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「---うふ♡ ふふふ…♡ はぁ…♡ はぁ…♡」

女子トイレー。

真面目そうな女子生徒が、

自分の胸を触りながら、歪んだ笑みを浮かべているー


「はぁぁぁ…憑依って最高…♡

 生徒会の女だって…俺の思うがままだ…♡」


彼女はー

不良生徒に憑依されていたー


「えへへ…わたしの身体…

 好きに使ってくださぁ~い…♡」

お尻を振りながら、甘い声を出す生徒会の女ー。


憑依された彼女は、

完全に、身も心も、支配されていたー


・・・・・・・・・・・・・・・


生徒会室ー


秋も深まり、気温が急激に落ちてきたことでー

体調を崩し、欠席者が増えている中ー

文化祭の準備は着々と進んでいたー


「--じゃあ、今日のお話はここまでにしましょう」

生徒会会長の”いかにも会長”という雰囲気の

眼鏡をかけた真面目そうな女子生徒・花沢 香苗(はなざわ かなえ)が言うー。


「--文化祭楽しみ~!」

ショートヘアーで、活発そうな少女・

生徒会書記の長浜 美佐子(ながはま みさこ)が、騒ぐー。

お調子者な雰囲気が、全身からあふれ出しているー。


「---ふん」

おしゃれな髪をいじりながら呟く

生徒会副会長の高坂 蘭(こうさか らん)-

お嬢様育ちで、甘やかされて育ったことで、とてもワガママだー。

蘭は、数か月前の生徒会選挙で、会長に立候補したものの、

香苗に敗れ去り、副会長の座に甘んじている。

そのせいか、香苗のことを強くライバル視しているー


「---お疲れ様でございます~!」

1年生の生徒会書記・加藤 恵(かとう めぐみ)が、にこにこ

しながら頭を下げるー

穏やかで優しい子なのだが、言葉遣いが、時々おかしい


現生徒会の女子は、この4人ー

他に、男子4人が生徒会役員として活動しており、

生徒会役員は男女合わせて8人ー。


今日はそのうちの7人による文化祭の話し合いが

行われていたのだったー。


「--おつかれ~!」

男子の一人が、そう言いながら出ていくー。


担当の先生は、険しい表情で、立ち去っていく生徒会役員のメンバーを

見つめていたー。


何故ならーーー

”今日、ここにいない一人”


屑山 屑五郎(くずやま くずごろう)という男子生徒が、

”憑依薬”を使って、この中の誰かひとりに憑依した、

という情報を手に入れたからだー。


屑五郎は、名前の通りの屑で、

先生たちも頭を悩ませるほどの素行不良の生徒だー。

そんな彼が、ネットで”憑依薬”を手に入れて、

生徒会の女子に憑依したという情報を、

生徒会の担当である先生・増崎(ますざき)は、手に入れていたー。


内部告発ー、とでも言えば良いのだろうか。


二日前ー

増崎先生の元に、匿名で生徒から連絡が入ったのだー。


”屑五郎が憑依薬を手に入れて

”明後日、俺は生徒会の女子に憑依するんだぜ”と、

騒いでいたー…”


そんな、内容だったー。


内部告発者の生徒は、

屑五郎の不良仲間のひとりで、

名前までは明かさなかったが、

”他人の身体を乗っ取る”ということに

強い恐怖を感じ、屑五郎を止めてほしい、と

増崎先生に嘆願してきたのだったー


”くだらない”

増崎先生は、最初、そう思っていたー


”憑依”など、存在しないー

と。


だがー

色々調べていくうちに”憑依”は実在することを

増崎先生は突き止めていたー


そしてー

その内部告発者の生徒が言っていた通り、

”明後日ー”つまり、あの連絡が来てから二日後ー

”屑五郎”は休んだー。


”生徒会の女子に憑依するんだぜ”

