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「---これは、人間たちへの復讐だー」

ラーメン店・麺魔界の店主が笑うー。


麺魔界の店主の耳からは、他の支配された人間たちよりも

大きな寄生虫が顔を出しているー。


「---はい」

「---はい」


麺魔界の店内には、乗っ取られた人間たちの一部が集まっているー


その中には、治と同じ大学に通っている

治の親友・武五郎や、その彼女・優季もいるー。


武五郎は、口から寄生虫が飛び出しているー


そしてー

優季の寄生虫は、優季のスカートの中から顔を出しているー。


スカートから寄生虫を露出させている優季が微笑むー。


「--わたしの同級生にー

 感づいた人間がいますー」

とー。


「----ほぅ」

麺魔界の店主が、笑みを浮かべると、

優季は自分のアソコから寄生虫が顔を出していることを

気にもせずに呟くー。


「---安心してくださいー

 --うひ、、ひくっ」

優季がぶるぶる痙攣しながら笑うー


「この女の記憶による、、、と ひくっ…」

優季を乗っ取っている寄生虫が、鼻から飛び出したり、

耳から飛び出したりー

口から飛び出したりー

優季の身体の中を駆け巡っているー


”優季の記憶”を探っているのだー


「---その人間には、、うっ…ひっ♡

 じゃ、弱点がありまずぅ…♡」


優季は、口から寄生虫を飛び出させた状態でそう呟くとー

邪悪な笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


治は、紗愛と共に大学の構内を歩いていたー。


「---ねぇねぇ…最近、治、何か、隠してない?」

紗愛が呟くー


「え…」

治は戸惑うー


”麺魔界”での出来事は、紗愛にも話していないー

紗愛以外にも何人かに”麺魔界には誘われても行かないほうがいい”と

警告したが

まさか”寄生虫のようなものに乗っ取られる”なんて

言っても誰も信じないだろうし、

むしろ、逆に好奇心を持った者たちが麺魔界に足を運んだり、

既に寄生虫に乗っ取られている人たちに

そのことが伝わってしまう可能性があるー


「--ねぇ、治。一人で抱え込んじゃだめ」

紗愛が治の方を見るー。


「沙羅ー」

紗愛は普段は控えめなのだが、時折お姉さんっぽいところもあるー。


「----…わかってるよ、紗愛…」

治はそれだけ言うと、迷った挙句、紗愛には話しておこうー

と、今まで見た光景を全て紗愛に伝えたー。


「-----」

紗愛は難しい表情をして、しばらくするとようやく口を開いたー


「--じゃあ、熊田くんも、優季ちゃんも、既に

 治の言う寄生虫に乗っ取られてるってことー?」

紗愛の言葉に、治は頷くー


「--信じられないとは思うけど、

 他にも既に何人かやられてるー」

治がそれだけ言うと、

紗愛は戸惑った表情を浮かべながら、

少し間をおいてー


「--でも、治がそんな嘘つくわけないもんね…」

と、納得したようにうなずくと、

「--わたしは治を信じるー」

と、笑みを浮かべたー。


「---あ、、」

紗愛は思い出したように言うー


「-ーーわたしのこと、疑ったりしてないよね?」

とー。


紗愛は、治を麺魔界に先日、誘っているー

そのことで、疑われていないか、心配しているのだー。


「--…紗愛は俺の話を信じてくれたしー、

 俺も、紗愛のこと、信じるよー」


治が紗愛を見つめながらそう呟くー。


「--うん。ありがとうー」

紗愛は嬉しそうにそう言うと、


”でもー”

と、続けたー


「どうするの?」

とー。


「--え… あぁ…正直、どうしたらいいか分からないんだ」

治は苦笑いしながら言うー。


「----そう…だよね」

紗愛は表情を曇らせるー


「警察に相談とかは…?」

紗愛の言葉に、治は考え込むー


「もちろん考えたよ…

 でも、俺みたいな大学生が「友達が寄生虫に乗っ取られました!」

 なんて警察に言って、信じてもらえるかな…?」


治も当然”警察”は考えたー。

だが、証拠が何もないー


「--ーその寄生虫を、映像に記録したりすれば…

 警察の人も信じてくれるんじゃないかな…?」


紗愛の言葉に、治は「そうだな…」と呟くー


「---分かった。出来るだけみんなに注意しながら、

 なんとか証拠も入手できるように、色々考えてみるよ」


治はそれだけ言うと「あ、そろそろ行かないと」と

紗愛とは違う方向の廊下に進もうとするー


「あ、うんー」

紗愛が微笑むー。


「じゃ、またー」

治が手を振って立ち去って行こうとしてー

ふと、立ち止まって振り返ったー


「あ、紗愛!ぜったい危ないことするなよ?


