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『ピンポーン』


 玄関のチャイムの鳴る音で、室伏康介は目を覚ました。高校の体育教師である彼は、どうやら保健体育の授業内容を自宅で考えている間に、眠ってしまっていたらしい。今は連休中で、妻は子供を連れて近所にある実家に遊びに行っているのだが、何か忘れ物でもして帰ってきたのかもしれない。それとも、何か荷物が届いたのだろうか。

 寝起きでうつらうつらとしていた康介は、深く考えずに玄関の鍵を開けて、ノブに手を掛けた。その瞬間──。


「うおっ!」


 勢いよく扉が開いて、男がひとり飛び込んできた。康介は反射的に避けようとしたが、寝惚けていたために体が上手く動かずに、男を抱きかかえる形で後ろに倒れ込んだ。


「な、なんだ……?!」


 慌ててずれた眼鏡を戻した康介の目に映ったのは、ナイフを手に持ち、黒ずくめの服に身を包んだ、鋭い目付きの男だった。


「声を出したらどうなるか……、わかるよな?」


 男がヒンヤリとしたナイフの腹で、康介の首筋を撫でる。一気に寝起きの頭がフル回転し、生唾を飲み込んだ康介はガクガクと頷いた。それを見た男は満足そうに微笑むと、「良い子だな、おっさん」と呟いて、ナイフを突き刺す代わりに唇を重ねる。そしてそのまま舌を捻じ込んで、濃厚なキスをしてきた。


「んん゛ッ?!」


 突然の闖入者、しかも男からの突然の口付けに困惑する康介。だが舌を絡められて唾液を流し込まれる感覚はどこか心地良く、思わず喉の奥へ嚥下してしまう。


「よし、ちゃんと飲んだな……」


 たっぷり数十秒間のディープキスをしてきた男は、名残惜しげに糸を引きながら口を離すと、康介の上に馬乗りになった。股間が触れ合うほど密着されると、男の硬く隆起したモノの存在がありありと感じられる。寝起きのせいだろうか。康介のズボンの中身も、なぜかムクムクと大きくなってしまった。


「なんだぁ? キスしただけでこんなにしちまって、おっさんもなかなかの変態だな」


 男は笑うとズボンのジッパーを下げて、自分の肉棒を取り出した。人並み程度の大きさはあるが、そのイチモツは勃起しているにもかかわらず、ほぼ先端まで皮に被われている。入浴時に皮を剥いてきちんと洗っていないのか、ムワッとした雄の匂いが康介の鼻腔に突き刺さってくる。彼はその子供のようなペニスの見た目と匂いに、一瞬顔をしかめたが、ふと男がニヤニヤしながら自分を見下ろしていることに気付いた。


「ほぉら、もっと見てくれよ……。この恥ずかしいおチンポをよォ。これからあんたが毎日、目にするようになるチンポだぜ」


「どういう意味だ……?」


 男は康介の質問には答えず、両手を使って包皮の先端を掴むと、ゆっくりずり下げていく。徐々に露出していく亀頭。ピンク色に染まっている可愛らしいカリ首が姿を現したと思った次の瞬間には、真っ赤になった鈴口から白濁液混じりのカウパーが流れ出した。同時に強烈な臭いが漂ってきて、鼻の良い康介はその臭いを吸い込む度に、腰の奥底から疼きのようなものを感じ始めていた。


(なんだ……?)


 彼が自分の体に起きた異変に戸惑う中、男はとうとう包茎を完全に脱ぎ捨てた。完全に剥かれて亀頭が露出した陰茎がぶるんと震え、さらに大量の我慢汁を滴らせる様子を目の当たりにした康介の鼓動が、激しく高鳴っていく。彼の肉体はなぜか目の前にいるこの見知らぬ男の肉棒を欲しているのだ。顔を赤らめ、呼吸を荒くしながら男の肉棒に釘付けになっている彼の顔を見て、男は笑い声を上げた。


「どうやら薬が効いてるようだな。さっきキスした時に、あんたが飲み込んだ俺の唾液の中には、催淫作用と精力増強作用入りの【ある薬】が入ってたんだよ。特注品だからな、イッてもすぐに玉の中はパンパンになるぜ♥」


 男はそう言いながら、自分の太竿を扱き上げる。彼にも薬とやらの効果が現れているのか、病人のように青白かった顔が、見る見るうちに赤く染まっていく。ヌチュヌチュという水音が室内に響き渡り、その音を聞くたびに康介の心臓がドクンと跳ね上がる。やがて限界を迎えた男が、小さくうめき声を上げて手の動きを止めると、肉幹の根元辺りが大きく脈打ち、イチモツの先から白濁液が大量に溢れ出した。

 勢いよく飛び出し、ビュルッと音を立てて降り注ぐその熱い精を顔に浴びると、康介の体はますます熱くなり理性が薄れていくのを感じる。無意識のうちに、康介は自らのズボンを下ろしていた。下半身が、チンポが熱い。チンポを舐めたい。生臭い精液塗れの男のチンポをしゃぶりたくて仕方がない。


──ああ……美味そうだ……。


 そんな思考に支配されるまま、目の前でそそり立つ男の肉柱に唇を付けると、舌先で転がすように味わい、そのまま一気に根元まで頬張った。喉奥にまで届いた異物感で吐きそうになるものの、すぐにそれが愛おしくて堪らないものに思えてきて、何度も頭を上下させ、夢中でフェラチオをしてしまう。口内に溜まった我慢汁と自分のヨダレが混ざったものを嚥下する度に、強い興奮を覚えてしまい、康介はいつしか夢中になってチンポをしゃぶってしまっていた。


「初めてとは思えねぇくらいのしゃぶりようだな、おっさん♥」


 男は康介の後頭部を両手で押さえ付けると、腰を動かして強引に自分の肉茎を根元まで押し込んだ。口腔内いっぱいに広がった男のイチモツの味で、康介は何も考えられなくなる。息苦しさや苦痛も快感へと変わってしまい、気が付けば無我夢中になってパンツ越しに自分のチンポも揉みしだいている。先走りがどんどん流れ出して、動かす手が止まらない。


