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琴美のアパートに、彼氏の友幸が泊まるようになってから数日ー


こんな形で、同居のような状態になるとは思わなかったー。


「じゃあ、ぼく、大きくなったら、琴美ちゃんを迎えに行くー!」


幼稚園の頃の約束ー

矢神 清太郎は、あれから20年の間ずっとー

それだけを想い続けてきたのだろうかー。


「---大丈夫だから」

友幸が、優しく琴美に向かって呟くー


「その…矢神…だったっけ?

 そいつが来ても、俺が絶対、琴美を守るから」

友幸の言葉に、琴美は「ありがとう…」と、安心した様子でほほ笑んだー。


親友の里奈が急に豹変して

警察に逮捕されてから数日ー


あれ以降、矢神清太郎は姿を現していないこともあり、

琴美は、少し安心し始めていたー。


「---…ごめんね、本当に」

琴美が言うー。


友幸の職場は、琴美の家にいると、2倍ぐらいの距離になってしまうー

通勤時間が、その分だけ、増えてしまうのだー。


「--ははは、いいっていいって。

 琴美のためなら、通勤時間が2倍だろうと、4倍だろうと、

 俺は頑張るからさ」


友幸が、笑いながら”あ、でも4倍は、時間が足りないかも”と、

付け加えたー。


”友達のこともあるし、もう少しここにいるから”と、

友幸は優しく琴美の方を見たー


琴美は「本当にありがとう」と嬉しそうに、友幸の方を見るー


「でも…どうして…里奈ちゃんは…?」

友幸は不安そうに呟くー


確かに、親友の里奈が急に豹変してしまった件は

心配だー。


清太郎に脅されたりしたのだろうかー。


「----」

琴美は、豹変した里奈の姿を思い出すー


あまりにも非現実的だと思いつつもー

まるでー


”操られている”

そんな風にも、見えたー。


「--じゃあ、俺はそろそろ行くわ。

 琴美は…午後からだっけ?」

友幸の言葉に、琴美は頷いたー


なるべく琴美が一人にならないように配慮をしている友幸は

”ひとりで、大丈夫か?”と心配そうに呟いたー


「うん。」

琴美は、力強く頷いたー。


ちゃんと戸締りはするし、

流石に清太郎も諦めただろう、と、そう考えての答えだったー。


「--そっか。何かあったら、すぐ連絡しろよ。

 仕事中でも、吹っ飛んでくるから!」


友幸は笑いながら言うと、「じゃ」と、玄関から

外に出て行ったー。


鍵を閉める琴美ー


”油断”


琴美も、彼氏の友幸も

”矢神 清太郎”の常軌を逸した思考を、

理解できていなかったー。


矢神 清太郎は、何でもするー。

幼稚園の頃の約束を果たすためであればー。

”手段”は選ばないー。


ふたりは、”油断”していたー。

矢神 清太郎は、琴美のアパートのすぐそばにいたー。


「---ふふふふふ…」

友幸が職場に向かったのを確認すると、

清太郎は、琴美の部屋のインターホンを鳴らしたー。


・・・・・・・・・・・・・・


♪~~


インターホンが鳴ったのに気づき、

友幸が出て行ってすぐあとだったこともあり、

琴美は、”友幸かな?”と、思いながら

来客を確認したー


もちろん、確認せずに玄関の扉を開けるほど、

琴美は愚かではない。

”友幸かな?”と思っても、しっかりと誰が相手であるか確認した。


そして、それは正解だったー


玄関の扉の前に立っていたのはー

友幸などではなくー

”矢神 清太郎”だったー


「ひっ!?!?」

琴美は思わず声を上げてしまうー


「--ーーー琴美ちゃん、約束通り、迎えに来たよ」

清太郎が満面の笑みで言うー


2度目の訪問ー

琴美は、恐怖を感じたー


一度家にやってきて追い払ってから

清太郎本人は、琴美の前に姿を現していなかったー。

親友・里奈が洗脳された件を知らない琴美は、

里奈の豹変に驚きながらも

”清太郎はあきらめた”とどこかで思っていたー


だがー


清太郎はあきらめてなどいないー。


「---僕のお嫁さんになるって、約束してくれたよね?

