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ハンドルの中の意識は笑うー

”あの時以来かーー”と。


初めての車に浮かれていたあの女をー

乗っ取り、そして女の身体でこの上ない快感を味わいながら

爆走したー。


最高の時間だったー。


そしてー

”また”

その最高の時間はやってきたー。


新婚夫婦が笑いながら車に乗り込む。


運転席にやってきたのは、

お腹の少し膨れた妻の方。


「--赤ちゃん生まれるまで

 なかなか運転できないと思うし、今のうちにちょっとだけ」


嬉しそうに言う女。


ーーーあぁ、、、

俺も嬉しいよ


ハンドルの中の意識は笑った。


お前の笑顔はー

今に、俺の笑顔となるー。


「---どんな運転し心地かな~」


「はは、嬉しそうだな友枝(ともえ)」

夫が笑顔で言う。


しかし、悪夢はそこから始まったーーー

友枝は自分に違和感を感じたーーー


「えーーー

 手、、、手が離れない・・・」


恐怖の表情を浮かべる友枝ー


「な、、、なんか変なの!

 大輔(だいすけ)助けて!」


そう叫んだ友枝を見て、

後部座席に座っていた

夫の大輔が、慌てて

外に出て、助手席の方へと入った。


だがーー

その時にはーー


”きたきたきた…!”

ハンドルの中に宿る悪霊は、笑みを浮かべるー。


あの時ー

事故により破損した車ー

そこから、悪霊の宿るハンドルの部分が、

長い年月を経て、こうして、また別の車に再利用されているー。


普通、ハンドルごと廃車になるはずではあるもののー

”ハンドルに宿る悪霊”が周囲の人々にわずかな影響を与えー

処分されることなく、こうして次から次へと新しい車として

生まれ変わっているー。


そして、その都度ー


「うううっ、、、あああああっ、、、あっあああああ!」


友枝が悲鳴を上げ、

白目を剥き、体を痙攣させている


”乗っ取る”

ーー


「----お、、、おい!」



そして次の瞬間、友枝が邪悪な笑みを浮かべた。


ハンドルを握りしめたままーー


「あはあはははははははは~~~

 2回連続若い女なんて

 最高だぜ~~~~

 あはははははっ!」


友枝が狂ったように笑い出したーーー


状況が理解できないでいる夫に、

友枝は片手で胸を揉みながら告げた


「俺さーー

 前、サツに追われてたんだけどさ」


男言葉で話す友枝に、

夫の大輔は動揺する


「事故って死んじゃったんだよ!」

友枝が言うーー。


その表情は、かつて悪霊に乗っ取られて爆走した挙句

事故死した麻友とー

ほとんど同じだったー


同じ悪霊に乗っ取られているー。


だがー

夫の大輔は当然、そんな悲劇のことは知らないー


今、新たに乗っ取られている友枝自身にとっても、そうだー。


そして、


「--でもよ、気づいたら俺、

 ハンドルの中に宿ってたんだよねぇ…

 でよ、それ以降、俺の宿るハンドルを握った人間に

 憑依して、その都度楽しんできたってわけよ」


友枝の邪悪な笑みを見て、

夫は凍りついた。


そして友枝が狂ったように笑い、

アクセルを踏み、車を急発進させたーーー。


そして、2回ほど友枝が咳き込むと、

ニヤッとして笑ったーー。


「えへへ・・・♡

 この体も結構感じそうだね!」


友枝の普段のしゃべり方を

真似する悪霊ー。わたし


友枝がハンドルに胸を押し付けて喘ぎ始めた



そして言う


「あ♡ 私、妊婦さんなんだ~

 お腹膨れてる~~~

 すごぉ~~~い!」


友枝が笑う。


夫の大輔は友枝の方をつかんだ


「友枝!友枝!」

夫は友枝をゆすった。

だが、友枝は夫など相手にしていなかった。


当然ー

お腹の中の子供のことさえもー

全く気にしていなかったー。


友枝が狂ったように笑う


「あはははははは~~~

 やっぱこのスピード感、

 興奮しちゃう♡」


車のアクセルを踏み続ける友枝。

スピードは既に90キロに達していた。


「--おい!やめろ!」

大輔が叫ぶー


悪霊にとっては”同じこと”の繰り返しー

”いつもの快感”ー


しかし、大輔からしてみれば

”初めて経験する恐怖”


何かにぶつかりながら走る車。


「おい!とまれ!友枝!しっかりしろ!!