「おい、出すぞッ!全部受け止めろ!」


 ドスのきいた低い声に、康介の脳内は射精の予感で埋め尽くされる。次の瞬間、頬張った男根が一際膨張すると一気に弾けた。大量のザーメンが喉の奥に直接流し込まれ、逆流してきたものが鼻の穴を通って出てくる。しかし康介は必死になってそれを全て飲み下し、胃の中に納まっていく精子たちを悦んで受け入れた。


「ぶへぇっ……♥」


 初めて味わう男の精液は、天にも昇りそうになるほど美味だった。極上のフルーツを思わせる芳しい匂いが、鼻孔を通して脳を刺激してくる。自然と頬が緩み、厳つい顔がだらしなく歪んでしまう。

 男はようやく満足したのか康介の口からチンポを引き抜くと立ち上がり、未だ余韻に浸って放心状態になっている康介の顔を見下ろした。目線の先には、男とは比べ物にならないほどに太ましい男根が鎮座している。妻との度重なるセックスによって、淫水焼けして黒ずんだチンポ。それを見た男はゴクリと生唾を飲み込むと、それに指を這わせて扱き始めた。


(な、何を……!?)


 他人の手で与えられる刺激があまりにも気持ち良く、腰から背中にかけて電流が走るかのような錯覚に陥る。今までの人生において、これほどまでに快楽を感じられることなど一度たりとも無かった。男は、巧みに指を動かして亀頭とカリ首を刺激する。さらに時折、その手で肉茎全体を掴み上下に擦ると、その動きに合わせて康介の全身はビクビクと震えてしまう。


「ああぁ……やめてくれ……」


 自分の意志とは無関係に与えられる強制的な快楽に翻弄され、康介は喘ぎ声を上げることしかできない。目の前の姿見には、すっかり発情しきった自身のうっとりとした顔が映っている。そんな顔を男に見られていることが恥ずかしくて目を背けるが、すぐに視線は男の手元へと吸い寄せられてしまう。そして再びチンポを扱かれる様を見て興奮が抑えられない康介の肉体は、徐々に高まっていき限界を迎えようとしていた。陰嚢が収縮し、大量に子種をはらんだ玉が、竿の根元までせり上がる。それを感じ取った男は、康介のイチモツにしゃぶりついた。


「ん゛ほお゛っ♥♥」


 ザラザラとした舌でカリ首を舐め回され、亀頭を包み込むように吸引される。そして仕上げとばかりに手の動きを早められれば、もう堪えることはできない。次の瞬間、康介は勢いよく精を解き放った。射精の快感によって全身が硬直し、頭の中は真っ白に染まってしまう。それでも男の愛撫は止まらず、尿道に残った滴まで余すことなく搾り取られた。

 やがて男が口内に広がる精液を飲み干すと、康介の上に倒れ込んでキスをした。互いの唾液を交換するかのように舌を絡め合い、相手の口腔内に残った二人のザーメンを流し込み合う。恋人同士のラブシーンのような濃厚で甘美な接吻を終えると、二人は口の中で一つに混ざり合った極上の白濁液を飲み下した。


 康介は目の前の男を、トロンとした目で見つめた。突然自宅に侵入してきた強盗犯。痩せぎすで冷徹な顔付き。ナイフで恐怖を与えてきた男のことがなぜか魅力的に思え、妻よりも愛おしく感じる。これからも彼と共に過ごしたい──、いや彼そのものになりたい──。

 康介の脳内が倒錯的な妄想で満たされていく。気付けば彼は、自分の尻穴に自身の太い指を突き入れると、激しく出し入れし始めていた。同時に左手では乳首を弄くり回す。まるで何をすれば良いのか知っているかのように、身体が自然と動いてしまう。

 鏡の中の痴態を見ながら尻を解し続けていると、腸液が潤滑剤となって挿入する指も増えていく。三本入ったところで指を引き抜くと、解れ切った康介のケツ穴は雄のチンポを求めてヒクつき出した。


「はぁ……はぁ……頼む、私を抱いてくれ。あんたのチンポで私の中を、ぐちゃぐちゃにしてくれぇ……!」


 もはや教師としての威厳など微塵も無い。生徒が今の彼を見たらどう思うだろうか。淫乱に蕩けた顔で男に懇願しながら、両手で尻穴を曝け出すその姿に幻滅するに違いない。しかし今の彼にはそのことに対する羞恥心さえ、興奮材料となっていた。

 男は康介のタンクトップをたくし上げると胸板と腹筋を露出させ、頬擦りする。学生時代ラガーマンだった彼の身体は、筋肉で引き締まりつつも、ほどよい脂肪に包まれており、むっちりとしている。その張り詰めた肌に舌を這わせるだけで筋肉の弾力が感じられ、男を魅了する。そのまま腋へ顔を近づけると、今度は汗臭い匂いを堪能するように深呼吸を繰り返した。むせかえるような雄臭さに、脳髄を揺さぶられるような感覚に陥った彼のイチモツが、再び硬くなっていく。男は勃起した二つの肉棒を重ねると、腰を振って擦り合わせた。先走りでテラテラと光るその二本の棒はドクドクと脈打ち、絡み合いながら卑猥な水音を鳴らしている。


「あぁ……、こんなエロくて雄臭い身体とデカマラが、もうすぐ俺のモノになっちまうのか♥」


 陶然として呟く男の謎めいた言葉は、康介の耳には届いていなかった。男の腰使いが激しくなるにつれて、康介の全身を蝕む快楽が増幅していくため、それどころではなかったのだ。この男となら、永遠に繋がっていたいと思えるほどの快楽を得られるかもしれないという期待から、よりいっそう下半身に血が巡り、イチモツが煮え滾るほどに熱くなる。


「も、もう我慢できん……!」


 康介は男の男根を手で乱暴に掴むと、己の穴へと導く。亀頭を菊座に触れさせたかと思うと、ズブリと一気に押し込んだ。


「んひぃ……来た来たぁ♥ 野郎のチンポが私の中に入ってきてるぅ!気持ち良すぎる♥ もっと奥まで突いてくれぇ♥♥」


 康介の肛門括約筋が限界まで広がり、男の竿をギチギチと締め付ける。直腸内がみちりと音を立てて拡げられ、圧迫感が増したことで、前立腺がゴリゴリと刺激される。やがて男がピストンを開始すると、決壊した堤防から水が勢いよく溢れ出したように、快感が押し寄せてきた。


