異世界転生 ~転生特典【コンドーム作成】で、奴隷から成り上がれ~ (Pixiv Fanbox)
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──ゴツン!
悪路を走る、奴隷を乗せた馬車。その馬車の車輪が石ころを踏んでしまったのか、車体が大きく跳ねた。荷台に乗っていた少年──マルクは、その反動でバランスを崩し、幌の骨組みに頭を強く打ち付けてしまった。
「……いてて」
マルクが後頭部を押さえながら起き上がろうとした瞬間、彼の脳裏に前世の記憶が洪水のように流れ込んできた。彼は理解した。かつての自分は死に至り、この世界に転生した存在だったのだと。
(異世界に転生したってのに、奴隷になるって酷くないか? どうせなら、金持ちでガチムチのイケオジが親父の家の子に、転生させてくれたら良かったのに……)
彼は前世ではゲイで、屈強な肉体の中年男性が好みだった。そんな彼が転生したのは、貧困に喘ぐ村に住む農家の家に生まれた赤子であった。母親は彼が幼少期に病死しており、父親は酒浸りの上、暴力を振るうようなイカれた男だった。そして彼は酒代を求める父親に、奴隷として商人に売り飛ばされてしまったのである。
母親に似たマルクは、女の子と見紛うほどに可愛らしい顔立ちをしていたため、なかなかの金額で取引された。その結果、現在──彼は美少年の子供たちを好む貴族の元へと運ばれている最中だった。
美少年になった自分が、貴族たちに犯されるところをマルクは想像してみる。それはそれで悪くないな、と思い直してしまいそうになるあたり、彼は立派な変態であると言えた。豚のように腹が膨らみ、顔を脂ぎらせた貴族に尻を掘られる美少年。自分はショタコンではないし、好みのシチュエーションでもないが、なかなかグッとくるものがある。
(でも掘られるなら、できれば渋くてマッチョなおじさんが良いよなぁ……。さすがに豚にずっとヤられる生活はキツイよな。いや、もしも好みの男が相手だったとしても、奴隷扱いだとやっぱり生きていくの無理かも)
なんとも能天気なことを考えていた彼だが、ふとこの世界で最も重要なことを思い出した。この世界には魔法とスキルという、夢のような一発逆転の力があるということを。
「んんんーー!! ステータスオープン!」
マルクは期待を込めて、ステータス画面を呼び出した。しかし、そこに表示されていた数字を見て、思わず落胆の声を上げてしまう。
「えぇー!? 何だよこれ……」
彼の現在のレベルは1で、値はどれも一桁台。まともな教育を受けていないため、ステータスに関する知識は無いが、どう見てもゴミステだということはわかった。
「僕の第二の人生終わった……」
涙目で呟きながら、スキル欄を確認する。そこには【魅了 LV.MAX】という文字があった。
「おおっ! これは……使えるんじゃないか?」
もし仮に、この世界の人間全員が自分に惚れたら? もしかすると、ここから大逆転できるかもしれない。豚貴族に金を払わせて、奴隷の身分から解放してもらうことも可能だろう。それどころか、そのままのし上がっていくことも不可能ではないかもしれない。
そんな未来を空想しながら、美しい顔をニヤニヤと歪ませていた少年は、ふと魅了スキルの表示の下が黒く塗り潰されているのに気付いた。目を凝らしたことで、突然浮き出て見えたもの。それは【転生特典 コンドーム作成】と記された文字だった。
「はあぁ? コンドーム作成ぃ……?」
もしこの世界にまだ避妊具が無いのであれば、画期的なスキルなのかもしれない。だが果たして、それが転生などという超常現象を起こした神様からの贈り物として相応しいだろうか? 疑問を抱きながらも、マルクは藁にもすがる思いでそのスキルを発動させた。
「……コンドー……ム……作成」
そう口にした瞬間、手の中に小さな箱のようなものが現れた。前世ではついぞ使用することのなかった、コンビニや薬局でもよく見た、あの箱に酷似した物体。ご丁寧にも、箱の表面にはゴムの薄さまで記されている。
「マジか……ホントに出てきたよ……。ん? なんだこれ」
マルクが手の中の箱に見入っていると、箱の上にアイテム説明の表示画面が現れた。
【コンドーム(黒):これを使用した二人の肉体は、射精とともに入れ替わる】
「はあっ!? に、肉体が入れ替わる? 意味わかんねぇ! なんだよ、これ!!」
偶然にも、その言葉と同時に馬車が急停車する。慌てたマルクが取り落とした箱は、荷台の入り口付近まで滑っていき、それを拾い上げた護衛隊長のバルドが、興味深げに手にとって観察し始めた。そして何か思うところでもあったのか、彼はマルクに声をかけた。
「おい、貴様何をしていたんだ? さっきまで落ち込んでいたと思ったら、急に叫びだして……。それにこの箱は何なんだ?」
「あああ~!! それは大事なものなんです、返してください!」
マルクは手を伸ばしたが間に合わず、箱は奪われてしまった。バルドは彼を無視してそれをじっくり眺めていたが、道具袋の中へとそれをしまうと、護衛兵に声をかけた。
「今日はここで野営に入るぞ。準備を始めろ」
命じられた護衛兵たちは、その場で野営の準備を始めた。焚き火を起こし、食料を用意する彼らの様子を横目に見ながら、マルクは先ほどの画面を思い出していた。転生特典であるコンドーム作成。
(せっかく作ったのに、取られちまった。もうちょっと確かめたかったのに……)
落ち込む彼を尻目に、護衛兵たちは馬車の周囲にテントを張り、寝床を作り終えると交代で眠りにつき始めた。マルクはわずかばかりの食料を胃に流し込むと、夜空を見上げながら考えた。コンドームは盗られてしまった。しかしもし今、もう一つのスキルを使えばどうなるだろう──。
「……試してみる価値はあるかな」
この世界で、自分が生きていくための希望が見えた気がして、マルクは少しだけ心が軽くなった。
馬車から抜け出すと、地面に足を下ろした。逃げ出さないようにするためか、足には何も履かされていないせいで、ひんやりとした土の感触が全身に伝わってくる。月明かりに照らされた草木が風に揺れる音を聞き、心地よさを感じていると背後から人の足音が聞こえてきた。振り向くと、そこには肩をいからせた屈強な体躯のバルドが立っていた。
(やべっ!)
