主人と奴隷は、転移トラップで── (Pixiv Fanbox)
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「うおっ! うおぉ!! イグッ! イ゛きます、ご主人様ぁッ!!」
ドーム状の洞窟内。その壁面は、ボウッと緑色に光る苔や、美しい水晶にびっしりと覆われている。おかげで、周辺は昼夜を問わず灯りに困ることはなく、すぐそばには魚が生息するほど透き通った水をたたえる、巨大な地底湖まであった。温度や湿度も、人間が過ごすために調節されているのではと疑いたくなるほどちょうどいい。そこは冒険者の間ではセーフゾーンと呼ばれており、聖なる力によって、どんな凶暴なモンスターであっても近寄ることができない。そんな場所で、地鳴りにも似た野太い呻き声が響き渡っていた。
「イグッ!! イグうぅぅぅぅぅーーーーッ!!」
洞窟の中央、水辺で岩石に身を預けて、両手両足を大の字に広げた屈強な戦士。彼は精悍な顔を苦痛と快楽に歪めながら、巨体を激しく痙攣させていた。その股間では巨大なペニスが天に向かってそそり立ち、ダラダラと我慢汁を垂れ流している。彼の肛門は、巨大な男根で幾度も貫かれたことで捲れ上がり、ザクロのように赤い腸壁がチラチラと見え隠れしていた。
雄々しい顔立ち、贅肉を一寸も持たない筋肉の鎧、そして股間にぶら下がる巨砲。どれをとっても完璧な男が、その肉体を無様に晒し物としている。だが、そんな彼のアナルを激しく攻め立てる当の本人は、口笛でも吹きそうなほど上機嫌な様子で、その巨根を激しく出し入れしていた。
「がっはっはっ! いいねぇ、いいねぇ~! このケツマンコの締まり具合は。相も変わらず、そんじょそこらの女じゃ太刀打ちできないレベルだぞ!」
「あがっ! あがああぁぁ……ッ!! ふぬお゛お゛お゛ぉぉ……ッ!!」
「おらおらぁ! そんな情けない声出してないで、もっと気張れよ、淫乱戦士さまよぉッ!!」
急所を守るためだけの最低限の防具しか装備しておらず、鍛え上げた筋肉を見せつけるかのように、褐色に焼けた肌を露わにした戦士。黒々とした硬い髪はどこか乱れ、装備品もくたびれている。
それに対して彼を犯している男は、艶々とした肌に、整髪料でかっちりと固められた金髪の髪。高価な革製の全身鎧を身に纏い、無駄に煌びやかな装飾が施された下着まで身に着けている。強化魔法を付与され、ただでさえデカい彼の肉棒は二倍以上に膨れ上がっており、まるで巨大な鉄の塊が何度も出し入れされているかのようなピストンで屈強な戦士の腸内を責め立てる。その圧倒的な存在感に蹂躙された彼の肛門は、もはや排泄器から男根を受け入れるための卑猥な淫具へと変えられてしまっていた。
男とは逆に弱体化魔法をかけられ、射精できないよう睾丸の出口に栓をされた戦士の肉棒。その先端からは、もはや快楽による反応か苦痛による反応かは分からないが、先走りだけがチョロチョロと飛び出ている。男に肉体を弄ばれて悦びを得たいと考えたことなど、これまで一度たりともない。しかし十数年もの間、奴隷として生を重ねてきた彼の肉体は、主人によってチンポを挿入されるたびに浅ましく反応し、彼らを喜ばせるためのモノへと成り下がってしまっていた。
「ふごぉッ! ぐふぅ゛っ!! あがっ……、あがぁ゛~っ!!」
「はあ……、まったくうるせえなあ。『黙れ』」
荒い鼻息とともに漏らされる、耳障りともいえる戦士の喘ぎ声に辟易した男が、煩わしそうにそう呟いた。すると、その声に反応するように彼の腹部に象られた紋様が淡く光り出し、その直後には男の命令通りに戦士の声がピタリと止んだ。
「……!? ……ッ!!」
目を白黒させる戦士。だが次の瞬間には歯を食いしばりながら、鼻から必死に空気を吸い込み始めた。呼吸困難になったように顔を真っ赤にし、そのたくましい筋肉をパンパンに張らせ、全身から玉のような汗を流し出す。主人により入浴することを許されていないため、湿気を纏った彼の体からは醜悪な獣のような体臭が立ち昇り、周辺の空気を濁らせていく。
「がっはっはっは! そう、その調子だ。フゴフゴ、フゴフゴ。豚みたいで最高だっ! そのまま豚呼吸し続けていろ」
戦士の無様な姿に大笑いしながら、男がさらに激しく腰を動かし始める。戦士ほどではないが、上級の冒険者にふさわしい、みっちりとした筋肉で全身を覆われたたくましい男。そんな彼の巨大な男根が抜き差しされるたびに、グボッグボッと卑猥な水音が洞窟内に響き渡り、それに呼応するかのように戦士は白目を剥きかけながら全身を痙攣させ続けた。
『黙れ』という命令が継続している間は、どんな状況であろうとも声を発することができない。これまでにどれほどの回数、男のチンポで腸壁を抉られただろうか。何十回、何百回と経験しようと、己の体内を蹂躙されるという現実は慣れることがない。それどころか、次第に苦しさや痛みだけではない感覚が芽生え始めており、戦士の肉体を別の意味で蝕んでいた。
「ほらッ! 出すぞ、淫乱豚野郎っ! 一滴残らず受け止めろぉッ!!」
──ビュルルルルルルルルッ!! ドクドクドクッ! ドプドプッドプンッ!!!