「はあぁ……、おチンポたまらんっ!脳味噌溶けちまうぅ♥♥」


 男のストロークが徐々に早くなり、それに呼応するかのように快感が高まっていく。やがて彼は康介の両膝を抱えると肩に担ぎ上げた体勢を取った。さらに結合が深くなったことで互いの股間が密着する。腸液とカウパー液が入り混じったものが、グチュグチュといういやらしい音を鳴り響かせて泡立ちながら、康介の穴から溢れ出し続け、二人の身体の間で押し潰された彼のチンポからは透明な液体が噴き上がり、胸や顔を濡らして肌を光らせている。

 男はなおも康介に覆い被さった状態で、小刻みに動き続ける。腸内の襞一つ一つに至るまで蹂躙し尽くすかのようなその行為に、康介はもはや理性など吹き飛び、ひたすらに男の肉体を求めてしまっていた。男もそれに応えようと腰を振り、互いに快楽を共有していく。そうやって二人は一心不乱に求め合った。身体だけでなく心までもが溶け合っていくような、そんな錯覚すら覚えてしまう。そんな彼に不思議な現象が起き始めた。目の前がチカチカと明滅すると、自分自身の姿が視界に映る。それはまるで、男の目で自分を見ているような感覚だった。


「な、なんなんだ……ん゛っ、これは?!」


 快楽の渦の中にありながらも、康介は困惑の声を上げる。男はニヤリと笑いながら身体を起こして、康介の脚を大きく広げさせると、真上から垂直に打ち下ろすようにして腰を叩きつけた。いわゆる種付けプレスの状態だが、康介の肉体はそれを苦しいどころかむしろ待ちわびていたかのように受け入れ、男の体重がかかるほどに快楽が増す一方だ。


「それは、このまま、俺たちがイけば、わかるぜおっさん♥」


 男の動きが激しくなる。肉棒が康介の腸内で暴れまわり、最奥を貫かれる度に身体中に甘い電流が流れるような衝撃に襲われ、意識が飛びかける。しかしすぐにまた強い快楽が襲ってくるため、正気を失うこともできず、延々と続く無限ループの中で悶え続けた。男のピストン運動が最高潮に達し、ラストスパートに入る。男の剛直が脈打ちながら、より太く大きくなっていくのを感じると、男の限界が近いことがわかった。康介自身も再び大きな波が来ることを察していた。それを感じ取ったのか、男は最後の力を振り絞るように激しく腰を振ると、そのまま勢いよく康介の最深部を突き上げた。


「あぁっ、イ゛ぐ、イッぢまう゛ぅ!! あんたも私の中で出してくれ!! 一番奥まで注ぎ込んでくれぇ♥♥♥」


 康介の尻穴はその叫びと同時にギュウッと締まり、その叫びに応えるようにして、彼の中で男のモノが激しく震える。先端からは熱いマグマのように濃い精子が大量に解き放たれ、腸内を満たしていった。

 腸内に放たれたものを受け止めるとともに、脳裏で火花のようなものが見えたかと思うと、康介もついに限界を迎える。全身の筋肉が強張り、背中が弓なりに反り返ってビクンと痙攣したかと思うと、鈴口から大量の精液が撒き散らされる。二人の上半身は精液塗れになり、室内にムワリと雄の匂いが立ち込めていく。


「おっさんのその身体、いただくぞ……!」


 男はうっとりとした表情で康介に口付けすると、彼に覆い被さるように倒れ込み意識を失った。そして男のその言葉を聞いた康介の脳内も徐々に霞がかっていくと、快楽の余韻に身を委ねつつ深い眠りについてしまった。



「んん……」


 壁にもたれかかって眠っていた康介が、目を擦りながら意識を取り戻した。ドサリと音を立てて、彼に覆い被さっていた男が床に倒れ込む。それを見た康介は、自身の大きく分厚い両手のひらを目の前でワキワキと動かすと、歓喜の声を上げた。


「くくく……、上手くいったぞ! 今日からこの身体は俺のモノだ!」


 康介は床に伏したままの男──、かつての自分を一瞥すると、巨体を揺らしながら鏡の前へと向かい、己の全身像を舐めるように見つめた。眉根にシワのよった厳ついヒゲ面。威圧感のある肉体はその顔に相応しく、厚い胸板はシャツがはち切れんばかりに隆起している。腹筋も綺麗に割れており、手足に至っては丸太のように太い。身長も190cm近くはあるだろう。逞しい筋肉で覆われながらも、その上に加齢による脂肪をうっすらと纏ったその姿は、とても肉感的で扇情的である。

 彼はニヤつきながら舌なめずりすると、自らの股間へと手を伸ばした。先ほどまで萎えていたはずの肉棒はビンッとそそり立ち、すぐに先走り汁が滲み出てきてヌラヌラと光り始める。その大きさたるや、彼の大きな手でようやく掴みきれるかというほどである。さらにそこから漂ってくる、汗と精液と中年男の体臭の入り混じった強烈な雄臭さが、彼がいかに性欲旺盛であるかを物語っていた。


(これが今の俺の──、いや私の身体……)


 心の中でそう呟くと、自然と笑みがこぼれてしまった。こんなにも男臭い肉体を手に入れることができて、嬉しくないわけがない。康介は自分の身体を見回して悦に浸ると、床に脱ぎ捨てられていた自分の下着を手に取って鼻に押し当てた。途端に脳天に突き刺さるほどの蒸れた雄チンポの匂いが、鼻腔内を通り抜けていく。その懐かしさを感じさせる刺激的な匂いが、鍵となって記憶の蓋を開き、これまで【室伏康介】が経験してきた全ての記憶が、ジワリジワリと彼の脳内に染み渡っていく。よく見ると、亀頭が当たっていたらしき部分にはうっすらと我慢汁の痕が残っていた。


