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美智雄と清美ー

仲良し夫婦の二人は、

美智雄の家が代々受け継いでいる謎のお酒・皇漢によって、

今年もー

年越しの瞬間に、お互いにそれを飲み、

入れ替わったー。


「------あ~~~この感じ懐かしい~!」

美智雄(清美)が笑うー


「胸がないって、やっぱりなんか、

 この辺、開放感があるよね!」

美智雄になった清美が笑いながら言うと、


「---ま~~そうだなぁ~

 俺は正直、まだちょっとドキドキするけど」

清美になった美智雄は、苦笑いしながらそう答えたー


これで、何回目だっただろうかー

20代後半になった二人は、もう、何年も

”年越しの瞬間に入れ替わる”を繰り返している。


清美の身体になるのも、これで、3、4回目だー。


「--ーまぁ、胸の代わりにこっちはすっごく気になるけどね…

 いつも入れ替わった直後は、特に」

美智雄(清美)が股間のあたりを指さしながら笑うー。


「そうだよなぁ…だいぶ感覚違うもんな」

清美(美智雄)は、スカートの上からアソコを触るー。

当然、そこには、肉棒の感触は無くなっていて、

初めてではないにせよ、やはり、かなり違和感を感じるー


「---私なんか、はじめて美智雄の身体になったとき、

 頭にキノコが生えてるような気分になったもん!」

美智雄(清美)が言うと、

清美(美智雄)は「確かに最初、騒いでたなぁ~」と

懐かしそうに笑うー


テレビでは、ハッピーニューイヤーの映像が

流れて、番組が新年のあいさつをしているー


そんな映像を見ながら、

「俺は確か最初、服の中にボールを入れてるみたいで

 落ち着かない~とか言ってたな」

清美(美智雄)が胸を触りながら言うー。


美智雄(清美)は股間のあたりを気にしているー


お互いに”強い信頼”があるため、

特にそういう行為に対して、何か気にするようなことは

なかったー。


「ーーでもやっぱ、清美として過ごしてるのはまだたった数年だし

 20年以上も男として過ごしてるから、胸があるって

 変な感じだなぁ~…

 特に入れ替わった直後はさ、すげぇ違和感って感じ?


 まぁ、また2021年の年末になるぐらいまでには

 慣れて来るんだけどさ」


清美(美智雄)が、さっきまでの清美とは違う態度で言うと、

美智雄(清美)も、入れ替わる前とは違う雰囲気で笑うー


「わたしもそんな感じだよ~!

 いつも春ぐらいまでには男の人の身体に慣れて~

 秋ぐらいには、完全に使いこなしてる!って感じになって、

 それで年末になると、もう、逆にわたしの身体になると

 違和感を感じるような、そんな感じ!」

美智雄(清美)の言葉に、


「そう!元に戻る前って、今度は逆に違和感なんだよな~!

 で、戻ったあとに、やっぱりこれだ!みたいな」

と、清美(美智雄)も笑いながら言うー


毎年、1年に1回、入れ替わっているふたりだからこそ

弾む会話ー。


「--最初はブラとかも、すっげぇ違和感だし…

 男ってここに何もつけないからさ、

 なんか、違和感があるんだよな~」

清美(美智雄)が胸のあたりを指さすー


「--はじめてのときなんて、1か月ぐらい

 ノーブラだったもんね」

美智雄(清美)がクスクスと笑うー


「やめろ!それは黒歴史!」


「-常連さんに、ノーブラばれたもんね」


笑うふたりー。


「---まぁ、でもわたしは逆に、なんていうか、

 つけないといけないもの、つけ忘れたような

 そんな感じがするかな~…


 美智雄の身体に入れ替わってからしばらくは

 たまにお店にいるとき、

 ”あ、ブラつけ忘れた!”ってドキッとしちゃうことあるし。


 つける必要ないのに」


美智雄(清美)が笑っていると、

清美(美智雄)が時計を見たー


「じゃあ、そろそろ”残り半分”食べよっか」

とー、笑う清美(美智雄)。


「そうね」


二人はー

先ほど作った年越しそばの”残り半分”を食器に入れるー。


二人はいつも、

”年明けの前”に半分食べて

”年越し後”に半分食べるという

”2回にわけて年越しそばを食べる”という

特殊なスタイルで、年越しそばを味わっているー


その理由がーー


「あぁぁ~そうそう、この味!

