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矢島家では、”事件”が起きていたー


ある日の朝ー

父・典之と娘・遥香が入れ替わってしまったのだー。


会社では、慕われる上司であるものの、

家では”親父”モード全開の典之と、

高校1年生で、思春期に突入して父親を嫌っている遥香ー。


”最悪の組み合わせ”とも言える入れ替わりー。


幸いなのは、入れ替わったのが土曜日の朝、ということだろうかー。


長男の光輝は、戸惑いながらも、

「これで二人とも学校と仕事だったら、地獄だったぞ…?」と、

自分の部屋で呟いたー、


土曜日の朝ー

二人は突然入れ替わってしまったー

どうなることかと思っていたがー

何とかーー

こうして、1日を終えることができたー


自分の部屋に戻った光輝は、

「はぁ~…」とため息をつくー。


せっかくの土曜日、リフレッシュしようと思ったのに、

典之になった遥香と

遥香になった典之の間に入るのはすごく大変だったし、

正直、疲れ果ててしまったー。


”寝れば元に戻ってるはず”

光輝も、父・典之も、妹・遥香も

”それに賭けた”


いや、そうじゃなきゃ困る。

むしろ、明日もこのままだったらー

いや、月曜日になってもこのままだったらー

最低最悪の出来事が安易に想像できるー


「今日は…遥香…っつか、親父、風呂も入れてないもんな…」


入れ替わった二人は、お互い”お風呂”にも入っていないー


遥香(典之)は、遥香本人から”わたしの身体を見ないで”と

ヒステリックに叫ばれ、お風呂に入ることの許可が下りなかったー。


一方の典之(遥香)は、身体の持ち主である

父・典之は”俺の身体でお風呂に入ってもいいぞ”