(最近は嫁ともセックスしてなかったし、オナニーもろくにしてなかったから、溜まってたんだよな……。おっと、どうやらこの肉体に宿った記憶も読み取れるようになったみたいだな。私は高校の体育教師で、元ラガーマンだったのか。どうりで良いガタイをしているわけだ。ゲイだった私が妻子持ちのガチムチノンケ親父になれるとは、最高の気分だ♥)


 康介は鼻孔を膨らませると、ケツワレの匂いを胸いっぱいに吸い込んで酔い痴れた。その匂いが呼び水となって、【室伏康介】の記憶が頭の中に洪水のように流れ込んでくる。これまでどのような人生を歩んできたのか。家族構成。友人関係。職場の同僚たちの名前と特徴。そして、愛妻と我が子の顔と名前までも。全てを思い出すのにさほど時間はかからなかった。乾いたスポンジのような脳に、次々と記憶が染み込むように流れ込んでくる感覚がなんとも心地良い。記憶が一つ、また一つと蘇る度に股間が疼き、立派なイチモツが汁を垂れ流しながら震え続ける。

 やがて記憶の波が引いて落ち着きを取り戻した康介は、自身の心の変化にも気付いた。記憶だけでなく精神さえ【室伏康介】のモノで上書きされ、もはや以前の自分とは別人の人格になったかのような心境であった。ただ一つ以前の【室伏康介】と違うのは、妻のことを愛していながらも、筋肉質な男性と、入れ替わって手に入れた自分自身の身体が性の対象であるということだ。

 康介は鏡に映った自分の姿を、再び全身くまなく観察した。その身体の全てが、今の彼にとって魅力あるものだった。胸毛に覆われた分厚い胸板にゴツゴツとした二の腕。首筋には血管が浮き出ており、骨太の太い指先でなぞれば、それだけでゾクゾクとするものがある。腋の下は汗で濡れて湿っており、ジャングルのような腋毛が艶々とテカりを帯びている。鼻を当てて匂い嗅ぐと、肉体が変わってしまったせいか、懐かしく感じる加齢臭に心が安らぐとともに、自ずと胸の鼓動が早くなり、呼吸が荒くなる。股間は熱くなり、先走り汁の量も増していった。


(ああ……堪らんっ……! これが【私】なのか♥ これからずっと、俺は【私】として生きていくんだ……)


 康介は極限にまで昂った興奮を抑えることができず、ついに己の男性器を握りしめた。その瞬間、今まで体験したことの無いような快感が押し寄せてくる。思わず仰け反って声が出そうになるのを抑えながら、ゆっくりと上下に手を動かし始めた。


「ん゛ほぉお゛ッ!! あッ……あ゛っ……♥」


 凄まじい快楽の波に揉まれながら、次第にその動きが激しくなっていく。それに伴って、息遣いも激しくなる。野太くなった自分の声が耳に届き、興奮で全身が熱くなる。汗ばむ肉厚の巨体がビクンと痙攣し、身体の奥底から沸き上がる衝動が体の中で暴れ回っている。康介は自分のモノになった顔を、指先でなぞっていった。硬く短い髪をかき乱し、ごつい鼻を撫でると口の中に指を入れて、自分の味を確かめる。それから唾液で濡れた指を上半身に這わせて辿り着いたのは、先ほど男のイチモツの挿入を許したアナルだった。

 康介はガニ股になると、チンポを扱きながら、もう一方の手で犯されたばかりの肛門を撫で擦った。ごつごつとした指が襞に触れると、敏感になったアナルがヒクヒクと収縮する。そのままヌプリと中指を突き入れると、中にはまだ男の精液が残っており、それが絡みつくようにまとわりついた。ヌルリと指を動かすたびに、腸壁にこびりついている白濁色の液体が、淫らな音を立てて外へ掻き出される。まだ少しばかり痛痒さが残っているものの、男の竿を受け入れてしまった尻穴は、指の抜き差しを繰り返すうちに次第に緩み、二本目の人差し指も難なく受け入れた。そのまま二本の指でアナルを解していると、記憶が蘇ってくる。【室伏康介】の肉体を犯した記憶と、【室伏康介】の肉体で犯された記憶だ。


「さっきチンポを出し入れしてザーメンを注いだ穴が、今では私のモノとなっているなんて……♥」


 康介の頬は自然と緩み、口の端からは涎が溢れ出す。その顔つきは男にセックスを懇願した時と、まったく同じだった。もはや彼の肉体が別人によって乗っ取られたとは、妻や友人ですら気付かないほどに、彼は【室伏康介】そのものとなっていた。


(この身体の記憶をもっと読みたい……。思い出したい……。私は、【私】になるんだ。全ての記憶を手に入れれば、私は本物の【室伏康介】になることができるんだ)


 イチモツを扱く康介の手の動きが早くなる。扱けば扱くほどに、過去の記憶が脳内に呼び起される。学生時代の甘酸っぱい青春。教師になってからのこと。初めて結婚を決意した女性との恋愛、新婚生活。愛娘の誕生から子育ての日々。仕事に追われる多忙な毎日。教え子たちとの出会いと別れ。そして愛する妻との濃厚なセックス──。

 【室伏康介】としての記憶が呼び覚まされる度に、巨大な男根がより太く、硬く膨張して脈を打つ。彼の肉体はあれだけ射精したというのに、もう限界寸前まで高まりつつある。しかしそれでも康介は手の動きを止めることはない。今にも爆発しそうな感覚が、癖になり始めてしまっていた。まるで子供が新しく快楽を得る手段を覚えたかのように。新しい肉体になって初めての射精を迎えようとしているのだ。それは彼にとって精通と言っても過言ではない。


「ハッ、あぁ♥ この身体はもう私のモノだ。この身体は誰にも渡さんぞ。私が室伏康介、私こそが室伏康介だッ!」


 太い指でズポズポと自身のアナルを犯すスピードが速まり、それに合わせるように康介の男根を握る手に力が籠もっていく。


「私のケツマンコが……、さっきまでノンケだった私がケツを弄ってオナニーをしている……! あぁ……なんて気持ち良いんだ♥ はぁ……イクぅ、イキそうだ!! 私のチンポから私の精子が……お゛ほっ♥ ほぉっ……んおお゛おっ!!」


