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今回はオモテで言うのはちょっとアレだけど、少しだけ知ってほしい裏話


弊社は漫画アシスタント会社なので

常時 複数の作家さんとのやり取りしております。


月に約20~30件近い作家さんとお仕事をしていまして各々特色のある作家さん方とお仕事をするのは非常に面白いです。


しかし悲しいかな、始まりがあれば終わりもあり

弊社が担当している作家さんの中にも「連載が終了する」作家さんが年に必ず何割かはいらっしゃいます。


新連載からお任せ頂いた作家さんの連載終了まで付き合えるのは、ありがたいことでありいつも「もう少し力になれたかもしれない」と思うばかりです。


ですが、そういう時現状100%作家さん方は連載が終わるという事に対して

「すみません」

と謝られます。私の力が足りませんでした、人気が出ませんでした。と


決して「お前らがもっと良い背景を上げてれば~…」とか言われたりしません。


自責思考といいますか、漫画の世界で勝負すると腹をくくって生きている方々はやはり違います。その一点だけで尊敬に値する方々だなとつくづく思いますし、そういう方々の作品に携わられることは誇らしいことです。(作品が売れていようがいまいが)



漫画家さんの9割以上は売れないまま漫画家業を続けるか辞めるか、という生活を送られます。

売れて人生印税生活で逃げ切れる作家さんは全体のほんの一つまみです。


これはアシスタント業としてやってきた私の私見ですが

電子書籍、ネット雑誌が増え昔よりも漫画家デビューはしやすくなり漫画家の仕事先は一見増えたように見えます。

特に今はコミカライズ需要が多く「漫画家が足りない」という状況が発生しているという話もあります。

私にも時々コミカライズのお仕事どうですか?とお話が来るレベルです。

(その際私が「アシスタント業務と重なった場合、アシスタントを優先しますがよろしいですか?」とお返事すると100%ご縁がなかったことになります)


しかし全体で見て、昔より漫画は売れなくなった様に思います。

以前今年は漫画の電子書籍の売上が過去一、という話がネットで明るい話題の様にあがっていましたが「分母が増え続けていて電子書籍も普及しているのだから当たり前だろう」としか思わず、むしろ一作家あたりの売上がどうなっているのかの方が大事なわけです。


当たり前ですが分母がこれだけ増えると、当然顧客が分散するわけです。

もちろんマイナーなものがより細分化される為、ニッチな需要を満たされるという点は素晴らしいことなのですが


一般層には

「よくわからないものよりも、面白い事が約束されたものだけにお金を落としたい」

という人気の格差が起こりやすくなってしまったかなと感じます。それはこの大エンターテイメント時代には仕方がないことだとわかっているのですが


漫画家さんという覚悟を決めて、この道で戦っている人たちが1人でも

「すみません」と謝らずに報われる未来があってほしいなと、一アシスタントは思います。


これを読まれたあなたもぜひ推しの作家さんの作品は予約して買ってあげて下さい。

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Comments

Anonymous

kindle派なので本より時間がかかりますが、私もそうしたいとお思います。

Anonymous

何というか難しい話ですね。始まりがあれば終わりもありますしね。自分がいくら好きでも雑誌自体が終わった時もありますし。ただ、好きな作家さん、作品はいつまでも続いて欲しいと思いますし、ずっと応援したいと思います。

Anonymous

つい最近、追っていた作品の打ち切りが知らされました。 単行本は書店で予約し、応援していたのですが、最終巻は電子のみになってしまうそうで......やるせないです。

Anonymous

正に推しは推せるうちに推せ、というやつですね。 色々聞き知っていたとしても、こう改めて読むと色々と作家さん達の世界が…… 新刊出てから数日以内(一週間?)の動きがかなり大事とどこかで読んでからは 個人的になるべく発売日直後に買うよう心がけております。

Anonymous

Jセンセのコミカライズも見てみたいですが。難しそうですねえ。 艦これから加賀さん主役のコミカライズ依頼が来たら……

Anonymous

単行本の売り上げも当然大切ですが、読者アンケートも重要な要素と聞いた事が在ります。 今のSNS時代、作家先生に直接感想をお伝えする事も出来ますが、なるべく編集部を通す様にすると良いそうです。 雑誌綴じ込みのアンケートはがきは切手が必要だったりしますが、編集部のサイトから無料でアンケート送れますしね。

Benjamin

I'm a kindle man :) . But I don't understand japanese. Do you consider English version

DMF31Z-G

当たり前のことですが、売り上げがなければ食べていけませんもんね… 予約やアンケートが大事なことを改めて心に刻み、 生きる力を創作からもらっている消費者の私は多少食費を削ってでも推し活を続けます…!

kendo

電子書籍で売れるのと紙の単行本が売れるのとで作家さんに入る印税って違いはありますか? もし変わらないなら今後はなるべく電子書籍にして行きたいなと思っています。 ただ、紙の方が印税が高いとなるなら推しの作家さんは紙で買います。 でも紙が無くなったら印刷される会社は厳しくなるのかな…。J先生の話を聞くことで漫画を書く作家さん、そしてその向こう側のアシスタントさんやそれに関わる会社のことまで考えるようになりました。 今回も興味深いお話ありがとうございます!

マスクザJ

艦これコミカライズの話が来たら絶対にノウですね 二次創作描けなくなっちゃいますからね!

マスクザJ

それもよろしいことか… 権限持ってる人に直接声を届ける大事ですね!

マスクザJ

Hmm ... I don't know if the English version can be translated correctly. I hope I can make an English version too ...

マスクザJ

食費は削っちゃダメ―!!😨まずは命を!衣食住足りて礼節を知ると申します。まずは衣食住に投資です!

マスクザJ

印税の差は時には電子版のほうが良いという話さえありますが、出版社的にはまだまだ紙ベースが基本のようです。 漫画の造り手側の奥のことにも興味を持っていただけたら幸いでございます!

DMF31Z-G

ご忠告ありがとうございます(汗) 削るといっても外食が減るとか、ちょっとした節約レベルなので命は保ってます!(笑)