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大砂漠の辺境の地。この辺りは追放者の荒野や、魔族の領域が近いため、人気はほとんど無い。今にも干上がってしまいそうな、寂れた村が点在しているくらいだ。そんなさみしい場所をラクダに乗って歩いていると、突然、武装した女に声をかけられた。


「止まれ! ラクダから降りろ!! お前一人か? なら話は早い。私に殺されたくなかったらラクダと荷物を置いてとっとと消えな! あぁ、服もだ。身ぐるみ全部置いてきな!!」


どうやら仕事中の女盗賊に出くわしてしまったらしい。少し離れた所で、女の仲間と思わしき連中が、奴隷の娘を囲い、荷物を強奪している様子が伺えた。


おそらくこの奴隷の娘は、この辺りの寒村の者に仕えており、その者の使いに走っていたのだろう。そんな娘を襲う女盗賊達の身なりや乱暴な言動から、追放者の荒野からの流れ者だと推察できる。


弱い立場の者を集団で襲う女盗賊達の卑怯なやり口を見過ごすことはできない。これはわからせてやる必要がありそうだ。

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