男の腰の動きが止まり、彼の肉棒から大量の精液が放出される。その量は尋常なものではなく、あっという間に戦士の腸内を満たしていった。熱い精液で体内が犯されていく。戦士としての誇りが踏みにじられ、人としての尊厳すらも奪われていく屈辱。しかしそれでも戦士は、声を出すことすら許されず、ただその現実を受け入れることしかできなかった。
「ふぅ……、気持ちよかったぜ。『声を出して、射精しろ』」
男がそう呟くと、まるで止まっていた時間が動きだしたかのように、再び戦士の口から大きな喘ぎ声が溢れ出した。
「あ゛っ! あがぁッ!? イグぅ!! イグううぅーーッ!!」
ドピュッドピュッと勢いよく吐き出される精子。屈辱で涙が流れ、顔面を紅潮させながら涎を垂らし、戦士は主人の命令通りに精を解き放った。制限を解除された影響で、溜まりに溜まっていたザーメンが噴水のように撒き散らされる。ビチャビチャと汚らしい音を立てながら、地面に打ち付けられる大量の白濁液。男より二十近く年の離れた戦士が無様に精を放つその姿は、もはや哀れ以外の何物でもなかった。
「あ~……、いいねぇ! やっぱりお前は最高の肉便器だ!」
「お゛っ……お゛っ……お゛ぉ……ッ!!」
男は満足そうな笑みを浮かべると、再び腰を動かし始めた。
***
王国戦士として、大隊長まで昇りつめた戦士ダリウス。順風満帆だった彼の人生が狂い始めたのは、彼が三十歳を過ぎた頃のことだった。
王国に突如現れた『魔王軍』。彼らは瞬く間に国中に蔓延り、その圧倒的な力で次々と都市を陥落させていった。そんな状況下において、ダリウスの所属する王国軍は善戦を続けた。だがしかし、強力な魔族たちとの戦いは熾烈を極め、ついにはダリウスの率いる部隊は全滅するという事態にまで陥ってしまった。
ダリウスはどうにか落ち延びることができたものの、敵国との国境付近で気絶していたところを運悪く奴隷商人に捕まり、気付けば彼らの元で飼われる身となっていた。戦士として戦場を駆け抜けてきた自分の腹に刻まれた奴隷紋、そして股間に施された忌々しいコックリング。その屈辱に耐えながらも、ダリウスは奴隷としての生活を受け入れざるを得なかった。
それから十年あまり。体力の回復を待っていた彼は、豪族であるゴールドウィン家の屋敷に召し抱えられていた。主人はダリウスを一目見るや彼を気に入り、他の奴隷たちとは違って大事に扱うようになった。ダリウスもただ飼われているだけというのは気が引けたため、彼の身の回りの世話や護衛として率先して働いていたのだが、そんな日々がひと月ほど続いた頃だっただろうか。
『……お前のような肉感的な男を、ずっと犯したかったのだ』
主人からそう告げられたダリウスは、彼の趣味に付き合わされることになった。一代で財を成した主人。同性愛者でありながら、成功を得るために愛の無い婚姻をした彼にとって、ダリウスは好みど真ん中の存在だった。
それからというもの、彼は毎日のように主人の寝室へと呼び出されるようになった。乱暴に扱われたなら、恨んでいたかもしれない。だが、主人はダリウスに対して常に紳士的だった。優しく愛でるように肉体を愛撫され、丹念に尻の穴を解された。
『お前ほど美しい肉体の男はいない』と、彼はいつも呟いたものだ。耳元でそう囁かれるたび、女性しか愛してこなかったダリウスは、頭の中を蕩かせながら彼と体を重ねた。主人はダリウスの体をいたく気に入ったようで、事あるごとに彼を寝室へと誘ってきたが、ダリウスもそんな主人のことを嫌いになることはできなかった。
*
そんな日々にも終わりが訪れた。突如として、主人が病に倒れたのだ。そして、彼には二人の息子がいた。ドレイクとルーカス。主人に愛されなかった彼の妻によって、歪んだ愛を植え付けられた兄弟。
しかもその彼らは、主人とダリウスの性行為を密かに覗き見ていたらしく、その日からダリウスは、彼らによって『肉便器』として調教されることになってしまった。
