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”女性として深夜に一人歩きをしてみたい”

そんな危険な願望を持つ男・雄三は、憑依薬を手に入れて

女子大生・香菜に憑依したー。


黒いスカートと白いブラウス姿で、深夜の人の気配のほとんどない道を

嬉しそうに歩く香菜。


”おら、どうした”

”綺麗な女が深夜に一人歩きしてるぞ?”


香菜はニヤニヤしながら周囲を見渡すー

人の気配はない。


”このドキドキ”

”この緊張感”


深夜に女として、一人歩きする緊張感ー


香菜の身体が激しく高揚感を感じて

ゾクゾクするー。


”いつ、狙われるか分からないスリルー”


”野獣のごとき男に狙われるかもしれない、この極限のスリルー”


「たまんねぇええええええええええ」

香菜は、とても女子大生とは思えないような不気味な声を出すと、

深夜の道を歩き続けるー


腰を振りながら、

モデル歩きをする香菜ー


”狙え”

”ねらえ”


”わ・た・しを狙え”


「--わたしを襲ええええええええええええええ!!!!」

香菜は狂った表情でそう呟いたー


どこから見られているか分からない。

どこから狙われているか分からない。


だが、もうすぐー

もうすぐ、変態野郎が現れてー

俺を狙ってくれるはずだー


香菜の心臓がバクンバクンと高鳴っているー

あまりの興奮にはちきれそうになってしまうー


乗っ取られたまま、香菜は

人生で一番最高のゾクゾクを味わいながらー

周囲を見回したー


だがー

深夜に一人歩きを続けているのに

香菜を狙うような男は、なかなか現れないー


早くー

早くーー

早くーーー


「もっとドキドキさせてくれよぅ~」

もじもじしながら満面の笑みで呟く香菜ー


だがー


「--!」

香菜は表情を歪めたー


明るくなってきたー。

朝日が、昇ってきたー。


「---え」

香菜は、唖然とした表情を浮かべる。


香菜に憑依した雄三は

”女として深夜の一人歩き”をして、

誰かの視線を感じたり、

狙われたりして、

”極限のスリル”を楽しもうと思っていたー


なのにー


「---おいおいおいおいおいおい」

香菜は呟くー


太陽は登りー

いつの間にか、夜が明けてしまったー。


わざと、人通りのない道ばかりを選び、

襲われようとしていたのにー

結局、何事もなく、夜が明けてしまったのだー


・・・・・・・・・・・・


「くそっ!くそっ!!くそっ!!!」

香菜は香菜の家に帰宅すると、

怒りの形相で、壁を叩いたー


完全な欲求不満ー


豪華な食事を目の前に出されたのに、

「いただきまーす!」と叫んだ瞬間に

「やっぱ料理はなしー!」と言われたような気分だ。


香菜は狂ったように自分の胸を触り、

ロングスカートをだらしなくめくりあげて

アソコを触りまくったー。


「はぁ…はぁ…」

興ざめだー

深夜の一人歩きのゾクゾクを、もっと味合わせてほしいー


もっと、究極のゾクゾクを味合わせてほしいー

それなのに、誰も来ないなんてー。


「---くそっ!こうなったら…」

香菜は、乱暴に自分のスマホを手にするー


そういえば、憑依したとき

ネットショッピングをしていたはずだー。


香菜は乱暴な手つきでスマホを開くと

そこには、ログイン状態のままのネットショップの画面が

表示されていた。


「よぉし!」

香菜はニヤリと笑みを浮かべると、


「--俺は…いいや、わたしはぁ…

 襲われたいのよぉ♡ うひひひひひ」

と、呟きながら

ネットショップで過激な衣装を大量に注文したー。


「--ふふふふ…届いたら…届いたら…

 わたし、、、夜中に変質者に襲われちゃうなぁぁぁ♡♡♡」


舌をぺろぺろしながら、香菜は狂ったような笑みを浮かべた。


荷物の到着は明日ー。

一度自分の身体に戻った雄三ー。


香菜の身体は布団にもぐらせて、そのまま身体から

抜け出したから、とりあえず、違和感を感じるぐらいで

済むだろう。


そんな風に思いながら、雄三は夜になるのを待つー。


夜になると雄三は再び香菜に憑依した。

そして、今度は、スタイルの良さが目立つ

ジーンズ姿で、外を歩いたー。


”へへへへ…女のジーンズも悪くないぜ”

