【あるカベシリーズ3】あるマンションの噂話 (Pixiv Fanbox)
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◆子守歌
『こんばんわ幽犬ちゃんねる、ネイルよ』
『おなじく、テイルだぜ!』
『テイル、今日は突然どうしたのよ』
『ふふん、今日はネイルのためにとっておきの怖い話を用意したんだぜ!』
『ちょっと、私怖い話苦手だって……』
ベッドにゴロンと横になりながら、スマホから流れる声に耳を傾ける。
音声合成ソフトが文字をなぞって言語に変換して出力する。
一度聴くだけでは奇妙な感覚のその声に近い音はおよそ人らくない。
しかし抑揚が少なく耳通りに抵抗がなく、慣れれば聴き心地の良い声であった。
そんな音声が、怖い話をテーマに噂話や有名な怪談を述べていく。
恐怖をテーマにしているというのに、横になる少年、肥えたマラミュートの獣人はリラックスした状態で豊満な腹を上下させている。
呪いの話、聞いたら数日以内に被害に遭う、脅しのような内容の話をしているというのに少年は意に介さず眠りへと落ちていく
10分ほどの動画は少年を恐怖させる役目を果たせず、動画の終了と共に、適当な次の動画、次のホラーテーマの音声合成動画が流れていく、それが眠りにつく肥えた獣人の子守歌であるかのように。
◆友人同士でお泊り
大柄な犬獣人が2人、坂道をどたどたと下り、連れ立って帰路を走る。
肥えた身体に汗染みを浮かばせ、豊満な腹や乳を揺らす二人の様子は非常にダイナミックである。
灰色と白のツートンのマラミュートと白の毛皮のサモエドはクラスメイトの獣人、サイとカバが行方不明になったと朝のHPで知らされ、午後からは学級閉鎖となったので、急ぎ足で自宅へと帰る。
肥えているとはいえ、犬獣人、太い脚は脂肪もあるが筋肉も発達しており、雪国で長距離を運ぶ犬の血脈、息は荒いが、目を見張るスタミナであった。
負担は30分かかるそれを15分まで短縮した2人は、マラミュートの自宅であるマンション群に辿り着く。
親元から離れて暮らしているマラミュートは今晩も一人、サモエドに一人は怖いと誘い、サモエドも両親が家を離れる仕事をしているため、今日は独りのため、マラミュートの誘いに乗った。
灰色のコンクリート造りの複数の6階の建物が配置されている。高度成長期に作られたマンション群は数十年経過しており、古臭くどんよりとした空気を漂わせていた。
まるで墓標のように立ち並ぶ10の灰色の塔、そのうちの一つがマラミュートの家、3号棟405室。
エレベータが故障しているので階段を足早に上がると、扉の鍵を開けて、サモエドを招き入れながら、マラミュートは扉を施錠した。
「おじゃまします!」
「上がって上がって、ただいま~」
「おかえり~~」
「えへへ」
仲のよさそうなやり取りをする犬2人。
大柄な男二人がいるには少し狭いワンルームの部屋。
簡易的な玄関と廊下、正面と廊下横の2つの扉、それぞれ6畳の部屋とユニットバスに繋がっている。
6畳の部屋はシングルベッドと2人が座れそうな座椅子と正面にはデュアルモニタのPC、インテリアは少ないが綺麗とはいえず、脱いだまま洗ってない衣類やエナジードリンクの空き缶が放置されていた。
「あんまりきれいじゃないけど……」
「ん、まぁいまさらというか、ボクは気にしてないので」
制服の汗の染みたシャツと、制服のズボンを脱ぐマラミュート、肌着とボクサーブリーフだけのムッチリとした姿をサモエドに晒す。
サモエドも意に介さず、マラミュートに従うように、肌着とボクサーブリーフの姿になる。室内に二人の汗の臭いが漂う。
エアコンのスイッチを入れ、涼し気な風が部屋を心地よくしていく。
「なんか動画とか見る?」
「ん~そうね~~」
座椅子に座りながら、PCの電源を入れると、いつも利用している動画配信サイトにアクセスするマラミュート。
2人座りも可能な座椅子に遠慮なく座るサモエド、ムッチリとした二人がミッチリと椅子に納まる、柔らかな感触をいまさら不快とも感じないマラミュートは気にする様子もなく慣れた手つきで画面を操作する。
