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女子高生の静川 智恵(しずかわ ともえ)は、

大人しい性格の持ち主だったー。

自分に自信がなく、引っ込み思案で、常にビクビクしている感じの子ー。


”全体的に地味”

そんなイメージを受けてしまう感じの子だったー。


そんな智恵には、彼氏がいたー。

幼馴染の男子・戸崎 勇吾(とざき ゆうご)-。


幼馴染の勇吾は、智恵に自分から告白してきてー

そして、今に至るー。


けれど、智恵は未だに信じられなかったー。

”自分のような、地味で何の取り柄もないような女子に

 勇吾くんが、告白してくれるなんてー”


とー。


自分より可愛い子はたくさんいるしー

性格は暗くて、きっと相手を楽しませるようなことは出来ていないー

おしゃれにも無頓着で、最低限の身だしなみしか整えていないー

エッチなことには過敏に反応してしまって、キスすら出来ないー。


そんな自分を好きなんて、

絶対罰ゲームか何かだと、智恵は本気でそうう思っていたー。


それでもー

付き合い始めてから半年以上ー

さすがに、勇吾が、罰ゲームで智恵に告白してきたわけではなく

本気なのだと、智恵も理解し始めていたー。


罰ゲームで半年も付き合うのは、さすがに無理があるし、

一緒にいると、大事にしてくれている、ということもよく分かるー。


今日も傷み気味も髪を触りながら、

勇吾の方を見つめる智恵ー


「はっは~!勇吾!あんな彼女でホントに楽しいのかよ~!」

勇吾の悪友・洋一(よういち)が、勇吾を揶揄っているー。


「--楽しいし、安らぐしーー

 俺にとっては、本当に最高の彼女さ」

恥ずかしがることなく笑う勇吾ー。


その返事に、洋一は「ははは、お前はホントにぶれないなぁ~」と

笑うー。


洋一には、真美子(まみこ)という彼女がいるー。

クラスの中心的存在の明るくて活発な女子だー。

そんな真美子と比べたら、自分なんて、本当にゴミクズだろうー、と

智恵は思っているー


そして、

他のクラスメイトから、あんな風に揶揄われている勇吾の姿を

見るたびに、智恵は申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまうー


”こんなわたしのせいで、勇吾くんは恥をかいているー”

とー。


「--でもまぁ、大事にしろよー。」

悪友の洋一の言葉に、勇吾は「当たり前だろ」と

笑いながら即答するー。


そんな会話を遠目から聞いていた智恵は、

”わたしが…もっともっと、明るくなれればいいのに”と、

勇吾に対して、心の中で何度も何度も謝ったー


・・・・・・・・・・・・・・・・


帰宅した智恵はため息をつくー


”どうにか自分を変えたい”

”ネガティブな自分を変えたい”

”もっと勇吾くんにふさわしい、おしゃれをしたいー”


変わりたいー。


そんな風に、智恵は思っていたー

”勇吾くんに恥をかかせてしまうー”

”勇吾くんだって、きっと今のわたしなんかじゃつまらないと思ってるー”


そんなネガティブな考えが、

次から次へと頭をよぎるー。


智恵は暗い表情で

”明るくイメチェンする方法”

”ネガティブからポジティブになる方法”

色々なワードで、”自分が変わる”ための方法を調べては、

ため息をつくー。


ここのところ、ずっとそうだー。


クラスの他の女子のように、自分には可愛く振舞うことも、

楽しい話をすることも、出来ないー。

出来るのは、ネガティブなオーラを振りまくことだけー。


なんとか、変わりたいー。


「----!?」

そんなときだったー。


”どんなにネガティブなあなたでも、必ず変われるー 

 ”ポジティブ・コア療法”-


そんな広告が、目に入ったー


「ポジティブ・コア…?」

智恵は、そんな広告に興味を惹かれて、その内容を見つめるー。


ポジティブ・コア療法ー。

”あなたの内側に、あらゆるプラス思考を発する”コア”を植え付けー

 あなたを必ずポジティブにしますー

 どんなネガティブなあなたでも、必ず明るく、前向きにー”


そんな内容だったー。


「-----」

利用者の経験談のようなものも掲載されているー。

そこには、智恵のような地味そうな少女が、

明るくおしゃれな少女に変貌した体験談などが書かれていたー


「---」

”絶対やらせだよ…”

