姫を完全に無視しているー


「--あ~~~??おい??

 わたしよりブスのくせして調子のんじゃねぇぞ」

スーツ姿の美姫の言動はー

もはや就活生などではなかったー


「やめなさい!」

女性の年配面接官が静止するー。


美姫は舌打ちしながら

「ブス女!ブス女!」と純恋に攻撃的発言をしながら

そのままイスに座り込んだー。


面接官たちも、就活生たちも、完全に美姫の

おかしな行動にペースを乱されていたー


”クククー

 これでこいつは再起不能だー”


美姫は笑みを浮かべるー。


”だが、どうせなら、もっと滅茶苦茶にしてやらないとな”

笑みを浮かべる美姫ー。


面接官が”当社に入社したらやりたいこと”を質問するー


純恋は、会社の業態に合った内容を答え、面接官たちも頷くー。

創は、”ごめんなさい、頭が混乱してー”と、美姫のせいで、答えを忘れてしまう。


そして、美姫が立ち上がるー。


「-わたしがこの会社でしたいことは~♡」

美姫が満面の笑みを浮かべるとー

次の瞬間、美姫の足元に水滴がこぼれ落ち始めたー


面接官も、

就活生二人も、目を見開いて唖然とするー


「--放尿でぇ~す♡」

美姫は笑いながら、スカートを濡らしー

足元を濡らしー

その場で、堂々と放尿してみせたー。



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・


コメント


面接中の憑依…!

もう、美姫の就活は詰んでしまってますネ…汗

このあとは、さらに恐ろしいことに…


今日もありがとうございました!

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