 俺だよ!どうしたんだよ友枝!」


夫はわけもわからずずっと呼びかけている。


「うるせーなぁ」

友枝がしらけた表情で言う。


そして、、、

「あ~~~鬱陶しい!」


そう言うと、コンビニ前で車を止めた


「ねぇ、大輔、、

 お酒買ってきて」


友枝が酒を買ってこいと促す。


悪霊からしてみればー

身体を乗っ取っている”わずかな時間”しか、

飲食を楽しむことが出来ないー。


だから、乗っ取った身体に”同乗者”がいた場合は、

いつもこうして、

”何かを買ってきて”貰うようにしているー。


この”身体”にとっては

”最後の晩餐”にもなる、食事をー。


大輔は「ふざけるな」と言い、

友枝を見据えたー。


ハンドルの亡霊だと?

ふざけるな!


だが突然、友枝は前かがみになって

ハンドルに自分のお腹を勢いよく叩きつけ始めた。

ちょうど、お腹の膨らんでいるあたりだーー


「お酒のみたい~~~~!」


友枝がハンドルにお腹を力強く、

何度も何度も打ち付けている


「おい!やめろ!

 俺たちの赤ん坊がーーー!」


ガン、ガン!と繰り返し音がする。


「--なら、、、早く酒買ってこいよ!」


穏やかな友枝が声を荒げた。

そう言っている間にもお腹をハンドルに強く、

何度も何度も打ち付けている。


しかもー

友枝の顔色は青ざめているようにも見えるー


「わ、、わ、、わかった!わかったからやめてくれ!」


大輔はあわてて酒を買に行き、

車に走り戻ったー。


大輔の姿を見つけると、友枝は笑った。


「あ~~~、なんかすごくお腹痛い・・・!

 さっきまで動いていた赤ちゃんも、、、

 動かなくなっちゃった♡」


嬉しそうに言う友枝ーー。


「---貴様・・・」

大輔は憎しみをこめてハンドルの方を見た。


本当にそんなことがあるのかーーとー


だが、友枝が正気で

こんなことをするはずがないー


自分のお腹の中の赤ん坊を傷つけながらー

笑っているような人間ではないー


「---俺たちの赤ちゃんに何かあったら、、

 友枝に何かあったらーーーー

 この車ごと燃やしてやる」


大輔は言ったー。


すると友枝は買ってきたウイスキーのボトルにそのまま口をつけて

がぶがぶと飲みながら言ったー


「ひっく・・・心配はいらないよ、大輔!」

友枝が妖艶に笑う。


友枝はあっという間に酔っぱらっているー。


大輔には”何が心配いらないのか”分からなかったー。


普段、

酒を飲まない友枝は顔を真っ赤にしているー


「あはぁん・・・わたし、酔っちゃった♡」


そう言うと、他のワインやビールも取り出して、

友枝が一気飲みする。


友枝の目がおかしい目つきになっている。

とろんとした目ー。

普段、絶対に見ることのできない、異様な目つきー。


「えへぇ・・・

 女を酔わせるってのも、、、面白いや・・・

 これ、次回から毎回やろっと」


友枝が言う


”次回”---?

お前に次回なんかねぇよ。


大輔はそう思った。


”何かあったら絶対にお前を許せねぇ”


「んんんっああああああああっ♡」

友枝が突然喘ぎだした。


ふと見ると、コンビニで、大輔が食べようと思って購入した

棒状のチョコレートを、友枝がアソコに

突っ込んで盛大に喘いでいるー


「んええええええっ♡

 友枝、、、おかしくなるぅぅぅぅ~~~~♡


友枝は車の中で激しく喘ぎ続けるー。

そして、チョコレートを突っ込んだまま友枝は笑った。


グショグショの手を舌でペロペロと舐める友枝。


「えへへへへへ~~~

 わたしも変態になっちゃった~♡」


その姿はーーー

一人の女性ではなく、飢えた獣そのものだった


大輔は唖然として、言葉すら失ってしまうー


これがー

妻の姿なのかー?