などと、智恵も最初はその広告を閉じたもののー

勇吾の顔が浮かび、再び広告を開くー。


”自分が暗いせいで、勇吾くんを苦しめてしまっているー”

智恵はそんな風にネガティブに考えてしまうー。


実際、勇吾から”智恵は暗すぎる”だとか、

そういうことを言われたことは一切ないー。


暗くて、自分に自信がない智恵に対しても、

いつも笑顔で、勇吾は接してくれるー。


けれどー

そんな”優しさ”が智恵の心をさらに痛めつけていたー。


”勇吾くんは、こんなに優しくしてくれるのにー

 わたしは何も勇吾くんに出来ないー”


と、いう、苦しみー。


あらゆる負の感情に支配された智恵は、

すがる思いで”ポジティブ・コア療法”を受けることにしたのだったー


・・・・・・・・・・・・・・


三日後ー


”ポジティブ・コア療法”の予約が取れたー。


「--来週は文化祭だけど、どうする?」

勇吾が笑いながら智恵に話しかけて来るー


「---……あ、、うん…」

智恵が暗い表情で勇吾の方を見ると、

勇吾は笑ったー


「あ、智恵はーー

 あんまりそういうの得意じゃないよな…


 ごめんな。」


勇吾が申し訳なさそうに言うー。


「--あ、、ううん…そうじゃないけど……」

暗い智恵ー。


会話が弾まないー。

勇吾は一生懸命そんな智恵を元気づけようとしてくれているー。


「---わたし……明るくなるからーーー」

傷んだ髪を触りながら、勇吾の方を見つめる智恵ー


「え?」

勇吾が一瞬、不思議そうな顔をしたー。


智恵は、勇吾の方を見て

「--いっつも、こんなわたしで、ごめんね…」と

謝罪の言葉を口にしたー


勇吾は少し首を傾げながらも、

「俺は智恵が好きなんだ。心配するなよ」と、笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・・・


放課後ー


智恵は”ポジティブ・コア療法”の会場に向かったー。


そこには、医師のような恰好をした若い女性がいたー。


色々と説明を受ける智恵ー。

費用は”5000円”と、そこまで高額ではなくー

追加負担も一切ない、とのことだったー。


「--では、あなたに”ポジティブ・コアを植え付けます」

医師のような姿をした女性が微笑むー。


「---30分ほどで終わりますので、その間は、

 眠っていて頂きますね」

女性の言葉に、智恵は頷いたー。


相手が優しそうな女性であることからー

智恵は警戒せずに、手術台のような場所に横たわりー

麻酔を受けるー。


そして、智恵は眠りについたー。


眠りについた智恵を見て、女性は笑みを浮かべるー

ピキッ、と女性の後頭部が割れたー。


「--ふへへへへ…いかにも根暗そうな女子高生だぜ」

医師のような姿をした女性の中から、男の顔が飛び出すー。


皮のように、顔の部分だけペロリとめくれた女性は虚ろな目ー。


そして、奥から、野蛮そうな男が姿を現すと、

医師のような姿をした女性の皮を再び着こんだ男は笑みを浮かべたー


「--さぁ、この女を皮にして、”着るんだー”」

とー。


「--へへへへ…」

野蛮そうな男は笑みを浮かべると、

眠っている智恵に手をかざすー


智恵がみるみるしぼんでいきー

”脱がれた着ぐるみ”のような状態になるー。


「--”いつものように”やりゃいいんだろ?」

野蛮そうな男が言うと、

医師のような姿をした女性は綺麗な声で「ああ」と呟くー。


「---へへへ」

野蛮そうな男が、躊躇なく智恵の皮を着こんでいきー

そして、智恵になったー。


”ポジティブ・コア療法ー”