 ここを開けてよ」


玄関を指さす清太郎。


琴美は「だ、、だ、、だから!」と声を荒げるー

なるべく相手を刺激しないように、

”それは幼稚園の時の話でしょ”と、冷静に、

丁寧に説明していくー。


今は、相手がいることー

幼稚園以降、一切会ってすらいなかった清太郎に急に

そんなことを言われても困ることー

でも、傷つけてしまったなら申し訳ないという謝罪の言葉ー


なるべくー

清太郎を刺激しないよう、穏便に終わらせてくれるよう

願いながら、琴美は慎重に言葉を選んだー。


「------」

清太郎が俯くー

理解してくれたのだろうかー。


琴美は、玄関の扉の方を確認するー

鍵はちゃんと閉めてあるー

そして、彼氏の友幸の提案で、玄関にはチェーンもかけてある。

鍵とチェーンの二段構え。


”用心できることは、用心しておいた方がいい”という

友幸の提案だった。


「-じゃあさ、扉を開けてよ。中でゆっくり話をしたいんだ」

清太郎が言うー


琴美は”まだあきらめてないの?”と困惑しながら

「--矢神くんとはお付き合いできないの。お願いだからわかって!」と叫ぶー。


扉を開けて、清太郎を中に招き入れたら、

何をされるか分かったものじゃないー


「---!」

清太郎の目が赤く光るー

インターホンのモニター越しにそれを見た琴美はー

玄関の方に向かっていくー


”え…”

琴美は戸惑うー


「あ、、あれ…?わたし…?」

自分が玄関の方に向かっていくことに、

恐怖を感じながらー

琴美はチェーンと鍵を外してー

扉を開けたー


「--ふふふふふ」

清太郎が笑みを浮かべながら入って来るー


琴美は「ひっ!?!?」と悲鳴を上げるー


清太郎は、琴美の部屋に入ると、

玄関の鍵とチェーンをかけて、

琴美を連れて、部屋の奥へと向かったー


「--お、、お願い…!もう帰って!」

琴美は震えながら叫ぶー


そんな琴美を見て

「僕はただ、琴美ちゃんを迎えに来ただけだよ。」

と、清太郎は笑うー


琴美は震えたー

”どうして自分が玄関を開けてしまったのか”

理解することもできずに、困惑するー。


「結婚しよう」

清太郎はそう言うと、

物凄く高そうな婚約指輪と、

婚姻届けを差し出して来た。


既に婚姻届けには、二人分の名前が書かれているー


「ふ、、ふ、、ふざけないで!」

琴美は声を荒げたー


「--こんなことして、どういうつもりなの!?」

琴美の言葉に

清太郎は首をかしげる。


「どういうつもりって?僕たち、約束したじゃん。

 琴美ちゃんから、プロポーズされたけど、

 当時はまだ幼稚園児だったから、結婚できなかったー


 でも、今は違う。

 僕は、琴美ちゃんとの約束を果たそうとしてるだけだよ」


清太郎の言葉に

琴美は「それはプロポーズじゃない!」と、叫んだー


清太郎がうなずくー

「マリッジブルーってやつかな」とー。


”会話が成り立たない”

