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 俺の名前は、荒岩龍造(あらいわりゅうぞう)。しがない、土木作業員だ。だが、そんな俺みたいな冴えない人間でも、とある世界ではちょっとした人気者になれたりもするんだ。俺はスマホのSNSのアプリをタップして、自分のページを開いてみた。


「えっと……、『その作業着、ガチムチの龍造さんに似合ってるっす!』『龍ちゃん、今日もお仕事頑張ってね!』か……。ムフフ……」


 そう! 何を隠そうこの俺こそが、最近巷で大人気急上昇中の土方系アイドルなのだ!! いや、アイドルというのは言いすぎかもしれん。こつこつと下積み(?)生活を続けてきて、ようやくここまで来れたって感じだからなぁ。だけどまあ、こんな俺にもファンが付いてくれているっていうだけで、もう十分すぎるほどに幸せだ。


 SNSを始めたのは、二年前のこと。土方仲間が自慢してきたのがきっかけだった。俺みたいな筋肉自慢のおっさんからすれば、チビで貧相な体つきの乳臭いガキだ。そんなやつの、自撮り写真を上げたアカウントのフォロワー数が、一万超えただとかなんとか。へっ! こんなガキが一万超えるんなら、俺がやれば百万超えちまうぜっ!! 酔っ払った俺は勢いで、撮った自分の写真をSNSに上げてやった。さあ、何万人が俺をフォローしやがるんだ?


 次の日、俺は打ちのめされていた。フォロワーはたったの三人だけ。クソッ! 世の中、舐めてんじゃねえぞコラァ!! 俺は酒をかっくらうと、怒りに任せてスマホを枕に投げつけた。こんなクソアプリ、二度と開いてやるかってんだ! だが俺は翌日、再びそのアプリを開いていた。


「おっ?! おおぉっ!」


 フォロワー数は百人を超え、なんとコメントまで書き込まれているじゃあねえか。


「『カッコイイっすね、アニキ。憧れるっす!』だと? へっ、気色悪ぃ! 野郎に褒められても、嬉しくねえんだっつーの」


 そんな言葉を口から吐き捨てながらも、俺はニタニタとした笑みを浮かべていた。頭の中では脳内麻薬がドプドプと出たみたいに気持ち良くなって、もうどうしようもないくらいになっちまってたんだ。

 それからというもの、俺はすっかりSNSにはまっていた。仕事の合間に、休憩時間に、夜寝る前に、朝起きたときに、暇さえあれば俺はスマホを手にしていた。


「『龍ちゃん、大好きだよ。いつもみたいに、龍ちゃんのかっこいい写真が見たいな』か……。ったくよぉ、女どもはこれだからチョロくて助かるぜぇ~」


 俺はタンクトップとケツワレを脱ぎ捨てると、ポージングを決めてカメラに向かって笑いかけた。


「へへっ! これでまた、フォロワーが増えちまうなあ!」


 想像するだけで、俺のズル剥けのチンポが鎌首をもたげちまう。しかし、最初はこんなんじゃなかった。二の腕とか太腿とかの写真をアップするだけだったんだ。それがいつの間にか、目のところにモザイクかけた写真を上げるようになって、ついには顔出しでチンポ丸出しの写真を撮るようになった。


 俺は、どうしようもなくフォロワー数というやつに、踊らされちまっていたんだ。雄っぱいフェチとかいうやつには、パンプアップさせまくってムキムキになった胸筋を見せつけ、足フェチの野郎どもには、作業で泥まみれになっためちゃくちゃ汚い靴下を履いた足を晒してやった。黄ばんだパンツを見てえって言われれば、ガキみたいに小便漏らしたケツワレを履いて、チンポをおっ勃てた。そのたびにフォロワー数が爆上がりしていく。承認欲求で満たされまくった俺は、喜びのあまり勃起し続けた。


 とうとう俺は素っ裸になって、写真を撮るようになっちまっていた。カメラを目の前にすると、自然とチンポが反応しちまう。あのレンズの向こうで、大勢のフォロワーたちが俺の痴態を見ていると思うだけで、興奮しすぎて頭がおかしくなりそうだった。そして、いよいよ我慢できなくなった俺は、チンポを扱く写真をアップした。ケツ穴弄りの写真もだ。そうやって、どんどんエスカレートしていった結果──、とんでもない反響があったんだ。


「『エロいっす』『もっと見せてください』だと?! がっはっは!! やっぱり、そうだと思ったぜえ!!」


 興奮した俺は、全裸のままベッドの上で転がり回った。嬉しくて嬉しくて、チンポから先走り汁がダラダラ流れ出して止まらなかった。さっきまで、アナルオナニー動画を撮っていたせいで、ケツには極太のディルドがブッ刺さっている。それを激しく抜き差ししながら、俺はザーメンをぶっ放した。


「ああ゛ぁぁっ! イ゙クゥッ!!!」


 ガッチガチに硬く反り返ったチンポが、暴れ馬みたいに跳ね回り、シーツを濡らしながら俺の顔にまで雄汁が飛び散った。


「あぁ……、うひひ……。なんて、気持ち良いんだ……」


 もう俺はフォロワー数のことしか、考えられなくなっていた。


 気が付けば、フォロワー数アップに最も効果があるとかいう謳い文句の、【肉体貸し出し機能】というのにオーケーサインを出していた。フォロワーの中から選ばれたやつが、俺の体に憑依して好き勝手に使えちまうってやつだ。