見つかったことで一瞬身構えるが、相手が武器を持っていないことに気付き、ホッと胸を撫で下ろす。だがそれも束の間のことだった。彼が無造作に腕を振りかぶるのを見たマルクの顔からは血の気が引いた。
(こ、殺されるっ)
恐怖から目を閉じた瞬間、彼の体はバルドに抱きすくめられた。
「なっ……えっ?」
「……どこへ行くつもりだ?」
耳元で囁かれた声は優しげだったが、どこか威圧的な響きも持ち合わせている。マルクはビクリと体を震わせると、おずおずと答えた。
「えっと、星が綺麗だったんで……ちょっと散歩しようかなって思って? ハハハ……」
「ほう……こんな時間にか?」
「す、すみません……」
マルクは手足を拘束されていた。だから彼の一時しのぎの言い訳は、バルドにとっては失笑ものだろう。だが、彼はそんな言葉を笑いもせずに、熱い吐息を漏らしただけだった。
彼の股間がマルクの肌に触れる。ズボンは頑丈な厚手の素材で作られているにもかかわらず、彼の股間は大きく盛り上がり、ヒクヒクと動いているのがありありとわかる。
大きく頑強な肉体。年の頃は三十代前半といったところ。野盗と言われても信じられる強面に、どんな相手でも射すくめてしまいそうな鋭い目。だが、マルクを見つめるそのまなじりはだらしなく緩み、顔は紅潮して鼻息も荒い。魅了のスキルが彼に効いているのだ。マルクは確かな手応えを感じていた。
「隊長さん、僕のこと好きですか?」
「ああ、好きだとも。お前のことが愛しくて仕方がない」
「僕と……エッチしたいって思います?」
「……当然だ。早くお前を抱きたい」
「そうですか。じゃあ、さっき僕から盗ったコンドームを着けてください。あれは、男同士でセックスしても性病にかかるのを防ぐアイテムなんです」
「何だと? 本当なのかそれは!」
バルドは興奮した様子で、マルクの手を握ると顔を近付けた。ボディビルダーほどとまではいかないが、ガチムチの彼の肉体は相当に鍛え抜かれたもので、精悍な顔もなかなかに悪くない。あまりの距離の近さに、思わずマルクの頬が熱くなる。
彼によるとこの世界では、性病は教会での治癒魔法でしか回復が見込めず、かなりのお布施が必要になるらしい。
「ええ、着ければわかりますよ。着け方を教えてあげましょうか?」
「頼む。ぜひ教えてくれ!」
あっさりと返してくれた箱から真っ黒なコンドームを取り出すと、マルクはバルドが露わにした非凡な大きさである肉棒にスルスルとはめていった。
「お、おぉ! 竿を覆うこんな薄い膜が存在するとは……。それになんだかこの見た目、エロく見えて興奮してしまうな」
「でしょ? これを着ければ、生の粘膜同士が触れ合わなくて済むんですよ。どうです、これでお互い安全に気持ちよくなれますね。でも、その前に……」
マルクはコンドームに覆われた彼の肉棒を口に含むと、ゆっくりと舌を這わせ始めた。バルドは歓喜の声を上げると、マルクの頭を両手で掴んだ。
「おおぉ、いいぞ……。なんてことだ、生でしゃぶられているのとまったく変わりがない。くっ、凄い……な、これはっ!」
コンドーム越しに感じる口内の感触にうっとりとした表情を浮かべながら、バルドは腰を動かし始める。
「んふっ……んぅ、じゅる、はぁ……」
最初は優しく、徐々に激しくなっていく。亀頭の先端まで引き抜かれると喉奥に押し込まれ、そのまま前後に動かされる。苦しさと、嘔吐感が込み上げてくるものの、マルクはそれを堪えた。そして再び引き抜くと、今度は根元から先端に向かって裏筋に吸い付き、舐め上げる。
「お゛ほッ! いい゛っ、いいぞぉっ。もっとしてくれぇ」
マルクは言われた通りにフェラチオを続けたが、彼が絶頂に達する前に頬張るのを止めると、己の尻の穴を彼のイチモツの前へと差し出した。魅了のスキルに陥落した彼は、すでにマルクの虜だった。
「もう我慢できんっ、挿入れるぞぉっ!」
バルドは自分の指で尻穴を広げる少年の中に、いきり立ったペニスを押し込んでいった。太く大きなものが腸内を満たしていく圧迫感。マルクの顔が苦悶に染まる。優しい愛撫などこれまで経験のなかったバルドだが、彼の苦しそうな表情を見ていると胸が締め付けられるような感覚に襲われる。それと同時に彼への愛おしさが、腹の奥底から湧き出てくる。
少年の唇を奪いキスをすると、さらに腰を突き出しゆっくりと最深部にまで突き入れる。マルクの体がビクンと跳ね上がり、声にならない悲鳴を上げた。少年の小さな体はバルドの大きな体に覆い隠され、まるで巨人と小人が交わっているかのような姿になっている。バルドはマルクの細い体を抱え込むと、彼の体が壊れないよう優しくピストン運動を始めた。これまでにも幾度となく、女性と肉体を交えてきた。だが、今日ほど感じたことはない。相手をこれだけ気遣ったこともだ。
それほどまでにこの少年は魅力に満ちていた。魅了のスキルにかかっていることなど気付かない彼は、自分の気持ちを正直に伝える。
「はあっ、ああ゛、お前は可愛い、可愛いぞぉ! これまで会ってきた、どの女よりも……、お前が一番だっ!」
