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若いカップルが、中古車屋で嬉しそうに

黄色の可愛らしい軽自動車を見つめていた。


「---いや~やっとマイカーだよ」

24歳の社会人、篤英(あつひで)が笑いながら呟くー。


社会人になって数年。

24歳にして、学生時代からの貯金をはたき、

マイカーを手にした篤英。

と、言ってもまだそんなにお金に余裕があるわけじゃないから、

中古の軽自動車を購入した。


だが、中古とは言え、

篤英らカップルにとっては初めてのマイカー。

その喜びは半端じゃなかった。


例えるならば、

高校受験に合格した時のような喜びだろうかー。


「うん。いいと思うよ!厚英君によく似合ってるよ!」


大学時代からの彼女ー

三井 麻友(みつい まゆ)


麻友とは結婚も考えているー。

しかし、お互いに生活が安定してからにしよう、と

約束しているために、

今の時点ではまだ結婚には至っていないー。


とは言え、篤英も麻友も、お互い相手と結婚することは

心に決めていてー、

生活が安定次第、結婚するのは

既に決まっているような状態だー。


おしゃれな格好で、

麻友はマイカーを見つめているー。


マイカーに

可愛い彼女。


篤英は幸せだったー


購入の手続きが全て終わり、

購入したマイカーに、篤英たちいよいよ乗れる段階になった。


篤英が運転席に座ろうとすると、

麻友が篤英の方を見たー


「--ねぇ、わたしが先に運転してもいいかな?」


麻友はー

新しいことに挑戦するのが好きな性格ー。

大学時代にも、色々なことに挑戦しては

失敗したり、成功したりー


そんな麻友の積極的な一面も、篤英は好きだったー。


「---え?麻友が俺より先に?」


篤英がそう言うと、

麻友は目を輝かせて


「ねぇ、、ちょっとだけ。ダメ?」

と篤英にねだるような視線を投げかけた。


ダメだ…。

この可愛さを前にしたらーーー


篤英はそんな風に思いながら、

「しょうがないなあ」と笑いながら

麻友にキーを渡した。


麻友が運転席に座る


”この選択”が運命の分かれ道だとも知らずに

篤英と麻友は楽しそうに、車に乗り込むー


麻友は運転席に、

篤英は、助手席にー。


「へー!

 結構座りやすい感じ!

 厚英も気に入ると思うよ!」


麻友が嬉しそうに運転席を見回す。


そして、キーをかけ、

ハンドルを握った。


「えっと、この後どこに行くんだったっけ?」


篤英と麻友は、この後、一緒に昼食を食べてから、

色々とぶらぶらする予定になっている。


「あ~そういや、まだ昼どこで食べるか

 決めてなかったな」


篤英はそんな風に呟きながら、

どうするか。


とー、色々と考えるー。


麻友に優柔不断な面を見せたくないー。

篤英は昔から友達によく

”篤英は優柔不断だなぁ…”などとネタにされていたー


ここは、決断力を見せつけてー


「ケンタッ…」


篤英がそう言いかけると、麻友が慌てているのに

気づいた。


「どうしたーー?」

篤英が言うと、麻友は、、怯えた表情で篤英の方を見たー


「あ、、篤英!なんか、、、ハンドルから手が離れない!

 何これ!!

 あっ…なんか・・・何かが…入ってくる…


 うっ…あぁぁ…!助けて!助けて!」


麻友が突然、体を震わし始めた。


明らかに異様な光景ー。

一瞬、ドッキリかとも思ったが、

篤英はすぐに、その異様な様子に

青ざめた様子で叫ぶー。


「お、、、おい!」

ただ事じゃない!そう思った篤英は

麻友の手をハンドルから離そうとした。


だがーー

麻友の手はハンドルに接着されているかの如く、

動かなかった。


「ま、、麻友!」

篤英は叫んで麻友の方を見る。


可愛い顔はーー白目を剥き、

ビクビクと痙攣している。


「あっ…ぁぁああ……や…やめ…

 うぅぅぅ、、、あぁぁあぁ」


麻友がうめき声をあげてなおも苦しんでいる。


”病気?”

篤英はそんな風に思いながら

麻友に呼びかけながら、

同時に助手席の脇においてあった

自分のスマホに手を掛けるー。


「麻友!」

篤英はスマホを操作しながら、

麻友に対しても、呼びかける。

だがー、

状況に変わりはない。


「…き、救急車!」

スマホで、119に電話しようとしたその時だったー。


「---あぁぁああああ…

 あっ、、、ああ、、あ、、、

 あは、、あははあ、、、うひゃははははははぁ~!」


麻友が突然狂ったように笑い出した


スマホを持つ手の動きを止めてー

篤英は唖然として麻友を見たーーー


苦しそうな表情は消えーーー、

麻友の顔は笑顔に染まっていた。


「--え…」

篤英は困惑するー。

意味が分からないー。

やはり、ドッキリだった、ということなのだろうかー?


