[♀/SS]A子とB子の体育終わり (Pixiv Fanbox)
Content
ショートストーリー『A子とB子の体育終わり』
とある中学校の1F女子トイレにて。
A子「うう、な、なんで今日に限ってこんなに並んで」
B子「あー、なんか、二階の女子トイレが故障中なんだってさ。だから、一年生もみんな、こっちの女子トイレに集まって来ちゃってるみたい」
A子「そ、そんなあ……。わたし、体育の授業中から、ずっと我慢してたのに」
B子「そうなのー? 大丈夫う? A子、我慢できる?」
A子「……」
B子「あれ? 冗談で言ったんだよ? ちゃんと言い返してくれないとー。我慢、できるでしょ? できないわけないもんね」
A子「あ……。う、うん。そう、だね」
―――――――――――――――――― 五分後
A子「ん、く、ふぅ、んん」(パタパタと小刻みに足踏み)
B子「……困ったねえ。なかなか進まないねえ」
A子「……も、もっ、もう」
B子「え? なあに、A子。おっきい声で言ってくれないと聞こえないよお」
A子「B子、ど、どうしよう。わたし、も、もう、ホントに……」
B子「ホントに、なあに?」
A子「が――ガマン……! できない、よう……」
B子「ええー! 我慢できないって、どういうことー? まさか、A子、おしっこ漏らしちゃいそうなのお?」
A子「や、やだ、やめてよ。声、おっきい……」
B子「あはっ、ごめーん。でもでも、ダメだよ。おしっこおもらしなんて。私達、いくつになったと思ってるの。がんばって、A子。ほら、もうあと三、四、五――六人ぐらいだからぁ。もうすぐ、だよー? 我慢できる我慢できる」
A子「で、でも、ホント、わたし……。あの、わたし、ちょっと、もう」
B子「ちょっとちょっと、待ってよ。どこ行くの、A子。トイレ、行きたいんでしょうが。列から離れてどうするのよー」
A子「あ、あの、その。隣。隣なら、空いてるかなって……」
B子「隣って。え、まさか、男子トイレー? うそでしょー! A子、女子なのに、男子トイレでするつもりなのー?」
A子「あ、やめ……声。声。おっきいからぁ」
B子「あはは、ごめーん。ほら、私、いつも声でかいからさー」
A子「う、うん。それで……だから……」
B子「でも、私はやめといた方がいいと思うけどー。今は体育の授業終わりだし、男子も絶対いるよー。中で男子と鉢合わせたりしたらどうすんの? 『我慢できないんです! おしっこもらしちゃいそうなんです! ごめんなさい!』とか言いながらそのよちよち歩きを男子に見せるの? それって、なんて言うか、すっごい――ふふ、はずかしい、よね。はずかしくない?」
A子「う、うう……そ、それは、その通り、だけど。でも、そんなの」
B子「行くなら友達として応援はしてあげるけど――あっ、あっ、でも、うわあ、想像しただけでも、いやだあ、A子はずかしー」
A子「くぅ、ん……」(真っ赤になって肩をそぼめる)
B子「あれ、どうしたの? A子、行かないことにしたの?」
A子「(こくん)」
B子「うんうん、安心した。その方がいいよ。私も我慢するし、一緒に我慢しよ。友情パワーで乗り越えよ」
A子「……」
B子「あー、私もすっごくおしっこしたいなー。おしっこしたーい。おしっこしたーい。ねっ、A子」
A子「あ、あんまり、言わないで」
B子「んー?」
A子「その、おしっこ、とかぁ」
B子「え? あー、ごめんごめん。おしっこって言ったら『したくなっちゃう』、みたいな。そういうことー? ごめんねー、私、おしっこ行きたいから、気付かなくてー」
A子「だ、だからっ……あっ、んん、」(もぞもぞと前を押さえる)
B子「大丈夫? 応援する? がんばれがんばれA子ー」
A子「っ……」
B子「フレーフレー、A子ー。負けるな負けるな、A子ー。おしっこおもらししたらはずかしいよー?」
A子「お、おしっ……」(尿意にびくっ、と震える)
B子「おしっこがまーん。おしっこがまーん。『おしっこしゃああああ』ってしちゃいたくなってもがまーん」
A子「くっ、あ、おし、っこ、おしっこぉ……」(涙目でその場でぴょんぴょん跳ねる)
B子「え? あー、ごめーん。私、また、おしっこおしっこ言っちゃってたね。もう言わないようにするからぁ」(ポン、とA子の腰の辺りを軽く叩く)
A子「やっ! んっ、今、さ、さわら、ないで――あぁ、で、出る、出ちゃ、うぅ……!」(その場でじたばたと身悶えする)
B子「わっ、びっくりしたぁ。どうしたの?」
A子「やっ、あ、あぅぅ……」
じゅ、じゅわ、じょわあ。
下着の中に溢れるぬくもり。A子の太腿の辺りを伝う液体。ぽたり、ぽたり、と数滴の雫が床に滴り落ちる。
A子「うう……。い、いい、からぁ。もう、ほっとい、てぇ」
