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12:00 【本山 智香 560/970 173%】 「あの、勇くん……!」 『だめだよ智ちゃん。勝手にどこか行ったりしたら』 あの遊園地での出来事から、今日でおよそ9ヶ月が過ぎた。 それだけの時間を一緒に過ごしてきた僕たちの関係は、それはもうそれ相応……どころではないレベルに至っていて。 もう普通の恋人というよりも、これはどちらかというと…… 「わ、わかって、るんだけど……もう、その……!」 『だめだって言ったよね?約束の時間まで智ちゃんはここにずっといないと』 まるで子どもを躾けるような口調で、僕は席を外そうとする彼女を制し続ける。 傍から見れば僕は酷い男に見えるだろう。でも、誰が知るだろう。 カフェで食事をする男女の、女子の方の落ち着きがないことが もぞもぞと太ももを手のひらでさすり、時折苦しそうに腰を揺らすその仕草が 他でもない、彼女自身の望みによってもたらされているのだと。 ____________ こうなった事の発端は3ヶ月ほど前。彼女から送られてきた一通のLINEにあった。 これが何かわかる?という一言と共に送られてきた音声ファイル。それを開いて聞こえてきたのは、ホースを絞ったような噴射音とそれが硬いものに当たってびちびちと跳ね返る音だった。 最初は庭仕事の音かもしれないと思ったが、でもそんなものをわざわざ送ってくる意図がわからなくて。 よく考えるうち、もうひとつ……ぱちゃぱちゃという、溜まった水に水を注ぐような音も聞こえてきて。それが一つの決定的な証拠となった。 あらかじめ水が溜まったところに、勢いのいい水を噴射する。日常的に触れる範囲で考えて、そのようなものは一つしか思い浮かばなかった。 トイレ。それもかなりの大音量で噴射するそれは、相当な勢いなのだろうことがうかがえた。 なぜそんな音を僕に聞かせてくるのか。いやそもそも、どうしてこんな音を記録しているのか。 まさか、と思った。あのおとなしい彼女が、まさかと。 そのまさかがまさかじゃないのだと、この問題に僕が正解した後告げられることになったのだけど。 ____________ 13:00 【本山 智香 560/1150 205%】 「ふあ、うぅ……!」 『……そろそろかな。それじゃ行こうか智ちゃん、僕の家に』 そんなこんなで今、僕たちはこうして過ごしている。 彼女からのカミングアウト。彼女のトイレを、デートの時だけでも管理してほしいというお願い事を叶えるために。 それはまあ、僕にも最低限の知識はあって、こういうのが「普通」の趣味ではないことはよくわかっているけれど、それでも。 それでも勇気を振り絞って僕に打ち明けてくれた彼女に応えたい。その一心で。 彼女の嵌ったいけない遊びに、全霊で付き合うことを決めたのだ。 13:30 【本山 智香 560/1210 216%】 それから僕たちはカフェを離れ、近くにある僕の家にやって来た。 理由は至ってシンプル。彼女がこれ以上我慢をする上で、人の目があったらやりにくいからだ。 そうしたわけで彼女を家に連れ込み、部屋へと案内する。 彼女がうちへ来るのも別に初めてというわけではないので、親への説明なども特に無くていい。何事もなく彼女を部屋へと連れ込めた。 さて、ここからが本番だ。彼女がリクエストした時間は「17時」。今からまだ4時間近くもあるのだ。 既にもう辛抱堪らない様子で身体を揺らしている彼女が、ここからまだそんなに耐えなくてはならない。 もちろん本当に危なくなったらトイレに行ってもらうけど、そのギリギリを見極めるのは僕の仕事だ。 なにしろ彼女がトイレに行きたいと言って、素直に行かせるようでは協力者として失格なのだから。 僕たちの禁じられた遊びはこうして幕を開けた。のだけど…… 『……ちょっとトイレに行ってくるね』 カフェにいる間、僕も彼女と一緒にコーヒーを4杯くらい飲んでいた。 