 その瞬間から、フォロワー数のカウンターは止まらなくなった。二万、三万、四万……。鰻登りもいいとこだ。そして、俺の体は休みなく、俺みたいなガチムチ土方が好きな野郎どもたちに貸し出され続けることになってしまった。


「これが『龍ちゃん』の体かぁ……! スゲェ筋肉だなあ! チンポもでけぇし、ケツもトロマンで最高じゃねえかっ!」


 今日もまた一人、俺の体を借りた男が、俺の体を堪能している。俺の体は今日一日、完全にそいつの物だ。俺の脳味噌を使って、俺の口で俺みたいに喋り、俺の足を使って歩き、俺の手で男のケツマンを解して、俺のチンポを男の穴の中にブチ込むんだ。

 勝手に自分の体を使って、男のケツにチンポ入れられるなんて気持ち悪ぃって昔の俺なら言ってただろうな。だけど、今の俺は違う。俺のことが──、俺のこのエロい体のことが大好きなフォロワーが、俺の体で俺の振りをして、気持ち良くなっている姿を見ているだけで、俺は興奮を抑えきれなくなる。ドーパミンがドバドバ出てきちまって、頭が真っ白になっちまうんだ。


「ぬお゙っ、イクッ! イグゥッ!!」


 俺の体に憑依したやつはケツを振りながら、野太い喘ぎ声を上げて盛大に射精した。同時に、俺も頭ン中でイッちまった。ケツの中で何かが弾ける感覚が伝わってくる。たまらねえっ! チンポ突っ込むだけじゃなく、チンポはめられてアヘアヘ言いながらケツイキするなんて、すげえ変態だよなあ! そんなハメ撮りした動画なんかも、俺の体を使ったやつらが俺のアカウントでSNSにアップしていく。何十、何百という、俺が野郎どもを犯している姿が、そして野郎どもに犯されている姿が全世界に広まっていった。


 フォロワー数は、十万を超えていた。もはや数え切れねえほどの男たちが、俺の体を使っている。俺が俺の体を自分で使っている時間よりも、別の誰かが俺の体を使っている時間のほうが圧倒的に長くなっちまっている。だが、そんなことはどうでもいい。俺はもうフォロワーが増えていくことと、チンポで気持ち良くなること以外、何も考えられねえんだからな。十五万、二十万、ますます俺のセックス動画を見たやつらが、俺のチンポの虜になっていく。


(がっはっはっは!! もっと見てくれよぉっ! 俺のエロイ姿を見ろっ! もっと俺をオカズにしてシコってくれえっ!! それで俺のフォロワーになってくれ! 俺のフォロワーにぃ……)


 しかし、そんな夢のような日々は、突然終わりを告げた。アカウントが凍結されちまったんだ。あまりにも激しいセックス動画を上げすぎたせいで、運営側に目を付けられちまったらしい。最悪なことに、凍結されたとき俺の体は憑依された状態だった。SNSアプリと連携していた【肉体貸し出し機能】は、突然アカウントを凍結された影響でぶっ壊れちまって、俺の体は憑依したやつに乗っ取られたまま、自分の意志では永遠に動かせなくなった。


「うおお、すげえラッキーだぜぇ! 『龍ちゃん』の体、俺が一生使っていっていいのかよ! ぐへへ、今日から俺が『荒岩龍造』だぁ……。でっけえチンポ、毎日使いまくってやるからなぁ♥♥♥」


 俺は鏡の前でぐにゅぐにゅと雄っぱいを揉みながら、ナルシストみてえに笑っている。床に固定させた極太ディルドの上に立つと、そのままゆっくりとケツを落としていった。野郎どもとの度重なるセックスでガバガバマンコになった俺の中に、ニュルニュルとイヤらしい音を立てながら、ぶっといチンポの張形が飲み込まれていく。


「んほお゛ッ!! きたあ゛ッ!! 『龍ちゃん』の──、俺様の新しい体、最高だぜぇッ♥♥♥」


 乳首をつねりながら、俺は下品な濁声で叫んだ。気持ち良くて硬くなったチンポはブルンブルンと揺れながら、汁を飛び散らせて床に溜まりを作っている。


「俺の体になったからには、もうSNSなんて絶対にやらねえぜ! この体は俺のモノ、俺だけのモノなんだからなぁ!! あ゛ぁぁッ、イクイクイッグゥ~~♥♥♥」


 金玉がギュッと縮んで、信じられないくらいのザーメンがドバドバと飛び出した。気持ち良くて気持ち良くて、勃起したチンポがビクビクと痙攣しっぱなしだった。でも違うんだ。俺が本当に気持ち良くなれるのは、俺が本当に欲しいのは──。


(頼むぅ……。俺の体でSNSをやってくれぇっ! 俺が欲しいのはフォロワーなんだ!! フォロワーを、フォロワーを俺のために増やしてくれぇ……!)


(了)

Comments

黒竜Leo

ちょっとホラー気味のエロ物語は好きです!

ムチユキ

やっぱり、これホラーですよね? 笑 好きって言ってもらえて、安心しました!

黒竜Leo

普通に考えると、自分の体に閉じ込められたのようでやばいなと思ってますが、脳みそがOOしかないならたぶん気付きませんだね。 でもあれも幸せの一つかも?

Anonymous

SNSの過度な使用に反省を笑。フォロワーさんに踊らされるって読んだ時なんだか悲しくなりました。

ムチユキ

あくまでフォロワーの【数】によって踊らされていただけなので、フォロワーの人たちは何も悪くないんですよ 体に憑依してエッチなことをするのは、悪いですけども 笑