 清美として食べるそば!」

清美(美智雄)が笑うー。


美智雄(清美)も、

「--美智雄の身体で食べると

 なんというか、味が少し薄く感じるかも!

 でも、なんかこれもいい感じ」と笑うー。


「--そうそう~清美の身体のときは

 甘いモノすっごく美味しく感じるし、

 食べたくなるんだよなぁ~」

清美(美智雄)がニヤニヤしながら言うー


「--逆に、辛いものはダメになるもんね。

 わたしの身体じゃ」

美智雄(清美)がそばを口にしながら言うと、

「そうそう!清美の身体で辛いもの食べると

 すぐヒリヒリしちゃうからなぁ」


二人がー

年越しそばを”2回”に分けて食べる理由は、

お互いの身体の”味覚の違い”を確かめるためー


テレビが新年の抱負を伝えているのを見つめながら

「--でも不思議だよなぁ~

 身体によって、こんな感じ方が違うなんて」と、

清美(美智雄)が言う。


美智雄(清美)が

「でも、考えてみれば当たり前だよね。

 味覚ってみんな違うものだし、

 みんな同じだったら、好き嫌いもみんなほとんど

 同じになっちゃうし」と笑うー。


「そうだなぁ…

 でも、二人分の味覚を味わってる夫婦なんて俺たちぐらいじゃないか?」

清美(美智雄)の言葉に、

美智雄(清美)は「そうだよね!」と嬉しそうに笑うー


味覚の違いー

入れ替わった時に、驚く要素の一つが、それだー。


最初に、入れ替わったときー

清美の身体で、いつものノリでそばに七味唐辛子をたくさんかけてしまって

口から火を噴きそうになったのは、良い思い出だー


清美は、辛いものが苦手ー

美智雄は辛いものが得意ー。


入れ替わって味覚のことなんて、頭になかった美智雄は、

辛いものが苦手な清美の身体で、唐辛子たっぷりのそばを食べて-

火を噴いたー。


今となっては、良い思い出だー。


「--あ、そうだ。女としてのトイレも久しぶりだなぁ~」

トイレに向かう清美(美智雄)-。


「--失敗しないでよ~!

 最初の入れ替わりのときの”悪夢”覚えてるよね?」

美智雄(清美)が、食器を片付けながら笑うと

清美(美智雄)は顔を赤くしながら、

「ー立ちション清美事件…な」と、苦笑いしながら

トイレの方に向かったー


2019年はー

清美が美智雄の身体で、

美智雄が清美の身体で過ごしているー


去年の2020年は、

本人の身体ー


そして今年2021年は

清美が美智雄、

美智雄が清美、

だー。


もちろん2018年や2017年もそのように

過ごしてきた。


今年も、来年も、その次も、ずっとずっと、

続いていくだろうー


「ただいま」

トイレから戻って来た清美(美智雄)。


「おかえり~!ちゃんとトイレ、できた?」

美智雄(清美)が笑うー


「--あ、当たり前だろ!?