コーヒーは利尿作用がかなり高いと聞くし、正直かなり前から行きたかったのだ。もちろん彼女ほどではないにしろ…… カフェにいるときは彼女への監視が途切れるのを嫌い、行かずにいたそれはもうそろそろ危ないレベルに達してきていた。 はっきり言って彼女の遊びに付き合うのでなければ、二回は行っててもおかしくない程度の尿意。コーヒーの力とはこれほどのものかと驚かされる。 「あ、あの勇くん……!」 『だめだよ。部屋できちんと待っててね』 当然彼女も行きたがるのを制して、僕はうらめしげな視線を一身に浴びながらトイレに行くのだった。 15:00 【本山 智香 560/1470 262%】 「ゆ、勇くっ……!わたし、もうっ……!」 もじもじ、くねくね、誰から見てもわかるような様子を見せながら彼女が僕にトイレをせがむ。 それも当然だ。実はあの後も一度、僕はトイレに行っている。4杯分のコーヒーがもたらす利尿作用とは実に強烈なもので、一般人ならこの6時間ほどの間に3回もトイレに行くほどだということになる。 そんなものを、一度もトイレに行かず耐えているのだ。そのつらさは察するに余りある。 だけど、行かせない。 ぎゅうぎゅうとかわいらしいお尻を床に押し付けて我慢しているけれど、たぶん彼女にはまだ「上」があるはずだ。たぶんまだ限界じゃない。 その限界より先にトイレを許可したところで、誰も喜びはしないのだ。 「お、おねがい……!おトイレ、行かせて……!おねがい……!」 汗の滲む顔で、かわいらしく上目遣いでおねだりしてくる彼女を冷たくあしらって。 恐らく無意識にやってるのだろうそのあざとい行動に、内心でときめきを感じながら、それでも顔には出さず、表面上は冷酷に。 『だめだって言ったよね?これ以上言うともうデートしてあげないよ』 心にもない酷いことを言いながら、僕は彼女の限界を見極めるのだ。 16:00 【本山 智香 560/1680 300%】 あれから彼女は一言も言葉を発しなくなった。 いや、たぶん厳密に言うと違う。厳密には恐らく「言葉を発せなくなった」のだ。 「……ふ、ふぅ……!ふーっ……!」 鼻息は荒く、両手はもうずっと股間をきつく押さえつけている。まるで子供のような我慢のポーズ。 静かな部屋に彼女の吐息と衣擦れだけが響く中、僕は彼女に更なる試練を与えようと思った。 『……ねえ、それは何?見せつけるみたいにしてさ、高校生にもなってトイレも我慢できないの?』 「……ぇ……」 『みっともないからやめてよ、それ。やめなかったら別れるから』 我ながら酷いことを言っていると思う。別れる、というのを人質にして要求を通すなんて最低の行いだ。 けれど……彼女からお願いされたのは、まさにこういうことなのだ。僕から嫌われてしまうからできない、というあの時の状況が忘れられなくて、それをもう一度味わいたいという彼女の要求。 それを叶えるためには、心にもない「嫌いになる」を言わなくてはいけないのだ。 そして彼女がやりたいことは、更なる尿意の我慢。それを叶えてあげるために、僕は鬼にもならなくちゃいけない。 「……ぁ、で、も、その……!も、もう、でちゃうぅ……!」 『……ふーん。じゃあいいよ、それなら智ちゃんとはこれっきりだから』 「……っ、ううぅ……!」 そして彼女は、前を押さえていた手を取り払った。 その代わり、辛抱堪らないというように腰を左右に振りたくる。もうじっとしていることもできないのだろう。 彼女の全身から挙げられるSOS。それでも僕はそれを、全力で踏みにじらなければならないのだ。 『まだなんかだめだなあ……その動くのもなんとかしてよ、みっともない』 前を押さえる代わりの、せめてもの体の動きも封じて、彼女に苦しい我慢を強いる。 そんなひどい要求に応えて、歯を食いしばり両手をきつく握りしめる彼女に申し訳なく思いながら それでも僕は、そんな彼女を黙って見守り続けるのだ。 