琴美はそう思ったー


幼稚園の頃のかすかな記憶ではー

矢神清太郎は、明るく優しい子だった気がするー

だからこそ、そういう会話もあったのだろうー


その矢神清太郎が20年ー

どんな人生を送って来たのかは知らないー

だが、今の矢神 清太郎は少なくとも

”まとも”ではないー。


「ーーごめん。出てって」

琴美が言う。


「--わたし、矢神くんとは結婚できない。」

そして、清太郎を追い出そうとするー


だが、清太郎は呟くー


「--そっかそっか。あの友幸とかいう男に

 騙されてるんだね。

 僕と琴美ちゃんの幸せを邪魔する、大魔王に」


清太郎の妄想がさらに膨れ上がっていくー


「---違う!」

琴美が叫ぶー


彼氏の友幸のことまで悪く言われて、腹を立てた琴美は

さらに続けるー


「わたしは、自分の意思で友幸のことが好きだし、

 自分の意思で、あなたとは結婚できないって

 そう言ってるの!

 いい加減にして!」


とー。


だがーーー

清太郎にそんな言葉は届かないー


「大魔王友幸から、琴美姫を救い出す

 勇者 矢神くん。それがボクだ」


清太郎はそう呟くと、満足そうにうなずいたー


”話にならないー”

琴美は「警察呼ぶよ!」と、スマホを手に声を荒げたー。


もう、だめー


「---呼ばせないよー」

清太郎はそう呟くと、目を赤く光らせたー


「--え…」

琴美はその光を見て、戸惑うー


「---警察なんか、呼ばないよね?」

清太郎がそう言うと、琴美は「う、、、うん…」と呟いて

スマホを机に置いたー


”え…え…”

琴美は頭の中で混乱していたー


そして、清太郎は続けるー


「--大魔王友幸に騙されている琴美ちゃんを救うために

 ちょっと乱暴なことするけど、怒らないでね」

清太郎がまるで幼稚園児のように無邪気に笑うー


「-…も、、もうやめてよ!」

琴美は怯えているー


さっきからー

何かがおかしいー

玄関の扉も、警察への通報もー

まるで”自分の意思じゃない何か”に

自分が操られているようなー

そんな、感じがするー


「大魔王友幸をやっつけて、

 僕と結婚してもらうために、

 これから、琴美ちゃんを”洗脳”するね」

清太郎が笑うー


「--!?!?!?」

琴美が表情を歪めたー


「--里奈ちゃん…だったっけ?」

清太郎が、豹変した親友・里奈のことを口にするー


「---さ、、さ、、里奈に何かしたの!?!?」

琴美が声を荒げるー


すると、清太郎は笑ったー


「僕と琴美ちゃんを一緒にするための

 お手伝いをしてもらったんだよ。


 ”洗脳”してね」


とー。


「--せ、、洗脳…」

琴美は、里奈の異様な様子を思い出すー

まるで、”何かに操られている”様子だったー


「さ、、里奈を洗脳したの!?」

琴美が声を荒げるー

そして”ふざけないで”と大声で叫ぶー


「--デモンストレーションのためだよ」

清太郎は笑ったー。


洗脳の力が実際に存在することを、琴美に示すために

里奈を洗脳したのだと、清太郎は説明するー


琴美は震えるー

”里奈の様子”は、明らかにおかしかったー

警察にいる今もそう、

里奈はまるで廃人のようになってしまっているー


「--琴美ちゃんがいけないんだよ。

 大魔王友幸に騙されて、僕を裏切るから。


 だからー

 僕は”洗脳”で琴美ちゃんを正しい方向に導く」


清太郎の言葉に、

琴美は「お願い!やめて!」と悲鳴を上げるー


このままじゃ、自分も、里奈みたいにー


「ふふふ、安心して。琴美ちゃん。

 琴美ちゃんのことは、あの女みたいにはしないよ。


 大魔王友幸から助けるために、

 僕は琴美ちゃんを洗脳するんだー」


そう言うと、清太郎は琴美の身体に手を触れて、

無理やり抑え込んだー


「--琴美ちゃんは、僕のお嫁さんになるー」

「--琴美ちゃんは、僕のことが大好きになるー」


目を赤く光らせる清太郎ー


「あ…あ…」

琴美が、悲鳴を上げながらも、

目をとろんとさせていくー


「---さぁ、僕の名前を呼んでご覧」

清太郎の言葉に、琴美は

「せ、、、せ、、、清太郎くん…」と、下の名前で

清太郎のことを読んだー。


「--僕のこと、好きかい?」

清太郎が言うと、

琴美は「あ、、、あ…」と苦しそうに声を上げるー


清太郎に身体を抑えられている状況にー

琴美は、ドキドキし始めてしまっていたー


友幸の顔が浮かぶー


”友幸…たすけて…”