というスタイルなのだが、典之の身体になった遥香が

”お父さんの身体でお風呂とか、死んでもやだ!”と

断固拒否の姿勢を示しているためー

結局、”二人ともお風呂に入れなかった”という状態だー。


「----二人が、元に戻ってますように」

そう祈りながら、光輝は、目を閉じたー。


明日の朝になれば、きっと二人はもとに戻っているはずだ。

うん。そのはずだー

いや、そうじゃなきゃ、困るー。


・・・・・・・・・・・・・


翌日ー


穏やかな朝日が部屋に差し込んできてー

光輝が目を覚ますー


小鳥のさえずりが聞こえるー

気持ちの良い朝だー。


スマホを確認して、高校の友達から届いている他愛のないLINEに

返事をすると、光輝は

「あ!!そういえば、親父と遥香は!?」と

部屋を飛び出したー


階段を下りて、リビングに行くとーーー


「---あ~~~~~」

光輝は、悟ったー。


遥香が、焼き魚とみそ汁を朝食に、

新聞を読んでいたのだー


つまりー

中身は遥香ではなく、父の典之であることを意味するー


「遥香…あ、いや、親父?だよな?」

光輝がリビングに入りながら言うと、

遥香(典之)は「お!おはよう」と、答えたー。


「--(戻ってねぇ)」

軽く絶望を覚えながら光輝は、

「遥香は…?」と遥香(典之)に尋ねるー。


すると、キッチンにいた、母・美佐江が答えた。


「--こんなのイヤ!って、部屋に戻っていっちゃって

 それっきり」

とー。


「--遥香も難しい年ごろだからな」

遥香(典之)はそう言いながら、ごちそうさま、と呟くと、

つまようじで、遥香の綺麗な歯を掃除し始めたー


遥香の姿でつまようじを使われると

だいぶ違和感があるー。

しかも、格好もシャツ1枚に、トランクスのようなものを

履いた状態ー。


とても、女子高生の姿ではないー。


食事を終えてソファーに座ると、ニュースを見ながら

何かブツブツと文句を言い始める遥香(典之)-

父のいつもの癖だー。

テレビを見ながらブツブツと何か文句を言っているー

それを、遥香の身体でしているのだー


”「----お、、親父…あのさ、、」

ソファーであぐらをかきながら太ももをボリボリと

掻いている遥香(典之)に対して、

「遥香の身体なんだし…ちょっとは気を遣ったほうが…」と呟くー


「--ん?あ、、あぁ、そ、そうだな」

足を、落ち着かない様子で閉じる遥香(典之)-


典之は決して娘である遥香の身体をぞんざいに扱っているつもりは

ないのだが、

自分の性格上、どうしても、がさつな感じになってしまうー。


典之は”クヨクヨ考えても仕方がない”と前向きな思考の持ち主で、

娘と入れ替わってしまって元に戻れない以上、

元に戻る方法を探しながらも、可能な限り

”ふつう”の日常生活を送るー、という、方向性なのだー。


「---こうなってしまった以上ー、仕方ないからな」

遥香(典之)の言葉に、

遥香(典之)が、「おいおい」と笑いながら、

光輝に近づいてくるー。


「--ちょ!?」

光輝が驚くー


光輝のズボンのあたりを、遥香の手が触って来るー


「-おいおい、妹に興奮してるのか?」

遥香(典之)がニヤニヤしながら、その手で光輝の勃起してしまった

アレを触っているー


「バ、、や、やめろよ親父!

 親父が遥香の身体で、おっさん臭さ全開のしぐさをするから、

 自然と身体が反応して…!」

真っ赤になりながら叫ぶ光輝ー


見た目は遥香なのに行動がおっさんな遥香を見ていたら

そういうつもりじゃないのに、ついつい身体が反応してしまって

いたのだったー。


「--ははは、すまんすまん」

遥香(典之)は伸びをすると、

「でもなぁ」と呟くー。


「--遥香には悪いことをしてるし、

 何とか、少しでも元気だしてほしいなぁ…」

遥香(典之)は2階のほうを見つめながら呟くー。


典之になってしまった遥香は、

入れ替わり翌日となった今日も、

”元に戻っていない”ことに強くショックを受けて

部屋に閉じこもってしまったのだと言うー。


光輝も「--まぁ…遥香もそういう年ごろってことだろ」

と、複雑そうな表情で呟くー。


「---俺もさっき、遥香の部屋に行ったんだけどさ、

 遥香に部屋に入れて貰えすらしなくてさ。

 

 …ほら、最近、俺、嫌われてるだろ?」


遥香(典之)の言葉に

光輝は嫌な予感を覚えながら

「俺に、遥香を慰めて来いって言ってる?」

と、苦笑いしたー。


「--あぁ」

遥香(典之)は即答したー。


「はぁ~~~……板挟みの俺の立場にもなってくれよ」

光輝は毒づきながらも、

「まぁ…行くけどさ」

と、2階の遥香の部屋へと向かったー。


その様子を母親の美佐江も苦笑いしながら見つめていたー


・・・・・・・・・・・・


「遥香~?入っていいかな?」

光輝が、妹・遥香の部屋をノックしながら言うと、

「---お兄ちゃん?いいよ」と、返事が聞こえたー


だが、その声は妹の声ではなく、

父の声だー。


「----」

部屋に入ると、部屋の隅っこで、典之(遥香)が体育座りをして

不貞腐れていたー。


「-(お、、親父のそんな姿も見たくねぇ~)」

光輝はそんな風に思いながら

「--少しは元気出せよ」

と、典之(遥香)に向かって言葉を投げかけるー。


「---無理」

典之(遥香)は体育座りして顔を隠したまま言う。


「---で、、でもさ、ほら、明日は月曜日だし

 早く元に戻らないと大変なことにー」


「無理!!無理!!

 マジで無理!!!」

典之(遥香)が、ようやく顔を上げるー


ずっと泣いているのかぐしゃぐしゃな父親の顔ー。


「--うわぁ…」

光輝は、親父が泣いているの、初めて見たよー、と

思いながら、

「-お、、俺も、俺も全力で二人が元に戻れるように

 手伝うから…が、頑張ろうぜ?」と、慌てた様子で言う。


だが、典之(遥香)は、

「お父さんの姿、見たでしょ?

