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”女体化芸人”薫(かおる)ー

名前は、芸名ではなく本名だー。


お笑い芸人を目指そうとしていた薫は、

自分の”お笑い”のスキルに限界を感じて

思い悩んでいたある日、

”自分の名前”に光を見出したー。


”薫”という名前ー


男性にも、女性にも存在する名前だー。


「--そうだ!」

薫は、その日、覚醒したー。


”女体化芸人”として、

”ある日、突然女になっちゃった男”を演じ、

ブレイクしたのだー。


「--えっ!?ない!?!?」


「--えっ!?なんだこれ!?」


その、あまりにもオーバーリアクションな演技を

交えながら、観客たちを笑わせていくー。


服の中にボールを入れたり、ウィッグをかぶったり、

そういう「すぐにバレる女装」をし、

”女体化しちゃった男”を演じるー


今までにないネタと、

独特なリアクションが、人気を呼び、

今では薫は”女体化芸人”として

人気を博していたのだったー。


そんな、ある日ー


いつものように、薫は舞台の上で

女体化してしまう男を演じていたー


舞台の”演出”として、煙が上がるー


そして、その間に、

ボールを服の中に入れて、胸を作りー

そして、ウィッグを被るー


胸を演出するのに、ボールを使っているのは、

”あえて”ネタとして、そういう演出にしているー


”あんまりお色気やエロさが出ないように”という

薫のひとつの配慮でもある。


薫は”女体化”というジャンルをネタにしてはいるものの

あくまでも、幅広い年齢層に笑ってもらえる芸人を

目指していたー。


だがーー

この日、異変は起きた。


「えっ!?」

煙の演出の最中ーー

いつものようにウィッグを身につけて、

胸の代わりにするボールを服の中に入れようとしたその時だったー。


「--え……え???」

薫は思わず自分の目を疑ってしまうー。


「--え…?????」

”え”以外に、何と言っていいかもわからない。


それほどまでに”衝撃的”なことが起きていたー。


まだ、ボールを服の中に入れていないのにーー

胸があるのだー。


「ん?????」

薫は思わず困惑してしまったー。


あるはずのない胸が、そこにあるー

ボールでもないー

シリコンでもないー


本物の、胸がー?


「えっ!?!?!?!?」


そう言いながらも、薫はすぐに我に返るー。


この煙が晴れるまで、もうあと10秒ぐらいしかないー


「---!」

ウィッグをまだつけてないはずなのに

綺麗な黒髪がー


「-!!!」

自分の手を見つめるー


綺麗な色白の…


「え……え???」


まさかーー

そんな、まさかーーー!?


「--じょ、、じょ、女体化芸人…

 まさかの女体化!?」

薫は自分でそう


女体化をネタにしていた自分が、

”リアル”で女体化してしまったー


「---!」

状況を理解したー。


自分が女体化してしまったという”現実”を理解したと同時にー

煙が消えて、観客たちに自分の姿が見えるまであと5秒しかないと

悟った薫はー


いらなくなったウィッグとボールを、舞台の背後に放り投げたー。


そしてー


「お、、お、、、女になってるぅぅ~~~~???」


いつものようなオーバーリアクションで、

観客を笑わせる薫ー。


演出中に突然”本当に女体化”してしまったのに、

それでも、動揺を見せず、

”お笑い”を続けるー


彼は正真正銘ー

根っからのお笑い芸人だったー


自分のことはあとー。

まずは、女体化芸人として、

お笑いを楽しみにしている人々を、楽しませてあげなくてはならない。


会場がどよめくー


”なんか、いつもよりすごくね?”

”声まで…どうやってるんだろう?”