 なんかこう…

 本当にヤバいことが起きてる気がするから」


治の言葉に、紗愛はにっこりとほほ笑んだー


「-何かあったら、必ず治に言うから、安心して!」

とー。


紗愛は無茶をするような性格ではないー

安心した様子で治が立ち去るー。


「----寄生虫…」

紗愛は、立ち去っていく治を見つめながら

不安そうに、そう呟いたー


そしてーーー


「-----”弱点” み~っけ」

優季が、口から寄生虫を飛び出させた状態で、

物影から紗愛を見つめながらー

不気味な笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・・・・


大学での1日が終わるー。


治が、大学構内を歩いていると、

背後かーーー


「----っしゃあああああああああ!」


ー!?


背後から不気味な声がしたー

治がとっさに振り替えるとー

そこには、親友の武五郎がいたー。


口から寄生虫を飛び出させながら、

血走った眼で治を襲うー


「た、、武五郎!お前…!」

治が必死に武五郎を押し返そうとするー。


あまり人通りのない廊下ー。

誰もいないタイミングで襲われた治は、必死に叫ぶー


「おい!武五郎!その口から出ているものはなんだ!?

 おい!目を覚ませ!」

治が叫ぶー


「シャアアアアアアああ…!お前も、、中身に…ぁ、、、なぁれぇええええ!」

涎を垂らしながら、寄生虫のせいか、片言気味になりながら叫ぶ武五郎ー。


乗っ取られた武五郎が、

治に”寄生虫”のことを知られたことを知り、

治を口封じもかねて始末しようとしているのだー。


「--くそっ!やめろ!」

治が必死に武五郎の身体を押し返そうとするー。


武五郎の口から飛び出た寄生虫の他にー

もう一匹の寄生虫が、武五郎の耳から飛び出してくるー


「--おま、、おまえも、、、おまえも、、仲間に、、なぁれ…」

武五郎がクスクス笑いながら言うー。


「---誰がなるか!」

治が武五郎を足で突き飛ばすと、

武五郎がよろよろよろめきながら壁に激突するー


「ひぃぃああああああああああ!」

武五郎が、頭を押さえながら奇声を上げるー


「おい!しっかりしろ!」

治はそう叫びながらも、スマホでーー

武五郎の様子を咄嗟に撮影したー


”警察”に寄生虫のことを相談するためにー


「--あぁぁ、、、ああぁあああ、、、、あ、、 

 あの女に、、女に負けるぅぅぅ」


武五郎は、ゴボゴボ言いながら、

そのまま走り去ってしまったー


「--おい!待て!」

治が武五郎を追いかけようとするとー


”♪~~~”


スマホに連絡が入ったー


”もしもしぃ~?うっふふふふふふ♡”


武五郎の彼女、優季の声ー


普段の優季とはまるで違う雰囲気でー

まるで殺人鬼のような狂った笑い声をあげているー


”わたし~今、紗愛ちゃんと一緒に

 麺魔界にいるのぉ~!


 うっふふふふ あっははははははははぁぁぁ♡”


優季の言葉に、治は叫んだー


「--なんだと!?おい!紗愛に少しでも手を出してみろ!?

 ただじゃおかないぞ!」


治が怒鳴り声をあげるー


それでも、優季は笑っていたー


”--大事なものを取り返したかったら、

 お前が麺魔界に来いよ”


優季の声ー

でも、その言葉は凶悪な言葉遣いだったー


「---野本さんも、、目を覚ますんだ!」

治が叫ぶー


”目を覚ますぅ?知らねぇよ

 わたしは、、麺魔界のラーメンが大好きぃ…

 ひひひ、ひひひひひひひひっ♡”


「---くそっ」

治は思うー


”一度乗っ取られたら”ーー

どうにもできないー、

ーと。


「ーーーわかった 行く、行くよ。

 だから、紗愛には絶対に手を出すな」

治が、冷静さを取り戻して、そう呟くと、

優季は、苦しそうに咽ながら笑うー。


”---ふふふふふふ~

 美味しいラーメンといっしょにぃぃぃぃ

 待ってるからぁぁぁぁ♡

 あはっ あはははははははははっ♡”


プチっー


「ーーくそっ!」

治は、紗愛が拉致されたことを知りー

悔しそうにスマホを握ったー


”くそっ…紗愛と離れるべきではなかったー”


甘く見ていたー。

既に寄生虫は、治が寄生虫のことに感づいていることを

察知していたのだろうー。


こんなにも早く、紗愛が狙われるとはー…


「---紗愛…頼むから無事でいてくれ!」

治はそう叫ぶと、麺魔界に向かって走り出したー



「---向かいました…」

スマホを手に、虚ろな目で呟く女子大生ー。


優季に誘われて、麺魔界に行き、

寄生された女子の一人だー。


鼻から飛び出した寄生虫が元気そうに蠢きー

虚ろな目のその女子はー

麺魔界に、治が向かったことを告げたー。


・・・・・・・・・・・


麺魔界ー


治は、ラーメン屋の前に立つー


「--ここの店主が黒幕か…」


ラーメン屋・麺魔界の店主が、

寄生虫による乗っ取りの黒幕なのだろうかー。


とにかく、店主を問い詰めて、

なんとか紗愛や優季、武五郎を助け出さなくてはならないー


”クローズ”


