<憑依>ポゼッションストーカー③~改心~(完) (Pixiv Fanbox)
Content
”俺はずっと、純玲ちゃんの側にいるよ”
「ひひひ…」
母親の留美子までも、ストーカー男の譲治に憑依されてしまった。
ニヤニヤと笑う留美子ー
晩御飯を支度していた母・留美子が、支度を放り出して
よたよたと、純玲の方に歩いてくるー。
「え…嘘…やめてよ…ねぇ、お母さん…やめてよ!」
純玲が泣きながら言うー。
「---へへへへ…綺麗な唇だなぁ…純玲ちゃん!」
母の留美子が、乗っ取られたまま
実の娘にキスをするー
はぁはぁ、と母親が女として、興奮しているー
「やめて!お母さん!やめて!」
悲鳴を上げてもがく留美子ー
母・留美子は完全に譲治に乗っ取られているー
純玲の胸をわしづかみにして、
「純玲ちゃん、、へへ…ひひひひひっ♡」と
嬉しそうに笑っているー
「やめてってば!」
純玲が泣き叫ぶー
「--純玲ちゃんは、、俺のものだぁぁぁ…
ずっとずっとずっと、俺は純玲ちゃんと
一緒にいるんだぁぁぁ…」
ストーカー男・譲治の悪霊は
恨みをさらに増幅させて、暴走状態にあったー
母・留美子の身体が激しく興奮しているー
譲治の意のままに、実の娘を襲って
興奮しているー
「お母さん!目を覚まして!」
純玲が泣きながら言うー
留美子はそんな娘の涙などお構いなしに、
純玲の制服を脱がそうとしているー
「えへへ…純玲ちゃんの…ひひひ♡」
「やめてぇ!」
純玲が、留美子を振り払うー
留美子が背後の台所に激突して、
これから使おうと思って、ちょうど開けていた油の容器が
倒れるー
「---!」
留美子が目を見開くー
火がついたままのガス台と
中途半端に用意された状態の台所に油がーー
ゴォォオオオオオオオ
炎が一気に広がるー
「ひぃいああああああああっ!」
母親の留美子が炎に包まれるー
「う、、うそ…」
純玲が信じられないという表情で留美子の方に向かうー
「--ど、、どうしたの!?」
2階から降りてきた姉の海美が叫ぶー
さっきまで、ストーカー男に乗っ取られていた海美が
正気を取り戻して1階に降りてきたのだったー
「--え…おかあさ、、、あぅっ!?」
海美が、純玲の背後で震えるー
それに気づかず、悲鳴を上げている母・留美子を
助けようとする純玲ー
自宅の火が燃え広がるー
「--ーーお母さん!お母さん!」
純玲が、留美子を助けようとするー
しかしー
「うひっ♡」
背後から姉の海美が、純玲の胸を触ったー
「--ちょ!?お姉ちゃん!?」
純玲が怒鳴り声をあげるー
この状況に、もう、何も考える余裕がなかったー
お母さんを助けないとー
家の火を消さないとーー
「--うひひひひひ 純玲ちゃぁぁぁぁぁん」
再び乗っ取られた姉・海美が笑うー。
「離して!離してよぉ!!!」
もがく純玲ー
海美はお構いなしに、はぁはぁ♡と荒い息をしながら
純玲に襲い掛かるー
炎が上がる中ー
母親の安否など心配せずに、乱暴に実の妹にキスをする海美ー
海美の身体は、男に乗っ取られて
激しい興奮を感じているー
何もかも、男の意のままに操られている海美ー
実の妹を前に、欲求を爆発させているー
「--…変態!!!!最低!!!!
