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――聖印の輝きが、強く波打つように激しくなった。


「うぉおおお我が名は聖騎士オスリック、逃げも隠れもせぬ! さあかかってくるが良い!!」


それは「聖騎士の号令」であり「挑発」であった。


彼の中に溢れる魔力を、二つの技能にすべて使い尽くす。

その怒号は洞窟のなかで何重にも反響し、平時以上の力を持った。


スライムは一斉に目を覚ましオスリックへと狙いをつけた。

だが同時に、倒れていた冒険者たちが号令によって目を覚ました。スライムよってからからに絞り尽くされていた肉体に、わずかばかりの力が戻る。


これぞ聖騎士の技能だ。

人々を救い、導くことに特化した、ギルドマスターであるベアセスが期待した彼の力である。


「こ……こりゃあいったい……アンタ……な、なにを」

「さ、さあ男たちよ、力を振り絞れ! 逃げるのだ! 早く、急ぎ、そして救援を――――おぉおお!?」

その声も言い終わらぬうちに、スライムの攻撃は始まった。


法衣を身につけたオスリックの全身を、何百もの蛇が襲いかかるように緑色のスライムが包み込む。

疲労困憊のオスリックの剣技では到底防ぎきれない量だ。

「ぐうぅう♥♥」


大量のスライムがべチャリ、ヌチャリといやらしい水音を立ててオスリックに絡みつく。


「にげ、逃げるのだぁ……ぬはぁぁ♥」

「で、でもそうしたら、あんた!」

「吾輩のことはいい! と、とにかく走れッ、そして、救援を、救援をおぉぉぉほぉおンッ♥♥」


勇ましい声といやらしい喘ぎを同時に叫びながら、オスリックは必死に彼らを諭した。

これだけ餌として上質なオスリックと、絞り尽くされた冒険者たち、スライムにとってそもそもの価値が違ううえ、今はまだ挑発の効果の最中である。

この機会を逃せば、おそらくもう誰も逃れられない。


そのことを説明する時間はない。


「急ぐのだぁあ、はやく、一刻もはやくぅぅう♥♥♥」


オスリックはとにかく必死にそう言うしかなかった。

勃起した肉棒を振り回しながら、スライムに舐められながら、賢明に叫ぶその姿は、まるでいやらしい「おねだり」をする変質者のようだが、彼のその姿を笑うものはいなかった。


オスリックは彼らの後ろ姿が見えなくなるまでずっと笑みを浮かべていた。逃げられるように。逃げやすいように。




Lv4 スライムの体内



…………。


「はひぃぃい………ぬひぃぃ♥」

かつて余裕の笑みを浮かべていた聖騎士はそこにはいなかった。


護るものを逃し、剣を失い、出せる技能をすべて使い果たした彼に残っていたのは、スライムによる快楽地獄だった。


「ぬあぁぁ全身に、全身に、吾輩の全身にスライムがぁぁ、こ、これほどの、これほどのものが、ぬぅぅうぅっふぅぅう……♥♥」


通常であれば服を溶かし、体内に容易に潜り込むスライムだが、法衣による防御は依然健在だった。それがオスリックにとって、幸福であり不幸であった。


一瞬で搾り取られないぶん延々とスライムが肌を舐める。快楽を与え、刺激させ、筋肉を弛緩させて体内に潜り込むためだ。

いつまでもいつまでも快楽が終わらない。

そして聖印の与える興奮も収まらない。

「ハァハァッ――♥ 狂うぅぅ♥ 狂ってしまうぅう♥ ずっと、ずっと全身にぃぃいいいひぃぃいひひひいぃい♥♥」

脇、胸、腰、尻、脚、足、腕、手、そして肉棒。


もはやどこが気持ちいいのかわからない。

気持ちよくない場所がない。

オスリックは全身を痙攣させて狂ったような笑い声を上げていた。

涙を浮かべ、顔を振り、逃れられぬ定めをただただ受け入れるしかない哀れな聖騎士。


自らの選択によって、彼はこれから数日の間は……どれほど早くても助からないことを知っている。

助けが来るという希望と、数日は一人であるという絶望。それらをすべてスライムによる快楽が埋め尽くす。

「はひぃぃい……やめ、やめ、やめぇええええ♥♥♥」

スライムは全身をくまなく責め立てるが、中でも一際集中している場所があった。

それはオスリックの逞しい肉棒――そして、その上部である。

聖印がある場所を目指しているのだ。

細まったスライムが、必死に聖印を、魔力を求めている。


しかし、物理的に到達できるような場所ではない。

スライムの攻撃は無駄なのだ。ただただ無駄に、オスリックを快楽攻めにしているだけだ。

「そこがはあぁぁああはぁぁああ♥♥♥」

何百回、何千回もの攻撃。オスリックはその度に悲鳴を上げ、腰を振り、そして射精――もしくはそれに近いものをしていた。

もはや聖印とスライムの表裏からの攻撃によって、通常の射精ではなくなっていた。


終わらない。


興奮も快楽も射精もなにもかもが終わらない。


「ハァ――!? ハァ!? なにが、なにがおきているのだ、吾輩になにが!!」

何千回とさらに何回かのせめの後、ついにスライムが一つの解決法を見つけ出した。

それは、細く小さなスライムだった。

法衣の限界へと迫るそれは、オスリックの鍛え抜かれた尻と肉棒を同時に目指していた。

「あああ♥」

搾り取られる。


本能で恐怖を感じたオスリック、それに呼応し聖印がオスリックを守るようにして、更に強く輝きを増す。


「が――――」


その刺激は、痛みとは違っていた。


肉棒と尻に潜り込んだスライムは、オスリックの体内から直接前立腺――聖印がもっとも染み込んだその部位へと到達した。

「あぁぁ――――ぎぃぃ……気持ちぃぃぃい…………♥♥」


ついにオスリックの言葉から、聖騎士らしさが消え失せた。


未知の快感。

前と後。

表と裏。

攻と受。


すべての快楽が同時に聖騎士を襲い、破壊した。


オスリックは脱力し、スライムに飲み込まれながら腰を振った。


射精の快感。

そして再びやってくる興奮。

終わらない欲情。


「あぁぁ……あぁぁ♥ は……♥ はは……♥ あぁぁ♥♥ でる…………あっ♥」


一旦射精すれば波が去るが、また大きな波がやってきてしまう。



時間の感覚など、正気の状態でも分からなかった。

既に、あれからどれほどの時間がたったのかわからない。


「あぁぁああ♥ はひぃい……いぐぅうう♥♥♥」

法衣の中に、新たな雄汁が弾けて溢れる。



なにせオスリックは、己が射精した回数すらももうわからないのだ。







――後日。


助かった遭難者の報告により救助隊が結成され、オスリックは無事スライムから助け出された。


彼の精神が正常であると診断されたのは、それから更に数日後。気つけ薬と治癒魔法によって、丹念な回復がなされた後だった。


冒険者たちは深くお礼をいい、治療費を含めた彼の宿代などを全額負担し、何度も何度も感謝した。


オスリックの名声は高まったが――それは冒険者の間だけに収まった。残念ながら、この冒険譚は子供には早すぎる内容だったからだ。



聖騎士オスリック

習得:名声(少)

習得:片手斬り練度(大)

習得:スライム耐性(少)

習得:スライムフェチ(極大)


オスリックスライム洞窟f

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