それはーー

対象の相手を”皮”にしてー

相手を着こみー

”相手の内側”に潜みーー


そしてー

相手の内側から、その本人を褒めまくりー

ネガティブな人間をポジティブに染めるーー

と、いうものー。


智恵を着こんだ男は、

”あえて”智恵に身体の主導権を返しー、

智恵の内側から、智恵を褒め続けるのだー。


その、目的はーーーー


「---ふへへへへへへへ♡ 身体つきはエロいぜ♡」

智恵がニヤニヤしながら自分の胸を触るー


「--ふふふ 今は我慢しろ

 その女が、もっと魅力的になるまではな」

医師の姿をした女の言葉、智恵は「へへ」と笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・・・


「---終わりましたよ」

医師の姿をした女性の言葉に、目を覚ます智恵ー。


「--あ…」

智恵が不安そうな表情で、医師の姿をした女性を見つめるー。


「--大丈夫ですよ。どこも切ったりとか、そういうことはしていませんしー

 内側に”コア”を仕込んだだけですからー


 これであなたもだんだんとポジティブに物事を

 考えられるようになりますよ」


医師の姿をした女性の言葉に、

智恵は「ほ、、本当ですか…?」と自信なさげに呟くー。


「--はい」

医師の姿をした女性は、にっこりとそう微笑んだー


・・・・・・・・・・・・・・


帰宅する智恵ー


”-わたしは可愛いー”

”-わたしは可愛いー”

”ーわたしはかわいいー”


身体の内側から、そんな”気持ち”が芽生えて来るのを

智恵は感じたー


「--!?」

智恵は驚きながらも、

その”内側から噴き出るポジティブな考え”に

居心地の良さを感じるー。


「---…わたし…今度こそ、、前向きになれるかも…!」

智恵はそう呟くと、勇吾と一緒に撮影した

写真を見つめながら微笑むー。


「--わたし、、変わるから…!頑張るから…!」


”そうー

 お前は頑張ることが出来るー”


”--優秀なお前なら、何でもできるー”


”皮”にされて、男に着こまれている智恵はー

そんなこと夢にも思わずー

認識することも出来ないままー

”普通”に生活を続けているー


智恵の中に潜んでいる男は笑うー


”あぁぁ…JKの中は心地よいぜ…”

そんな風に思いながら、

男は”仕事”のために、ポジティブな言葉を囁き続けるー


”お前はえらいー”

”お前は優秀だー”

”お前は可愛いー”


その言葉がーー

智恵に”わたしはかわいい”

”わたしはえらいー”

と、いう気持ちとなって、伝わっていくー。


その日の夜ー

寝ようとする智恵の表情は、

既に、いつものような暗い表情ではなく、

前向きな、明るい表情に変わっていたー


・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


「--おはよ!勇吾くん!」

背後から智恵が、勇吾に声を掛けるー


「--!あ、智恵、おはよう」

勇吾は一瞬驚いた表情を浮かべたー

いつも、智恵から声を掛けるようなことは

ほとんどないからだー。


「---」

智恵の容姿には、まだ変化はないー

いつものような、地味な容姿ー


”--お前はかわいいー”

”自信を持てー”

”お前は、かわいいー”


「---」

智恵は意を決してー

勇吾の手を掴んだー


「--えっ!?」

驚く勇吾ー

智恵は、勇吾の手を掴みー

手をつないだー。


「--手、繋ぎたいな…♡」

智恵が甘えるようにして言うと、

勇吾は少し驚いた表情を浮かべながらも

「--もちろん、いいよ」と、優しく返事をしたー


”そうだー

 お前は可愛いー

 どんどん積極的に行けるんだー”


「--わたし、、かわいい…」

智恵がボソッと呟いたー


勇吾が「え?」と、首を傾げると、

智恵は「ううん、なんでもない」と、

嬉しそうに手をつないだー


”そっかー

 わたし、自分で思っている以上に可愛いのかもー”


登校すると、智恵はトイレの鏡の前で

自分の顔を見つめたー


「--よく見たら…かわいいかも…わたし…♡」

智恵がうっとりとした表情で自分を見つめるー


そして、満足そうに微笑んだー。


「---昨日のポジティブ・コア…

 早速効果が出てきてる…すごい…」


智恵は、自分の考えが、既にポジティブになりつつあることを

感じて、嬉しそうに微笑んだー


「-わたし…すごい…!

 一晩でこんなに前向きになれるなんて…!」


嬉しそうな智恵ー


ピキッー

智恵の後頭部に刺激が走るー


だが、智恵はそのことを認識できないままー

嬉しそうに、笑みを浮かべるのだったー



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


今月最初のお話は、

”褒められ続けると人は伸びる”みたいな話から

思いついた皮モノのお話デス~!

当然、このままポジティブになるだけで終わるはずもなく…?笑


続きもぜひお楽しみくださいネ~!


今日もお読み下さり、ありがとうございました!!

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