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車の排煙と人混みの雑踏が入り混じる衛生的とは言えない繁華街。

くたびれたビルの地下にあるナイトクラブ。

心臓まで響く音楽が流れるこのナイトクラブで俺の受け持つクラスの生徒が働いているという噂を聞いて確かめに来た。連れ出し説教をしようと。そのつもりだった。


ポールダンスというものだろうか。フロアの各所にそれぞれダンサーが踊っていて、その周りをギャラリーが取り囲んでいた。ピンクのスポットライトに照らされ、一本の棒に身体を絡みつけるようにクルクルと回るように踊っている。

まるで棒と性交するように、身体を反り、尻をこすりつけ、いやらしい表情を浮かべる。かと思えば、突然下品に股を開き、股間を見せつけるようなポーズをとったり、ギャラリーに尻を向け、音に合わせて腰を回す。


そんな中、俺の生徒がいた。初めは気づけなかった。

やけに小柄なダンサーがいるなと興味本位で近づき、釘付けになってから気づいた。

制服を着ている時にはわからなかった、しなやかに曲がる無駄な肉の無い身体、スラリと長い足、はじけるようなきめ細かい肌。小さな膨らみを包み込む、紐のような下着。学校で見せる屈託がなくあどけない、決して女顔では無い顔からは想像も出来ない艶美な表情。

それらが元々同性に興味がなかったはずの俺に強烈に訴えてきた。


フロアの熱気とダンスにより全身から汗をかき、激しく身体が動くと汗がはじけ飛ぶ。その汗の粒子が、ライトに照らされ、生徒の周りをキラキラと輝いた。

俺の存在に気づき、心を見透かされたらしい。生徒はクスッと妖しい笑顔を向けた。

初恋をした時のような、初体験の時のような、そんな胸の高鳴りを感じ、全身が熱くなっていた。いや、もっと下衆だ。今すぐむしゃぶりつき、全身を舐めまわしたい欲求に駆られいた。


働いているという話を聞いた時、すぐに辞めさせるつもりでいた。

だが、どうやら俺は彼の「ファン」として、これからもこのナイトクラブに通うことになるだろう。


ではでは。

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