 絶頂の予感に腰を浮かせ、全身の筋肉を強張らせながらも、亀頭を指先でぐりぐりっと擦ると、その刺激に耐え切れず勢いよく白い液体を発射した。その量は尋常ではなく、弧を描いて飛び散ると目の前の鏡にビチャビチャと降り注ぐ。鏡に付着したゼリーのように濃い白濁液は糸を引きながら垂れ下がり、やがて床へと落ちて精液溜まりを作り出した。

 あまりの量の多さと、それを放出したことによる強烈な快感の余韻に、康介はしばらく放心状態だったが、やがてゆっくりと息を整えると満足気な笑みを浮かべた。精液に塗れた掌で、全身を確認するように撫で回す。今までの人生で味わったことの無いほどの凄まじい絶頂を迎えたことにより、ほんの少し残っていた、他人の肉体を操っているような違和感は消え去り、完全に【室伏康介】の肉体に自分の魂が馴染んだのを実感する。それと同時に湧き上がってきたのは、【室伏康介】としての自意識であった。以前の肉体でずっと感じていた他人への嫉妬や劣等感は消え、抱いたことのなかった家族や友人に対する愛情を手に入れ、心にも余裕ができていく。その事実が嬉しくて仕方がない。思わずニヤける口元を隠すように手を当てると、そこに残る乾いた精液の感触が唇に伝わった。


(こんなに大量のザーメンを出せるチンポが、私のモノになったんだな……、嫁を孕ませたノンケチンポが。そしてこの逞しい身体も……♥)


 射精後の虚脱感とともに訪れる幸福感に身を任せると、自分が本物の【室伏康介】となったのだという喜びが溢れ出てくる。


「う~ん……」


 彼が新しい人間へと生まれ変わった悦びに酔い痴れていると、床に伏していた男が目を覚ました。意識を覚醒させるように、頭を振りながら辺りを見回していた彼は、康介の姿を見て驚愕の表情を見せた。


「ど、どうして私がそこに……?!」


 同時に自身の身体に違和感を覚えた彼は、自分の上半身をまさぐった。大きく分厚かった手は小さくなり、服を身に纏った状態でも厚い筋肉で覆われているのがわかるほどだった肉体は見る影もない。おまけに股間で萎えているイチモツは皮で亀頭が隠れている。その姿は完全に自分のものではなくなっていた。それを確認した男は顔面蒼白になりながら慌てて立ち上がろうとしたが、バランスを崩してその場に尻餅をついた。目覚めたばかりで、心が肉体に馴染んでいないからだろう。


「こ、これはっ! 何が、どうなっているんだ!? 私の身体じゃないぞ!!」


「すまないな。もう、その身体はあんたのモノになった。そしてこの素晴らしい身体は、私がいただいたよ」


 康介は教師らしからぬ厭らしい笑顔を見せると、男の前に立ちはだかった。男の身体を上から下まで眺めると、再びニタニタと笑う。肉体を入れ替えられ、戸惑うかつての自分の姿を見ていると、萎えたばかりの竿が、興奮により再び硬さを取り戻してくる。最後の準備に取り掛かるか──。


「私たちの肉体は入れ替わった。これからはこの姿で生きていこうと思っているんだが、あんたにも協力してもらう。私の魂は、すでにこの肉体に完全に馴染んだ。次はあんたの番だ。大丈夫だ、優しくしてやるぞ。何せ私の身体だったから、感じる場所はすべて知っているからな♥」


「い、嫌だ……。元に戻してくれッ……」


 威圧感を与える康介の──、先ほどまでの自分の肉体に恐怖し後退る男に、康介は覆い被さるとシックスナインの体勢を取った。丸太のように太い足で男の両腕を動けないように圧し潰すと、彼の両足をガバッと大きく開いて固定する。すると、それまで縮こまっていた男根がブルンッと元気よく姿を現し、天に向かって勃起しているではないか。


「ハハハ、自分の身体だったとはいえ、呆れるほど男好きな変態ボディだな。まあチンポを立ててしまう気持ちはわかるよ。それだけ【私】の身体はエロいからな♥」


「ち、違う……!」


 顔を赤くしながら首を横に振る男の態度を見て、ますます気分が良くなった康介は男のそそり立った肉棒を口に含むと、勃起しても被ったままの皮を舌を使いながら丁寧に剥いていく。敏感な亀頭に刺激を受けたことで、男の腰が大きく跳ね上がる。それでも、その先端からは僅かにカウパー汁が滲み出ているだけだった。射精すればまずいと本能的に察したために、イクのを堪えたのだろう。


「うぐっ……♥ はぁ……はぁ……頼む、元の身体に戻してくれ……」


 人相の悪い顔を快楽と苦痛に歪め、息も絶え絶えの懇願する男の表情を見つめる康介が、その願いを聞くつもりは毛頭ない。康介は彼の股の上に跨り、騎乗位の体勢を取ると、男のイチモツを自身の菊座にあてがって一気に腰を落とした。


「んおおお゛お゛ぉぉ!!!!」


 先走りと唾液でコーティングされた肉棒が、ジュブジュブと卑猥な水音を立てながら穴の中に招き入れられると、男の絶叫が室内に響いた。


(くぅ、これが男のチンポを受け入れた私のアナルの締め付け具合……! 最高じゃないか♥♥)


 すでに一度挿入を受け入れ、指でも解された康介の肛門は、易々と男のイチモツを咥え込んだ。康介自身も凄まじい圧迫感を感じてはいたが、それ以上に腸内で脈打つ熱さがたまらない。思わず艶やかな声を上げて仰け反ってしまった。


(すごい……【俺】のモノだった包茎チンポが、【私】の中に入っている。しかも生で……♥ 【私】が【俺】に犯されているなんて、夢のようだ……!)