「ん゛……ッ! んおぉぉ……ッ!」
主人が寝静まった夜更け。ダリウスはベッドの上で四つん這いにさせられていた。彼の尻の穴にはすでに巨大な異物が挿入され、激しく出し入れされている。その首謀者は主人の息子の一人で、ダリウスより二十歳近く年下であり、父のお気に入りであるダリウスを肉便器へとすることでゾクゾクするような快感を覚える男だった。
青年──、次男ルーカスは父である主人が眠っている間に、毎晩ダリウスの体を貪るようになっていた。奴隷紋やコックリングで彼の肉体の自由を奪い、自分の性欲を満たすためにダリウスを犯すのだ。
「ふんッ、ふうぅ……っ!!」
ベッドシーツに顔を押し付けながら、必死に声を押し殺すダリウス。その肛門は、弱体化魔法によって極限にまで弛緩させられた挙句、馬並みの大きさのディルドを挿入されている。さらにダリウスの肉棒の根元は、精子を増産させる付与魔法付きの特注のコックリングによって締め付けられており、彼は絶えず射精寸前の快感を味わっていた。
「ふぐ……ッ! お゛っ、おぉぉ゛~……ッ!」
イキたいのにイケない。チンポは激しく前後に動くものの、命令のせいでその先からは露ほどの汁も飛び散らすことを許されない。そんな状態で、尻の穴を犯される快感はダリウスにとって地獄でしかなかった。肛門をギュウッと締めると、尻の中でディルドが激しく蠢き、その刺激で睾丸がせり上がる。中では溢れんばかりに精子が産み出され、鈴口から今にも飛び出してきそうなのに、尿道を塞がれているせいでそれができない。そんな状態が延々と続き、ダリウスの精神と肉体は限界に達していた。
「あ゛っ! あ゛ぁ……っ! も、もうやめてくれぇ……ッ!」
思わずそう叫んでしまう。屈強な戦士が精悍な顔を歪め、許しを請う姿。それは、ルーカスの加虐心と支配欲をこれ以上ないまでに満たしていく。ダリウスが限界を迎えていることを知った彼は、ディルドを勢いよく抜き取り、代わりに怒張した自分の肉棒をズボリと突き刺した。
ガバガバになった雄マンコは、太い男の竿もためらいなく飲み込んでいく。生温い腸壁の感触。自分よりも一回り以上デカい漢を──、尊敬し、軽蔑してきた父が大切に扱ってきた玩具を、思いのままに蹂躙することで得られる悦び。ルーカスは口の端から涎を垂らしながら、ダリウスの尻穴が自分のチンポの形になるまで激しく腰を打ち付けた。
「ぐあぁッ! あ゛っ! お゛おぉぉ……ッ!」
シーツを握り締めながら絶叫するダリウス。絶頂寸前で留め置かれた彼にとって、その快感はもはや暴力に等しかった。睾丸はパンパンに膨れ上がり、今にも破裂しそうだ。しかしコックリングのせいでそれは叶わず、彼の肉棒は射精することなくビクビクと痙攣を繰り返す。
「あぁん?! ご主人様に対して、なんだその口の利き方は?」
ルーカスはダリウスの髪の毛を鷲掴みにすると、乱暴なピストンで腸壁を犯しながら凄んだ。激しく出し入れされる肉棒。彼の太いそれはダリウスの前立腺を押し潰し、最も感じる箇所を探り当てようとするようにねちっこく刺激する。彼の腹の中でチンポがビクビクと脈動し、射精が近いことを悟ったダリウスは、涙を流しながらルーカスに向かって許しを請うた。
「イ゛ッでくださいッ! あ゛っあッ!! 俺の尻の中でぇ……ッ! んお゛ぉッ!! ご主人様~ッ!!」
汗と涙、鼻水によって崩れきった元戦士の厳つい顔。その雄々しい肉体が、己のチンポに屈服する。その滑稽な姿はルーカスの興奮をさらに煽り立てた。彼はダリウスの背中に体を重ねると、彼の両乳首を思い切り抓り上げて、彼の耳元で囁いた。
「『イッていいぞ』、ダリウス戦士長殿♥」
「あ゛っ! あ゛ぁぁッ!! イグぅううぅぅう~~~ッッ!!!」
ルーカスの声に反応して、ダリウスの股間にはめられていたコックリングが緩んだ瞬間、絶叫とともに、彼は大量の精液をぶちまけた。
──ドプッドピュッ!! ブビュルルル……ッ! ブビュッブビューー!!!!