 わたしの身体であんなキモイ格好してー

 おっさん全開で、、もう、ホント、最低」と、叫ぶー。


「--た、、確かに、、俺も、、

 おっさん化した妹と、乙女になった親父なんて見たくないよ」

と、典之(遥香)に話を合わせるー


「で、、でも、とにかく、とにかく、元に戻る方法を

 一緒に探していかないとー


 寝ても元に戻らなかったんだから、

 ずっと部屋にこもってたら、遥香はずっと親父のままだぞ?」


光輝が言うと、


「やだもん!」

と、典之(遥香)は頬を膨らませながら叫んだー


「(うぉぉぉぉぉ…ちょっとキモイ…)」

光輝は思わずそう思ってしまったー


中身は遥香だと分かっていても、

父の典之の身体で、頬を膨らませて「やだもん!」なんて

叫ばれると

さすがにビジュアル的にきついー。


「ーーーそ、、そうだよな、やだよな?

 俺だっていやだ」

光輝は、なんとか妹を誘導しようとするー


前向きな方向にー。


「---だ、、だからさ、一緒に頑張ろうぜ」

光輝が言うと、

典之(遥香)は「むー…」と呟くー。


”あと一押し”


そう思った光輝は咄嗟に叫んだー


「駅前のケーキ屋のケーキ、奢るから!」


とー。


典之(遥香)はそれを聞いて笑顔になったー


「うん!がんばる!」

とー。


「(現金な妹だな…)」

そう思いながらも、すっかり機嫌を取り戻した典之(遥香)は

光輝と共にリビングに向かったー。


リビングでは、ソファーで新聞を音読している

遥香(典之)の姿ー。


「--も~~~!その恰好やめて!マジできもいよ!」

典之(遥香)が叫ぶー。


遥香(典之)の姿はランニングシャツにトランクスー。

遥香の身体でそれをやられると、確かにきついー。


「--だ、、だって、俺の部屋にはこういうのしか」

とー、遥香(典之)が言う。


部屋はお互い”中身”の部屋ー

つまり遥香の身体になった典之は、

”中身”、典之の部屋を使っているー。


だからー

女物の服なんて、典之の部屋には当然、ないのだー


「--バカ!ちゃんと用意しといて!」

典之(遥香)が叫ぶー


「いやいや、親父の部屋に女の服があったらそれこそやばいだろ?」

光輝が突っ込みを入れると、

「うん!きもい!」と典之(光輝)が叫ぶー


「--と、とにかく、親父も着替えたらー?

 その恰好はさすがにきついと思うし」

と、光輝が言うと、遥香(典之)が「まぁ、そうだな」と頭を掻きながら言うー。


それでもー

典之(遥香)は、「わたしの服を着るのは絶対許さない!」と

断固拒否の姿勢を示したため、

母の美佐江が「わたしの服で、遥香がきれるようなものを選ぶわ」と

フォローを入れたー。


「それなら、いいけど」

典之(遥香)はそう呟くと、

すぐに「あ!!!」と叫ぶー


「でも、わたしの身体で着替えは許さない!」

とー。


そんなこんなで、

母・美佐江の服を着ることになった

遥香(典之)-


”着替えは許さない”ということで、

目隠しした状態で、母の美佐江がサポートしながら

ようやく着替え終わりー

遥香(典之)はため息をついたー。


元に戻る方法を色々提案して

色々試してみたが、やはり、元に戻ることはできないー


夕方になって、二人は一旦部屋に戻っていくー


父の部屋を通った光輝は、顔色を変えるー


「またやってる…」

光輝があきれ顔で呟くー。


父・典之の部屋の中から

「お父さん、愛してる!」と遥香の声が聞こえるー


遥香の身体になった典之が、こっそり隠れて

遥香の口で、自分への愛を叫ばせているのだー


”親父の趣味かなぁ…”

そんな風に思いながらー

部屋をこっそり覗くとー


遥香(典之)が、遥香の両胸を揉みながら

笑みを浮かべていたー


「-----」

「-----」


光輝は、父親が自分の娘の身体で、

胸を揉んで、満面の笑みを浮かべている光景を

見てーーー


そっと、扉を閉じたー


「---俺は、何も見ていない」

そう呟くと、光輝は、”ちょっと疲れたな”と

一旦自分の部屋に戻っていくのだったー


③へ続くー


・・・・・・・・・・・・


コメント


父親と娘の入れ替わりは、まだまだ悪戦苦闘中…!

次回はついにお風呂に…!?

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