表示された画面は普段見ている履歴をもとにおすすめ動画が表示されている。
流行の漫画やアニメの考察動画や、ホラーや未解決事件の解説動画など、マラミュートの興味が反映されている。
「お、新しい動画ある!」
「ホラー見るの?」
「うむ~幽犬ちゃんねるは外せないからね」
「好きだね~いいけど」
「いや、ぼくが教えてもらった側なんだけど??」
「えへへ、新作は解説みたい、心霊スポットの凸動画もたまにはみたいなぁ」
『こんばんわ!幽犬ちゃんねる……』
動画を再生したマラミュートは座椅子にもたれ掛かり、サモエドも従う。
座椅子が100kg級の犬2人の重さに悲鳴をあげるようにギシリと音を鳴らす。
音声合成の声を聴きながら、2人は心地よさそうに耳を揺らす。
行方不明の緊張感や全力ダッシュの疲れ、そして隣にいる犬の感触の安心感からか、うっつらしだした二人は船をこぐように眠りへと誘われていく、
冷房が強めだが、全力ダッシュで汗だくの太った二人にはそれがちょうどよく、ひんやりしたところは隣の肥えた犬獣人の身体に自身の肥えた身体を重ねる。
数分もしないうちに二人は眠りにつくのであった。
『次回もまた見てくれなんだぜ!』
『ご視聴ありがとうございました!!』
30分ほどの長い動画が終わると、いつものように次のおすすめ動画が流される。
浅い眠りにつく二人には小さく「んぅ」と声を鳴らすと、捲りあがったシャツから見える腹にお互いの手を乗せていた。
『荒熊ちゃんねる!ご視聴ありがとうございます!』
再生された動画は、先ほどの女性タイプの声ではなく、男性タイプの音声合成である。
太く低い男性のノイズ強めに調整された声であり、ホラー動画と言われればそうだろうという声色をしていた。
『このチャンネルは、最近巷で起こっている怪事件を解説する動画を投稿しています!
面白かったら友達にシェアしてね!』
しかし声色とは裏腹に読み上げは軽快で怖くはない。
『じゃあ今回はこのテーマ。「肥えた雄獣人が被害に遭う怪異《あるカベ》」
なんでも、肥えた獣人が被害に遭っちゃうみたいだよ。
あくまで噂だけど、被害に遭った獣人は結構いるみたい。
この動画を視聴してる太った獣人男性のみんなは気をつけてね!』
眠っている二人に聴かせるでもなく、動画は進行していく。
『ってことで、その二人はその後行方不明なんだって!掲示板の話だからあくまで噂どまりだけどね。
で同じ噂なんだけど、これを聞くとあるカベとつながってしまう、あるカベにあってしまうとか言われている音というか呪文?があるみたい
ここからはちょっと危険かも、太った獣人男性が本当に聴いていたら視聴を止めるか、この映像が流れている間は耳ふさぐかミュートにしてね!
わたしもこの部分は別の人につくってもらったので!おっとこれでは自分がデブだと言ってるみたいだ、わたしはデブではなくぽっちゃりなのでね!
でも怖いからこの部分と全体の編集は太ってない人に作ってもらったので安心よ!っと閑話休題、呪われるとか本当かわからないけど念のためね!
んじゃ数字が0になったら流れるのでご注意アンドこうご期待』
そうして数字がカウントダウンされていき
『あるかべ…様、ある…かべ様、お入りくだ…さい』
ノイズ混じりの音がスピーカーから流れると、画面ノイズにが現れ、動画が停止してしまう。
それに二人は気付かないまま寝息を立てている。
ぬるりとした音と共に、ノイズ混じりの画面が砂嵐に変ると、そこから黒い影のような半透明の觸手のような直径5センチほどの棒状の物体が2本現れる。
ゆっくりとモニタ前に座りながら寝ている二人にそれは迫ると、ぴっちりと太い脚に張り付いたボクサーブリーフの生地を押しあげ、太腿を撫でながら中を進む
およそ1Mほどの長さの觸手がモニターから出てくると、ノイズが解消され何事もなかったかのように、動画は再生を始める。
『どうでした?自分は文字でしかみてないんですが、なんか普通というか、これで本当に怪異にあうんですかねぇ?』
觸手は仰向けで寝る2人の下側を這いずり、粘液でマラミュートとサモエドの毛皮を濡らしながら、目的地に辿り着く。