「あ゛っ、あがぁ……っ!」と呻きながら、ダリウスは白目を剥きかけながら射精を続ける。彼の肉棒の先から勢いよく飛び出した精液は異常なほどに濃く、ベッドシーツにどろりとした水たまりを作るほどの量だった。
「あはぁ~……、最高だぁ♥」
涙と鼻水を垂らしながら、精を放ち続けるダリウス。かつては戦場で恐れられた男が、今では自分の下で快楽に悶えている。その哀れな姿に興奮しながら、ルーカスもまたダリウスの中に勢いよく射精した。根元までチンポを挿入し、彼の尻穴にドプドプと子種を注ぎ込む。その快感に酔いしれながら、ルーカスはダリウスを犯し続けた。
*
「大丈夫ですか、ダリウス?」
洞窟内で、ルーカスによってアナルの中に何発も中出しされたダリウスは、虚ろな表情でポーションを口に含んでいた。そんな彼を心配そうな目で見つめるのは、ダリウスと同じく奴隷のジェイだ。元戦士であるダリウスにも劣らないガタイ。そして、生まれながらの奴隷。身体的にも能力的にも優れた奴隷の男女を、強制的に番わせて誕生したのが彼である。全身ははち切れんばかりの筋肉で覆われており、その肉体美をより引き立てるような男前な顔をした青年だった。
今年四十三歳になったダリウスとは親子ほど年が離れており、ジェイは物心がついたころから、彼から戦闘のための技術、敬語のみの最低限の会話の仕方、主人に対しての絶対的な忠誠の教育を学んできた。そのためか、ダリウスとジェイの間には親子のような、師弟のような微妙な距離感が存在している。そして主人のお気に入り同士ということで、いつしか彼らは行動をともにすることが多くなっていた。
「ああ、なんとも……ないぞ。だっはっは~。ちょうどケツの筋肉を鍛えてえって思ってたところだったんだ。まあ、あのクソ野郎のフニャチンじゃあ、俺のこの自慢の尻は一ミリも鍛えられなかったがな」
無骨な太い指で尻肉をムニッと鷲掴みにしながら、ダリウスは何ともないぞといった風に、そう吐き捨てた。ゴポリと音を立てて、ひくつく穴から流れ出る精液。彼の表情からは怒りや悔しさが窺えるものの、ジェイにはどうするべきか答えが見つからなかった。今回も犯されるのはジェイの番であったはずなのに、ダリウスはそれを庇ってくれた。両親の存在を知らないジェイ。彼にとって父親と言っても差し支えないダリウスがもがき苦しむ姿には、たびたび心を痛ませるものがあった。
「ジェイ、俺は大丈夫だ。ほら行くぞ、クソご主人さまたちがお呼びだ!」
暗い表情をしていたジェイに気が付いたダリウスは、心配を掛けさせまいと明るい口調でそう言うと、彼の背を叩いた。立ち上がった二人は、重い荷物を背中に担ぐと、主人の後を追って洞窟の奥へと歩みを進めていった。
*
湿り気を帯びた不快な冷気。洞窟の奥へと進むにつれ、暗闇も深くなっていく。ルーカスの光魔法によって視界が確保されているため、目を凝らさなくとも進むことができるが、それでも薄気味悪い雰囲気は拭えない。
「おらっ! もっとキビキビ歩けよ!」
タンクとして先頭に立つダリウスたちの後方から、ルーカスの怒鳴り声が響いてくる。彼は奴隷たちに向かって鞭を振るい、急かすように命令した。
「もたもたしてんじゃねえぞ! グズがッ!」
そう怒鳴った瞬間、彼の足元が不自然に沈み込み、ガコンという音が響き渡った。途端に地面が明るく光りだし、魔法陣が浮かび上がる。その光はどんどんと強さを増していった。
「ルーカス! そいつは強制転移魔法陣だ! 飛ばされる前に奴隷に掴まれっ!!」
異変に気が付いた長男のドレイクは振り返り、後方のルーカスに向かって、そう叫んだ。その瞬間、足元からフワリとした浮遊感が彼らを襲い始める。その感覚を味わったことがある面々は、一瞬にして顔を青ざめさせた。転移トラップの魔法陣。ダンジョンの外にはじき出されるならまだ良いが、転移先がダンジョンの奥の魔物の巣窟だった場合、パーティーがバラバラになってしまえば、A級の冒険者である彼らでさえも命の保証はない。
「ダリウス、こっちへ来いッ!!」
ドレイクが近くにいたジェイに抱き着くのを目にしながら、ルーカスはダリウスを羽交い絞めするようにして引き寄せる。その反動でチンポが尻に当たって、「んぉっ!」とダリウスのくぐもった声が漏れる中、四人の身体は煌々とした光に包まれ、光が収束した瞬間には彼らの姿はその場から跡形もなく消え去っていた。
*
「ん……、ここは……? そうだ! オレたちは、どこに飛ばされたんだ?!」