そう言うと、彼の奥深くまで挿し込んだところで、その大きな体を震わせて精を放った。真っ黒なコンドームの中身が、熱い精液で一気に満たされていく。その衝撃と熱量を感じながら、少年も絶頂に達した。幼いペニスから放たれる、わずかな精液。それはマルクにとっては、初めての射精──精通だった。
射精した二人は地面に倒れ伏し、同時に気を失った。二人の動きが止まり、荒い呼吸だけが辺りを支配する。やがてバルドの肉棒は萎え、マルクの体内からズルリと押し出された。装着したコンドームには、たっぷりと子種汁が溜まっていた。
*
しばらくして目を覚ましたバルドは、頭をブンブンと横に振ると自身の肉体を観察し始めた。マメが潰れて硬くなった大きな両の掌。毎日のように剣を振って鍛え上げた、丸太のように太い手足。盛り上がった胸板に、割れた腹筋。それらは全て、彼には見慣れたもののはずだったが、今の【彼】にとっては新鮮に見えるものだった。
「肉体を入れ替えるコンドーム。本物だったんだ……」
自分の口から出た、低く男らしい声に胸が高鳴る。己のモノになった体を撫で回すことで、肉体が入れ替わったことをいやが上にも実感してしまい、その興奮のあまり、新しく手に入れたイチモツが勃起してしまう。横を見ると、そこにはぽっかりと口を開けた少年の穴があった。
(こんなデカイのが、僕の中に入ったのか……)
その大きさと太さに驚きつつ、好奇心を抑えられないといった様子で手を伸ばすと優しく撫でてみる。薄いゴムに包まれたそれは、暖かく脈打っていた。触れるとその熱が掌に伝わり、身震いするほどの心地よさを感じて、思わず笑みを浮かべてしまう。
なみなみと雄汁をはらんだゴムを外すと、バルドはその精液に塗れた肉茎を握り締めて、上下に擦り始めた。ヌチュヌチュと湿った音が、焚き火の爆ぜる音と、虫の音以外聞こえない静かな闇夜に響き渡る。
「くっ……あぁ、すげぇ……。こんな凄い快感、味わったことがないぞ……♥」
恍惚とした表情で、硬くなった肉の幹に骨太の指を這わせる。前世の記憶を取り戻したのは先ほどのこと。だが、マルクとして生きてきた記憶も持ち合わせているため、自慰行為をしたという記憶がかなり以前のように感じられる。それ故に、その興奮度たるや計り知れないものがあった。おまけにバルドの肉体へと入れ替わって、初めてとなるマスターベーションだ。その新しく手にしたモノを扱く度に、脳髄が痺れるほどの快楽が全身を駆け巡る。
「んぐぅッ、はぁっ、イイ゛ッ、いいぞッ♥ 最高の具合だっ♥ 護衛隊長の──俺の新しい体に、新しいチンポっ♥♥」
バルドは己の欲望を満たすべく、一心不乱に握った手を動かし続ける。その度に溢れ出る大量のカウパーによって、彼の右手は瞬く間に濡れそぼっていった。
そして、その時が訪れたのはすぐだった。これまで経験してきたどの瞬間よりも大きな絶頂感。腰がガクンガクンと跳ね上がり、二つの大きな玉が持ち上がると亀頭の先が口を開く。鈴口から勢いよく吐き出された、濃厚な白濁のマグマが地面へと撒き散らされ、周囲の土を巻き上げていった。二度目の射精にもかかわらず、その量は先ほどの倍近くもあった。
かつてないほどのオーガズムの余韻に、バルドは荒い息を吐きながら、その屈強な体躯を震わせた。鈴口から残り汁を垂らしながらビクビクと痙攣を続ける肉棒。血流がドクンドクンと脈打つ度に、脳の神経回路が繋がっていくような感覚。それに加え、彼の肉体が体験してきた記憶が呼び起こされていく。
バルドはゆっくりと立ち上がると、大きく深呼吸し精神を集中させた。肉体が違和感なく馴染んでいく感覚を覚えながら、足元で意識を失ったままの少年を見下ろす。脳内に刻み込まれた護衛隊長バルドとしての記憶は、自在に引き出せるようになった。先ほどの少年との性行為の記憶までもだ。マルクの姿を見ていると、再び股間が膨らんでくるのを感じる。
彼はその場にしゃがみ込むと、マルクの小さな穴に再びいきり立ったペニスを、生のまま挿入していった。
*
「隊長、あのガキとヤッてきたんですか?」
部下の一人が、人差し指と親指で作った丸の中に、もう一方の人差し指を出し入れする仕草をしながら訊ねてくる。バルドは苦笑いすると、股間を擦りながら答えた。
「ああ、なかなか良い具合だったぞ」
「どうでした? ガキの体ってやつは、柔らかくてスベスベして気持ち良かったでしょう? オレらだってヤリたいっすよぉ~」
見張りで起きていた護衛兵たちは、そうだそうだと笑い声を上げる。それを聞いたバルドは、ニヤリと笑みを浮かべるとこう言った。
「これからあの小僧は、貴族様の相手をしないといけなくなるんだ。教育のために、今夜は全員であいつを可愛がってやるといい」
「えぇーっ!? マジすか隊長!! おい、聞いたかみんな! 今夜のお楽しみができたぜ!」
下卑た笑みを浮かべながら盛り上がる男たち。順番を争って殴り合いを始める者までいる始末だ。その様子を見たバルドは呆れた表情を浮かべつつも、心の中ではゾクゾクとした悦びを感じていた。
(さっきまでの【僕】の体が、あいつらに犯されて……。はぁっ、考えただけで堪らんっ♥)