まだ排出にしか使われたことのないその穴を觸手は先端を細めてゆっくり進み、そして二人のケツ穴を拡張しながら侵入する。
苦しさにうめく二人、身体は汗ばみ、豊満な胸のチクビは透けている。
觸手は止まらず、50cmほど既に入り込み、マラミュートのケツ穴は5センチの觸手の太さに対応するように拡がっていた。
サモエドも変わらずうめき声をあげながら、汗ばんだ毛皮はしっとりと濡れ頬は赤く染まっている。
しかし、2人とも起きる気配なく、まるでケツ穴の快感を得るように身体を揺らす。
そしてボクサーブリーフの記事越しのチンポはガチガチに勃っており、ボクサーブリーフには大きなシミができ、布越しに透明な液体がトロトロと溢れていた。
シャツ越しのチクビは布に影をつけるように固くなり、マラミュートもサモエドも全力で走っているときのように息を荒げている。
そして、觸手がすべてケツ穴に入ると、穴が閉じる快感か肥えた犬獣人達は、ボクサーブリーフ越しに白濁した液体が吐き出していき、受け止めきれない分が布越しからドロドロと溢れていく。
『それでは、次回もお楽しみ~~ばいばい~』
野太い雄の声をサンプリングしたかのような合成音声が軽快な声をあげると動画は終わり次の動画が流れ始める。
およそ1mのゼリー状の觸手が体内に侵入したことなど知らない二人は、そのまま眠り続ける。
そして雄汁が乾いたころに、マラミュートは目を覚ます。動画は変わらずホラーを紹介している。
「ん、あ……寝てたのか、フユキくんも寝てるのか……動画、ちゃんと見てなかったしまた見直さなきゃ……」
少し肌寒いのか、マラミュートは隣の肥えたサモエドに身を寄せる
「えへへ、暖かい……独りだと寂しいけど、フユキくんと一緒にいるときは、寂しくないんだよなぁ」
暑かったのか、サモエドのシャツはめくれあがっており、マラミュートは肥えたサモエドの腹を優しくなでる。
柔らかくもっさりした毛皮と弾力のあるお腹は触り心地がいい。
汗ばんで透けたシャツ越しにサモエドのピンク色のチクビが透けて見える。
「フユキくん、チクビ固くなってる?」
腹から腕をまくりあがったシャツの中に手を入れると、チクビに触れてみる。
「んぅ」
甘い声を出すサモエドにドキリとしながら、胸を見ようと身を寄せサモエドの脇の間に首元に近づける。
途端濃くなるサモエドの臭い。
汗臭い若い雄の臭い、不快だったはずなのに、サモエドの香りを好ましく思いながら、マラミュートは再び眠りに落ちていく。
マラミュートは気付いていないが、自身のボクサーブリーフごしのいちもつは先走りが溢れるほどに固くなってビクビクと脈打っていた。
「あれ、寝てたのかボク」
数分後今度はサモエドが目を覚ます、自身を包み込むようにマラミュートが抱き着いている。
柔らかな毛皮の感触が心地いい。
「ソウスケくん、抱き枕代わりにして、もう……」
文句を言いつつも不快に思っていないサモエドは身を捩らせると、マラミュートと向き合う形で横になる。
目の前にはマラミュートの肥えてはいるが犬の特徴がわかる、ツートーンの顔。
抱き合う形の姿勢で、胸や腹が触れ合い、太腿や脚も絡み合うような姿勢姿勢、マラミュートの首筋に自身の鼻を載せるサモエドは
マラミュートの汗と雄の香りを鼻先から息をする度に嗅いでいる。
「いつから……ソウスケくんと、こうするのが良いなって思うようになったのかな……」
一月前、覚えてはいないが、学校で目の前の犬獣人とこうして身を寄せ合ったらしい、何も覚えていないのだが、こうすると心地よく、そしてこの雄の香りは身体が覚えていたらしい。
その後、お互いの家で遊ぶ度、こうして身を寄せ合うことを待ち望むようになっていた。
「ボク……どうしちゃったんだろうな」
不快ではないがこの違和感と焦燥感、そして胸に詰まるコレがサモエドを不安にさせる。
それを拭い去るようにマラミュートと強く抱きしめると、サモエドは次第に眠りへと落ちていく。
下腹部でいきり勃ったボクサーブリーフ越しのサモエドのちんぽが押し付けられて、同じように勃ち先走りを溢れさせたマラミュートのちんぽとキスをするように重なり合っていた。