耳元で水の音が聞こえる。意識を取り戻し、肌に纏わりつくざらりとした土を分厚い掌ではらうと、ルーカスは辺りを見回した。まるで二日酔いにでもなったときのように、視点がぐらぐらとなって、うまく定まらない。周辺の壁には色とりどりの水晶が埋まっており、そばには薄く光を放つ湖が広がっている。不幸中の幸いだ。どうやら強制転移した場所は、先ほどまでいたセーフゾーンらしい。喜び勇んだ彼は、近くで横たわっていた兄のドレイクの身体を揺すった。少し離れた場所には、ジェイが。そして、もう少し離れた場所には──。
「は……?」
彼の目に映ったのは、見慣れたローブを着て横たわる人物だった。ついさっきまで自分が着ていたはずの、唯一無二のローブ。そこに刻まれた紋章には見覚えがある。ゴールドウィン家の家紋だ。ハッとなったルーカスは、急いで己の全身を眺めまわした。必要最低限の部分だけを覆った装備品。何千、何万回と剣を振り続け、血豆ができて硬くなったごつい掌。鍛え上げられた大岩のようなデカい肩、丸太のような腕や太ももは戦闘に特化した筋肉で覆われている。撫でさすった顎には野性的な髭が生えていて、ザリッという音を奏でた。
「おい……ッ! 嘘だろ……」
否応なしに、彼の中で不吉な予感が広がってしまう。彼は全身をくまなく確認すると、キラキラと煌めく湖を覗き込んで愕然とした声を上げた。そこに映っていたのは、屈強な肉体を持つ男。魔法使いにしては立派な体躯である彼でも到底適わない、二メートル超えの巨体。猛禽類のように鋭い眼。何度も死線を潜り抜けた歴戦の武人であることを示す、数多くの傷跡に、眉間に皺を寄せた厳つい顔。野太い首筋に浮き出た喉仏。髪の毛は短髪で男らしい髭を蓄えた、まさに戦士といった風貌。その姿は、奴隷であるダリウスのものであった。
夢ならば覚めてくれ──。そう願いながら、彼は自分のためにあつらえられたローブを着ている男を転がし、その顔を確認した。かくして彼の目に映ったのは、毎日鏡の中で対面していた顔──、ルーカス・ゴールドウィンそのものだった。衝撃で、【ルーカス】の顔をした男が目を覚ます。
「う……っ、この感じ……セーフゾーンに飛ばされたのか?」
男はゴシゴシと目をこすりながら起き上がると、自分を覗き込むようにしていたルーカスの顔を見てギョッとした表情を浮かべた。そんな男のリアクションに、ルーカスは顔を真っ青に染めながら、震える声で呟いた。
「……ダリウスか?」
*
「クソがぁッ!! ふざけやがってぇえ!!」
怒り狂ったルーカスの、野太い怒鳴り声が洞窟内に響き渡る。そのすぐそばにいるのが奴隷の【ジェイ】の姿をした男、ドレイク。そしてそこから距離を少し置いて、【ルーカス】と【ドレイク】の姿をしたダリウスとジェイが立っていた。
「まあまあ。落ち着けよ、ルーカス。身体が入れ替わったのにはびっくりしたが、こんなもん魔法でパパッと解決できるんだろ? お前には無理でも、街に戻れば優秀な魔法使いがわんさかいるんだからよ」
「黙れ、ドレイク! てめえはそんなんだから甘いって言われんだ。この身体で、どうやってこのダンジョンから脱出できる? 全員がA級冒険者の肉体でも、身体に慣れてないこの状態だと、オレたち魔法も使えなきゃあ、剣だってまともに振るえやしねえんだぞ?!」
「それは……っ」
ルーカスの正論に、ドレイクは言葉を詰まらせた。彼の言うことはもっともだ。
「……それに、身体を入れ替える魔法なんて、オレはお伽話でしか聞いたことねえよ。可能性があるとしたら、禁断とされてる黒魔法くらいかもな」
ただでさえ人気のない、だだっ広い空間がシンとなり、水滴の滴る音だけが響く。
一方は、これまで虐げ続けてきた奴隷の身体に。もう一方は、逆らうことなど敵わなかった主人の身体に。両者ともに、嫌悪感を滲ませた表情を浮かべながら、その場に立ち尽くしていた。
「……お二方はお気に召さないとは思いますが、ここから出るだけであれば方法はあると思います」
静寂を打ち破ったのは、ダリウスだった。まずは、今の肉体に慣れること。その手っ取り早い方法として考えられるのは、最も刺激を感じられる行為を試すことだと。そしてそれは──。
「はぁ?! セックスだとっ?!!」
ダリウスが淡々として告げた、驚くべき解決法を耳にしたルーカスとドレイクは大声を上げたあと、顔を見合わせた。
「まさか。まさかだが、入れ替わる前と同じ体位でか? オレたち兄弟はバリタチだぞ?」
「チンポをケツにハメられるなんて、まっぴら御免だ!!」
戦士らしい太い腕を組んでダリウスをねめつけ、口々に罵声を浴びせる兄弟。彼らの侮蔑するような視線を浴びながら、ダリウスはため息をついた。
「……ですが、身体に慣れるにはこれが一番です。少なくとも、今の状態でこのダンジョンから脱出するには、それしかありません」
「クソがッ! なんで俺が奴隷なんかに……っ!」
ルーカスはそう吐き捨てながら、かつての自身の肉体をギロリと睨んだ。その鋭い眼光に射抜かれたダリウスは、ゴクリと息を吞み込む。