 想像以上の快感と倒錯的な状況。その二つにより、康介の前頭前野が強く刺激され、膨張して反り返ったイチモツがブルンブルンと激しく上下に揺れる。

 一方で男は、康介の直腸内に入れただけでも達してしまいそうなのを、必死に耐えているようだった。歯を食いしばりながらも、自身の内で暴れまわる強烈な快楽に抵抗しているのか、小刻みに震えている。それが康介の嗜虐心をくすぐった。


「ふむ、思ったより頑張るな。では、こうすればどうだ?」


「ふぐうぅ゛ぅ♥♥」


 康介は尻に力を入れて括約筋による圧迫を強めると、さらに奥へと男のイチモツを自身の中へと押し込んでいく。男の口から苦悶に満ちた悲鳴が漏れるが、気にせず腰を動かしながら腸内の粘膜を掻き回させていく。


「あんたはさっきも私の中に出しただろう? 我慢する必要なんてないんだぞ」


「そ、それは私じゃない……、やったのはあんたじゃないか!」


「ああ、そうだ。だが、もう肉体は入れ替わってしまったからな。思い出せるだろう、私のこのケツマンコをたっぷりと犯した記憶が?」


 その言葉で、男の脳内に記憶が蘇る。体内にペニスの挿入を許した記憶に霞がかかり、目の前にいる筋肉隆々の康介の尻穴を、嬉々として味わい尽くした記憶が。


「あ……うあぁ……ッ!? な、なんだこれは、違うっ、これは私の記憶なんかじゃない……」


 脳裏に浮かんだ淫靡な光景を振り払うように、頭を振って拒絶の意思を見せる男だったが、彼の身体はすでに男の記憶と精神に蝕まれつつあった。その証拠に彼の男根は康介の肉壺の中で、一際強く怒張し始めていた。それを腸内で感じとった康介の顔が喜悦に染まっていく。


「ほら、やっぱり思い出して興奮してるじゃないか。嬉しいよ。私のケツの中にぶっ放したのを思い出してくれて♥」


「ち、違うッ……! やめろ……! 言うなっ、【俺】はッ……んぐうぅ゛っ♥」


 否定の言葉とは裏腹に男の口元は緩み、快楽に抗えないのか喘ぎ始めている。康介はさらに追い打ちをかけるために、腰の動きを強くしていく。ブチュブチュという水音が結合部から鳴り響き、その音に合わせて男の肉棒が激しく出し入れされる。


「うぐあぁ゛……!!」


「そろそろ良いだろ。全部受け止めてやるから、私の中に思いっきりぶちまけるといい♥」


 康介は、合図とばかりにぷっくりと膨らんだ男の黒乳首をキュッとつまみ上げると、腰を大きくグラインドさせて肛門で締め上げながら、腸の肉襞で激しくイチモツを擦り上げた。


「あああ゛あ゛ぁぁ!! イ゛グゥう お゛お゛ぉッ♥♥♥」


 ドビュッ! ドクッドクドクン! ビュルルルッ!!!


「んお゛ぉっ♥ ケツマンコの中に、熱いのいっぱい出されてる……♥ 私の中が……、ザーメンまみれになっていく♥ たまらん♥♥♥」


 男のペニスが爆発するように大量の精液を噴き出して、康介の中を満たしていく。玉は竿の根元までせり上がり、ビクビクと上下運動を繰り返しながら、精子を康介の腹の奥へと送り届ける。康介の肛門は、幾度も収縮を繰り返しながら男のペニスを締め付け、まるで搾乳をするかのように尿道に残った精子を吸引し続けた。男の口からは、歓喜とも絶望ともいえる悲鳴が上がり続けている。そして康介はそんな男の声を聴きながら、快感に打ち震えていた。


(くふうぅぅ、すごい……♥ 肉体交換直後のアナルセックスが、こんなにも気持ち良いものだったなんて……♥♥ もう我慢できん♥ 私も、イ゛ッぐう゛ぅ゛う゛ぅ♥♥♥)


 腸内を潤す熱さと質量を感じ、心の底から湧いてくる満足感と幸福感に支配されながら、康介もまた最大限にまで膨張した己の肉棒から、溜まりに溜まった濃厚な雄汁を解き放った。精力旺盛な彼の射精は凄まじく、一度、二度と離れた壁にぶち当たり音を立てた。

 熱気立った室内は汗と精液で、むせ返るような雄の匂いがムンムンと漂っている。しかし二人はそんなことは全く気にせずに、絶頂の余韻に浸っていた。


「あへえ……、たまらん……♥ ケツアクメ最高だ……♥♥」


「あっああぁ、違う……。俺は教師なんだ……、男のケツにチンポ入れて射精するなんてありえないんだ……!」


「何言ってるんだ? 今もあんたは私のケツマンコに突っ込んでるんじゃないか。あんたのチンポも喜んでるぞ。もっと突きたいってな♥」


 男は涙を流しながら必死に抵抗するが、身体はもはや言うことを聞かない。おまけに催淫作用と精力増強作用入りの薬の影響で、ほんの少しの興奮でもペニスは勃起してしまい、出しても出しても二人の精巣の中では精子が産み出され続ける。彼の男根は再び固さを取り戻し、康介の中で元気よく脈動し始めていた。康介はそれを感じ取り、喜びつつさらに激しく尻を振り下ろす。もはや男に抵抗できる術はなかった。彼の精神は、脳味噌の中に宿った男の記憶で塗り潰され、わずかに残っていた体育教師の残滓が消え去っていく。


「ほら、どうなんだ? 正直になれよ、あんたは男のケツマンコに種付けするのが好きなんだろ?」


「うっ、ああ……♥ 好きじゃな……うあぁ、ダメだ! ダメなのにいいぃぃイグう゛ぅッ!!!」


 ドプドプドプン! ブビューッ! ビュルルルルーッ!