横になる肥えた二人が身を捩るとサモエドが身体をビクリと痙攣させ、犬の顎を開き舌のように半透明の觸手が先を覗かせると、マラミュートの顎を開きながらゴポっと音を立て侵入していく、サモエドと同様肥えた身体をビクリと揺らすと
觸手がマズル同士を引き寄せるように動くとちんぽと同じようにふれあい、キスをする番のように口を合わせると、重ね合った下の口から白濁した精を吐き出すのであった。
その後起きては身を寄せて眠り、起きては抱き合って眠り、気が付けば夜の11時であった、ご飯をいつ食べたのか記憶もない。
「あれ、ソウスケくん、ご飯とか食べたっけ?」
「ん…どうだろ、でもすごいぼく眠たいから……今日はもういいかな」
「ボクも……」
起き上がったマラミュートはシャツもボクサーブリーフも身に着けておらず、下腹部のモノはギンギンにいきりたっていた。
そのまま、汗臭い身体のまま肥えた犬獣人はシングルベッドに横になると、壁際に身を寄せる。
「フユキくんもこっちで一緒にねよ?」
サモエドも同じように立ち上がると、薄暗い部屋に身体を晒す、若い雄の臭いや雄汁の臭いを付けたまま、一糸まとわない犬獣人もまた、またぐらのいちもつをビクビクと固くしていた。
「うん」
ベッドに横になったサモエドはマラミュートと向かい合う、シングルサイズのベッドからはみ出すぐらいの重量の犬獣人はお構いなしに抱き合うと、固くなったイチモツを重ねると先走りがねとついて糸を引く。
息が荒い、目の前の肥えた雄から目を離せない、潤んだ瞳を重ねながら、互いの荒い息と部屋にだだよう雄の臭いを嗅ぎながら吸い込んでいてく、胸が苦しい、目の前の雄が……欲しくてたまらない。
「フユキ…くん」
「ソウスケくん……」
そのあとに続く言葉をいう前に、重なった唇。
鼻の先を重ねてする軽いキスではなく、顎を重ねて牙をぶつけながらも、舌を伸ばして口をふさぎ合って相手を貪欲に貪るようなキス。
瞳孔がケモノのように縦長に開きた瞳を爛々と輝かせながら、豊満なケモノは互いを喰らう。
ギンギンになった互いの陰茎からは何度も雄汁がはきだされ、毛皮をねっとりと濡らしていく。
(フユキくん好き……好き…大好き……)
(ソウスケくん、好き、好きぃ……好きだよぉ)
「ごぽぉ、ごぷぉ…」
「おごぉ、ごぼぉ…」
息苦しそうな声を上げる2人、瞳を交わしてきつく互いを抱きしめてながら、口から黒い半透明の觸手が交互に行き来しているのに気付かないまま、大量の雄汁を互いの土手肉にぶっかけあう。
ベッドの上を大量の汗と雄汁で濡らしながら絡み合う雄獣人、口づけをかわし、ちんぽをこすり合わせながら、交尾は数時間続いた。
「いかなきゃ……」
「うん、行かなきゃ……」
数時間後呆けた顔で立ち上がる二人、豊かで柔らかな毛皮互いの汗と雄汁で濡れており肌に張り付いている。
おぼつかな足取りで、全裸のまま、マンション入り口の扉を出ていく、その二人のケツ穴からは觸手が顔を覗かせており、行先を教えるように揺れていた。
ストンと引き戸が閉まる音がした。
どのくらい歩いたのか、二人は狭い部屋の中にいた。
横を見ると、シンプルな壁に何かが埋まっている。
それは肥えた獣人を思わせるケツと太い脚そして固くなった男根のようであった。
それが上下で向か合うように2体分並んでいる、固くなった男根は重なりあい、ケツ穴は大きく拡張されいた。
それが時折とビクビクと痙攣している。
ああ、ここに二人デブの獣人がいるのだろうと、犬獣人達は察した。
太い觸手が導くように壁の前に先端を載せると、筋肉のように自身を使い重量級の二人をケツ穴入った自身で浮かせると、犬獣人二人は甘い声を上げて、雄汁を吐き出す。
壁に向かって上下で抱き合う姿勢になったマラミュートとサモエドは何度もしたように唇を重ねる。
抵抗もなく、壁に吸い込まれた犬獣人達、隣の壁尻と同様の高さで固定される。
壁の中の二人は抱き合う感触が残っているのを感じている、目を開けるそこはデブケモ獣人二人をピッタリと納めるような小さなスペース、ミッチリと身を寄せ合った二人は、薄暗い中で互いの姿を認識した。
そして突如ケツ穴に快感が押し寄せ二人は雄汁を溢れさせてしまう。