バルドはその光景を想像し、鼻の下を伸ばしながら熱い吐息を漏らした。見た目は少年だが、その中に宿っている魂はこの肉体の本当の持ち主──護衛隊長だったモノなのだ。強い肉体とはかけ離れた少年へと姿を変えられ、慕われていた部下たちに代わる代わる犯される。そんな倒錯的なシチュエーションに、ついつい彼は興奮してしまう。
「うっ……あぁ……。ダメだ、想像したらまた勃ってきちまった……」
彼は股間の膨らみに手を伸ばすと、ズボン越しに優しく撫で回した。たったそれだけの刺激なのに、全身に快感が走り抜ける。元々バルドの肉体は精力絶倫である上に、今は入れ替わり直後で全身が酷く敏感になっているようだ。
部下たちに気付かれないように林の中へと姿を隠すと、バルドは再び硬くなった肉棒を慰めて、真っ白な精子を緑の上に撒き散らした。
*
肉体を入れ替えてから三日後。無事に、受け渡し相手の貴族たちが住む街へと到着した。マルクの体になってしまった元護衛隊長は、あれから毎晩夜通しで、かつての自分の肉体と部下たちの慰みものとなった。
入れ替わった当初は、バルドとしての記憶が残っていたため部下たちを説得しようと試みた彼だったが、一笑に付された挙句に猿轡を噛ませられ犯され続けた。最初こそ何とか抵抗することができていたのだが、一晩中休みなく責め続けられたことで魂と肉体が一気に馴染んでしまい、次第にバルドであった頃の記憶は薄れ、完全にチンポ狂いの少年へと生まれ変わってしまった。そんな彼は、今では穴に男のイチモツを咥えて、快楽に溺れるだけの淫乱な存在となっている。
哀れな元護衛隊長と、この街に来るまでに回収した性奴隷たちを貴族の元へと送り届けると、バルドは報酬を分配して部下たちと別れた。今回はなかなかの実入りだったので、しばらくはこの街で休息を取るように告げると、彼らは大喜びで散っていく。
バルドは彼らの背中を見送ると、酒場へと向かった。次の入れ替わり対象を探す目的もあるが、今の肉体は性欲が強すぎるので、好みの相手を見つけて発散させてもらうことにしたのだ。
酒場では多くの逞しい益荒男たちが酒盛りをしていた。港町ということもあって、筋肉隆々の屈強な男が多い。それにこの街には冒険者組合というものがあり、力自慢の男たちが集まっているらしい。バルドは、そんな彼らを見て舌なめずりをした。
(ふむ……こいつはなかなかの逸材揃いだな。情報収集がてら一丁やってみるか)
彼は適当なテーブルにつくと、注文したエール酒をグイッと飲み干し、好みの相手たちに向けて魅了スキルを全開にした。その瞬間、店内にいた大男たちが皆、バルドの方へと視線を向ける。そして、彼の姿を目にすると我先にと群がり始めた。
「お兄さん、俺と一緒に飲まないかい?」
「いや、ワシの方が先に声をかけたんだ。お前さんは引っ込んでろよ」
「なんだと? オレが最初に目をつけたんだぞ!」
「喧嘩はやめてくれよ! 私はこの人に用があるんだ!」
口汚い罵り合いを始める男たち。バルドはそれを愉快そうに見つめると、声をかけてきた男たち全員に向かって言った。
「よし、わかった。全員まとめて相手にしてやるよ」
ぞろぞろと屈強な男たちを引き連れて宿屋の大部屋を貸し切ると、そこからは酒池肉林の始まりだった。全員が全員、欲望のままに己を解放し、バルドの体を貪った。おそらくはこれまでは女性との経験しかない男たち。そんな彼らを男好きへと変えていく。
魅了スキルの新しい使い方もわかってきた。一定の範囲内であれば、その中にいる全員を魅力溢れる存在へと変えることができるようになったのだ。そうなれば、後は簡単だ。男同士のセックスのやり方など知らないであろう彼らに、自分がリードしながら教え込むだけでいい。男の味を知った彼らは、バルドとの性交を終えると、別の相手を見つけては再び激しい交わりを始めた。
「んっ……あっ……ああ゛ぁっ♥」
「イ……イ゛クーーーッ♥♥♥」
大きな室内はむせ返るような雄の汗と精液の匂いに包まれ、湯気がそこここに立ち込めている。筋肉のぶつかり合う音、男根が尻穴を攻める水音、野太い喘ぎ声と獣のような咆哮が入り混じる。バルドもまた、数え切れないほどの男を相手にして、全身を精液まみれにして乱れていた。
(あぁ……すげぇっ♥♥ こんなに気持ち良いのは、生まれて初めてだぜ……。俺のケツマンコがもっと欲しいって疼いて止まらねぇ。異世界転生、入れ替わりコンドーム作成のスキル、最高だっ♥♥♥)
「うお゛ぉっ……またイクっ……イ゛グゥッ……!! あ゛ぁっ♥ ひぃっ……あぁっ……あぁ゛ぁぁっ♥♥♥」
「うぐぅっ……また出るっ……出すぞっ兄ちゃん……♥ おおお゛っ!! おほぉ゛っ♥♥」
唇を貪られ、乳首に吸い付かれながら、肛門を好みの若者たちに激しく掘られる。それを終えれば、毛の鬱蒼と生えた親父の腋を舐め上げ、幼子の腕ほどもあるイチモツを扱いてやりながら、硬く窄まったアナルを攻め返す。全身を余すことなく使い、バルドは休む間もなく彼らと快楽を享受し続けた。