”まるで本当に女になったみたい”


とー。


そして、周囲のスタッフも戸惑っていたー


”打ち合わせと違う”からだー。


明らかに、いつもの”女体化芸”ではない。

本当の女になったかのようなー

そんな、状態ー。


「---おおぉぉぉおぉ…!?髪が長い!?」


「--胸がボールみたいだ!」


「--あわわわ!僕のソーセージがなぁい!?」


オーバーリアクションと、いつものような

台詞で、観客を笑わせていく女体化芸人・薫。


”本当に女体化してしまって”

動揺しているはずなのに、それを一切感じさせない演技ー。


彼は、プロだったー。


「--!」

胸を触るー。

いつもはボールを服の中に入れているだけなのだがー

今日は、”本当の胸”だー。


”おいおい…”

薫はそう思いながら、初めて”自分の胸を揉む”感覚とー

”自分の胸が揉まれる感覚”を味わったー

想像以上に、言語化が難しい、

なんとも言えない快感のようなものを感じるー


「---ふぅぅ…」

深呼吸して、薫は叫ぶー


いつものように、スマホを手にして

”父親”に連絡するー

女体化してしまった男が父親に電話をする、というシーンだ。


「もしもし、おとうさん!?僕だよ、僕」


「--ボクボク詐欺!?そんなもんねぇよ!」


会場に笑い声が響き渡りー、

会場の観客たちは、いつしか、薫が”いつもよりリアルに女っぽくなった”

ことを気にしなくなっていたー


薫のプロ意識が、観客たちを

”お笑い”の世界に引き戻したのだー


「え?なんだって?」


”声が男のままだって?あははは!うるせぇな!”

と突っ込みを入れるシーン。


普段はあえて地声のままやるのだが

今日は本当に女体化していて、声が女の声になってしまっているー


”く…”


「声が男のままだって?」というセリフは

今、この状況では通用しないー


・・・・・・・・・・・・・・


楽屋で”次の芸”を披露するお笑い芸人・

”湯たんぽジョナサン”が、

モニターでその様子を見つめていたー


”湯たんぽジョナサン”は

女体化芸人・薫と同期のお笑い芸人だー。


”将来は一緒にお笑い界を頂を目指そう”


そんな、約束もした間柄だ。


だが、しかしー。

人気になったのは、薫だけー。


湯たんぽジョナサンは”薫のコネ”でようやく

仕事を貰えているだけー。


薫は、今でも湯たんぽジョナサンのことを心配し、

決して見下すようなこともせず、

こうして、少しでも湯たんぽジョナサンに仕事が

回るようにと、色々配慮してくれている。


今日のお笑いイベントもそうだー。


だがー


ギリギリと唇を噛みしめる

湯たんぽジョナサンー。


彼は、逆恨みをしていたー。


だからー

裏社会から取り寄せた特殊な”女性ホルモンを大量に仕込んだガス”を

いつも女体化芸に使っている煙幕に大量に混ぜたー


その結果ー

薫は女体化したのだ。


煙はいつも、”薫が胸やウィッグを用意している間”

薫を中心に隠すように放出されているー


だから、観客や、舞台にいた他のスタッフに影響が

出ない分量を使用することでー

こうして、薫だけを”女体化”させることに成功したのだー


「へへへ…薫…

 お前は終わりだぜー


 芸人としても、男としても、な…」


湯たんぽジョナサンは不気味な笑みを浮かべたー


・・・・・・・・・・・・


”声が男のままだって?あははは!うるせぇな!”


”女体化した男”が、”父親”に電話をするシーン。

いつもの台詞が頭の中に浮かぶー


だがー

これは、あくまでも

”女体化芸”だからこそ使える台詞だ。


いつもは、薫が見え見えの女装をして

声は男のままだから、その自虐的なネタとして

”声が男のままだって?”というシーンがあるのだが

今日は”本当に女”になってしまっているー


”どうすればー”


そう思いながら、薫は、観客たちを見たー


観客たちは薫の”お笑いの世界”をとても楽しみに

今日、ここに集まってくれているー。


その期待を、裏切るわけにはー

いかない。


「----え~~?

 女の声で、息子だよって言われても信じられない~?」


薫は、咄嗟に台詞を変えたー


「--そりゃそうだな!あははははは!」


観客たちは、薫の芸に笑いながら

薫を見つめるー


「それにしても~急に女になっちゃうなんて!

 おれ、びっくり~」

変なリアクションで観客を笑わせる薫ー


”----!!!”