「おおぉ……っ♥ 二発目でもこんなにたっぷり出すなんてな♥ 私を孕ませるつもりか?」


 康介の言葉通り、二度目は一度目よりも量も多く、濃かった。男の肉体と【室伏康介】であった彼の魂がより深く馴染み、同性とセックスをするという行為に対しての興奮度が増しているのだろう。そのせいで康介の腸内は一瞬にして白濁色に染め上げられてしまい、結合部からは収まり切らなかった男の精子が、ダラダラと滴り落ちている。


「ふーっ……! ふぅ……っ! お、俺には……愛する妻がいるんだ……。子供もいるんだよぉ……」


 男の顔は快楽で緩みきっていたが、まだ完全には屈していないのか、口では弱音を吐いているものの瞳からは光が失われていない。家族という一縷の望みが、彼の精神をどうにか繋ぎ止めているのだ。


「へぇ、あんたに家族がねえ……。顔は思い出せるか? 名前はどうだ?」


「思い出せるに決まってるだろう……、あっ?」


 ただでさえ色の悪かった男の顔は、真っ青になった。愛妻と愛娘の顔も名前も、何も思い出せなかったのだ。そのことが彼の心を激しく揺さぶった。康介はその様子を見て笑い声を上げる。


「ワハハッ!! 残念だったなあ、あんたが自分の家族だと思い込んでいるのは、私の妻と娘なんだ。可哀想に。男とセックスばかりしているから、酷い妄想を思い浮かべるようになったんだろうなぁ」


 男は現実を受け止めきれないようで、必死に記憶を手繰ろうと頭を抱えて思案している。それならばいっそ壊してしまったほうが楽になれるだろうと、康介は彼の心の拠り所を奪うことにした。康介は自分の尻をぐいと持ち上げると、肛門からペニスを引き抜いた。大量の精液と腸液でヌラヌラと光る男根が再び露わになり、男が小さな悲鳴を上げる。

 肉体を入れ替えて気付いたこと。身体を操って快楽を得れば得るほどに、その脳味噌に宿った記憶が自分のモノになるということだ。そして入れ替え薬についての知識がある今の康介は、以前の記憶を保持したまま【室伏康介】の記憶を手に入れられるが、知識のない男は【室伏康介】であった頃の記憶を失ってしまうらしい。であれば、することはたったひとつだ。

 康介は血管の浮き出た逞しい腕を使って、男を四つん這いにすると、使い込まれた穴の中に自身の怒張した剛直を突き刺した。幾度となく同性のイチモツを咥えこんできた肛門だが、解されていないために侵入を拒むようにメリメリと音を立てた。


「あっあああぁ!? 痛ぇッ! な、何を……ひぎぃいィ♥♥♥」


「さっきも言ったが、私が完全に【室伏康介】として生きていくためには、あんたには【俺】になってもらわないといけないからな。安心しろ、すぐ終わらせてやる」


 男は突然訪れた苦痛を伴う刺激に、情けない声を上げ逃れようとするが、元ラガーマンで体育教師である巨体の康介の力には敵わない。康介は男の口に骨太の指を入れるようにして、彼の頭を固定させると、そのまま腰を振って肉壺を犯し始めた。


「うあああぁっ♥ 痛っ、ひっぐうぅ♥ なんだよこれぇえ♥ なんでケツが気持ち良いんだぁ♥♥♥」


 これまで【室伏康介】として生きてきた彼の魂が、男の肉体に段々と定着していく。肛門は激しい痛みを訴えていたが、その刺激さえも肉体が馴染む引き金となってしまう。前立腺を押しつぶされる度に、彼は背筋を震わせて喘いだ。先ほど出したばかりでまだ萎えていた男根は再び硬さを取り戻し、先端からはダラダラとはしたなく涎を垂らして歓喜に打ち震えている。頭の片隅に残った教師としての理性は、この異常な快楽を否定しようとしているが、肉体は快楽に従順で、ガチムチノンケ教師である康介の雄チンポを淫らに求めてしまう。


「フハハハハ! 愛する妻と娘がいるというのに、男のケツマンコに種付けするのが大好きな教師になってしまいそうだ♥ 生徒たちには絶対にこんな姿見せられんなあ♥」


 男はもはや抵抗の意思を見せず、されるがままになっていた。ただのメスとなった彼は、快楽のあまり口から泡を吹きながら、ビクビクと全身を痙攣させている。もはや頭の中は屈強な雄に犯される悦びに満ち溢れていて、自分が【室伏康介】であったことなど思い出せなくなっていた。康介は仕上げとばかりに男のイチモツを乱暴に握りしめると激しく扱き上げる。股間が尻タブに打ち付けられるパンパンという音と、精液で濡れたペニスが擦られるグチュグチュという水音が室内に響き、耳からも快楽を与えられてしまった男は完全に屈服してしまい、獣のように吠えることしかできなかった。


「あっあ♥ イ゛ぐぅう♥ イグイ゛グウゥゥ♥♥♥ 【私】は【俺】じゃねえのに、男にケツ掘られてイッぢまうよぉおお゛お♥♥♥♥♥」


 ドピュルルルル!! ビュルルルッ!! ビュウビュッビューー!!!


 男の膨らみきった陰嚢が収縮し、パンパンに張り詰めた肉棒の中を、勢いよくマグマのような精液が駆け抜けていく。男が白目を剥いてありったけの精を放出すると同時に、康介もまた絶頂を迎え、穴の中に根元まで埋め込んだ肉棒の先端から熱い精子を注ぎ込んだ。肛門はギュウギュウと強く収縮し、かつての自分の遺伝子が宿った大量のザーメンを搾り取ろうとしてくる。腸内は火傷してしまうのではないかというくらいに熱く、その感覚がまた堪らない。康介は最後の一滴までも残さず出し尽くすように、腰を何度も打ち付けて射精を続けた。

 やがて長い吐精が終わると、康介はゆっくりと肉壺から剛直を引き抜いた。栓を失ったことで、大量の濃厚な子種汁が逆流するかのようにドロリと垂れ落ちる。男は力尽き、うつ伏せになって倒れ伏していたが、康介が身体をひっくり返すと、虚ろな瞳をしたまま、口元には笑みを浮かべていた。

 康介は男に覆いかぶさるようにすると、彼の唇を奪った。舌を差し込んで、唾液を流し込むと、男は嬉々としてそれを飲み下す。そして、康介の太い首に腕を回すと、自分から積極的にキスを求めてきた。


「んちゅっ♥ レロ……じゅぷ♥ はぁ♥ おっさん♥ もっとくれよ♥ ラガーマン体育教師の濃いやつ、俺に飲ませてくれぇ♥」


「ああ、いいぞ♥ ほら、たっぷり味わえ♥」


 康介は男に言われるがままに、再び勃起した剛直を彼の口に突っ込み、喉奥目掛けてピストンを始めた。男は苦しそうな表情を見せながらも、康介の窪みのある大きな尻タブをしっかりと掴んで離さない。


