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魔王なあの娘と村人A1巻表紙ラフで提出した3パターン。1番目が採用されました。
◆久しぶりにお仕事の話
わりと長いこと携わらせて頂いていたのでいつかこの話もしようと思っていたのですが、なにぶん思い出が多いのでまとまらなすぎて手をつけられずにいた『魔王なあの娘と村人A』のお話です。
 この作品は電撃文庫から2011年5月から2016年11月までで11巻まで刊行されて、その挿絵を担当させて頂いていました。(wiki調べ)
 あとがきで触れておられましたが、この作品は1巻で終わる予定でした。というのも著者のゆうきりん先生が今までやってなかった作風の実験的作品ということで単巻でテキストは出来ていたのですがなにぶん1巻だけとなるとお仕事的にも続かないのでイラストレーター的にも先に続かないぶん、いわゆるおいしくないしんどいお仕事です。ゆえに良い感じの絵描きさんには頼み辛い案件で、編集さんとのお電話でも「ピンチヒッターで悪いのですが…」とおっしゃっていたのは今でも覚えています。でも自分的には折角の挿絵仕事で、業界的にはやっぱりなんだかんだ存在感のある電撃文庫さんですし全然いいですよ~と気楽に請けました。その時はまさか5年の付き合いになるとは夢にも思いませんでした。
 出版社さんによるんですが、テキストはA4用紙横にしてプリントアウトした束が送られてきます。丁度その頃自分は生まれて初めての海外旅行で台湾に旅立つタイミングだったので、その束をカバンに詰め込んで飛行機の中や寝る前の部屋で読んでいました。そして、読んだ時の感想は今でも鮮明に覚えていて、「竜ヶ峯さんめちゃくちゃかわいい」「え、これ1巻で終わるのもったいなくない?」という感じでした。それはそれは惚れこんでいましたが、前述したとおりピンチヒッターな感じで〆もなかなかギリギリで、キャラデザもメインの3人以外は設定も作れず、そのメインですらラフでささっと描いたものしかなく、サブキャラにいたってはモノクロ挿絵のラフでそのままデザインした感じです。わお…今から考えると胃が痛い案件すぎる…。その時はまさか5年の以下略。
せめて、せめて表紙の竜ヶ峯さんは絶対かわいさを伝えようと思いながら描きました。そのおかげかどうかはわかりませんが買ってくれた方からよく「1巻の表紙に惚れて買いました」って言ってくれたりしてありがたさしかない感じです。今見ても頑張ってる自分と思うので、本当に何か宿っていたんだろうなと思います。そして結果は予想以上に売れて、続刊が決定しました。業界とかでよく言われている通例で、「ラノベは1巻は挿絵(表紙)、2巻以降は内容が良かったら売れていく」というのはよく言われています。それでですね、このファンボックスをご覧のみなさまはバックナンバーも読んでいただけるとわかるんですが赤人ってものすごいネガティブで自分のこと信じてなさ過ぎるじゃないですか。んで上記の通例は知っていたものの、自分が思ったのはというと「魔王ブームにうまいことのってくれたなー」「アキバブログさんがうまいこと拾ってくれたから評判になったなあ…ありがてえ…」「あとは内容が面白いから大丈夫だよね!」もう少し赤人を信じてあげて赤人氏…。
という感じで始まった魔王なあの娘シリーズ。この後も楽しかったことや、自分の身に余る体験や、自分の事が信じられなくなるようなしんどいこととか色々なことがありますが、今回はこの辺で…。続きはまた気持ちが乗った時に。

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