「……ああ、もうわかったよ。仕方ない、さっさとヤろうぜ」
先に諦めたように、地面にゴロリと横たわったのはドレイクだった。その肉体は、奴隷である【ジェイ】のもの。二十歳を過ぎたばかりで、漲る筋肉を持つ若い身体だ。ドレイクは身に着けていた装備品をポイポイと外すと、パンツ一丁の姿になる。
「それじゃジェイ、いつも俺がしてるみたいに頼むぜ」
「……はい、承知しました」
ジェイは意を決したように頷くと、筋肉で張り詰めたドレイクの乳房を鷲掴みにし、吸い始めた。口内に広がる汗のしょっぱい味と雄臭い香りに酔いしれながら、夢中になってむしゃぶりつくジェイ。男の分厚い唇に乳首を吸われる感覚は初めてのもので、ドレイクは「ん……っ」と声を漏らし、先走りを滲ませた。
「お、おい……ドレイク、嘘だろ?! 何をしてんだ!」
二人のやり取りを見ていたルーカスが慌てたように叫ぶ。目の前で繰り広げられているのは、かつて自分たちが行ってきた行為だ。見た目こそいつも通り。だがその中身は入れ替わり、立場は真逆で、奴隷のジェイがドレイクの身体を弄んでいる。ジェイを受け入れたようにみえた兄のドレイクも、すぐさま奴隷であるジェイの愛撫を拒むはず──。
そう算段をつけていたルーカスの目に映ったのは、かつての己の舌で舐め回され、恍惚とした表情でチンポを勃起させている兄、ドレイクの姿だった。分厚い筋肉で覆われた体を火照らせ、湯気が出そうな勢いで汗だくになっている。その姿を見て、ルーカスの尻の穴がキュンッと疼いた。相手が男であれ女であれ、これまでは犯すこと──、相手を見下ろし蹂躙することしか考えてこなかった。なのに今のこの、男のチンポの味を知っている【ダリウス】のケツ穴は、その中に太い肉棒を突き入れてもらいたいと、強請るようにヒクついている。
チンポをアナルに突っ込まれて、狂おしくなるほどに掘られたい──。頭の中がその思いで満たされていく。だが、ルーカスの理性とプライドが、その思考を必死に押し留めた。
「俺たちの身体になったからって調子に乗るなよ! てめえらカスは、早く俺らのために脱出先を見つけ──」
「『黙れ』」
正気を保とうと悪態をついていたルーカスの言葉が、ダリウスによって遮られる。そして彼のその命令によって、【ダリウス】の下腹部に刻み込まれた奴隷紋が光を放ち始めた。
「は? 俺は主人だぞ?! なに光ってやがる、このクソ奴隷紋がっ!」
ルーカスはそう怒鳴りつけながら、自分の下腹部をバンッと叩いた。だが、彼の身体に刻まれた奴隷紋の輝きが止むことはない。それどころか、どんどんと光が強くなっていき、やがて思考に自分のモノではない感情が混じり始めた。
(な、なんだ……っ?! くそ! 気色悪い……!!)
肉体に刻まれた奴隷紋が光を放つたびに、その思考に靄がかかっていくのを感じる。彼の中に根付いていたはずのプライドや自尊心が薄れていき、代わりに別の感情で埋め尽くされていく。それは──。
「『俺の命令に従え』」
ダリウスのその声に、ルーカスの脳が震える。彼の一言一句が脳髄に染み渡り、ダリウスが主人だと、そう思い込まされていく。
(くそっ……! ざけんなっ、誰がてめえの命令なんかに……!)
反抗の意思を示せば示すほどに、奴隷紋の輝きが強まり、彼の中に宿る性欲が膨れ上がっていく。チンポをケツ穴にハメてもらいたくて仕方がないという欲望が脳みそを包み込み、支配していく。その感情に逆らうかのようにして、ルーカスはダリウスに向かって吠えた。だがそんな抵抗も虚しく、彼の肉体は勝手に動き始める。犬のように四つん這いになり、勃起して硬くなったダリウスの肉棒に顔を近付け、鼻がその表面を撫でた。
(すん……っ、んぉ゛っ♥ お゛ぉっ?!!)
鼻腔を通り抜ける、むせ返るような濃厚な雄臭。この状況にならなければ、これほどの至近距離で絶対に嗅ぐことはなかったであろう自分のチンポ。その臭いに脳内を侵されたルーカスは、自我が一瞬吹き飛びそうになるほどの衝撃を感じた。チンポの匂いを嗅いだだけ。だと言うのに、下腹部の奴隷紋と【ダリウス】の脳に刻み込まれた記憶が共鳴し合い、まるで発情しているかのように尻穴がヒクついて止まらない。これまで相手を屈服させることでしか快感を得られなかったルーカスにとって、それは未知の経験であった。
(ご主人様ぁ……♥)
無意識の内に動いた彼の舌が、透明の露を垂らすダリウスの亀頭の割れ目に差し込まれた瞬間、ルーカスはそう心の中で口走りながら、ダリウスを『主人』だと認めてしまった。途端に奴隷紋が煌々と輝き、ルーカスの脳内でドプドプと快楽物質が分泌される。主人が愛おしい。主人に仕えたい。主人に命を捧げたい。ありとあらゆる欲望が彼の中を埋め尽くし、奴隷としての忠誠心が植え付けられていく。