わたしはあんたを絶対に許さない!」
純玲の怒りが爆発するー
ストーカー男に対する、この上ない怒りー
「----…!」
海美が表情を歪めるー
「--お姉ちゃん!ごめん!」
純玲は隙をついて海美を足で突き飛ばすと、
そのまま炎に巻き込まれた母・留美子の方に駆け寄るー
海美がゲラゲラ笑いながら
「純玲ちゃぁぁぁ~ん!」と叫んでいるー。
それを無視してー
スマホで必死に救急車を呼びながらー
純玲は、泣き叫ぶようにして
母を助けようとしたー
火は燃え広がりー
純玲は、母を失ったー。
家もー。
「どうして…」
純玲自身も火傷をして、入院することになってしまうー
姉の海美も同じく、火傷を負ったー。
海美の火傷は、純玲よりもさらにひどかったが、
命に別状はなかったー。
だが、”ストーカー男”に乗っ取られている間の記憶は海美にはなかったー。
「---どうして、こんなことにー」
父・太一が、唖然としながら怒りに拳を震わせているー。
「---お父さん…」
純玲が言うと、太一は「ごめんな…」と娘である純玲を
抱きしめたー
「---」
涙が溢れて来るー
”ごめんってあやまるのは、わたしのほうー”
そんな風に思ったー
わたしを付け回していた、あのストーカーが
全ての元凶なのだからー。
「---純玲…!!」
親友の和枝が、病室に駆け込んでくるー
家の火災を聞きつけて、お見舞いにやってきたのだったー。
「---…じゃ、俺は」
父の太一が、娘の親友と娘を二人きりに
してあげようと、配慮して一旦病室の外に出るー
しかしー
「----純玲ぇぇ~~♡」
親友の和枝が、純玲の方を見て、よだれを垂らすー
「----!!!」
純玲が、心臓が止まるような思いをしながら和枝を見るー
「--逃げられると思うんじゃねぇぞ?」
和枝が低い声で純玲のベットに乗りながら
純玲の方を脅すような目で見つめるー
「--あ、、あんた…今度は和枝に…」
純玲は、震えが止まらなかったー
怒りと、恐怖でーーー
だがーー
純玲はーーー
怒らなかったー
怖がりもしなかったー
「お願い…もう、、やめて…」
純玲が泣き出してしまうー
「---あ?」
和枝が不満そうに純玲を睨むー。
和枝も、”完全に”乗っ取られているー
「--狙いは、わたしでしょ…?
お願いだから、もうこれ以上、
わたしの大事な人たちを巻き込まないで…!」
純玲が、心からの涙をこぼすー
「------」
和枝が少しだけ表情を暗くするー
元々、ストーカー男は”目の保養”と、
純玲を見つめて楽しんでいるだけだったー
それも、立派なストーカーではあるし、
許されることではない。
けれど、元々は純玲に危害を加えるつもりなんて
なかったし、純玲が楽しそうにしている姿に
癒しを感じていたー
その純玲を今ー
ストーカーである譲治自身が、怖がらせてー
そしてー、泣かせてしまっているー。
「---……わかったよ」
乗っ取られたままの和枝がそう呟くと、
純玲のベットから離れるー。
病室の中で和枝は、純玲を見つめながら呟くー
「--俺は…純玲ちゃんを見ているだけで
幸せだったんだー。
楽しそうな純玲ちゃんを見ているだけでー」
落ち込んだ様子の和枝ー。
和枝が”俺”と言ったり、
いつもと違う様子でしゃべっていることに
純玲は強い違和感を覚えると同時に、
”早く和枝を助けてあげたい”と思ったー。
「--笑っている顔ー
--楽しそうにしている顔…
そんな純玲ちゃんを見ているだけで、俺は幸せだった」
和枝がいつもより低めの声で呟く。
「でも…いつの間にか俺は
純玲ちゃんを怖がらせて…
純玲ちゃんから大切なものを奪って…
純玲ちゃんから、笑顔を消してしまった…」
和枝はそう言うと、
突然、病室の中で土下座をしたー
和枝が髪を垂らしながら病室で土下座しているー
「本当に、申し訳なかったー」
「--ちょ、ちょっと!」
純玲が思わず叫ぶー
「わ、、わたしの友達の身体で、そんなことしないで!」
純玲が怒り混じりで叫ぶと、
和枝は顔を上げたー
「----」
和枝を乗っ取っている譲治には、もう身体はないー
純玲に拒絶されたせいで事故を起こして
死んでしまったからー。
「---もう…純玲ちゃんを付け回したりしないよ…
純玲ちゃんの友達にも家族にも、知り合いにも、
憑依しない
本当に、申し訳なかったー…
俺は、純玲ちゃんの笑顔が大好きだったからー…
その俺が…笑顔を消してしまうなんて
すまなかった」
何度も何度も和枝の身体で謝る譲治ー。
純玲は「もういいので」と、泣きながら言うー
どんなに謝られたところで、
母親の留美子も、友達の比奈も帰って来ないー
今、憑依されている和枝だって、
憑依されていた友人の美由子も、姉の海美も
みんなみんな傷ついているー
父の太一だって、家族を失った悲しみで
深く傷ついているだろうー。
今更謝られたとしても、
もう、遅いー。
「---…わたしは、あなたを絶対許さない」
純玲が言うと、
和枝は悲しそうに頭を下げたー
「----本当に、申し訳ありませんでした」
「--二度とわたしの前に姿を現さないで!
