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退屈だー。


ジョーは藤森彩乃の姿を影から見ながら

そう思った。


悪の魂を藤森彩乃に投げ入れてから既に5日。

彼女には何の変化もない。


今のところ、全てにおいていつもの日常だ。


彼女は夫の倉木毅を送り出し、

一人家事を行い、

帰ってきた倉木を迎え入れる。


そういう、何ら変わりのない日常を送っていた。


「---案外、退屈なものだな」

ジョーは呟いた。


彼はー

悪の魂を”戯れ”に人に投げ入れているー。

特に、理由は無い。


強いて言うのであればー

人間は悪の魂が入り込んだだけで、

そう簡単に変わることは無いー。

そういう証明を見てみたい、という気持ちはあるー


だが、”変化がない”ということが

こんなに退屈なことだとは思わなかった。

善人が、徐々に変わっていき、最終的に悪人になってしまうー。

その「変化の過程」を、検死官ジョーは、

心の奥底で渇望していたーー。


検死官ジョーは”楽しんで”いたー。

”歪んでいく姿”をー。


最初は、男女問わず 悪の魂を放り込んだ。

だが、最近は女にばかり悪の魂を放り込んでいる。


理由は分からないー

だが、ジョー自身が男だからだろうか。

女が、歪み、崩れていく姿を見ると、

それがー

何よりも最高の”エンターテイメントショー”だと感じる


「……ん?」

しかし、その時、ジョーは異変に気付いた。


自宅でテレビを見る彩乃の顔が真っ赤になっている。


検死官ジョーは、自分の姿を透明にする力を使いー、

ジョーは、彼女の家に入りこんだ。


ちょうど、ドラマのラブシーンの最中だった。


これ自体は、おかしなことではない。

元々、彩乃がこのドラマを見ていることは

検死官ジョーの”事前調査”によって把握済みだ。


だがー

問題なのは、彩乃の反応だったー。


「あっ…」

テレビを見ていた彩乃が自分の胸を少しだけ触って

声をあげた。


その声は、とても妖艶だったー。


ドラマのラブシーンを見て、彩乃は興奮しているー。

顔を赤くして、ついには、彩乃は自分の胸を揉み始めたー。


とても、

真面目な雰囲気を歪めながらー。


「---始まったか」

ジョーは確信した。


彼女には

確か、男好きの浮気女の死体から取り出した

悪の魂を放り込んだ。


もちろん、生前の人物の影響が100パーセントでるわけではないが、

今のところ、生前の人間の”悪い部分”が表に出やすいことまでは

分かっている


「--わ、、わたしってば何考えてるんだろう…」

真っ赤な顔をした彩乃が気を紛らわすかのように首を振る。


ーー自分はこういう行為が苦手では無かったか。

だから、それを理解してくれる毅と結婚したのではなかったのかー


本来、倉木姓を名乗るべきなのに、

自分の実家が、うるさいからと悩んでいた自分に

「無理して変えなくていいよ」とほほ笑んでくれた夫。


そして、子づくりも

「君が、受け入れられるようになったらでいいから」と

微笑んでくれた夫。


そんな優しい夫が愛おしくてたまらなかった。

だが、最近の彩乃は不満を抱くようになっていた。


ーーー夜、夫が満足させてくれないーーー。


彼女の心の中の欲求は日に日に強くなっていた。

夫を誘惑して、滅茶苦茶に喘いでみたいー。


夫を押し倒して、

そのまま壊れてしまいたい。


本能のままに、夫と溶け合い、

女として、歓喜の声を発したい。


そう思うようになっていた


「ーーー、、、変な事考えてる場合じゃないよ、わたし!」

一人、彩乃はそう呟くと、キッチンへと向かって行った。


その様子を見たジョーは、

感心したような様子で笑みを浮かべた。


「ホゥ…なかなか強い精神力を持っているようだな」


だがー、

と、ジョーはほほ笑む。


今までー

100人近くの人間に悪の魂を放り込んできたが、

例外なく、その悪の魂に影響され、

人格が歪み、

悪の道へと堕ちたー。


藤森綾乃のように、ここまで長く、”普通”にしている女は

あまりいないが、

それでもー

やはり、彩乃にも影響が出始めたー。


悪の道に堕ちるのは、時間の問題だろうー。


「---くくくくく」

検死官ジョーは笑う。


”極上のエンターテイメントショー”が

ついに始まったー。


真面目な女が、

歪んで、豹変していくその様子を間近で見届けるー


そう、これはアダルトなショーだ。


ーーーそれから2日。

彼女の”我慢”は限界に達していた。


「ねぇ……たけし…」

夜。


甘い声を出しながら夫の毅に近寄っていく。


「どうした?急に?」

毅は彩乃のいつもと違う雰囲気に少し戸惑った。


「---わたし、、もう我慢できない」

彩乃はそう言うと、なりふり構わず夫をベットに押し倒した


「なっ、、おい、急にどうした!」

毅が叫ぶ。


ふと毅は妻の顔を見る。

その表情にはいつものような優しい笑みはなく、

雌の本能に狂った彩乃の姿があった。


「ねぇ毅ぃ!わたしを、わたしを滅茶苦茶にして~~!」


そう叫びながら彩乃は、毅に覆いかぶさった。


はぁ、はぁ、と彩乃が甘い息を出しているー

興奮しきってしまって”理性”を完全に失っているようなー

そんな、状態ー


正気じゃないー

そう思った。

しかし、毅は咄嗟に彩乃を振り払った。



「お、、おいどうした!やめろよ!

 急に、、」


毅とて、別に行為が嫌なわけでは無かった。


ーーーしかし

彩乃の尋常尋常では様子に、毅は戸惑い、

そして、異様な雰囲気を感じ取るー。


「--あ、、彩乃、落ち着け…な?

 明日も早いし、急にそんな、無理しなくて、大丈夫だから」

毅は戸惑いながらそう呟くと、足早に別室へと立ち去って行った。


「----何よ!」

彩乃の心は不満で満たされた。。。


我慢しても、我慢しても、、湧き出てくる

自分の欲を抑えられなくなっていた


「何よ何よ何よ!」


優しかった彼女は、、

欲と怒りで表情をゆがませて、そう叫んだーーー


「--何よ!わたしを抱いてよ!!ねぇ!!!毅!!!

 ねぇ!!!!」


彩乃が怒りの形相で自分の髪をかきむしりながら、

”もぉぉおおおおおおおお”と叫ぶー。


そして、欲求不満が爆発した彩乃は、

そのままその場で一人、狂ったように喘ぎながら

滅茶苦茶になるまでエッチを続けたー



「----堕ちたな」

検死官ジョーは、そんな彩乃の様子を見つめながら

不気味な笑みを浮かべたー



⑥へ続く


・・・・・・・・・・・・・・


コメント


2番目のターゲット彩乃編は、

次回が最終回ですネ~!


毎週火曜日のリメイク作品は、

1話あたりが短いので(私の初期の作品は1話あたりが

今よりも短かったので…)、100円プランでも

読めるようにしてあります!!


今日もお読み下さりありがとうございました!!

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