「『口を開くことを許す』」
気付けばルーカスはダリウスに背を向け、分厚い両の掌で尻たぶをグッと割り開き、その奥でヒクヒクと蠢いているアナルを見せつけると、【主人】に向かって懇願を始めていた。
「お……、俺のケツマンコにチンポをぶち込んでっ……! あっひぃぃ♥♥ ……いえ、奴隷である私めのケツマンコを、ご主人様のおチンポで犯してくださいぃッ!!」
***
さきほどまで、自分のことをありとあらゆる手段で虐げてきた主人のルーカス。そんな彼が、今は自分の前で媚びを売り、チンポを恵んでもらおうと懇願している。これまでとは全く逆の立場になったことを認識したダリウスは、ゾクゾクとした背徳感に興奮を覚えていた。
目に映るのはかつての自分の肉体。愛おしさが込み上げてくる反面、その肉体に宿ったルーカスの魂をめちゃくちゃになるまで犯し抜きたい。そんな欲望が、ダリウスの肉体を熱く火照らせる。勃起した時のチンポの感覚が以前とは違うものの、それが【ルーカス】の肉体をいま自分が操っているのだと実感させてくれる。
ダリウスはルーカスの望み通り、四つん這いの彼の尻穴にその肉棒をあてがった。チンポの熱を感じたルーカスが、ビクンと肩を震わせる。ガバガバに広がるまで幾度も幾度も犯されては、回復魔法で窄まった状態に戻され、また犯されるという地獄の日々を過ごしていたアナルが、雄チンポを待ちわびるかのようにクパクパと収縮を繰り返している。
「それじゃ、入れるぞ……【ダリウス】♥」
「はいぃ♥」
主人と奴隷の立場が逆転した状態でする、かつて肉体を入れ替える前までは当たり前だったはずの挨拶。そんなことにすら口の端を歪ませながら、ダリウスはきつく閉じたルーカスの肛門を押し広げ、膨れ上がった自身の亀頭を差し込んだ。でこぼこの直腸が、熱く脈動する男根によって埋め尽くされる。欠けていたパズルのピースがはまったかのように、チンポがケツマンコにフィットする感覚。この十年近く、犯されることばかりだったダリウスにとって、久しぶりの経験だ。なのに身体はその味をしっかりと覚えていて、肉棒の表面からジワジワと伝わってくる快感が、背筋を駆け上ってくるのを感じる。
「ん゛ぉッ♥ おお゛っ! ふぬぅう゛……ッ♥♥」
ルーカスの口から、男らしい太い喘ぎ声が漏れる。ダリウスは【ルーカス】の脳裏に刻まれた記憶を頼りに、かつての自分が気持ち良いと感じていたであろう場所を、重点的に責めた。チンポで擦るたびに、彼の直腸がうねうねと蠢き、ダリウスの肉棒を柔らかく締め付けてくる。
「どうだ? 【ダリウス】……、気持ちいいだろう?」
「はいぃ、ご主人様ぁ♥」
地面に這いつくばったルーカスが振り返り、ダリウスと視線を交錯させる。そこにはあの傲慢な性格を顔に滲ませた男の姿はなく、かつてないほどの快感に溺れ、恍惚とした表情を浮かべる【ダリウス】がいた。その口元は緩みきっており、唇から垂れる唾液を気に掛ける余裕もないようである。
「俺のチンポがもっと欲しいか、【ダリウス】?」
「はいぃ♥ 欲しいですっ♥」
【主人】の言葉に、【奴隷】が即答する。彼らの横ではジェイとドレイクも同じやり取りをしており、奴隷の姿になったドレイクが、服従した犬のように腹を無防備に見せたまま主人であるジェイのことを上目遣いで窺っている。その股間では肉棒がガチガチに勃起し、先からドロリとした蜜を垂らしている。
「【ドレイク】様ぁ♥ 俺のケツマンコをめちゃくちゃに犯してくださいっ♥」
彼らの願い通り、【主人】たちは【奴隷】たちを犯し始める。ルーカスとドレイクはアナルにチンポをハメられ、トロ顔を晒して悦んだ。全員が全員、体を重ねるたびに肉体と精神が馴染んでいく。おそらくこの状態で全員が射精すれば、四人ともが肉体が入れ替わる前の能力を発揮できるようになるだろう。そう考えた瞬間、ダリウスは閃いた。奴隷という身分から抜け出す方法を。それは『主人に成り代わる』こと──。
「ルーカス様、ドレイク様。あなた方の協力のおかげで、我々四人の精神はそれぞれの肉体にほぼ馴染むことができました。おそらくこの状態化で射精すれば、元の能力を十分に発揮できるようになるでしょう」
「そうですね、ご主人様……。じゃねえ、ダリウスぅ! 【お前】の記憶のせいで、頭の中が変なんだ……。このままじゃあ、俺が【俺】じゃなくなっちまいそうだ! 早くこのダンジョンから出ねえと……」
ダリウスの言葉に危機感を感じ、どうにか正気を取り戻したルーカス。だがそんな彼の苦痛に歪んだ表情を、愉悦に染まった笑みを浮かべたダリウスが一蹴する。