 もう清美の身体、何回目だと思ってるんだよ!?」

清美(美智雄)はそう呟くと、さすがにもう覚えたよ、と

つけ加えたー。


・・・・・・・・・・・・・


朝ー


二人とも、ぐっすり眠って

目を覚ますー


「--ふぁ…そうだ、清美の身体なんだった」


入れ替わった直後は時々寝起きに

何が起きているのかわからなくなるー。


髪が長かったり、

むねが胸があったり、

そもそも寝ている場所が違っていたりー

本当に、色々な変化があるー


「おはよ~!」

美智雄(清美)が笑いながら挨拶をしてくるー


清美として着替えを済ませるー。


二人で経営するお店の営業は、三日からー。

入れ替わりのことを知るごく一部の常連さんからは

中身が清美の美智雄の方が「雰囲気がイケメン」などと

ネタにされているー


「--お!やっぱ俺が美智雄やってるより、

 清美が美智雄やってたほうがイケメンなのかなぁ~」

清美(美智雄)が言うと、

美智雄(清美)は「お客さんはみんなそう言うけど、

わたしはあんまり分からないんだけどね」

と、苦笑いしたー


「でもほら、美智雄だって、可愛いって言われるじゃん!」

美智雄(清美)が笑うー


「-ドジっ娘みたいで可愛い…ってやつだろ?」

清美(美智雄)が苦笑いしながら呟くー


清美に入っている美智雄は、よく

「本物の清美ちゃんより、なんだか天然でかわいい」などと

ネタにされているー。


「-俺、天然なつもりはないんだけどなぁ~!」

清美(美智雄)の言葉に、

美智雄(清美)は、

「みんな入れ替わってるわたしたちを見て

 楽しんでくれてるってことだね」と、笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・・


二人の入れ替わり生活も、数日が経過したー。


「--美智雄がわたしの身体になると、毎日スカートだよね?」

美智雄(清美)が言うと、

清美(美智雄)は顔を赤らめながら

「ほら、そっちの身体じゃ、スカート履くわけにはいかないし

 清美の身体のうちに、さ」

と、返事をするー


別にイヤらしいスカートを履いているわけでもないし

清美本人も別に何とも思っていないー

むしろ、入れ替わり生活を始めてから、清美のほうも同じ理由で

スカートを履くことが増えたー。


「-清美だって俺の身体の時、色々楽しんでるもんな~」

清美(美智雄)の言葉に、

「そんなことないよ~!」とほほ笑む美智雄(清美)-


だが、実際は”そんなこともある”

美智雄になっている間の清美は

やたら壁ドンしたり、

力仕事を変わってイケメン的なふるまいをしたりー

色々しているー。


「--まぁ、でも、せっかく入れ替わったら

 色々相手の身体でしかできないことを

 したくなっちゃうのは、分かるけどな」

清美(美智雄)がそう言いながら微笑むー。


「--わたしの笑顔、かわいい」

美智雄(清美)が顔を赤らめるー


「--ちょ、おいおい!いつもそれ言ってるけど

 自分の身体の笑顔にときめいて、赤くなるなよ!」

清美(美智雄)が突っ込むと、

美智雄(清美)は「だってわたしの身体の笑顔可愛いんだもん~」と

呟いたー


「--ははは、まぁ、そのうち

 おじいさんおばあさんの入れ替わりになっちゃうんだけどな」


清美(美智雄)はそう呟くと、

美智雄(清美)は「わたしは別にそれでもいいけどね」とほほ笑むー。


「--他の人から見たら、見た目映えしない入れ替わりに

 なっちゃうかもだけど、

 わたしたちが幸せで、他の人にも迷惑をかけてないなら

 それで十分じゃない?」


その言葉に、清美(美智雄)はそうだな、じゃあ、100歳になっても

入れ替わり生活続けられるように頑張るか!、と

笑みを浮かべたー


今日は、2021年最初の営業日ー。


「--お店では、女らしい口調でね!」

美智雄(清美)が言う。


「--清美も、オカマみたいな口調にならないでくれよ~!」

笑う清美(美智雄)-


ふたりは、2021年も仲良く

共に歩んでいくことを改めて決意してー

今年最初のお客さんを迎え入れるのだったー



おわり


・・・・・・・・・・・・・


コメント


平和な入れ替わりモノでした~!

物語の中では少し早く年明けしてしまいましたが、

現実は、もう少し!ですネ!


2020年も残りあとわずか!

皆様も良いお年を~!


今年もたくさんお世話になりました!

全ての皆様に感謝デス!☆


…来年も大晦日あたりに、

「大晦日の交換」を書いたりする…?かも?笑

(”かも”デス!)

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