双子になったふたり (Pixiv Fanbox)

　とある大学のカビの匂いが漂う湿った倉庫に、巨体の男二人が気を失って横たわっている。二人は顔だけでなく、鍛え上げられた頑強な肉体も瓜二つである。それは当然で、彼らは一卵性の双子だからだ。

　土門兄弟といえば、関東の大学ラグビー界では有名な二人組であり、同時にその強面な顔立ちと大きな体躯から恐れられている二人でもあった。

　その双子の内のひとり、一虎（かずとら）が目を覚ました。

「くっ……、頭痛ぇ……。ここはどこだよ？ ……おい、竜一（りゅういち）！ 起きろよ！」

　一虎は、隣りで呑気に大の字になって寝ている、弟の竜一を揺すった。

「うぅん……。あっ、一虎大丈夫かっ！？」

　頭を抱えながら上体を起こした竜一は、兄の顔を見据えると、目を擦って辺りを見回した。薄暗い部屋に幾筋もの光が差し込んでいる。老朽化して壁に穴が開いた場所から、光が入っているようだ。室内には埃が充満し、鼻の奥を刺激する嫌な臭いがする。

　一虎は自分の体をチェックしながら、弟に尋ねた。

「確か練習中に、俺が相手選手と接触して転倒したとき頭を強打したんだよな？」

「ああ。それで俺が担いで保健室に行こうとしたんだけど、そこから記憶がねえ……」

「そうか……。ここもどこかわからねぇよなぁ……」

　そのとき扉が開き、外から人が入ってきたため、二人の会話は途切れた。目に入った小柄な男は見覚えがあった。

「お前、小杉か？ お前がここに俺らを連れてきたのか？」

　小杉と呼ばれた男は、中学時代に土門兄弟が舎弟にしたてあげた挙句に、無理矢理同じ大学にまで入学させた同級生だ。そして今はラグビー部にマネジャーとして所属させられている。そんな彼が口を開いた。

「そうだよ。ちょっとした訳があって、君らを気絶させて連れてきたんだ」

「ちょっとした訳だと？ ふざけんなっ！ 何で俺らがこんなことされなきゃいけねえんだよ！？」

　怒りの形相で立ち上がった一虎を見ても臆することなく、小杉は冷静に口を開いた。

「もう、うんざりなんだよね、君たちの面倒を見るのは。僕が君たちに散々虐げられてきて、どんな気持ちだったかわかるかい？ ……僕はもう我慢の限界なんだ！」

　小杉の口調には悲壮感が漂っていた。目には涙さえ浮かんでいる。一虎は、いつもとは違う彼の態度に若干戸惑いながらも、勢いのままに怒鳴り返した。

「俺らは別に、てめえを強制して世話しろだなんて頼んでねーだろうが！ てめえが好きでやってたんじゃねえのかよ！」

　その言葉を待っていたかのように、歪んだ笑みを浮かべた小杉は一気に捲し立てた。

「誰が好きこのんで、君たちみたいなやつらの面倒を見たいだなんて思うんだよ！！……君たちは僕のことをいじめていた気なんて、さらさらなかったんだろうね。僕みたいな陰キャにとって、君たち二人がずっと憎かった。そして、ずーっと羨ましくて妬ましかった！……僕は、君たちみたいになりたかった……」

　その声は次第に大きくなり、しまいには絶叫していた。ふと真顔になった小杉は、体をそっとずらした。すると後ろに隠れる形になっていた男の姿が双子の目に入った。見たこともない男だ。身長は小杉よりも高いが、ひょろりと細く見える。

「誰なんだよ、そいつは……？」

「この人は僕と同じ性癖を持った人だよ。君たちは【自分姦】って知ってる？ 僕はね、同じ姿をした二人がセックスするところを見たり、想像するのがめちゃくちゃ好きなんだ。特に一卵性の双子の絡みなんて、想像が膨らんで興奮しまくっちゃうし、申し訳ないけど中学の頃から君たちがセックスするところを想像しては、オナニーしてたんだよね。でも普通じゃ、それは見られないじゃない？ だから、それを見る機会を作ってくれた君たちに心底感謝しているよ。ありがとう」