屑五郎が、そう言っていたのであればー

この中の誰かにー


増崎先生は、男子3人が出て行ったタイミングで

「ちょっと、待て!」と叫んだー


いかにも生徒会長な香苗ー

ワガママお嬢様の欄ー

活発な生徒会書記の美佐子ー

言葉遣いが不思議な恵ー


その4人が不思議そうに増崎先生の方を見たー


「--この中の誰かひとりがー

 憑依されているー」


増崎先生は、そう口にしたー


「-----」

4人の表情を、鋭く確認するー


”屑五郎に憑依されている女子”がいるのであれば

何らかの反応を示すと考えてのことだー


だがー

”明らかに不自然”な反応を示す女子はいなかったー


「--はぁ?ちょっと、先生?何言ってんの?」

お嬢様な副会長・蘭が呆れた様子で笑うー。


「--ははは~!増崎ってば、仕事しすぎで

 おかしくなっちゃったの~?」

お調子者な美佐子が、妙にフレンドリーに

増崎先生に絡むー


「---」

しかしーこれは”いつものこと”だ。

おかしな反応ではないー


「--どういうことでしょうか?」

生徒会長の香苗ー

融通の利かなそうな雰囲気の真面目オーラを出している香苗は、

先生に向かって、問いかけたー。


「ーーー…実は」

増崎先生は、頭を掻きながらー

これまでのいきさつを、説明したー。

包み隠さずー。


憑依されている子を見つけ出すには、

これが一番有効的だと、そう判断したからだー。


正義感の強い増崎先生はー、

”女子に憑依して好き放題”なんて、腐った考えをしている

屑五郎に対して、激しい怒りを抱くと同時に、

屑五郎に憑依されてしまった女子をなんとしても助けたい、と

そう考えていたー


「---そんなことが」

生徒会長の香苗が眼鏡をいじるー。


「--いやいや、あるわけないでしょ!?増崎、妄想タイム突入?」

お調子者女子・美佐子が笑うー。


「--くだらない。あるわけないでしょ」

お嬢様な副会長・蘭が呟くー。


「---先生、そんなことあるわけねぇです!」

言葉遣いがおかしい1年生の恵が手を上げながら言うー。


4人の反応を見つめる増崎先生ー

”この中”に、屑五郎に憑依されている女子がいるー


「--先生を誤魔化せると思うなよ」

増崎先生が叫んだー。


この”密室状態”にした、生徒会室から、逃がしはしないー。

憑依した女子から屑五郎が抜け出す可能性があるが、

それでも、その女子を助けることはできるー。


それにー

調べた限り、屑五郎が手に入れたという憑依薬は

1個=1回の憑依、だと分かっているー。

2個以上購入した可能性もあるが、

増崎先生が調べた限り、非常に高額で、

内部告発してきた生徒によれば、屑五郎が購入したのは

1個だと言う。


だからー

ここで、憑依された女子を見つけ出すか、

屑五郎を追い払うかすれば、憑依された子を助けることができるのだー


”--くそっ!”

彼女は、内心でそう呟いたー


”せっかくこれから、女子トイレでヤリまくろうと思ってたのに”

ゾクゾクしながら、彼女はそう呟くー


既に、これからエッチをするモードに入っていた身体が

うずくー。

エッチを目前にして、何も出来ないという、激しい苛立ちを感じるー


「---…」

増崎先生が、4人の女子を見つめるー。


「---全員、自己紹介をしてもらおうか」

増崎先生は、4人の女子たちにそう告げたー


「---はぁ!?ちょっと!?意味わかんないんですけど!」

お嬢様副会長・蘭が、声を荒げるー。


「--ー……いいから、しましょう」

生徒会長の香苗は、手早く自己紹介したほうが早いと

判断したのか、丁寧な口調で、自己紹介をするー。


「----」

増崎先生は、そんな香苗の仕草を含め、

徹底的に観察したー

特におかしな様子はないー


「---ーーーわたしはー」

お嬢様副会長の蘭が、面倒臭そうに自己紹介するー

こういう態度もいつも通りだ。

だが、時折、足でもう片方の足を掻くような仕草が

少しだけ気になったー


「--増崎の前で自己紹介とか、てれるぅ~!」

お調子者女子の美佐子が顔を赤らめながら言うー。

そういえば、さっきからずっと顔が少し

赤らんでいるような気もするー


「--えっと、俺様は、加藤恵、だぜ、です!」

1年生の恵が、明らかにアウトな口調で自己紹介するー


「---」

増崎先生は、恵の方をじーっと見つめるー


他の3人の女子も恵の方を見るー


「あ、、あわ!!ちがっ、わたしは、加藤恵でございまして、

 その、言葉遣いによく難があると指摘されるのでございますが、

 言葉遣いは、あまり正しくできないのです、です!」


「----…」

増崎先生は、恵の方を見つめながら

恵を候補から外したー


これは、正真正銘恵だ。


屑五郎が憑依してたら、こんな奇妙な自己紹介はしないー。


「---あ、、あの、、わたし、

 もしかして、疑われてるのか?

 冗談じゃ、、ねぇです!」


恵は、まだ一人で騒いでいるー


”ふ~~~~”

彼女は、ため息をついたー


”あぶないあぶない、助かったー”

彼女は、こっそりと胸のあたりに手を触れながらー

下校中にどんな服を購入しようかと、妄想を膨らませるー

家で、エッチなファッションショーをするー。

ゾクゾクが止まらないー


増崎先生は、笑みを浮かべたー。


「---屑山」

増崎先生が、4人の方に向かって呟くー


「--先生の目は、誤魔化せないぞ」

増崎先生が、ドヤ顔で、そう叫んだー


”なにっ!?”