A子(やだ、やだ。どうしよう。け、結構、出ちゃった……ば、バレてないかな……)
B子(あははは! やあい、ちびったちびったあ。あらら、ひょっとして、バレてないつもりでいるのかなー? ふふーん、もう、バレッバレだよー。すっごーい。ちょっとからかってやったら、本気でちびってやんの。ぷぷ、A子ってば、おっもしろーい)
―――――――――――――――――― 三分後
A子「はあ、はあ、はあ……」(熱のこもった荒い息を吐く)
B子「ちょっとA子ぉ、ほんと、大丈夫う? すっごい顔してるよー。汗もなんかめちゃくちゃかいてるしー」
A子「……」
A子(B子が心配してくれるのはありがたいけど、でも、正直ちょっと鬱陶しい……。今は余裕ないし、無視しちゃっても、いいよね。あとで謝れば、許してくれるよね)
B子(おー、こいつ、無視する気だなー。うふ、いいよーだ。そういう態度なら、揺らしてやれー)
B子「ねえ、A子? A子? 大丈夫? しっかりしてー」(肩に手をかけて大きく揺する)
A子「あっ、だ、だめ、そんな、乱暴に。やめてぇ……! わ、わかってる、聞こえてる、聞こえてる、からぁ」
B子「なあんだ。あんまりにもおしっこしたくて、気絶しちゃったのかと思ったあ」
A子「うぅ、も、もう、そっとしといて……」
―――――――――――――――――― さらに三分後
A子(あと三人、あと三人)
B子(あはっ、なにその内股。くねくねしちゃって、みっともない格好。あぁ、これ、ほんとに漏らしたら面白いのになー)
A子「あ、は、はやく。はやくぅ」
B子(早くなんてダメ。トイレの中のみんなー、ゆっくり、ゆっくりでいいからねー。じーっくり、焦らせて焦らせて、もう我慢できないってところまで待たせてあげてー)
A子「は、や、くぅ……!」
B子(ふふふふ。ゆーっくり、ゆーっくり)
―――――――――――――――――― さらに三分後
A子(ぜ、ぜんぜん、進まない……! どうして、もうちょっと。あと、三人なのにぃ)
B子(あはっ、いいよいいよー、なんかちょっと臭うし、中の子達、ひょっとして、みーんなおっきい方かなあ? その調子で、いっぱい、ゆっくりブリブリしていいからね。ついでに、A子の代わりにおしっこも済ませて、スッキリしておいで。……もうすぐってところまで来て、おあずけ。ぷぷぷ、すっごいラッキーだったねえ、A子ぉ)
A子「あ、あ、も、や、だ。やだよぉ。がまん、でき、ないぃ」
B子「A子ぉ、なにぶつぶつ言ってるのよお。それに、なんて格好してるの。一年生も見てるんだよ? 上級生として恥ずかしいから、ちゃんとしないと」
A子「ぐす、だって、だってぇ」(片時もじっとできず、身をくねらせながら)
B子「だって、じゃないでしょ。ほら、しゃんとして」
A子「そんなの、む、りぃ……。した、したいの、したい。したいよう。お――」
B子「んー、なにかなー?」
A子「うぐ、うぇ、おし――おしっこ、したいよう。おしっこ、おしっこぉ」
B子「あはっ、もうちょっと、もうちょっと、だよー。あとちょっとしたら、トイレできもちよーくおちっこできるから。そうだ。あと一分。あと一分頑張ろ」
A子「あ、あと、いっぷん」
B子「そうそう、あと一分」
B子(ま、ほんとはあと十分ぐらいかかりそうだけど。もっともっと、中の人のうんちが長引きますように)
B子「それじゃ、カウントダウンしてあげるね。いーち、にーい」
―――――――――――――――――― 一分後
B子「ごじゅうきゅーう、ろくじゅーう」
A子「い、っぷん」
B子「一分、だねえ」
A子「といれ」
B子「あー、ごめーん。まだ、みたいだねえ。我慢、だねえ」
A子「そ、んな」
B子「じゃ、また一分我慢しよっか」
A子「あ、う」
B子「いーち、にーい」
―――――――――――――――――― 一分後
B子「ごじゅうきゅーう、ろくじゅーう」
A子「お、お、お、おち、っこぉ……」(ガタガタと激しく全身を痙攣させながら)
B子「あはっ、まーだだよー。ほらあ、見てよ。まだ全然空いてないもーん。はーい、それじゃまた、あといっぷーん」
A子「……」
B子「もー、膨れたって仕方ないでしょー。空かないんだからー」
A子「う、ぐ……」
A子「!」(びくん、と大きく身を跳ねさせる)
A子「お、お――」
A子「お、おおおちおちっこおちっこおちっこぉ、は、はや、はやく」(バタバタと無闇に床をけたたましく踏み鳴らしながら)
A子「おち――あ。あぁ……」
じゅわわ、じょおおおお、しょわああああああ……。
禁じていたはずの蓋が開いてしまう独特の感覚。瞬く間に広がっていく恥ずかしい熱。狭く閉じられた空間に溢れ返る湿気。腿を伝う大量の水滴。