「ん゛おお゛っ♡いぐぅ♡デブマラミュート壁尻獣人いぐぅう♡♡大好きなデブサモエド壁尻獣人といぐぅうう♡♡」
「お゛お゛っ♡ぼくもぉ♡大好きなデブマラミュート壁尻獣人と一緒にデブマラミュート壁尻獣人は壁尻イキするぅ♡♡」
外で役割は終えたと黒い觸手がケツ穴から外へと出ていく、その快感で犬獣人達のチンポからは雄汁が何度も床に撒き散らされていく。
「すきぃ♡デブマラミュート壁尻すきぃ♡一緒にチンポ汁出すの好きぃ♡」
「壁尻ぃ♡好きぃ♡デブサモエド壁尻と一緒ぉ♡デブマラミュート壁尻獣人はぁ幸せぇ♡いぐぅ♡」
腰は固定されて動かせないが、上半身は動かせるのか、身を寄せ合い、固くなったチクビを抓りあい、口づけを交わしながら、まくし立てるように言葉を言い合うマラミュートとサモエド
大きく空いた顎は幸せそうな笑みを浮かべており、番の壁尻となった犬獣人達はその快感を貪るように享受するのだった。
觸手が抜け出ると、マラミュートとサモエドの大きな臀部はカベの外に晒され、拡張されたケツ穴はヒクヒクと痙攣し、太い脚と尻尾は壁に固定され、重なったちんぽから先走りが溢れていた。
◆あるマンション群の人喰いエレベーターのうわさ
暗い室内で寝息を立てる音が響く、それに合わせるようにスピーカーから合成音声が流れる。
『次の怖い話はこれだぜ、マンションに使われてないエレベーターがあるんだぜ!』
『使われてないって壊れてるのかしら、それは不便ね』
『ふふん、どうやらエレベーターは壊れていないけど、それに人が乗ると食べられてしまうって噂が立って、念のため使えないようにしているってことらしいのぜ!』
『ええ、人を食べちゃうなんて怖いわね、そんなエレベーター本当にあるのかしら?』
『エレベーターは閉鎖空間、不気味なうわさにはもってこいの場所、とある手順で操作すると別世界に移動できるなんて噂もあるからな』
『へぇ?じゃあそのエレベーターも人を別世界に連れて行っちゃうのかもね』
『恐ろしいだろ?』
『それで、その使われてないエレベーターってどこにあるのよ?』
『噂だから、詳しい場所は分からないが、なんでもN県の某所にあるらしいのぜ!経済成長期に建てられたマンション群らしいのぜ!』
『N県のマンションに住んでる人は注意が必要かしら、使えないようになってるエレベーターがあったら私だったら余計なこと考えちゃうかもね』
『まぁ、あくまで噂だからな、そんなに怖がることないのぜ』
◆失踪事件記録
警察の関係者によると、他の案件と同様、被害に遭ったのは肥えた獣人とのことであり、他の件と合わせて同日に複数人が行方不明となったことになり、これは異常と言わざるを得ない。
被害者の住むマンションには人の姿はなく、残された部屋には異臭が漂っていたという。
関係者も捜査に行き詰っているようであり、こっそりある映像記録を渡してきた。
どうやらマンションの防犯カメラの映像で、そこに行方不明者の姿が映っていた。
ただ映像は不鮮明で不可解なノイズもおおいため、重要証拠だが、特徴の似た獣人がこの時間にいたという程度の情報しか得られなかったとのことである。
マンション外のカメラには映っておらず、部屋から出てエレベータに乗り込む以降の姿はマンション敷地内のカメラには残されていなかった。
奇妙なことにマンションの管理人によると、そのエレベーターは使用停止しており、住人とはいえ、動かせるはずがないとこのことだ。
ちなみに、被害者の2名については、失踪当日は学校が午前中のみで、一連の失踪事件により、午後は学級閉鎖となっている。帰宅時は13時頃で、その際は階段を使って自室へ帰宅している様子が、カメラに残されていた。その際の映像はノイズもなく詳細に2人を判別できた。その後は23時の例の映像になるまで姿は確認できなかった。
引き続き調査を続ける。
◆あとがき
三つ目のお話です!!
壁尻になりそうな閉鎖空間……考えたところ思い浮かんだのがエレベーター
エレベーターの存在しない階層で開いた扉の先に、壁尻獣人がいるのかもしれないですね、、、
また例の如くWIPになってまして、続きのイラストなど随時更新したいと思います。
2024/06/03 イラスト追加