楽屋のモニターでその様子を見つめていた

湯たんぽジョナサンが表情を歪めるー


”あいつー…そのまま進めやがった!”

とー。


自分が本当に女になってしまっているのに

観客たちにそれを悟らせず、

”自分だって不安なはずなのに”

観客を、自分のお笑いを見に来てくれているお客さんたちを

楽しませることを第1に考えているー。


その姿は、まさに”プロ”だったー。


「---おやおやおやおや?」

そうこうしているうちに、薫のお笑いは

最後の場面になったー


再び煙に包まれて”男に戻る”という場面だー


薫はここでも、頭をフル回転させたー


そしてー

煙が消えるーーー


薫は”女”のままそこに立っていたー


「--も、戻ってねぇ~~~~~~~~~~~!?」

薫が頭を抱えて顔芸を披露して、

観客を笑わせるー。


いつものオチではなく、

ここでも薫は臨機応変のお笑いを繰り広げてー


そしてー

舞台は無事に閉幕したー


「---…か、、薫!その姿!」

スタッフの一人がすぐに駆け寄って来るー


「---ど、、どうやら俺…」

薫は唖然とした表情で、自分の胸を触るー


「ほ、本当に、女になっちまったみたいだ…」

とー。


激しく動揺しながらも、

見に来てくれた人たちの前では”平然”と演技をしてみせたー


彼はまさに、”プロ”と呼ぶにふさわしかったー


・・・・・・・・・・・・・


1週間後ー


同じ事務所に所属する

湯たんぽジョナサンは笑みを浮かべていたー


あの日ー

女体化してしまったその場でこそ、

薫は動揺を隠し、

お笑いの出番を完璧にこなして見せたー。


笑いに包まれた会場ー


だがーーー


それまでだったー。


やはり、急に女になってしまったショックは

隠しきれなかったのだろうー


逃げるようにして帰っていき、

あれから、マネージャーが家を訪ねても

返事すらしないようだ。


「--へへへ、わりぃな薫」


これからは”湯たんぽ時代だぜ”と、笑みを浮かべる

湯たんぽジョナサン。


「--”薫”って名前でちょうどよかったじゃねぇか」

そんな風に笑みを浮かべているとー


エレベーターからー

美人女性が降りて来たー


「--!」

湯たんぽジョナサンは震えるー


「---よ」


その女はー

女体化した薫だったー


「か、、か、、薫…!?どうしてここに?」

湯たんぽジョナサンが言うと、薫は笑った。


「どうしてって?仕事があるからさ」

とー。


「--し、しごと?」

湯たんぽジョナサンが聞き返すと、

薫は「俺はお笑い芸人だから、お笑いだよ」と呟いたー。


「--で、、でも、家に引きこもっていたはずじゃ!?」

湯たんぽジョナサンがなおも叫ぶとー

薫は笑ったー


「あぁ、ほら、女になっちゃったからさ、

 新しいネタを考えてたんだよ。


 あ、社長にはちゃんと1週間休むって伝えたぜ?」


そう言うと、薫は、

”今日からまた頑張るか~”と

笑いながら社長のいる部屋へと向かったー


「な、、、な…」

湯たんぽジョナサンは

”なんてポジティブなやつだー”


と、苦笑いしたー


・・・・・・・・・・・


そしてーーー


薫は”女体化芸人やってたら女になりたくなってきちゃったので、

性転換手術を受けて女になりました”と、

世間に向けて発表したー


薫があまりにも前向きにー

楽しそうに「今日から俺は女です!」と記者会見したことでー

案外、あっさりとそれは受け入れられたー


そして、急に女になってしまったことすらも、

”チャンス”として生かし、

”女体化芸人やってたら女になりたくなってホントに女になったけど

 やっぱり男に戻りたくなっちゃった芸人”として

新たなお笑いを確立したのだったー


しかも、その美貌から

写真集やドラマにまで仕事は広がりーーー


「---くっそおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

湯たんぽジョナサンとの差はますますついてしまったのだったー



おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


女体化芸中に本当に女体化してしまった!という

お話でした~!


こうなったらジョナサンも女体化するしかないですネ笑

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