「あははははははは~~~~~!

 やったぜ~~~!!

 ははは!ははははは!」

笑い続ける麻友。


「--お、、、おい、、麻友…」


ーー麻友の様子が、やはりおかしい気がするー

口調も、笑い方も”変”だー。


戸惑っていると、

麻友が篤英の方を見たー。


「はぁ~~~

 運転手がお前じゃなくて良かったー

 うひひひ…」


麻友…?


麻友が麻友らしからぬ口調で話しているのに

篤英は違和感を強く覚えるー。


「おまけにこんな可愛い子が来るなんて

 思わなかったぜ!

 ひひひひひ…」

そう言うと麻友はハンドルから片手を離して

自分の胸を触り始めた


「お、、おい!麻友!何してんだよ!

 意味が分かんね-よ…どうしたんだよ?」

戸惑った篤英は、声に焦りの感情を込めながら叫ぶー。


「んぁぁ?

 よく聞け。

 俺はな…むか~し、車でサツから逃走中に

 

 あっ…♡

 事故を起こして死んだ…。」


麻友が男言葉で

胸を触りながら言う。


時々、感じているのか

色っぽい声を出しながら…


「--でもよ、気づいたら俺、

 ハンドルの中に宿ってたんだよねぇ…

 でよ、それ以降、俺の宿るハンドルを握った人間に

 憑依して、その都度楽しんできたってわけよ」


麻友が言う。


確かに麻友の声なのだがー

麻友とは思えないような、

おかしな口調ー

そして、話している内容も、明らかにおかしい。


ーーハンドルに亡霊が宿っていた?

そんな馬鹿なーー。


「--前回はさー

 5年前だったかな。運転席に座ったのが変なジジイでよ~

 数年に一回の体なのにジジイだぜ?

 あんときは腹がたったもんだ」


可愛い声で汚い言葉を話す麻友ー。


ーーーまさか本当に…


「おい、麻友!しっかりしろ!目を覚ませ!

 おい、麻友!」


篤英は麻友の方をつかみ、麻友の方をまっすぐと見つめるー。


しかしーー


「触るんじゃねぇよ!

 もう、コイツは俺の体なんだからよ~!」


麻友が怒鳴り声をあげながら、

篤英をビンタして、手を無理やり振りほどくー。


そして2、3回、咳き込むと

いつものような可愛らしい口調で言った


「あはは…篤英~

 麻友、この車に宿ってた亡霊さんに

 乗っ取られちゃった!」


ーーー篤英ーー

背筋が凍る思いをした。


おいおい、マジかよ…と。


「亡霊さん、車で爆走するのが大好きなんだって!

 数年ぶりに運転できて、と~っても嬉しいみたい!」


そう言うと麻友は乱暴に車を発進させた、

麻友は前を見据えて邪悪な笑みを浮かべている。


あまりの急発進に、篤英の身体はシートに叩きつけられるー。


「お、、おい!目を覚ませ!麻友!麻友!」


どんどん上がっていくスピード。

麻友は「あはははは~気持ちイイ~!」と

叫びながら法定速度を軽く超える速度で

赤信号を無視しながら走っている


普通じゃないー

ホントに、麻友は”亡霊”とやらに憑依されて

乗っ取られてしまっているー。


「おい!やめろ!」

篤英は、必死に助手席で体を押さえながら麻友を呼びかけた


「うふふ~

 自分の口からこんなに可愛い声が出るなんて~!

 

 今回の体は気に入ったよ!

 大当たり!」


麻友は篤英の方を見て微笑んだ。


そしてーー

運転しながら麻友はハンドルに自分の胸を押し付けはじめた。


クラクションが鳴る。


「んっ…んはぁ…♡」

ハンドルからの快感に身をゆだねる麻友。


「あっ…はっ…すごぉい!

 11年前に運転席に座った教師の女よりも、、、

 気持ちぃぃぃ

 ねぇ、、篤英、、

 いつもこんなにエロいわたしとやってるの?

 うふふ・・ ずる~い」


麻友は胸をハンドルに押し付けながら変な格好で

運転を続けている


篤英は、麻友の甘い声と仕草にドキッとしながらも、

なんとか麻友を止めようとするー。


しかし、麻友は、篤英などお構いなしに”爆走”しているー。


「あっ…ははっ…すごぉい!感じる

 うふ、あはは、えへへぇ♡」


麻友が恍惚の表情でハンドルに自分の胸を

擦り付けるようにしている。


ドガン!