と、現実を頭で受け入れられないぐらいに、

戸惑ってしまうー。


そしてーーー


「それじゃあ~いってみよ~!」

友枝が車を急発進させた。


片手でスカートを無理やり引きちぎっている。


ハンドルを常に持っていないと、ダメなのか、

ヤツはさっきからハンドルを離さない。


大輔は”なんとか…なんとか友枝をハンドルから離せばー”


そんな風に思っていると

片手でスカートを引きちぎるり、そのちぎった部分を窓の

外に放り投げた、


結んでいた髪の毛は既にボロボロ。

表情はだらしなく緩み、唾液を口から流している。


こんな友枝の姿ーーー

大輔は思った。


だがーー。

パトカーのサイレンの音が聞こえてきた


そうだーーー

このままじゃ逮捕されてしまうかもしれない。


けれどーーー。

逮捕されれば、友枝はハンドルから手を離さざるを得ないはずーー


そうすればーーー


だがーーー

大輔の考えは、

”数年前に犠牲になった女性の彼氏とー

 同じ考えだった”


甘い考えだったー


当然ー

大輔は、数年前に犠牲になった麻友と、

出来事は知らないー。


”同じ過ち”-

それにも、気づけるはずがないー。


片手で胸を触りながら喘ぎ続ける友枝。


「あははははは!

 あは!あは!あはぁ♡」


カラダをプルプルと震わせて快感を味わっている


「友枝、ヘンタイになっちゃったぁぁぁ~~

 あははは、かわいい子にこんなことさせるなんて、

 最高ぉ♡

 あぁっ、あああっ、、あああああああああっ♡」


友枝の下着はぐっしょりしていて、

足は既にイヤらしく濡れているーまみれになっている。


そこらじゅうから、体液が垂れている。


そして、友枝はそれを手でふき取り、

口に手を突っ込んでしゃぶった。


「んっ・・・くっ・・・くっ・・・

 変態すぎるぅ・・・

 えへへ・・・♡」


びりびりに破けた服を身にまとった友枝は、さらに

スピードをあげた


「そういえばさ~~~

 大輔!5年前の~~~

 仲良しカップルが起こした事故、知ってるぅ~?」


友枝が胸を揉みながら言う。


「えーー?」


大輔は記憶を探った。

そういえば聞いたことがある。


仲の良かったカップルが、

無理心中をはかったとか聞いている。

女が車で暴走したあげく、最後はビルに突っ込んで死んだーーー


男の方は助かったようだったが、

その男は、深いショックを受けてしまっているー


ーーー

と、聞いた。


「--それが何の関係があるんだ!」

大輔は半分パニックになりながら叫ぶー。


そんな大輔を見て、

友枝が舌で自分の体液をなめながら言う


「あれね~~~

 私なんだ~~~

 ハンドルの中の亡霊さんの仕業!


 えへ♡


 最後に教えてあげる!

 亡霊さんね、最後に祭をするの。。。


 全速力で壁に激突!

 どうせ捕まったらそこでこの体はハンドルから

 剥がされて、憑依タイムは終わりなんだし、


 最後に車で壁にだいげきとつするの~~~

 あはははははは♡」


大輔は凍りついた


「やめろ!!!!!!」


壁に激突ーーー

それの意味することはーーー


そして、友枝は指を指した。


近くのマンション。


「えへへへへへ~~~~♡

 あれにきめたぁ~~!」


友枝が恍惚の表情を浮かべて、

アクセルを全開に踏んだ。


友枝の興奮は最高潮に達した。

大声で喘ぎ、笑いながら、

ハンドルにおなかをたたきつけ、

愛液のついた口をしゃぶっている


その光景は異様だったーーー


「---テメェ!!!!!やめろぉぉぉぉぉぉ!」

大輔が友枝を強引にハンドルからはがそうとするー


「邪魔すんじゃねぇ!」

友枝が、大輔の頭を運転席側に置いてあった置物で思いきり

殴りつけるー


「ぐはっ!」

大輔が頭を抱えるー。


そして


「友枝、最高に幸せ!!

 えへへへへへへへ~~~~~♡」


だらしないカオで、笑いながらーーーーー


車は強い衝撃に襲われたーーーー。



数分後ーーー

救急隊員が到着した。

マンションに車が激突したためだー


そして、

車からは二人の遺体が見つかった。


男女の新婚夫婦。


男はーー絶望の表情を浮かべていた。


しかし、女の方は

とても幸せそうな笑みを浮かべて死んでいたーーー


その”意味”が

救急隊員たちには、まるで理解できなかったー。


④へ続く


・・・・・・・・・・・・


コメント


②までとは別の犠牲者のお話でした~!

ハンドルに宿る亡霊は、

毎回、このようなことをしているのですネ…!


(※リメイク作品なので、いつも通り

 100円プランでも読めるようにしてあります!)

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