香菜はそんな風に思いながらー

夜の街を歩くー


だがー


「--あれ?昨日の…?」

昨日も声をかけてきたパトロール中のお巡りさんと

再び鉢合わせして、

「深夜は本当に気を付けてくださいよ~?」と

言われてしまうー


香菜は、結局ー

それ以外、一切声をかけて貰えなかったー


「くそっ!意外と襲われねぇな!」

香菜は不満そうにつぶやくー


だがー

まぁいい。

昼になれば”ネットで注文したブツ”が届くー


「----はぁ~~~俺は狙われたいんだよ!」

香菜の部屋に戻った香菜は、

不貞腐れた様子で、帰りのコンビニで購入したビールを口にするー


この子がビールを飲むのかどうかなんて

知らないが、

仮に飲んだことがなかったとしても

そんなことは関係ない。


今、この身体は、雄三のものなのだからー


「---ふひっ…明日になったら、わたし、狙われちゃう!」

わざと女子大生っぽく嬉しそうに呟く香菜ー


「うふふふふふ、スリルとゾクゾクがたまんねぇなぁもう~」

枕を抱きしめながら、香菜は欲望に満ちた表情で

ベットの上をごろごろと転がり続けたー。


そして、翌日ー。

宅配便が届くと、香菜は嬉しそうにそれを受け取ったー。


まさか宅配のお兄さんも、このダンボールの中身がーー

エッチな衣装だらけなんて、夢にも思わないだろうー。


「ふひっ…」

香菜は興奮したおじさんのような笑みを浮かべると

狂ったようにダンボールの中身を確認し始めたー


ゴスロリな感じの衣装ー

セーラー服

チャイナドレス

ブルマ

オフショルダー


とにかく手当たり次第注文したー。


「--へへへへ」

チャイナドレスを手にして、ニヤニヤする香菜ー。


そもそも雄三が、本物のチャイナドレスを見るのは

これが初めてだったし、

それを手にしているだけで興奮してしまうー。


しかも、今は自分は香菜の身体ー

女子大生の身体でチャイナドレスを手にして

興奮している、と考えただけで

さらに興奮してしまうー


まるで、自分が興奮のスパイラルにはまっているような、

そんな感じだー。


「--」

ポタリ、と涎が足元に垂れるー

香菜の涎ー。


「--おっと、いけないいけない」


香菜に憑依したのは、あくまでも、深夜の一人歩きを楽しむためだー。

こんなところで興奮してはぁはぁ言っている場合ではないのだ。


「---……って」

香菜は綺麗な髪をかきむしりながら呟くー。


「よくよく考えたらチャイナドレス着て

 外を歩くのはハードすぎるし、逆に怪しすぎるよな」


香菜は、はぁ、とため息をついて

チャイナドレスをダンボールに戻す。


この香菜という子が落ち着いた服装しか持っていないので

ついつい派手なものを中心に、

欲望のままに買いあさってしまったがー、

現実問題、チャイナドレスで夜の街を歩くような人は

少なくとも、一般の住宅街ではあまりいないだろうー


「--逆に怪しまれるかもしれないし、警察に

 声を掛けられるのも面倒だしなぁ」


香菜は、スマホでニュースを見つめるー。

この辺では、最近痴漢が出ているという噂もあるー


なのに、ここ2日間、香菜の身体で夜の住宅街を

徘徊したのに、誰にも見られている気配も

狙われている感じもなかったー


やはり、香菜の服装に、”狙われる何か”が

足りないのだろうー。


香菜は、乗っ取られたまま

”普通の女子”が考えることとは真逆のことー

”どうすれば狙われやすくなるか”を考えながら

笑みを浮かべるー


チャイナドレスはダメだし

深夜にゴスロリはおばけと勘違いされそうだー


セーラー服とブルマは未成年が深夜に

外出しているように誤解されて通報

されるかもしれないー


「じゃあーーー…」

香菜は笑みを浮かべたー。


赤いオフショルダー(※肩出しの服)、

短めの黒いスカート、そしてニーソという組み合わせで、

”自然な感じの可愛さとエロさ”を

強調してみせたー


「うひひひひひ!肩出しとか、ゾクゾクするなぁ~」

自分の肩をイヤらしい目つきで見つめるー


「--さぁて……もう、お姉さん我慢できないよぉ♡♡

 早く、、ケモノの視線を感じたいなぁぁぁぁ♡♡♡」


顔を真っ赤にしながら、香菜は、

肩や脚を見せつける、これまでの2日間とは異なる格好で

外に出かけたー


「ふふ」

町を歩く香菜ー


夜の、人の気配がほとんどない住宅街ー


”は~や~くぅ~~~~!