落ちた水滴がぱたたた、と幼児が駆け回る足音に似た音が立て続けに床を打つ。みるみる足下に広がる水たまり。
B子「――いやあああん! A子、なにおもらししてるのよー! はずかしー!」
B子の歓喜の滲んだ悲鳴が響き渡る。一斉に集まる耳目。遅れて生まれる喧騒。
周囲の女子「うわ……なにあれ。おもらし? なんでー?」
周囲の女子「えー、うそ。やめてよー」
周囲の女子「あはっ、あの子、漏らしてんの? だっさ」
周囲の女子「やだあ。もう、赤ちゃんじゃないんだから……」
周囲の女子「ていうか、あれ、上級生じゃない?」
周囲の女子「くすくす、上級生なのにおしっこ漏らすんだあ……」
周囲の女子「ねー。存在として下じゃんね。あたし達一年よりも。ぷぷ」
A子「あ、や、ちが」
B子(ほーら、みんなの注目が集まっちゃったあ。気持ち良くおもらしなんてさせてあげないからねー。みんなに注目されて、一生懸命止めようとしながらゆっくりじっくり、もがき苦しみながらおもらししなさい)
A子「う、ぐっ、ふっ」(息を止めて懸命に力む、おしっこの音が弱くなる)
A子「ん、んん、んんん」(呼吸を止めたまま、眉根を寄せて、口を真一文字に結ぶ)
A子「ん――はぁっ、あぁ、うぅぅ……」(快楽混じりの熱い息を吐き出す。身体から力が抜けていく)
ぱしゃぱしゃぱしゃ。
一時的に弱まっていた水流が途端に勢いを強め、元よりも盛大な音で失敗を演出する。
B子(あはっ、やあい、止めれなかった止めれなかった。ざーんねん、みんなの前でもっとおもらしー)
ひそひそ、ひそひそ。しゅわあああああ。
心ない囁き声が各地で生まれる中、勢い良く下着の中に注ぎ込まれる水流の音が虚しく響く。
―――――――――――――――――― 二分後
A子「ぐすっ、う、うええん……」(おもらしを終えて泣きじゃくる)
B子「あーあ、A子、おしっこもらしちゃったー。もー、ほんとに我慢できないなら、ちゃんと言ってくれないと。そしたら、私だって友達として、他に方法を考えてあげたのにー」
A子(言ったもん……何回も、言ったもん……。また、声も、おっきいし……)
B子「ふふ、A子のおもらし。ほら、もうじき、おトイレ空くよ。どうするの? A子はもう終わっちゃったと思うけど」
A子「いい……。わたしは、もう……」
B子「あはっ、そう! そうだよねえ。だって、A子はもうパンツの中でやっちゃったんだもんね。おもらし! それじゃあ、私はちゃんとトイレでしてくるね。A子みたいに学校でおもらししたくないしぃ」
A子「……声、おっきい」
B子「ごめーん。私、声、でかいから。それじゃ、気持ち良くしてきまーす。終わったら、保健室、連れてってあげるから。そこで待ってて」
B子、トイレの個室に入る。
------------------------------------------------
トイレの前でぽつん、と佇むA子。遠巻きに見守る他の女子達。
A子(どうしよう。みんな、見てる。はずかしい)
A子(どうしよう。服も、パンツも、濡れちゃってる。きもちわるい)
A子(わたし、本当におもらし、しちゃったんだ……お母さんに、なんて言おう。ううん、それよりも。クラスのみんなに、なんて言われるかな)
A子(絶対、ばかにされちゃうよね。みんなに、笑われちゃう……)
A子「うう……もう、やだ。最低……」
------------------------------------------------
トイレの個室でにたにたするB子。
口を押さえて、笑い声が飛び出しそうになるのを押さえる。
B子(やったやったやった! ほんとにおもらしした! すっごい、ばかみたい、ばかみたい!)
B子(ぷくくっ、面白かったあ! 保健室に連れて行ったら、おもらしのお着替えとかするんだろうなあ。そっと見ててやろっと。ちょくちょくそれでばかにしてやろっと)
B子(それにそれに、教室に帰ったら、みんなに言いふらしてやらなきゃだし。んー、今日は忙しくなるなあ)
しゃあああ、と気持ち良く便器に向けて放尿を始めるB子。
B子(あー、きもちいいー。A子はトイレでしたかったのにできなかったんだよねえ。A子は今でもおしっこまみれ、はずかしいはずかしい格好でみんなに見られながら、外で待ってるんだよねえ。私のおしっこの音聞いて、きっとうらやましさでいっぱいになりながら自己嫌悪に陥ったりしてる。めそめそ泣いちゃっててるかも。そう思うと、それを想うと――うふふふ、いいー。十倍きもちいいー)
B子(優越感ってやつ? 面白いものも見れたし、これからも楽しそうだし、とっても気持ち良いしで――あぁ、もう、最っ高ー)
小さなトラブルを経て、元と比べるとほんの少しだけ歪んでしまったA子とB子の些細な日常は、今後も続いていく。
(了)