屑五郎は焦ったー


そしてー


増崎先生は、香苗を指さした。


生徒会長の香苗ー


香苗が、表情を歪めるー

「-----!!!!!!」

睨むような表情ー。


「ーーー花沢 香苗の身体から、出ていけ」

増崎先生が、自信満々の口調で言うー


「---ぷっ」


「---!」

香苗が横を見るとー

お調子者女子の美佐子が大笑いし始めたー


「あははははははははっ!バ~~~カ!

 ドヤ顔して、それかよぉ~!

 残念~~~!

 俺は、美佐子ちゃんに憑依してるんでしたぁ~!」


ーーーー


生徒会室に流れる沈黙ー


3人の女子が唖然としているー

増崎先生は「ぷっ…」と笑ったー


「え…」

お調子者女子・美佐子が、呆然としているー


「--正直、俺には、誰が憑依されてるのかわからなかった。

 でもな?屑山、お前の性格なら、俺がどや顔でハズレの女子を

 犯人だと決めつければ、絶対に笑い出すと思ったんだよー


 案の定だったな…

 屑山!お前の負けだ!」


増崎先生は、わざと、適当な女子を指さしたー

ハズレていれば、先生を馬鹿にしている屑五郎はきっと笑い出すー

正解なら、逆上するー

どっちだって、よかったのだー


「---そ、、、そんなぁ」

美佐子が座り込むー


「---長浜の身体から出ていけ!」

増崎先生が叫ぶと、


「--放課後に、メイドカフェの面接受けるつもりだったのにぃぃぃぃい」

と悔しそうに、美佐子が叫びー

そのまま美佐子は意識を失ったー


「---長浜を頼む!」

増崎先生は、すぐに3人の女子に告げると、

慌てて電話をしたー


「--屑山は!?」

電話相手は増崎先生の同僚の先生ー。

屑五郎の両親に事情を説明してー

予め屑五郎の家に乗り込んでいたのだー


”憑依から抜け出したフリ”をする可能性があるためだー

屑五郎の身体が意識を取り戻していなければ

屑五郎はまだ美佐子に憑依している可能性があるー


”--屑山は、意識を取り戻しました!”

同僚の先生からの報告ー


”これから、説教してやりますよ”

その報告を受けて、増崎先生は「そうか。ありがとう。俺も向かう」と、

告げたー


屑五郎は、この後ー

散々叱られー、

警察沙汰になることになるー…。


・・・・・・・・・・・


「ふ~~~!危なかったぁ~」

生徒会長の香苗が、トイレで胸を触りながら笑うー


やっとトイレでエッチできるー


香苗は、ウズウズしていた身体を弄び始めるー


「まさかー

 俺以外にも憑依してるやつがいたとはなー」

香苗は可愛い声でそう呟いたー


香苗もーー

憑依されていたー

だから、増崎先生に指をさされたとき、

滅茶苦茶焦ったー


でも、屑山のやつが、自爆してくれて助かったー


「はぁぁぁ~♡ 香苗ちゃんの身体遊び放題~」

香苗はトイレの個室で、だらしなく股を広げて

おたのしみを始めるのだったー



屑山屑五郎は知らなかったー

”他にも憑依されている子”がいたことをー


「---ふふふふふふふっ!ふふふふふふふ!」

購入したチャイナドレスを着ながら

嬉しそうに微笑むお嬢様副会長・蘭ー


”あぶなかったなぁ…

 まさか、僕の憑依が疑われてるなんてねぇ”


蘭もーさらに別の男子に憑依されていたー。


当初の予定通り、

帰宅時に服を大量に購入して、

自宅でファッションショーを楽しむ蘭ー。


「まさか、僕の他にも憑依薬を使ってるやつがいたなんてね」

蘭は、そう言いながら、今度はバニーガールの格好をして、ほほ笑んだー


・・・・・・・・・・・・


「--言葉遣い、むじぃなぁ」

ため息をつく恵ー


言葉遣いのおかしい恵はー

”5年前”からとっくに憑依されているー


だから、言葉遣いがおかしいのだ。


「--あ~~~~!もう面倒くせぇ!です!

 このままでいいや!」

恵はそう呟くと、面倒臭そうに、ベットに寝ころんだー


・・・・・・・・・・・・


増崎先生は、知らないー。

あの日、密室の生徒会室にいた女子4人、全員が憑依されていたことをー


そして、4人の憑依者たちも、知らないー

他の3人も、別のやつに憑依されていたことをー。


憑依されている人間は、

日常生活の中に、自然に溶け込んでいるのかもしれないー


そう、あなたの側にもー。



おわり


・・・・・・・・・・・・


コメント


一度書こうと思ったのですが、結局書かなかったネタを

今回、書いてみました~!


途中で、憑依している男子の心理描写が何回かありましたが、

全部、別々の男子の心理描写でした!

途中で気づいた人もいる…かも?笑


お読み下さりありがとうございました!!

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