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1. はじめに

この記事は、前回の記事の冒頭で紹介させていただいた例示緑髪バニーボーイ君の作成方法を解説する記事です。


この子のものです。


■画像(高解像度化済み)

a.正面脚広げ


b.正面スクワット


c.背面


以前の記事でも書きましたが、「男の娘」は残念ながらマイナージャンルであり、マイナージャンルのものは生成が難しい傾向にあります。

その問題に対応できるLoRAモデルを紹介させて頂きましたが、そのLoRAモデルにより画風が変わってしまいました。


変わった後の画風も良いものですが、元の画風も良いものです。


そこで、「LoRAモデルを使わずに作成する実例」としての解説をさせていただきます。

ぜひ、今後の男の娘イラスト生成の参考にしてください。


2. 元画像

前回の記事で紹介した通り、img2imgでの元画像となるものを用意しています。


■元画像


a.正面脚広げ


b.正面スクワット


c.背面

3. プロンプト(+設定)

これらの元画像をimg2imgしていきました。


■生成画像1


a.正面脚広げ

### Prompt ###

((masterpiece,best quality)), otoko no ko, solo, nsfw,

rabbit ears, green hair, long hair, orange eyes, white wrist cuffs, black tank top, navel, bottomless, black legwear,

(small:1.3) (penis:1.5), testicles,

ass, anus


### Negative prompt ###

EasyNegative, extra fingers,fewer fingers, (hetero, pussy, vaginal, cameltoe, breasts:1.4), (censored, mosaic censoring, bar censor, convenient censoring, pointless censoring:1.0)


### Denoising strength ###

0.7


※Cutoffは前回の記事と同様に使いましたが、ControlNetは使っていません。これは、元画像だけである程度コントロールできるのと、背景を自由に描いてもらいたかったからです。


b.正面スクワット

### Prompt ###

((masterpiece,best quality)), otoko no ko, solo, nsfw,

rabbit ears, green hair, long hair, orange eyes, white wrist cuffs, black tank top, navel, bottomless, black legwear,

(small:1.3) (penis:1.5), testicles


### Negative prompt ###

EasyNegative, extra fingers, fewer fingers, (hetero, pussy, vaginal, cameltoe, breasts:1.4), (censored, mosaic censoring, bar censor, convenient censoring, pointless censoring:1.0)


### Denoising strength ###

0.7


c.背面

### Prompt ###

((masterpiece,best quality)), otoko no ko, solo, nsfw,

rabbit ears, green hair, long hair, orange eyes, white wrist cuffs, black tank top, navel, bottomless, black legwear,

bent over from behind, ass, anus, testicles, (small:1.3)


### Negative prompt ###

EasyNegative, extra fingers, fewer fingers, (hetero, pussy, vaginal, cameltoe, breasts:1.4), (censored, mosaic censoring, bar censor, convenient censoring, pointless censoring:1.0), tail


### Denoising strength ###

0.7


※背面だと見えないので、「navel」(へそ)は不要でした。


これらのプロンプトで、重要なポイントは3つあります。


1つ目は、「otoko no ko」(男の娘)と「nsfw」(成人向け)です。

このタグをPrompt欄に入れることで、男の娘ジャンルの成人向け画像が生成されやすくなるように感じています。

そして、あえて「1boy」を使っていません。

「1boy」だけのプロンプトで何度か生成すると、一つの傾向(例:黒髪か金髪の若い男性)が見えてきます。

その傾向に合うキャラクターではないので、使っていません。


2つ目は、「(small:1.3) (penis:1.5), testicles」(「小ささ」を強調されるモノ)です。

このタグをPrompt欄に入れることで、小さなモノが生えている子が生成されやすくなるように感じています。

ただ、LoRAモデルを使っている場合よりもモノの形状が整いにくく、だいたい10枚に1枚の成功割合でした。

また、体感ですが、「(small:1.3)」は身長なども小さくする効果があるように感じています。


3つ目は、「(censored, mosaic censoring, bar censor, convenient censoring, pointless censoring:1.0)」(モザイク)です。

このタグをNegative prompt欄に入れることで、モザイク無しのモノが生成されやすくなったと感じています。


 ※別の記事で紹介しましたが、「(hetero, pussy, vaginal, cameltoe, breasts:1.4)」(異性愛的要素)をNegative prompt欄に入れることも重要です。


4. レタッチ

生成された画像には、所々で違和感のある箇所(例:2枚目の蝶ネクタイやストッキング)があり、それらを修正しました。

修正方法は簡単で、近くの色で塗りつぶしたりぼかしたりした後に、その画像を元にしてimg2imgやInpaintで再生成してもらっています。


ただ、簡単ではないレタッチもあり、それが3枚目の下半身です。

画像生成AIで男の娘の後ろ姿を描いてもらうと、ほぼ100%モノが描かれませんでした。

その意味で、LoRAモデルの偉大さを知れるのですが、この問題に対してLoRAモデルを使わないで対応する特殊な方法があります。


それは、コラージュと90度回転してからのInpaintです。

どういうことかと言うと、下のイラストの通りです。

ここからInpaintしていきます。


なぜこのようなことをしているのかと言うと、画像生成AIは上方向か横方向のモノをよく学習しているようで、下方向のモノは難しいようなのです。

そのため、方向を変えてInpaint(Denoising strength:0.35前後)します。

Inpaint後はマイナス90度回転して元に戻します。

後は高解像度化ですが、「Denoising strength:0.4」で行いました。

5. おわりに

今回の記事ではプロンプトエンジニアリングの話を主にしました。


ただ、これも大事ですが、前回の記事の最後に書いたLoRAモデルの層別適用も大事です。

それができるExtensionは既にあるので、あとは試行を積み重ねるだけです。



また、「Tiled Diffusion」の「Regional Prompt Control」も注目です。

以前に紹介させていただいた「Latent Couple」よりも自由に領域指定して、プロンプト適用させることができるようです。

とはいえ、まだ情報が不足しているので、要確認です。


さて、この記事はいかがでしたでしょうか。

何かの参考になっていれば、幸いです。


(おわり)

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