　小杉の目は暗闇の中でもわかるほどに、爛々と輝いている。

　こいつは狂っている──、そう双子の本能が囁く。二人は彼の異様な様子に恐怖を感じ、目を合わせると立ち上がって逃げようとした。だが、背後にあった裏口の扉には鍵がかけられており、力を込めても開かない。

「無駄だよ。そのドアには内側からも外側からも開けることができない特殊な鍵が取り付けられているからね。それにここは元々廃倉庫だから人が入ってくる心配はないよ。さあ始めよう！！」

　小杉は後ろ手に隠していたテーザーガンをおもむろに取り出すと、二人に向けて発射した。バチバチという音とともに、電流の筋が暗闇に光る。麻痺した一虎の手から、鉄パイプが落ちる音が虚しく響くと、その体は力なく床に転がった。意識を失ったのだ。横に立っていた竜一も、同じく電撃によって失神してしまった。

「それじゃあ、こいつらになっちゃおうか。横谷くん」

　小杉は、後ろに控えていた痩せぎすの青年に小瓶を手渡すと、蓋を開けて中身を呷った。横谷と呼ばれた青年も、同じく小瓶の中身を飲み干すと、下着を脱いで露わになった皮被りのイチモツを、双子の弟の竜一の口の中に挿入する。小杉もまた兄である一虎の口内に自分のペニスを差し入れていた。

　二人は顔を見合わせると、ゆっくりと腰を動かしてピストン運動をし始める。二人の口から漏れ出る喘ぎ声が、倉庫内の埃まみれの部屋の中で木霊する。ジュプジュプという湿った音と共に、泡立つ唾液が双子の顎を伝っている。やがて動きが激しくなり絶頂が近付く。意識を失った二人の顔が苦悶で歪み始めた。

「やばい！僕イきそうだっ！！あっ！あ゛っ！」

「僕もだ……、ん゛ぁ……、イクよ……！」

「「イ゛ッ……クッ……、ア゛ァーーーーーーー！！！！」」

　二人はほぼ同時に、精巣に貯まった白濁液を双子の口内に吐き出した。そしてぐったりとした二人は、双子に折り重なるように倒れ、意識を失ってしまった。

＊

　数分後、一虎と竜一が意識を取り戻した。彼らは覆い被さっていた小杉と横谷を押し退けると、立ち上がって自身の体を大きな掌で触って確かめ始めた。

「すごい……！ あの薬、本物だったみたいだよ、横谷くん！」

　一虎が厳つい顔をほころばせて、歓喜の声を上げる。その隣で、同じように喜色満面な様子でいる竜一も応えた。

「僕たち、本当にこの二人と入れ替わったんだね、小杉くん。信じられないよ！」

　二人は丸太のように太い腕、みっちりと筋肉の詰まった胸板、割れた腹筋を撫で回すと陶然とした表情を浮かべる。そして大きく膨らんだ股間にそそり勃つ巨根を目にすると、涎を垂らした。

　小杉と横谷の二人は入れ替わり薬によって、一卵性双生児である土門兄弟の肉体を手に入れたのだ。そして、肉体の変化以上に彼らに入れ替わりを実感させたのは、意外にも声だった。弱弱しく少年のように高かった声は、野太く低い男らしいものに変わっていた。

「はあぁ…、この声エロすぎ♥ 僕、もう我慢できないよ！ ほら、このチンポも見てよ。猿みたいにセックスしてるせいで、黒くて立派な大人チンポだ。合宿の時にお風呂で見てから、ずっとこれを触りたかったんだ！」

「僕たち、チンポの形から血管の浮き方まで同じだ……、すっごく興奮しちゃうよ♥ それにこの体なら、いくらでもオナニーできちゃいそうな気がする……。あ……、なんだかムラムラしてきちゃった……」

　双子の兄弟は、どちらからともなく近付くと目をトロンとさせて、眼前にいる同じ顔をした男の唇にキスをした。舌と舌を貪るように絡め合いながら、お互いの体を強く抱き締める。唾液混じりのスポーツドリンクの柑橘系の味が喉を通り抜け、汗臭いツンとした雄の香りと、申し訳程度の制汗スプレーの匂いが二人の鼻腔をくすぐる。狭い室内に荒い鼻息と、艶っぽい低い喘ぎ声が響き渡る。

