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ジョーが悪の魂を放り込んだ人間はーーー

もう二度ともとには戻らない。


否ー

悪の魂に飲み込まれた人間はーー、

自らの意思で、悪の道へと進んでいくのだ。


ジョーが”98人目の獲物”として

悪の魂を憑依させた優等生・西原愛華もそうだ。

今や、もう、彼女に優等生の面影など、まるでない。


優等生なんかやってられるかよ!

馬鹿じゃねーの!!

辞めてやるーーー。


いつも、いつも、私ばかり。

皆、いいように私をこき使って。


ー西原愛華は豹変した。


ジョーは、人妻・彩乃が豹変して、

夫の目の前で元同級生とエッチを繰り返すようになり、

やがて家庭が破綻したのを確認するとー

今度は自らの妹に悪の魂を憑依させようと、

街中を歩いていたー。


「---ん」

ジョーは、見覚えのある女子高生の姿を見かけたー


ジョーが以前悪の魂を憑依させた愛華ー。


まるで別人のように”悪女”な雰囲気を

漂わせているー。


ジョーが興味を失ったあとも、

さらに”悪の魂”に侵食された

愛華は、今まで自分が守っていたはずの幼馴染、康介を

徹底的にいじめ始めたのだ。


「---わたしをなめてんの?

 ねぇ、アンタどんだけ調子こいてんの?」


康介は驚きに目を見開く。


ーーー西原さんはこんな子じゃない…

何故…?


愛華は茶色に髪を染め上げ、

スカート丈は短くなり、

化粧が濃くなった。

そしてーピアスの穴を開け、

愛華とは思えないありさまだー


「--ほぅ」

ジョーが偶然、愛華が康介をいじめている現場に遭遇したー


”あんなにいい子だった、この少女がー

 ここまで悪に堕ちるとはなー”


ジョーは口元を歪める。

もはや、愛華であって、愛華でないー

と、まで言えるほどに優等生だった愛華は

豹変してしまっていたー。


姿を消した状態で、ジョーは、愛華と康介のやり取りを

笑みを浮かべながら見つめるー。


「ねぇ…もうやめてよ」

康介が泣きわめく。


その様子を見て、愛華はさらに腹を立てたー。


「---調子こくんじゃねぇよ

 わたしが今までどれだけアンタの為にがんばったか

 わかってる?


 ねぇ、何でいつもわたしだけ?

 どいつもこいつもわたしを馬鹿にしてんじゃねーよ!」


そういうと、愛華は康介を蹴り飛ばした。


”くく、凄まじい変化だー。いいぞ”

ジョーは笑うー


あの優等生な少女が、暴力まで振るうほどに

悪の魂に侵食されるとはー

見ているだけで、ゾクゾクするー。


「に・・・西原さん・・・

 僕は、、いや、他のみんなも

 西原さんのこと馬鹿になんかーーー」


下校中の、あまりにも壮絶ないじめにー

偶然通りがかった女子ー

元々康介をいじめていたいじめっ子の女子生徒たちも

引いた様子で見ている-。


「---ね、、ねぇ愛華?もういいんじゃない」


そういうと、愛華は不機嫌な様子でいじめ女子の智乃恵を見た


「優等生、優等生。

 そうやっておだててればわたしが大人しくしてると思ってたんでしょ?

 ふざけんじゃねぇーよ!


 もうわたしは好きに生きるから!

 とことん遊んでやるから!」


そう言い、愛華は再び康介を暴行しようとした。


ーーそしてー、騒ぎを聞きつけた生徒指導部の先生が、

正門前のいじめ現場に駆け付けー

愛華を取り押さえるー。


「離せよ!!ふざけんな!わたしばっかり、ふざけんな!ふざけんな!」

元優等生とは思えないぐらいに大声を出して

もがく愛華ー


髪もスカートもボロボロになるまで乱しながら

大声で叫ぶー


先生がさらにやってきて、愛華を取り押さえるー


愛華は、先生を蹴飛ばしー

さらに他の先生をグーで殴りつけ、

暴れ出すー


「西原さんー」

その光景を見ながら、康介は涙を流したー


”あんなの、西原さんじゃないー”

とー。


やがてー

愛華は先生たちに強引に取り押さえられるー


「バカにしやがって!!!」

大声で叫びながら、愛華は先生に向かって唾を吐き捨てるー


ジョーは、そんな光景を見つめながら

「人間は、愚かだー」

と、静かに呟いたー


・・・・・・・・・・・・・・


愛華は、退学となったー


元々、彼女は「自分は損な生き方してるのかな?」と少し

疑問に思っている部分もあった。

それでも彼女は心からー周りの人に親切にすることを

喜んでいたし、周囲の笑顔で自分も幸せになれたーー


だがー

その”ほんの少しの疑問”が、

悪の魂に憑依されたことにより、歪み、

爆発的に膨らみ、そして、愛華は豹変してしまった。


退学になったことを親に告げると親は泣いた


「--」

だがその姿を見ても、愛華はもはや何も思わなかった。


彼女の優しさはーー

憑依した”悪の魂”によって、全て嫉妬や憎悪に変わっていた。


ーそして、彼女は翌日、

家を飛び出した。


そして、自分の体を売り、地元のワルとつるみだした。


メイクはさらに派手になり、髪色は金髪になった。

露出度の高い服装を好むようになり、

もはや、、彼女に元の西原愛華の要素は何一つ残っていなかったーーー。


3か月後ー。


ジョーは既に、愛華になど、完全に興味を失い、

その存在すら忘れていた頃ー。


康介は、

とある放課後の作業で帰りが遅くなり、

一人夜の街を歩いていた。


ガラの悪い男女が、一人の男をボコボコにしている


「きゃははは!マジうけるんだけどーーー!」

女が甲高い声をあげる。


金髪で露出度の高い服とミニスカートをはき、

ヒールで男を踏みつけている。

いかにも関わりたくない人たちだーー


しかしーー

康介はそんな女の顔を見て驚愕した


「----西原…さん?」


ギャルメイクのような濃い化粧に金髪。。

もはやほとんど面影はなかったが

それでも幼馴染の彼にはわかったーーー


あれはーーー


「あ?何見てんだよ!

 オラ!あっちいけよ!」


変わり果てた愛華が、康介を睨んだ。


口調も、仕草も完全に別人だーーー


「---すみません」

康介は”諦めていた”


もう、自分の知る西原愛華は居ないのだとーーー


彼が幼馴染の西原愛華の姿を見たのはー

これが最後だった。。


⑨へ続く


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


コメント


作中で最初に悪の魂を放り込まれた愛華ちゃんの

後日談でした~!


次回からは別のターゲットに標的が移ります~!


※私の初期作品のリメイクなので

 最近の作品よりも1話あたりが短いデス

 そのため、こちらの「悪の魂X」は全話、

 100円プランでも読めるようにしてあります!

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