「んぶぅ♥ ごぼっ♥ んぼッ……♥」


 男は涙と鼻水を垂らしながら、懸命に奉仕を続ける。康介はそんな彼の頭を撫でながら、思う存分口腔内を犯した後、今度は男の顔面に向けて射精をした。


「ふぅ……♥ どうだ? 私のチンポは美味かったか?」


 康介の問いに対し、男は蕩けた顔のままコクリコクリと首を縦に振って答えた。康介は満足気に微笑むと、男の頭を優しく抱きしめる。


「よし、それではそろそろ仕上げに入るとするかな。最後にもう一発お見舞いしてやる。覚悟するんだな」


「ああ♥ 早くしてくれぇ♥ もう我慢できねぇんだ♥ ケツマンコ疼いちまってしょうがねえんだよぉ♥」


 康介は男の肛門に再び指を入れる。そこは先ほど出したばかりのザーメンが潤滑油となって、ヌルヌルとした感触を与えてくる。康介は再び勃ち上がった男根を握り、焦らすように亀頭で入り口の周りを擦ると、そのまま一気に挿入した。


「んひぃい♥ きたあ♥ ケツマンコにチンポ来たあ♥」


 康介の肉棒は、根元までズッポリと入りきってしまった。男の肛門はまるで膣のように柔らかく、それでいてキツイ締め付けをしてくるのだから堪らない。不意に、妻とのセックスの際の締め付け具合が頭に浮かび、興奮した康介のイチモツはますます硬さを増してしまう。


「あへ♥ 気持ち良い♥ ケツ掘られて感じちまう♥」


 康介が男の耳や首筋にキスをしながら舌を這わせる度に、生温かい息と荒々しい息遣いが男を刺激して小さな呻き声を上げる。

 男は完全に堕ちきっていた。康介の腰の動きに合わせて自らも尻を振り始める始末である。康介は男の唇に再び吸い付くと、ザラリとした舌を激しく絡め合った。お互いの体液を交換し合いながら貪るようなキスに興奮しているのか、男のイチモツが徐々に硬くなっていき、汗と精液で濡れた康介の腹筋にヌルヌルと擦れては、粘っちこい糸を引いている。康介は再びバックの体勢を取ると、男の身体を巨体で覆って、汁塗れのペニスを扱きながら激しいストロークを繰り返した。


「んはぁ♥ チンポシコシコされながらキスされてりゅ♥ おっさんのベロで口の中犯されるの、しゅげぇ好き♥ おほっ♥ すげっ♥ 子持ち親父のおチンポしゅごいっ♥ 壊れりゅっ♥ 壊れちゃうぅ♥」


 男は呂律が回らなくなるほどに乱れ狂っている。康介は彼の両脚を担いで身体を壁に押し付けると、駅弁ファックのような格好で激しく突き上げた。


「おお゛ぉお゛ん♥ 深いぃ♥ 奥当たってりゅう゛ぅ♥ 出して♥ 中に欲しい♥ 種付けして欲しいのおぉ♥」


「くっ……! 出すぞッ!! 私の──、お前のモノだった【室伏康介】の遺伝子、全部受け止めろぉ!!!」


 康介のピストンはさらに激しさを増す。男の全身を壁に押し付け体重を支えつつ、バチュバチュという破裂するような音が室内に響き渡るほどの勢いで、何度も亀頭を彼の前立腺にぶち当てる。そして、一際強く最奥を突き上げると同時に、大量の白濁液をビュルビュルと注ぎ込んだ。


「イぐう゛ぅぅう゛うッ♥ 中出ししゃれてイッぢゃう♥ イッグぅう゛ぅぅ゛ぅ゛ぅ~っ♥♥♥」


 男が絶叫を上げながら盛大に射精したザーメンが、康介の男臭い顔に、厚い胸板に、割れた腹筋にぶちまけられて鬱蒼と生えた陰毛をも白く汚していく。康介の吐き出す精液も凄まじく、これが最後とばかりに二つの巨大な玉がビクビクと収縮を繰り返しながら次から次へと子種を産み出し、腸内に収まりきらなかった汁が、肉棒と金玉の間をドロリとした白いアーチを描くようにして伝いながら、ボタボタと床に落ちて精液の海を作っていく。


「ふぅ……♥ どうだ? かつての自分のチンポで犯されて、ザーメンをぶっ放された感想は?」


 康介は長い射精を終えると屹立したままの己の肉棒を、ズルリと引き抜いて男の顔を覗き込む。だが、その声は彼には届いていなかった。男の眼は既に焦点が合っておらず、虚空を見つめたまま、時折気の抜けたような喘ぎを漏らし続けるのみだ。


「なんだ、気絶してしまったのか。ちょうど良いな。さっき最後だと言ったが、薬のせいでまだまだチンポの疼きがおさまらんのだ。このままもう一回戦付き合ってもらうとするかな」


 康介はそう言うと、意識を失っているかつての自分の肉体の尻の谷間に、いきり立ったままの肉棒を押し当て、両腕で男の身体を掻き抱くと汗と精液に塗れた背中に全身を擦り付け始めた。首筋や頭の懐かしい匂いを嗅いで、うっとりとした表情を浮かべる。


「ああ、素晴らしい……。なんて温かくて気持ちの良い肌なんだ……。自分自身のことは好きではなかったが、やはり離れてみると愛おしく感じるものなんだな♥」


 かつての自分である男の汗と精液と、新しい自分の身体から溢れ出す体臭が混ざった強烈な臭いが康介の歪んだ心を刺激する。たまたま押し入った部屋で、これほどまでに恵まれた肉体と人生の持ち主に生まれ変われてしまうなんて──。

 教師となってしまった彼にとって、他人と肉体を入れ替えるという罪深く背徳的な行為が、より一層彼を興奮させる。康介は男の味を忘れまいと鼻息荒く全身を舐め回すと、萎えることを知らない剛直を尻穴に捻じ込み、激しく腰を振り始めた。


(了)



以下、衣服無しの差分イラストです





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Comments

黒竜Leo

雄臭い体育教師、素晴らしい!!