　互いに服を脱がせ合って、露わになった生身の肌をうっとりと見つめると、相手の腋に鼻を当ててクンクンと犬のように嗅ぎ始める。酸っぱいような腋汗の匂いが、さらに興奮を煽るのか、二人とも切なげな吐息を漏らした。

「竜一の腋、すごく良い匂いだよ。雄臭くて、なんかこう、頭がクラクラしちゃうよ」

「一虎の腋も、こんなに毛深くって、すっごくエッチな感じだよ。それにここだって……♥」

「ああ……、ダメだよ横谷くん……。そこ汚いよぉ……」

　竜一は一虎の上半身から下半身へと舌を這わせていくと、彼の股間にぶら下がった巨大なイチモツの先端を、ザラリとした舌で舐め回した。亀頭を包み込むように口を大きく開けてしゃぶりつくと、じゅぽじゅぽという音を立てながら激しくストロークし、口に入りきらなくなった部分は手で扱いた。

「あぁ……、横谷くん上手すぎるよ。そんなにされたらすぐ出ちゃいそうだよ……♥」

　一虎はペニスを竜一の口から引き抜くと、お返しとばかりにムッチリとした臀部を鷲掴みして、彼のモノにしゃぶりつく。二人はシックスナインの姿勢になると、膨張してビクビクと震える互いの性器を貪り合った。精悍な顔はだらしなく蕩けきり、口の端からは涎を垂れ流している。

「「イ、イクッ！！！」」

　やがて限界を迎えた二人は、一卵性双生児に相応しく、同時に果てた。勢いよく鈴口から飛び出した大量の精液は、お互いの口腔内にドクドクと放たれ、小気味よい音を立てて喉を流れ落ちていく。二人はそれを全て飲み干すと、再び濃厚な接吻を交わした。

「すげえ旨かったぜ、竜一のザーメン濃くってよ。おっ？ なんか俺、話し方変わってねえか？」

「おぉ、男らしくって一虎っぽくなってんぜ！ ……っと俺もだな。この体でザーメンぶっ放したせいで、心が体に馴染んだのかもな」

「マジかよ。なら、もっとぶっ放さねえとな♥」

　一虎は豪快に反り返った二つの男根を重ねて擦り合わせると、腰を動かし始めた。鈴口から出た先走りと唾液でコーティングされた二本の肉棒が、ヌチュヌチュという淫猥な音を立てて、乾いた室内に響き渡る。

「うはは！ これはいいな！ 最高じゃねーか！」

「ハアァ、スゴイぜこれは……♥ 俺、またイッちまいそうだ……！」

「おう、どんどんイキまくろうぜ♥♥」

　互いの亀頭がカリ首を擦り上げて刺激する度に、双子の脳髄が打ち震える。一虎は同じ形をした二つの竿を両手で握り締めると、射精に向けてラストスパートをかけた。二人の男は全身全霊をかけて、自らの分身を攻め立てていく。

「「ん゛お゛お゛っ！ イ゛グッ！！」」

　ほぼ同時に絶頂を迎えると、双子は獣のような叫び声を上げながら白濁した熱い体液を撒き散らした。それはまるで噴水のように弧を描き、お互いの顔に、体に容赦なく降り注いで、地面へとボタボタと垂れ落ちていく。

「あ～、気持ち良すぎるだろ♥ ずっとなりたかった体での射精が、こんなにも感じるなんてな♥」

「あぁ……、すげえよ♥ 同じ顔と体の人間とチンポ擦り合わせるのが、こんなに興奮するなんて思いもしなかったぜ……♥」

　双子の兄弟は、余韻に浸るようにしてしばらくそのままの姿勢でいたが、すぐに新たな欲望がふつふつと湧き上がってきた。

「なあ、竜一。せっかくだからこの体でヤってみようぜ」

　一虎は竜一の手を引くと、倉庫の奥にあるマットレスの上に仰向けに寝かせた。その上に馬乗りになると、一虎は自分の指を口に含んで唾液で濡らした。その濡れた手を、竜一の肛門に差し入れると、中をかき回すようにして刺激を与える。すると、排泄以外では使用したことのなかったその穴は、ヒクつき始めて徐々に柔らかくなっていく。ゴクリと生唾を飲み込んだ一虎は、自分のペニスを取り出すと、先走りでテラテラと濡れたその先端を弟の尻の穴に押し当てた。