そう書かれている看板を無視して、

治は麺魔界の扉に手を掛けるー。


そこにはー


腕組みしたラーメン屋の店主と、

優季、そして、客席に縛り付けられた紗愛、

知らない女の姿があったー。


「--治!」

紗愛が泣きながら叫ぶー


「紗愛!」

治は紗愛の方を見て確信するー


紗愛は”まだ”乗っ取られていないー

とー。


「--いらっしゃぁ~い♡」

優季が笑いながら、呟くー


優季の身体にはー

寄生虫が多数巻き付くようにして蠢いているー


まるで、それを洋服代わりにするかのようにー


「--うふっ…あ、、、♡ あ、、♡」

アソコから、尿ではなくーー

寄生虫を放つ優季ー。


「---野本さん!」

治は、優季の身体が心配になるー


優季は、無事なのだろうかー。


「--えへへ…♡ わたしぃの…子供たちぃ♡」

優季が、寄生虫をアソコから垂らしながら

不気味な笑みを浮かべるー


治は”自分が寄生されないように”注意しながら

店主の方を睨んだー


「--あんたが、黒幕かー?」

とー。


店主は「そうさ」と笑みを浮かべて立ち上がるー


他の寄生虫たちよりも大きな寄生虫を耳から

飛び出させた店主は笑みを浮かべたー


「---…アンタも乗っ取られているってことか」

治が言うと、

店主は首を振ったー


「いいやー。俺は正気だよ。

 俺がこの寄生虫たちの力を利用しているのだ」

とー。


「--うひっ♡ はっ♡ うぅっ…♡」

苦しそうに震えながら、優季が口から寄生虫を時々

吐き出しているー。


胸のあたりに蠢く寄生虫によって

胸が隠されて、イヤらしい雰囲気を演出しているー。


「---俺はーーー

 絶望していたー


 このお店をオープンしてからー

 ”俺の味”を理解しないバカどもが

 ”麺魔界はまずい”と、評判を広めて

 俺の店は、倒産直前にまで追い込まれていたー


 そんなある日、出会ったんだー」


麺魔界の店主が笑うー。


雨の降る日ー、

売れ残ったラーメンのスープを

裏路地に捨てながら、屈辱の表情を浮かべていた

店主は、出会ったー


こちらを見つめるー

ミミズのようなーー

ミミズよりも少し太いーー

謎の生き物をー


「--きもちわりぃ虫だな」

店主はそう呟いてー

寄生虫を潰そうとしたー


しかしー


”---お前に、力をやろう”


店主の脳に、声が響いたー


「-!?」

麺魔界の店主は、戸惑いながら寄生虫を見つめるー


そしてー


”我の繁殖のために力を貸せー

 代わりに、我は、お前の繁栄のためー、力を貸そう”


追い詰められていた店主は、

寄生虫のその言葉を受け入れー

”宿主”となったー


それ以降ー

麺魔界に来た客に、寄生虫を混ぜてー

どんどん”寄生虫”を繁殖させているのだー


そしてー

寄生虫に乗っ取られた人間が、

他の人間を麺魔界に誘いー

どんどん”仲間”を増やしていくと共に

麺魔界の客を増やしているー


「---」

治は、乗っ取られる前の武五郎との会話を思い出すー


「-俺たちが入学したころー

 そうだなぁ、ちょうど2年前ぐらいにオープンした

 個人経営の店なんだけどさ、

 俺も入学直後に行ったんだよ。


 そしたらさぁ、クッソ不味くて、

 これなら、スーパーの袋のやつ食ってたほうがうまいや

 って感じだったと思うけどなぁ


 俺と一緒に行ったやつらもそう言ってたし」


「--その時は、まだ、普通の店だったってことか」

治はそう呟くと、紗愛の方に近づき、

紗愛を守るようにしながら、

「--とにかく、紗愛に手出しはさせない!」と

呟いたー。


優季が寄生虫を、アソコから垂らしながら笑うー。


もう一人の女ー

優季より前に乗っ取られたOLの久美も、不気味な表情で

治を見つめているー。


「--お前たちの…好きにはさせない!」

治はそう叫ぶと、麺魔界の店主たちの方を睨みながら、

紗愛の拘束をなんとか解こうと、慌てて縄をほどき始めたー



④へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


「ラーメンパラサイト」も今月中に完結予定デス!

(FANBOX小説は長編とリメイク(毎週1回)以外

 月を跨がないように書いています)


最後までぜひ、お楽しみくださいネ~!

今日もありがとうございました!


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