 こんなに色っぽいお姉さんが歩いてるんだぜぇぇぇ~~???

 狙ってよぉぉぉぉ~♡♡”


元々香菜という子は性欲が強いのだろうか。

それとも、雄三が憑依しているからだろうか。

もう、ゾクゾクが止まらないー

興奮が止まらない。


はぁはぁ言いながら、深夜の住宅街を歩く香菜ー


早く

早く

早く

早く


俺を狙ええええええ!


この極限のスリルー

いつ襲われるか分からないスリルー


最高だー


「はぁぁぁぁぁっ♡」

香菜は思わず自分を夜の住宅街で抱きしめるー。


こんなに興奮するなんてー

もう、自分がはじけ飛んでしまいそうだー


「この女、、、性欲強すぎだろ…?へへへへ」

香菜が笑うー


実際は、雄三が憑依しているため、

香菜の性欲が強いのかどうかは分からないし、

オフショルダーに黒いミニスカート+ニーソの格好に

激しく自分で興奮しているだけかもしれないー


だが、今の香菜にそんなことはもはやどうでもよかったー


はぁ…

はぁ…

焦らしプレイ、、だめ♡


香菜はヤバい表情で、夜の住宅街を歩くー


その時だったー


「---!」

香菜は笑みを浮かべたー

背後に男の人影を確認したのだー


ついにー

ついに、狙われているー


女として、狙われているー


「んふっ♡」

思わず変な声が出てしまう香菜ー。


背後の男を誘うかのように、

さらに暗く、街灯すらもなく、

人目につかなそうな場所へと向かっていくー


”さぁさぁ、襲われる女子大生の気分、味わっちゃおっかな~”


香菜はそんな風に思いながら、

視線を送ってきている男が

襲ってくるのを待ったー


男は、香菜が人の気配のまったくない場所に

やってきたことで、

”今がチャンスだ”と飛び出したー


「--ふひひひひひひひひ!

 僕と、、僕と一緒に遊びましょうよぉぉぉ」


変態男が、ついに香菜を狙ったー


香菜が振り返るー

香菜の表情はー

飢えに飢えた雌豹ー。


中途半端な変態男よりも、はるかに危険な存在だったー


ゾクゥゥゥゥ…


香菜を襲おうとした変態男ー

最近、この辺りで”痴漢”行為を働いている男がー

香菜の欲望に満ちた顔を見てー

”この女…やばい”と、本能的に危機感を感じたー


だがー


「---あっれぇぇぇ…ふふふふ…ふふふふふ♡

 あなただったんですかぁぁぁ…♡」

香菜は性欲に飲み込まれて”狂って”いたー。


香菜に憑依している雄三は、もう我慢できなかったー

ゾクゾクは最高潮に達しー

襲われる側のはずの香菜が、逆にその男を襲うー


「わたしを犯したいんでしょぉぉぉぉぉ???

 ほら、、ほらぁぁ!!触れよ、、ほら、ほらぁああああっ♡」

香菜が狂ったように叫ぶー


「ひっ…ひゃあああ!?!?」

悲鳴を上げる男はーーー


昨日も、一昨日も香菜に声をかけた警察官だったー


パトロールのフリをして、彼は”女性”を物色しー

非番の日に女性を襲っていたのだー


だがーーー

今はーーーーー


「--はぁはぁはぁ♡ もう離さない…

 わたしを、、わたしを、、犯して…ひひっひひひひひひひひ♡」


狂った表情の香菜と、

悲鳴を上げる警察官の男ー


”深夜の宴”がはじまろうとしていたー



おわり


・・・・・・・・・・・


コメント


深夜の一人歩きには注意しましょうネ~!

お読み下さりありがとうございました~!


ちなみに、お話を書き終えてから、

オフショルダー、って書いても

分からない人もいるのかな…?と、急に思ったので、

普段は、お話の中に注釈をつけたりしないのですが

一応つけておきましたー!




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