「いくぞ……、竜一」

「おお……、来い……！」

　一虎は腰を突き上げると、その巨大な亀頭をゆっくりと捻じ込んだ。弟を犯しているという背徳感が、一虎の脳を通じて小杉の興奮度を否が応でも高めていく。

「ん゛っ！ ああ゛あ゛ぁぁっ！！ 俺の中に……、一虎のチンポ入ってる♥ すごく気持ち良い♥♥ 頭ン中、変になりそうだ──。一虎のチンポで突かれる度、竜一の記憶が蘇ってきて、俺完全に竜一になっちまうぅ♥♥」

　犯されれば犯されるほど──、自分のモノと同じ形をした一虎のイチモツが体内に侵入してくるほど、竜一の中に宿った魂がより竜一らしくなっていく。それは、イチモツを弟の尻の穴に挿入して、先走りを垂れ流している一虎も同じであった。

「おぉ゛っ！ 俺の頭ン中も変わってきてるぅ♥ 生まれたときから、今までずっと一虎だったみてえに感じるぜ♥♥」

「はあぁ…、すげぇ。俺、もう脳味噌の中まで竜一になっちまってるよ。一虎……、お前の顔、めちゃくちゃエロいぜ」

「お前の顔もエロいっての……。顔だけじゃねえよ。この筋肉たっぷりの体も、汗臭ぇ匂いも。何もかもエロすぎてっ……、ハア、イッちまいそう……。ダメだ！ 中に、出すぞ、竜一！！」

　竿を根元まで弟の中に捻じ込んだ、パンパンに張った一虎の陰囊がギュウッと収縮すると、精巣から飛び出した精子が尿道を駆け昇って、弟の中を汚していく。

「ハァ、すげぇ♥ あぁ……、腹の中が熱い。血の繋がった兄貴のチンポが、俺の中でドクドクいってるぅ……♥♥」

「はあ、はあっ……♥ すごいぜ、竜一♥ 俺のザーメン、ケツマンコでゴクゴク飲んでるのがわかるぞ♥♥ オラッ！ お前もイけよ、竜一！！」

　一虎は硬くなってヒクヒクと震えている弟の肉棒を握り締めると、上下に激しく扱き上げた。同時に彼のアナルの中で未だ萎えずに反り返っている兄のペニスが、ズチュッと卑猥な音を立てて奥深くまで突き入れられる。

「あああ゛あ゛っ！！ イク♥ 出る♥♥ 女としかヤったことない俺が、兄貴にチンポはめられてザーメン出しちまうぅ♥♥」

ドプッ！ ドクッドクッ！！ ビュッビュルルルーーーー！！！

　前立腺を幾度も突かれ、さらに陰茎を扱かれ続けた竜一は、再び白濁した液体を吐き出すと、快楽に身を震わせた。そしてその後を追うように、体内で暴れていた一虎のペニスが激しく脈打ち、熱い体液をドプドプと放出する。二人は再び同時に絶頂を迎え、そのままマットレスの上に倒れこんだ。ズルリと肉棒を引き抜かれた竜一のアナルからは、注ぎ込まれたばかりの兄の精液が溢れ出し、マットレスには大きな精液溜まりができてしまった。

「ふー、良かったぜ。竜一……♥」

「はあ……、お前も最高だったよ。一虎……♥」

　二人の兄弟はそっくりなお互いの顔を見つめ合いながら微笑むと、そっと唇を重ねた。

＊

「さてと……。もっと楽しみたいところだが、こいつらが起きる前に仕上げをしとかないとな」

　一虎が小杉の着ていた服を脱がしていくと、竜一も同じように横谷の着衣を剥がしていく。全裸に剥かれてもなお眠ったままの彼らの口の中に、先ほど飲み干したものとは別の色の小瓶の液体を流し込むと、二人はニヤついた笑みを浮かべた。