やがて、肉棒を幾度となく震わせ続けた男たちは、全身を真っ白に染め上げるほど射精をしながら、次々と果てていった。
*
数日後、バルドは街の武器屋へと足を運んでいた。ここの主人が、王国の副戦士長にまでのし上がった男だという情報が、毎夜の肉体交流で得たものの中にあったからである。掃除は一切していないのか、店の前には雑草が生え、壁は緑色のコケに覆われている。扉には【OPEN】の札が掛けられているが、小窓にはカーテンが掛かったままで中を見通すことができない。
情報によれば、主人は十年ほど前に妻と死別し、前店主の彼の父が亡くなった後に副戦士長の座を退き、この武器屋を受け継いだらしい。それからは男手ひとつで息子を育て上げ、昨年その息子が王国戦士として士官したことで、空気が抜けた風船のようにやる気を失ってしまったのだという。
バルドが扉を開くと、錆びたドアベルがガランと乾いた音を立てた。床に積もった埃が風で舞い上がり、キラキラと煌めいている。奥のカウンターには、背を丸くして、手に持った本に目を落としている男が座っている。彼がこの店の主であり、王国の元副戦士長でもある男だろう。扉が開いてもなお、こちらを一瞥もしない男にバルドはスキルを発動した。バルドの肉体に、最大限にまで馴染んだことで熟練度がアップし、コンドーム作成の新スキルが解放されたのだ。
新スキル【コンドーム(白):このコンドームを装着している場合、常時鑑定スキル(LV.MAX)が発動する】
すでに、白コンドームを装着済みの彼には、目の前の武器屋の主人──トールズのステータスは丸見えである。全てが一桁台であったマルクとは大違いで、彼のステータス値はほとんどが三桁後半で、攻防に関する値の中には四桁を超えているものまである。スキル欄を見てみても、一般剣士とは大違いだ。片手剣に両手剣、槍術や馬術に盾スキル、そして格闘術や弓術スキルまでなんでもござれだ。その体もまた大きく、背中を丸めていてもわかるほどの圧倒的な筋肉に覆われている。
言葉を発さずに眺めていたのに気を悪くしたのか、それともそうでなくとも機嫌は悪かったのか──トールズがくぐもった声で呟いた。
「……何だ? この店は紹介のない奴はお断りだぞ」
ようやく顔を上げた彼の顔は陰気そのものだったが、顔色はすこぶる良かった。おそらく気力は失っても長年の習慣は捨て切れず、栄養補給や筋力トレーニングは欠かさず行っているのだろう。それはステータスにも表れていた。バルドはそれを確認すると、わざと彼に背を向けて、魅了スキルを発動した。
「それは悪かった。知り合いがこの店の主人のことをべた褒めしていたから寄ったんだが……、武器は他の店で調達することにするよ」
その瞬間、背後でドサドサと物が落ちる音がして、荒い息とともに彼は大きな両手で腰を掴まれた。
「す、すまん……! 今のは客を驚かせる冗談だ、はは。中には、酷い冷やかし客なんかがいるからな。ほら、遠慮なく見ていってくれ……」
そう言いながら、トールズは【OPEN】の札をひっくり返すと、後ろ手で扉に鍵を掛けた。それからは横に侍ってのマンツーマンでの説明が始まった。しかし、説明をしている間も、彼が舐めるように全身を観察していることに、バルドは気が付いていた。
「これが今一番のお勧め品でな……。この槍は武器だというのに魔法耐性も持ち合わせているんだが、なにぶん重すぎて扱える人間がいなくてな。お前さんなら扱えるかもしれん」
バルドが案内されたのは、店の奥にある試し切り用の藁人形が置かれたスペースだった。壁に立てかけられた槍を手に取ろうとしたトールズに、彼は後ろから抱きついた。
「俺が一番欲しいのは、あんただ……♥」
驚いて振り向いたトールズの唇を奪い、口内に舌を捻じ込んでいく。彼は抵抗することなく侵入する舌を受け入れると、バルドの尻へと手を伸ばしてきた。
「んぅっ……♥ おいおい、いきなりそんな所か?」
「す、すまない。妻が亡くなって以来、もう十年は女を抱いていないんだ……」
「へぇ、じゃあ溜まってそうだなぁ? でも久しぶりの相手が、俺みたいなムサイ男で良いのか? 俺の穴で良ければ、好きにしてもらってもいいが……」
バルドが誘うように服を脱ぎ去ると、トールズはゴクリと喉を鳴らして、彼の裸体をねっとりと見つめ始めた。
「男を好きになったことなんてこれまで一度も無いってのに、お前さんにはどうしようもなく惹かれてしまう。不思議なことに、初めて見た時からずっと股間が熱いんだ。だから抱かせてくれないか……?」
バルドは彼の分厚い手を引き寄せると、【黒】のコンドームを手渡した。説明すると、彼は興味津々といった様子で、そびえ立つ肉棒にコンドームを装着していった。
「おおぉ、これはすごいアイテムだ……!」
装着されたコンドームを見下ろして感嘆の声を上げるトールズに、バルドは得意げな笑みを浮かべると、テーブルの上に腰を掛けた彼の上にのしかかった。そして、そのままゆっくりと彼のいきり立ったモノを握ると、穴の入口にあてがい体重をかけていく。トールズのイチモツはその逞しい肉体に見合うだけの立派なものだったが、バルドのアナルはヌブヌブと音を立てて飲み込んでいった。