「ご安心ください、ルーカス様。こうすれば、お前たちが不安に苛まれることはなくなるからな♥」
「はっ……?」
ポカンと口を開けるルーカス。そんな彼の尻の穴にチンポを挿入したまま、ダリウスは魔法の杖を振りかざした。すでにダリウスの脳内には、【ルーカス】が習得してきた魔法のすべてが宿っている。杖が動いたあとのその軌跡をルーカスが目で追うと、そこに刻まれていたのは『記憶消去』の魔法だった。
「ぐッ、なにしやがるっ! やめろぉ、ダリウスッ!!」
ルーカスはそれに気付き、身をよじって逃げようとする。『記憶消去』の魔法は基本的には、A級冒険者の肉体を持った彼らであれば、容易に抵抗することが可能だ。しかし、例えば魅了の魔法をかけられていた場合、もしくは極度の快感の真っ只中にある場合など、精神が乱れている場合であれば話は変わってくる。そしてそれらの条件を今、ルーカスとドレイクは満たしている。セックスによって引き起こされる射精。絶頂を迎えれば、確実に『記憶消去』の魔法には抵抗できない。そうなれば、ルーカスとドレイクは己の記憶を失くし、奴隷である【ダリウス】、【ジェイ】として生きていくことになる。
「や、やめろっ! 俺たちはてめえらの奴隷なんかじゃねえ! ここから脱出すれば、きっと元の身体に戻れるはずなんだっ……!」
ダリウスの掲げていた杖が振り下ろされた瞬間、これまで以上に強い光が、ルーカスとドレイクの腹に刻まれた奴隷紋から発せられる。その輝きに視界を包まれながら、ルーカスとドレイクは震える声で懇願した。
「嫌だぁっ! ダリウス様ッ、ジェイ様ァ……誰かっ……、俺を、俺たちを助けてく゛れぇえええ!!」
だが二人の懇願もむなしく、彼らの意識は股間の快感によってぼやけていく。どれだけ抗おうとしても、チンポを挿入される心地よさを覚えた肉体は、その硬くなった男の象徴を放そうとしない。脳が蕩ける。数時間前までは、男に犯されたことなどなかったというのに、今はもう男のチンポなしでは生きられない。アナルを抉られるたびに、【主人】に対する服従心が植え付けられていく。
「やだっ♥ ああっ♥ やめろぉお! 俺のっ、記憶を消すなぁあ゛ッ!!!」
男らしくない野太い声を上げるルーカスの眼前に、『記憶消去』の魔法陣が浮かんでいる。まるで催眠術にでもかけられたかのようにそれを凝視する彼の脳内では、【ルーカス・ゴールドウィン】としての記憶が少しずつ失われ、朧げになっていく。
そして、それはドレイクも同じだった。『記憶消去』の魔法陣を睨み付けるその瞳には、もはや色が宿ってはいない。恐らく、かつての自分の肉体に犯されることによる快感の虜となっているのだろう。
そんな二人を見比べながら、ダリウスはジェイに目配せすると、股間に力を込めた。絶頂を迎えたら最後、『記憶消去』の魔法は確実に彼らの脳を犯し、彼らを奴隷として作り変えるだろう。
「お゛っ♥ それじゃあ、あんた方の身分は俺らが貰いますよ。さようなら、ルーカス様、ドレイク様♥」
そう言ってにっこりと笑った瞬間、ダリウスのチンポが大きく脈打ち、ルーカスの腸内に大量の精液を吐き出した。硬くなった亀頭の先端で前立腺をゴリゴリと押し潰しながら、直腸に白濁液を注入していく。
「ぐぉおっ!! お゛っ♥ やべろっ! 中に出すなぁあ゛ッ♥♥」
ルーカスが叫ぶと同時に、ジェイの肉棒からも精液が迸り、ドレイクの尻穴の中へとドプドプと流し込まれる。ゴールドウィン兄弟、二人の肉体はビクビクと震え上がり、アナルをギュウッと収縮させた。そして『記憶消去』の魔法が発動し、彼らの頭の中に靄がかかっていく。記憶がひとつまたひとつと消えていくたびに、脳が蕩ける。その感覚が、彼らにとってはたまらない心地よさだった。
「あああ゛ぁっ!! 消えちまうっ、俺の……俺の記憶がぁあッ♥♥」
絶望と快感の入り混じった表情を浮かべながら、これまでにないほどにチンポを勃起させたルーカスにドレイク。いやだいやだと泣き喚きながらも、彼らはチンポから精液をドクドクと垂れ流して悦んだ。そして最後の一欠片の記憶を消し終えた瞬間、彼らは奴隷へと堕ちていった。
尻の穴奥深くまでチンポを挿入していたダリウスとジェイは、小さく呻きながらそれを引き抜いた。かつての自分の肉体を徹底的に犯したという倒錯的な状況。主人の身分を奪い取り、彼らへと成り代わったという勝利の快感が、二人の股間を再び硬くしていく。
「あ゛っ♥ んひっ……、ダリウスさん……最高でしたよ……♥」
「あぁ、ジェイ。俺も気持ち良かったぞ♥ これから俺たちは、兄弟として生きていくんだ──、【ドレイク】♥」
【ドレイク】と【ルーカス】、ゴールドウィン兄弟となった二人は引きつけられたように寄り添うと、口づけを交わして舌を絡めるのだった。
(了)