　小杉と横谷を仰向けにすると、双子たちは精液でコーティングされた男根を、それぞれかつての自分の体内へと挿入してゆっくりと腰を振り始めた。二人の尻の穴はこの日のためにしっかりと使い込まれており、この状況に陥る少し前にも解していたので、なんの躊躇いもなく太い肉棒を咥えこんでいく。

「ああっ、すっげぇアガる……♥ 俺、ついさっきまで自分のモンだったケツマン掘ってんだよなあ♥ 女のマンコより締め付け良くって、ヤバすぎだわ」

「んん゛っ♥ 俺のケツ……横谷のマンコも同じだぜ。俺のチンポ欲しがって、尻の筋肉ギュウギュウ締め付けてきやがる♥♥」

　双子は厳つい顔をほころばせて、目の前にいる以前の自分を犯し続けた。数十分前までの自分自身の肉体を攻め立てる行為は、倒錯的で背徳的な快楽をもたらし、二人の頭の中をより淫らに染め上げていく。そしてそんな彼らに煽られるかのように、小杉たちの股間もまた徐々に膨らみ始めた。それに気付いた一虎は、竜一に視線を向ける。

　彼は黙って首肯すると、横谷の肉体に絡みつき、乳首を摘んで引っ張ったり、腋の下を舐め回したりしながら愛撫を始めた。一虎もまた小杉の乳首を指で捏ねくり回し、首筋にキスをしたり、彼の指を口に含んだりと様々な手管を披露する。やがて、小杉と横谷の二人が喘ぎ声を上げ始めると、双子もまた興奮度を増し、身体から発せられる雄のフェロモンがさらに強まったことで、彼らは双子の匂いを無意識に嗅ごうと鼻をヒクつかせる。どうやら薬の効果が出てきて、彼らの頭の中身もその肉体に引っ張られ始めたようだ。

　双子は互いに顔を見合わせると、ニィッと不敵な笑みを浮かべ、一虎は小杉の、竜一は横谷のアナルを犯すことに集中して、激しくピストン運動を繰り返し始める。自分の尻の中に自分の男根を挿入する。そんな異様な状況に、二人の脳内はアドレナリンで満たされていき、さらなる快感を求めて腰の動きを速めた。すると、双子の陰嚢が息を合わせたようにせり上がり、ペニスが同時にピクピクと痙攣し始める。

「ああ゛っ！ 俺イッちまうぅう！ 竜一、これで俺たちは……」

「一虎、お、俺も出るっ♥ これで、こいつらの体は永遠に俺たちのモンだッ！！」

　二人の睾丸がキュウっと縮み上がるのと同時に、肉棒が激しく震える。次の瞬間、大量の精液が同時に発射され、小杉と横谷の腸内にドクドクと注がれていく。かつての自分たちのペニスによって体内の奥まで蹂躙された二人の男は、意識を失っているにもかかわらず、快楽のあまり絶叫を上げて悶絶すると、体液を自身の腹の上にドプリドプリと放ち、そのまま潮を吹いて涎を垂れ流した。

　そして彼ら二人が双子として生きてきたこれまでの記憶は、新しい肉体から放たれた精液の中に詰め込まれて、全て体外へと放出されてしまった。

「それじゃあ、そろそろグラウンドに戻るとするか。戻るのが遅いとチームメイトたちにも怪しまれるしな。これからよろしくな、竜一♥」

「ああ、一虎。今日からお前と過ごせるのが楽しみだぜ♥」

　二人は目の前にいる同じ姿をした兄弟の肉体を愛撫しながら、舌を絡めて濃厚なキスをした後、小杉と横谷をそのままにしてシャワー室へと向かい、汗と精液で汚れた体を互いに洗い流し合うと、ユニフォームを着てグラウンドへと戻っていった。

　すべてを忘れたかつての双子たちは、これからは血の繋がりもなくなった小杉と横谷というまったくの別人として過ごすことになる。土門兄弟の肉体を奪い取った男たちは、その未来を想像すると堪えきれず、二人揃って精悍な顔をほころばせて股間を硬くさせるのだった。

（了）

以下、文字無しの差分イラストです