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本部の階段を駆け上がり、ついに最上階にたどり着くグレイスとドロシー。

戦力は本部防衛にすべて回されているのか内部には兵士はおらず道中で戦闘はなかった。

奥の部屋の扉を開け、いざ最後の敵との対面となる…!

「ファウストさま!」

「……ここまで来たか」

ファウストを守るように前へ出るエイミー。

焦るエイミーに対しファウストは動揺の色一つ見せず鋭い眼光をグレイスへ向ける。

「あなたが親玉みたいね?さぁ、私達の野望のため……個人的な恨みも合わせて打ちのめしてあげるわ!」

ビシッ!!とファウストに宣言するグレイス。

ドロシーは戦闘の邪魔にならないよう部屋の隅へ退避する。

「ファウスト様、ここは私にお任せを!奴を倒して態勢を立て直……っ!?」

エイミーが身構えてグレイスとの戦いに挑もうとするがその言葉は続かない。

突如ぶくぶくとエイミーの身体が膨れ上がり……太り始めていく。


「ふぅっ…!な、なにぃ…ぶふっ…がぁっ…!?」

スーツがはち切れんばかりに引き延ばされていく。

四肢にたっぷりと肉が付き、慌てふためく動きに合わせぶよぶよと肌が波打つ。

巨体を支える太い足に釣り合うようお尻も巨大になり、釣り合いを保つように胸もたっぷりと突き出していく。

お腹もぶくぶくと膨らみ肌の色を惜しみなく曝け出していく。

シャープだった顔つきも丸くふくらみ野太い声に合わせてたぷたぷと頬と顎が震えてしまう。

エイミーが肥満体へと変化してしまった原因、それは……

「あなた……自分の部下に何してるのよ!?」

太り続けるエイミーの背後にはグレイスを捕獲した際に使用された注射器を手にしたファウスト。

「何をしているか……この光景を見てわからないあなたではないはずだ……」

注射器を投げ捨て、太り続けるエイミーに目もくれずグレイスへ近寄ってくる。

とっさに身構えるも次にファウストがとった行動はさらに予想外なもので……

「ずっと……お待ちしておりました、グレイス様」

片膝を地面に付き、頭を下げる。

「どういう……事……!?」

「ずっとあなたに会う事を待ち望んでおりました……あなたに会うため私はこの地位まで上り詰め、そして機会を用意した……!」

ファウストが語るにはまだ四天王どころか何の力も持っていない頃、街にやってきたグレイスと出会ったという。

その時に見た容姿、立ち振る舞い……すべてに憧れ、自分なりに力を付けた結果が現在の自分らしい。

「さぁ!もう邪魔な者はおりません!私と共にグレイス様の目指す楽園の創造を……!」

「残念だけど私あなたの事は覚えてないし、部下をぞんざいに扱うような人間と手を組むなんて……お断りよ!」

刺し伸ばされたファウストの手をはねのけるグレイス。

すると……

「ははっ……!ハハハ!!……クククッ……アーッハッハッハッハッ!!」

大笑いするファウスト。そして彼女の態度は一変する。

「お前ぇ…グレイス様じゃねぇなぁ!……なら…クヒヒ…殺してやるよぉ!!」

懐から剣を抜いてグレイスに襲い掛かる。

流派だとか型とかはあったもんじゃない独自の太刀筋、グレイスはとっさに後ろに飛び何とか避ける。

「ぐ、グレイス様!!」

「大丈夫よドロシー!そのまま下がっててなさい!」

グレイスも懐からスティックを取り出しスイッチを押す。

レーザーが放たれ、刃状に固定されたいわゆるレーザーソードでファウストの剣を捌いていく。

「おらおらどうしたぁ!!そんなもんかよ偽物野郎!!!!」

「力押しだけでめちゃくちゃな攻撃するわねっ……!」

ファウストの剣は特殊な加工が施されてるためかレーザーブレードと接触しても折れることは無かった。

レーザーと金属のぶつかり合う音が部屋に響き渡る。

お互いダメージを与えることはないがファウストの方が勢いがありじりじりと押されていく。

「くっ……!」

「ほらぁ…壁際だぜぇ……?もう避けらんねぇぞぉ…ひゃはははは!!」

追いつめたファウストがとどめの一撃を振り下ろす……が。

バシィッ!!

突如腕にロープが巻き付き攻撃が止められる。そのロープの出どころは……

「んぶふぅぅっ……!」

「エイミィ…!貴様何をしているのかわかってるのかぁ!?」

「わかっで…まず…!平和を…ぶふぅっ…乱す……者をぉ……排除、じて…るんでずっ…ぶぅっ…!」

すでに自力で歩行することも困難なほど太ったエイミーの腕に巻き付いているブレスレットからロープは射出されていた。

そのままロープは巻き戻されエイミーの元へファウストを引きずっていく。

「くそっ!!何をっ……!」

ロープをほどこうとするもあっという間にエイミーの元に引き寄せられ、ファウストを巨大な影が覆う。

「まさ…か……」

「んぶふぅーっ……ふぁうずど…ざまっ……おゆるじぃをぉ……!」

どっずぅーーーーーーんっ!!!

ぶくぶくに太った巨体でファウストを押しつぶすように倒れ込むエイミー。

全力を振り絞ってその肥満体を動かしたため、倒れ込んだと同時に意識を失ってしまった。

押しつぶされたファウストも出てくる気配はなく、あの巨体に潰されては無事では済まないだろう。

「……まさかこんな結末になるとはね」

スイッチを切りレーザーブレードをしまいながら目の前の光景に何とも言えない気持ちになるグレイス。

戦闘が終わったことを確認し、ドロシーが駆け寄ってくる。

「しかし、これですべて終わったんですね……」

「そうね!ちょっとすっきりしないけどこれでダークワールドの野望は達成されたも同然よ!」

『よくやった……グレイスよ……』

突然空間が歪み、声が響き渡る。

この声の主こそ……

「はっ!ありがとうございます!我らが首領、ダークマスター様!」

グレイスが膝をつき頭を下げる相手……ダークワールドの首領、ダークマスターである。

『これよりそちらへ出向く。しばし待っておれ……』

空間が元に戻り、声が途切れる。

どうやら障害の排除が完了したことを受け、首領自らこの地へ赴いてくるようだ。

「首領自ら来られるとは……一体何をする気かしら……」

「そういえば世界征服、ですけどどういった形でやるんでしょうか……防衛組織を倒しただけでは足りない気もしますが……」

「ま、その辺は来られた時にお聞きしましょ!ひとまずこれまでご苦労様!ドロシー!」

「いえ!グレイス様あってこそですし戦闘員を始め、M、Fガール達の頑張りのおかげです!」

「そうね!あの子達もねぎらってあげなきゃね~!」

かくして国土防衛少女隊は制圧された。

ダークワールドはこの後どういった世界征服をするのか……

ダークマスターは何をするのか…!

次回、最終回!!

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