トールズの巨根を根元まで受け入れると、あまりの質量に直腸を押し広げられる感覚で、バルドはビクビクと体を震わせる。この数日間でのセックスで肉体を交えた、どの偉丈夫たちよりも大きな竿が、感じる部分を強く刺激する。彼はトールズの首に腕を回すと、キスをしながら腰を動かし始めた。
「ふぅっ、ん……ッ、ちゅぷ、じゅぶ、んむ、んく、ぢゅうぅ……♥」
屈強な男二人の激しい動きに、テーブルはガタガタと揺れ、床板の軋む音が室内に響き渡る。鍛え上げられた筋肉質な体が、対面座位で激しく上下し、その度にトールズの巨大なペニスが、バルドの敏感になった部分を何度も突き上げる。
「あっ、んぐ、お゛ほぉっ♥ す、すごすぎる……♥ あ、あんたのチンポ気持ち良すぎて、おかしくなりそうだぜ……♥」
「はぁ、はぁ、はぁ……! お前さんこそ凄い締め付けだ。男のケツが、こんなにも具合が良いものだったとは知らなかったよ……」
久々の行為に興奮しているのか、トールズは息を荒げながら夢中で腰を打ち付ける。パンパンという筋肉のぶつかり合う乾いた音に、グチュグチュと湿った水音が混ざり合い、なんとも淫靡なハーモニーを奏でている。
「ああぁっ! ん、はぁ……ッ♥ いぃ、いいぞぉ、もっと突いて、くれぇ……ッ」
トールズの肩に顔を埋めながら、バルドが甘えた声を出す。その言葉に応えるように、彼は下から勢いよく腰を突き上げる。ステータスの高さは、セックスの巧さにも比例しているのだろうか。的確にポイントを突いてくるトールズの動きは、絶妙だった。彼が腰を振る度に、亀頭が容赦なく前立腺を刺激し、さらに深い位置へと潜り込んだ極太カリ首が、直腸越しにある精嚢までもゴリゴリと押し潰す。その度に生まれる痺れるような快感に、バルドは背筋を大きく仰け反らせながら悶えてしまう。
子持ち親父がかく汗の匂いと蒸れたチンポの香りは、今や彼にとっては興奮を煽るものでしかない。絡んだ舌から伝わる唾液の味も、もはや媚薬に等しい。そして何より、彼の体を貫く雄の象徴は、他の誰のものよりも素晴らしいものだった。
トールズのピストンは徐々に速度を増していき、やがてそれは暴力的なまでの快楽を生み出していく。脳味噌が焼き切れそうなほどの衝撃に、バルドの口からは喘ぎ声しか漏れなくなっていた。
「あぁ、もうダメだ……、イク、イ゛っちまうぅぅッ♥♥」
「わ、私も……、出すぞぉッ!!」
トールズの煮え滾るような熱い子種が、ドクドクとコンドームの中に放たれ、バルドの濃厚な精液はトールズの精悍な顔や分厚い胸板を白く汚していく。精巣が何度も持ち上がり、それに合わせて開いた鈴口から白濁液が溢れ続ける。二人は強く抱き合うと、チンポを挿入したまま微睡みの中へと落ちていった。
*
数分後、二人は同時に目を覚ました。刺さっていたイチモツを引き抜くと、バルドが自分の体を見回した後、目の前の男に声をかける。
「こ、これはどうなってるんだ? 私がお前さんになってる……ってことは、お前さんが私に……?」
「その通りだよ。俺が──いや私がお前さんの体を乗っ取ったのさ」
精液のたっぷりと詰まったコンドームを外しながら告げるトールズの言葉に、バルドは愕然とした表情を浮かべる。自分の体が他人のものになっている。普通なら到底受け入れられない事象だろう。その当惑した表情を見て、トールズはほくそ笑んだ。しかし、バルドはすぐに落ち着きを取り戻すと、口元をほころばせて笑みを作った。
「嬉しいよ、これまでで一番愛した人の体になれただなんて♥ それになんだかちょっと変な気分だが、【私】の体もエロく見えてきてしまって興奮がおさまらんっ♥」
そう言うと、彼はトールズを押し倒した。射精したばかりだというのに、バルドの竿はすでに臨戦態勢になっている。彼はトールズの唇を奪うと、卑猥な水音を立てて口内を貪り始めた。
「ちゅぷっ、んく、じゅる、ぢゅうぅ……♥」
「んむぅ!? ん、んぐぅぅぅッ! ぶはっ! お、おい、おかしいだろぉ! 普通なら、肉体を交換されて慌てふためくところだろう?!」
トールズは突然の出来事に驚きの声を上げるが、そんなことはお構いなしにバルドは先ほどまでの自分の首筋に吸い付き、乳首を舌で転がし、立派な肉棒を扱き上げる。かつての自分の敏感だった部分を巧みに刺激し、主導権は完全にバルドの手の中だ。太腿と腋を優しく撫でられ、トールズの股間からは我慢汁がドプドプと滲み出してくる。
「はぁっ♥ あぁ……、くそぉ、気持ち良い……! なんだこれ、この体はこんなにも感じやすかったのか……♥♥」
「フフン。【私】の体になるまで気付かなかったろうが、その体は全身性感帯なんだ。妻と死別してからは、オナニーでしか発散してなかったからな。【弱点看破】のスキルで自分の全身の弱点を見つけては、開発しまくったんだ。そこらの娼婦じゃ太刀打ちできないくらいに感じる体になっちまってるんだよ♥」
自分の肉体について語るバルドの顔には、どこか自慢げな様子がうかがえる。彼はついさっきまでの自身の体を思う存分に堪能しながら、目の前の竿にしゃぶりついた。