そう思いながらも「---好き…だいすき…」と

顔を赤らめながら琴美は答えてしまったー


「ふふふふふふ!ふふふふふふふふふ!」

清太郎は満足そうに笑うー


「--僕のお嫁さんになりたいかい?」

清太郎が言うと、琴美は、震えながらー

でも、嬉しそうに「うん…」と答えたー


「そうかそうか」

清太郎は笑うー


「-僕と結婚するためには、どうしたらいいか、わかるかい?」

清太郎の言葉に、

琴美は震えるー


”たすけて…”

琴美は、自我を保ったまま洗脳されているー

友幸への想いも、そのままー


友幸に助けを求める琴美ー


「--彼氏がいるまま、僕と結婚なんて、できないだろう?

 大魔王友幸を振るんだ。いいね?」

清太郎が言う。


「1週間後に、結婚しよう。

 だから、それまでに大魔王友幸と別れるんだ」

清太郎はそう告げたー


あえてー

”友幸への愛情はそのまま”にしたー


約束を破った琴美への”お仕置き”を兼ねてー


「--い、、、いや…いや…」

琴美は、泣きながら言うー


友幸と別れたくなんてー


”洗脳された自覚”もそのままにされた

琴美は、”自分が洗脳されている”ことに恐怖を抱きながら泣きじゃくる


「--ふ~ん、じゃあ、僕とは結婚できないよ」

清太郎がいじわるそうに言うー


琴美は、その言葉に、心がえぐられるような感情を抱いたー

そして、清太郎に泣きつくー


「お、、お願い!お願い…わ、、わたしを捨てないで!」

と、泣きながら琴美は言うー


「じゃあ…どうすればいいか、わかるよね」

清太郎の冷たい言葉に、

琴美は「わ、、わたし、、清太郎くんと結婚したい!お嫁さんになりたい!」と

泣きながらしがみついているー


完全に洗脳されてしまっている琴美ー

好きと言う感情が身体から溢れてきてしまうー


”友幸以上に好きになるように”洗脳した清太郎は

満足そうに微笑むと

「じゃあ、大魔王友幸と別れるんだ。

 1週間以内にね。

 来週の今日、ここにまた来るから、

 その時までに、ちゃんとわかれてなければー

 僕、琴美ちゃんをお嫁さんにしてあげられないよ?」

と、告げたー


琴美は「う、、うん……」

と泣きながら返事をすると、

清太郎は、満足そうに立ち去って行ったー


一人になった琴美は座り込むー


「---わ、、わたし…」

震える琴美ー


”洗脳”されたー?


「--たすけて…友幸…」

琴美は、そう呟きながらもー

頭の中で清太郎のことを浮かべてしまうー


清太郎のことを考えていたら

ドキドキしてきてしまった琴美はー

我慢できなくなって、その場で一人、エッチを初めてしまうー


「清太郎くん…清太郎くぅん…」

鏡に一人、キスをしながら、真っ赤に顔を染めて

ひとり、愛しの清太郎の浮かべながらエッチを続ける琴美ー


”洗脳されているー”

そう、思いながらも、琴美はあらがうことができなかったー



④へ続く


・・・・・・・・・・・・


コメント


狂気の矢神くん…!

果たして、琴美ちゃんや、彼氏の運命は…?

続きはまた近日中に~!


今日もありがとうございました!!

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