車が壁にぶつかった。


麻友は気にする様子もなく、

喘いでいる


購入したばかりの車が、壁に何度か接触しながら

車は爆走を続けるー


麻友の狂った笑い声と共にー。


「うっ、、あぁぁ、、あぁあ あは♪

 き、、、気持ちいいぃ♡

 麻友、、亡霊さんの好きなように

 されちゃってるぅ…!

 カワイイ麻友が、、

 壊れていくぅ♡」


篤英はーーー

彼女の淫らな行為を茫然と見つめていた。


麻友のスカートにイヤらしいシミが出来てー

麻友の脚にイヤらしい液体がー


亡霊の意思でーーー

麻友が感じてしまっている。。


「やめろ!やめろ!」

篤英はわめいた。


麻友は篤英の方を見て笑うと、

自分のスカートの中に手を突っ込みー

手についた汚れを嬉しそうに口で舐めた。


「うふぅぅぅー」

麻友が、快感に溺れた声を出す。


その表情はーーー

うっとりとしていて、、乱れきっていたーーー


ふいに、麻友が車を停車させた。

ハンドルを手で持ちながら言う


「お腹すいた!篤英!そこのコンビニで

 色々と買ってきて!」


篤英はーーー

咄嗟に麻友の手をつかんだ。


ーハンドルから手を離させれば

もしかしたらーー


だがーー


麻友の綺麗な生足が篤英の腹部を蹴りつけた。


「ぐっ…がぁ…」


激痛に耐える篤英ー


そしてーー


「おい、調子乗んなよ…。

 この女、どうなってもいいのかよ?

 いいからそこのコンビニでメシ買ってこい

 ってんだよ!」


麻友がー恐ろしい声で怒鳴った。


ハンドルを思いきり叩く麻友ー。

鬼のような形相ー

麻友が、こんな表情を浮かべることもできるのか…

という驚きと、恐怖が篤英を支配するー。


「くっ・・・」

篤英は、麻友のためーー

麻友を救う為にー

コンビニで適当に昼食を購入した。


車内に戻ると、麻友が片手でハンドルを持ちながら

汚らしい食べ方でおにぎりを食べ始めた


「ふはー5年ぶり、うめぇ…」

麻友が口からボロボロと米粒を噴出しながら

食べているー

こんな姿、、見たくないーー。


そして、麻友はフランクフルトを見つめると、


「あーーー!

 そうだーー!」


と当然言い出し、グショグショにぬれた

スカートの中にフランクフルトを突っ込んで、

例の場所にそれを押し込んだ。


「んんんんん~~~~~っ!!

 ひぃぃぃぃぁああああ~~~~~♡」

麻友が激しい快感を感じて大声で喘いだ。


「んっはぁぁぁあ~~~

 感じる~~

 んんんんんんっ!!!いいいい♡」

大量の体液が麻友の足もとに零れ落ちる。


唖然とすることしかできない篤英ー。


そして麻友はグショグショになった

汚れたフランクフルトをそのまま食べ始めた


「うふふ~

 麻友ったら変態~!」


ーーーー篤英は、見ていられなかった。


そして、叫んだ


「やめてくれ!

 麻友が悲しむようなこと、しないでくれ!お願いだ。。

 なんなら俺の体を貸してやってもいいから!」


ー-篤英が頭を下げると、

麻友は食べかけのフランクフルトを乱暴に後部座席の方に

投げて、笑った。



「---それなら心配ないよ厚英く~ん!

 だってーーーーー」


そこまで言うと、麻友は言葉を止めた。


そしてーー


「ううん、気にしないで!

 とにかく!

 もう、麻友が”悲しむことは無い”から安心してね!」


そう言うと、ほほ笑んで、

再び麻友は車を発進させたーーー



行先はーーーどこなのだろうーー

俺と、、麻友はーーどこに向かっているのだろうーーー。


篤英はそんな風に思いながら、身震いするー。

まるで、闇の中を走っているかのような気持ちだったーーー

ダーク・ドライブとでも言うべきだろうかーーーー。


「さぁ~~~

 そろそろはじめよっかな~!」


そう言うと、麻友は邪悪な笑みを浮かべて、

車のアクセルを乱暴に踏み込んだーーー。



②へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


初期作品「ダークドライブ」のリメイク作品でした~!

原作は篤英の主観視点で書いたのですが、今回はそれを変えました!


ダークドライブのリメイクも、(完全新作ではないので)

100円プランでも読めるようにしてあります~!

(※一部リメイク作品を除いてリメイク作品は100円プランで見れるようにしてあります)


今日もお読み下さりありがとうございました~!

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