「ん、んおお゛ぉぉ♥♥ や、やめ……、頭おかしくなっちまうぅぅ!! 」
ステータス上ではトールズのほうが、バルドを圧倒している。だが、今の彼の肉体はクリティカルヒットを連続で与えられて、反撃の隙など全く無い。入れ替わったばかりで、ただでさえ感じやすくなっている。その状況の中、弱点を次々に刺激されることで、新しい肉体に一気に馴染んでしまい、敏感な部分がますます敏感になっていく。
トールズが抵抗しようとする度に亀頭を舐められ、カリ首を舌でなぞられ、玉袋が優しく握られる。もはや快楽の虜になった彼は、ただされるがままになっていた。
その様子に、バルドは嬉しそうな表情を見せると、筋肉に覆われた丸太のような足を割り開き、唾液で濡らした指を肛門に押し込んだ。
「ひぐぅぅっ♥ ああ゛あぁっ、ケツ穴ぁ、イイ゛ッ……♥♥」
「どうだ? 【私】の体はここが一番弱いんだ。いろいろ試しているうちに、アナニーにハマってしまってな。言っておくが、男のチンポを入れるのは初めてだからな」
彼の太い指に腸内をかき回され、男性経験の無い穴が徐々に柔らかく解されていく。グリグリと指で抉られながら、少し前まで自分のモノだった巨大なイチモツを見せられたトールズは、思わずゴクリと生唾を飲み込んだ。
(【俺】のケツは散々チンポを咥えこんできたが、この体はまだその経験が無い……。あんなデカくてぶっとくていやらしいモノが、初めての【私】の中に入ってきたらどうなるんだ……。はあぁ、ダメだ。考えただけで興奮してしまう……♥)
すでにトールズの肉体に馴染んでしまった彼は、頭の中身までトールズらしくなっている。アナニーは大好きだが、男のイチモツの挿入経験は無い自分。目の前でビンと屹立している男根も、もはや自分のモノだったという感覚が薄れてしまっている。バルドの言う通り、このまま犯されてしまったらどんなに気持ち良いだろうかと想像すると、トールズの興奮はさらに高まり、脳内が多幸感で満たされる。
そんな彼に覆いかぶさると、バルドはその巨大な肉棒を彼のアナルへと押し当てた。ゆっくりと腰を前に突き出していくと、メリメリという音を立てて、トールズの穴が広がっていく。
「んぐぅうっ、いぎぃいいいっ! 私の中に、【俺】のチン、チンポが……、入ってくるぅぅ!!」
「んん゛……っ! 凄いな、【私】の初めてを俺が味わえるなんて♥ ほら、もっと奥まで入れるぞ……♥」
「あ゛ぁあ゛ぁあぁあぁッ♥♥♥」
トールズは背中を仰け反らせ、絶叫を上げる。テーブルを引っ掻く爪が、ガリガリと音を鳴らす。
痛みこそあるが、それ以上に快感のほうが強かった。脳天を突き抜けるような強烈な刺激が駆け巡り、全身が痙攣する。初めての男のチンポ。しかもさっきまで自分のモノだったチンポが、体の中に侵入してくる。その倒錯的な状況に、ドーパミンがドプドプと溢れ出し、幸福感が押し寄せてくる。やがて尻が密着するほどに根元まで突き刺されると、バルドは激しくピストン運動を開始した。
「お ぉおおおっ♥ すげぇっ! あんたのケツマンコ、気持ち良すぎるぞぉ♥♥」
「あぁあ゛っ、ひぐう゛ぅうっ♥ 激しすぎ、るぅ♥♥ チンポ初めてなのに……そんなに激しいとっ、壊れぢまう゛よぉぉおっ……♥♥」
バチュバチュと肉のぶつかる激しい音が、狭い室内に響き渡る。バルドの極太ペニスが出入りしてはケツ襞が捲れ上がり、腸内が暴力的なまでに擦り上げられる。前立腺を押しつぶされる度、意識が飛びそうなほどの快楽に襲われる。トールズはもうすっかり従順になり、女のように甘い声で喘いでいた。
「ふぅう、んぉお゛おっ♥♥ こんなの無理だ、我慢できない……♥ 出るぅ♥ んちゅ♥ んむふぅう♥」
唇を重ねられ、舌を絡められる。唾液を流し込まれ、口内を犯される。イキそうになったチンポを握られ、射精を止められる。そしてまたキスをされ、唾液を送り込まれる。快楽と苦痛の波状攻撃によって、思考力が奪われていく。脳味噌にチンポを突き入れられ、ぐちゃぐちゃにかき混ぜられているかのような衝撃に、頭の中が真っ白になる。肉欲に溺れ、快楽を貪ることしか考えられない。【彼】が経験したものではない、副戦士長であった頃の崇高な精神が、ドロドロとした精液の色で塗り潰されていく。自分が何者なのかわからない。ただ一つわかるのは、目の前にいる相手が自分の愛する人だということだけだ。
「も……、出る、出さ……出させてくれぇっ! 私、ザーメン、イッちまうううぅぅッ!!!」
ビュルビュル、ビュウウウゥーーーー!! ドプッドプドプビュプゥッ!
ゼリーのように濃縮された白濁液が亀頭の口をこじ開け、噴水のように辺り一面にぶち撒けられる。一度、二度、三度……。子種のたっぷりと詰まった玉が何度も上下し、常人離れした太竿がビクビクと痙攣する。トールズの口からはダラダラと涎が垂れ流され、分厚い筋肉に覆われた体からは雄臭い汗がプンプンと匂いを放っている。
「くぅっ……♥ ケツ穴が締まるっ……♥ 俺も、出すぞぉ……っ♥♥」
ドクッドクドクン! ビュー!! ビュルビュルビューッ!!