二度とわたしの大切なヒトたちを傷つけないで!」
純玲が泣き叫ぶと、
和枝は「約束します…」と頭を下げて、
そのまま意識を失い、病室の中に倒れたー
「---和枝!」
純玲が叫ぶー
だが、幸い、和枝はすぐに目を覚ましたー
「すみれ…???わ、わたしは…?」
戸惑う和枝ー
純玲はなんとか、和枝を落ち着かせると、
悲しそうに病室の外を見つめたー
心の傷は、簡単には癒えないー
純玲に、笑顔が戻ることはなかったー
純玲は、それからしばらく入院生活を送りー
ようやく退院した。
姉の海美も退院したもののー
家を失い、母を失った家族の心の傷は深かった。
父親の太一も落ち込みがちになった。
母・留美子はもう帰って来ないー。
そして、純玲にとっては
”友達”のひとり、比奈の命も奪われてしまった。
親友の和枝も、友人の美由子も
激しく落ち込んでいる様子だー
「----」
ストーカー男が大好きだった
”楽しそうな純玲”
”笑顔の純玲”は
もう、戻ってこないー
自分自身がそれを奪ってしまったー
でもーーー
「--また明日~!」
純玲は笑いながら、和枝と美由子に手を振るー。
ストーカー男の譲治が大好きだった
笑顔を浮かべて、純玲が下校していくー。
ストーカー男の譲治は、純玲の笑顔に魅せられたー
ホームレスという地獄のような生活の中に
光が差し込んだ気分だった。
純玲の笑顔は、何よりも美しかったー
そうだー
最初から、こうすれば良かったんだー。
「ただいま~~~!」
父・太一が手配した”新しい家”に帰宅する純玲ー
純玲は、部屋に入ると、
可愛らしい笑みを浮かべたー
最初から、こうすれば良かったー
「---俺が純玲ちゃんになればよかったんだー」
純玲が、邪悪な笑みを浮かべたー。
退院した後ー
純玲は、ストーカー男の譲治に憑依されてしまったー
もう、純玲ちゃんを付け回したりはしないー
”俺が”純玲ちゃんになるからー
もう、純玲ちゃんの大切なヒトたちに憑依はしないー
純玲ちゃんそのものに憑依するからー
純玲ちゃんの笑顔を消しちゃってごめんねー。
でも、大丈夫ー
俺が、きみを笑顔にしてあげるからー
「--わたしは、純玲…クスッ♡」
乗っ取られた純玲は、嬉しそうにそうほほ笑んだー
「こうすれば…いつも一緒だねー。
いつもいつも、純玲ちゃんを見ていられるねー」
純玲はそう呟きながら
顔を赤くして、自分の映る鏡に、優しくキスをしたー
おわり
・・・・・・・・・
コメント
ポゼッションストーカーの最終回でした~!
最後は、ストーカーが行きつくところまで
行ってしまった感じですネ~!
お読み下さり、ありがとうございました!!