「あひっ、ひぃっ、ひぐぅぅっ♥ 中に出てるぅぅっ♥ あづ、熱いのが、いっぱい出てるぅ……っ♥♥ 私の、俺の、チンポ汁。でへっ♥ おマンコ、気持ち良い……♥♥♥」
雄々しい顔はあまりの快感から情けなく歪み、瞳にはハートマークが浮かんでいる。初めてのアナルセックスによる強烈な刺激。己よりも弱い男に、屈服させられてしまったことによる被虐的な快楽。それらが相まって、トールズの脳と肉体は、完全に目の前の男に堕ちてしまっていた。彼の股間では、未だ萎えることのない剛直が脈打ちながらピュルピュルと精子を吐き出している。床の上には、二人分の濃厚な精液がゲル状の塊となって、ザーメン溜まりができていた。
やがて全てを出し終えたのか、ひときわ力強く肉体を震わせるとバルドは大きく息を吐いた。ズプリと音を立てながら巨根を引き抜くと、栓を失った肛門はぽっかりと開いたまま口を動かしている。そこからはドロリと粘ついた液体が溢れ出し、床へと垂れ落ちていった。
「あぁ……」
トールズは虚ろな目をしながら、小さく声を上げた。絶頂を迎えた余韻が残っているのか、その表情はどこか満足気に見える。だがそれも束の間、バルドは両腕でトールズの体をひっくり返すとうつ伏せにさせて、尻を高く持ち上げさせた。
「おい、何を惚けてるんだ? まだまだ終わらないぞ。一発じゃチンポがおさまらん。とんでもなく精力絶倫な体みたいだな、俺の新しい体は♥」
パクパクと開閉するトールズの下の口に、バルドの昂った肉棒が近付いてくる。
「ああぁ……♥」
再び快楽の渦へと誘われる予感に、トールズの体は小刻みに震えた。
*
一ケ月後、トールズと肉体を交換した男は、新たな肉体を求めて新天地へと向かって──はいなかった。武器屋の扉が開いて、バルドが店の中から現れる。それに続いて、トールズも顔を覗かせた。
「お~、今日も晴れ晴れとして、鍛冶日和だなあ」
そう言いつつ伸びをするトールズの背筋がピンと伸びる。そこにはもう以前のような陰気さはなく、肌艶も良くなり、健康的になったように見える。それは、隣にいるバルドも同様だった。だが、彼はトールズのその明るい様子を見て、少し辟易した表情を浮かべている。
「あんたは俺が作ってるところを見てるだけじゃないかよ、まったく……」
「材料は私が集めてやってるんだし、お前さんがいろいろ作れるようになったのは、私のおかげでもあるだろう?」
二人が肉体を入れ替えてから数日。二人は肉体を奪った者と奪われた者という関係だけではなくなっていた。あの夜、トールズがバルドに犯されてからというもの、二人の関係はより深いものになっていった。最初は強引に体を求めてくるバルドに抵抗していたトールズだったが、彼の巧みな手管に徐々に陥落していき、たったの数日間ですっかり彼無しでは生きられないほどに、彼に心酔しきってしまった。そして、トールズの肉体を使用することで溜まる熟練度が最大値まで達したのをきっかけに、彼は二人の肉体を元に戻したのだった。
レベルの高い人間の体を極めた恩恵は凄まじかった。コンドーム作成スキルは新たに数種類が開花し、魔法の使用、武器・防具・アイテム作成、その他様々な技術を習得することができるコンドームを、作ることが可能になった。おまけに肉体を戻すことでステータス値が再びバルドのものへと戻ると思われたが、なんとトールズのステータスやスキルをそのままコピーして使えるようになったのだ。これには、当の本人であるバルドも驚いた。
「まあ、そうなんだが、なんかこう釈然としないんだよなあ……」
ぶつくさと文句を言いながらも、彼は新しく作成する武器や防具について、あれこれ思案し始めた。不満を垂れる彼だったが、内心では小躍りしたいほどに喜んでいた。大好きな相手との繋がりができたのだから。肉体を元に戻したのも、やはり愛する相手には、元の肉体で居て欲しいと思ったのだ。それほどまでに、バルドはトールズのことを愛してしまっていた。
──なあ、バルド。お前さん、この街から出ていくつもりなのか?
肉体を戻されたことで、彼がこの地を去るのではないかと考えたのだろう。ある日、どこか物憂げな様子を見せたトールズに、バルドは笑って答えた。
「まだしばらくは、ここを離れるつもりはないぞ。そうだな……、あんたが爺さんになったら出て行くかもな」
「はは。そりゃ、ずいぶん先の話になりそうだな。この大陸の人間のほとんどはドワーフの血が混じっているから、長命な上に老人でいる期間は短いしな」
「そ、そうなのか?」
「なんだ、知らなかったのか? 私の見たところ、お前さんにもドワーフの血は混じってるみたいだぞ」
どうやら、バルドは自分が思っていたよりも長い期間、ここに居ることになりそうだ。だが、どれだけ長い間一緒に居たとしても、きっと飽きることなどないだろう。むしろ、共に過ごす時間が長くなればなるほどに、ますます愛おしくなっていくに違いない。バルドはそう確信していた。
「──トールズ」
バルドは愛しい相手の名を呼ぶ。すると、彼はいたずらっぽい笑みを浮かべながら、彼の方へと振り向いた。
「なんだ、バルド。朝からセックスしようってか?」
「くくく……、バカだなあんたは。本当に──」
バルドはトールズの張り出した分厚い胸板を拳で軽く小突くと、笑いながら工房へと向かう。強い風が吹いて、語尾はトールズには届かなかった。
「おい、待ってくれよ。何だって?」
バルドのあとを追って、トールズも店内へと戻っていく。新しく付け替えたドアベルが、賑やかな音を立てて扉が閉まった。
空には翼竜が飛び交い、海にはシーサーペントが、森にはオークやゴブリンが跋扈する。今日も異世界は通常営業だ。
(了)
以下、衣服無し、文字無しの差分イラストです