彼女がやり通すか、それか限界を迎えるその時まで。 16:30 【本山 智香 560/1820 325%】 「ぎ、ううぐぅぅ……!ふぐ、うぐぐぐぅ……!」 タイムリミットまであと30分。あともう少しというところまできた彼女の様子は、それはもう酷いものだった。 前を押さえることも身体を揺らすことも封じられた彼女は、ただきつくスカートを握りしめていることしかできない。 全霊の力を我慢に費やしている彼女の顔は、それはもう鬼気迫るもので。 放出を許されない水分を発汗で消費しようとでもしているように大量の汗をかき、歯の食いしばる音がここまで聞こえてくるほどきつく食い締めている。 彼女のお腹の中にはいったいどれだけの尿意が詰められているのだろうか。少し気になるくらいの我慢ぶりだ。 そうだ、そろそろ記録用に「あれ」を聞いておかないと。 『さて、そろそろあと30分だけど……智ちゃん。今日はいつからしてないのか教えてくれる?』 「……え?」 『記録のために、智ちゃんがいつからしてないのか聞かないといけないよね。だから教えてくれる?』 「……あ、う、ん……!その……」 どうやら本当に危ないらしい。ほとんど聴力すら失いかけている彼女は、僕の言葉を聞き逃してしまったようだ。 今までの「デート」でもここまでなったことはないような気がするけど、今日は果たしていつからしていないのだろうか。 「その、あの……ね、昨日……から……」 『……ん?え?昨日……?』 「う、うん……昨日から……たぶん寝る前の10時くらいが最後……」 ……なんてことだ。つまり彼女は朝のトイレにすら行かず、今日のこの日を迎えたらしい。 これまでは朝行ったきり、学校では一度もトイレに行かないとかそういう感じで、さすがに朝すら行ってないというのは初めてだ。 しかもその上カフェでコーヒーを飲むなんて、これまで我慢できたのが奇跡に近い。 「……だ、だか、だからね……っ」 「その……!もうほんとに、ぉし……っこ、出ちゃうの……!」 『…………!!』 「おねがい……!ぉ、おしっこ……おしっこ、行かせてぇ……!」 この時僕は、確かに聞いた。彼女の口から出た言葉を。 彼女はこれまで、どれだけ我慢ができない時でもその言葉を発しはしなかった。だいたいが「おトイレ」か「お手洗い」だ。 そんな彼女がこの土壇場で、その言葉を発するということ。その持つ意味と…… そしてその声色から感じられる彼女の本当の気持ちが、僕を突き動かした。 彼女をトイレに行かせるか否か、その決断に。 17:00 【本山 智香 560/2040 364%】 ヴヴヴヴヴ  スマホのタイマーが作動し、僕に時間が来たことを告げる。 最後の30分。彼女はずっとうわごとのようにその言葉をつぶやいていた。 おしっこいきたい、おしっこしたい、おしっこでちゃう その悲痛な声音に隠れた密かな悦びを、僕は確かに感じ取っていた。だから彼女に更なる我慢を強いたのだ。 必死なようでいながらどこか恍惚とした声音、表情。それは彼女がこの状況を悦んでいるなによりの証明だった。 ならばそれを、勝手な判断で中止するわけにはいかない。その一心でこの30分、今にも漏らしそうな彼女をずっと見守り続けてきた。 だけどそれも、もう終わる。 『……時間みたいだね。もうトイレ行っていいよ、智ちゃん』 「…………ぁ、ぉし……っこ、していい……の……?」 『いいよ、いっぱいしておいで。ちゃんと記録は撮るんだよ』 汗だくの、信じられないくらいに熱い彼女の体を支えてトイレに連れていく。 許しが出るなり、腰骨が折れるんじゃないかというくらいきつく前を押さえる彼女を連れて、念願の地へ。 震える彼女をトイレに押し込み、扉を閉める。次の瞬間…… がんっっ! 恐らく凄い勢いで便座に座ったのだろう音が響き、次いで…… じゅうっ、ぶじゅじゅじゅううぅっっ!! 「ああ、あっ!?まっ、ぬいでなっ……!?」 「………………っっっ!!!!」 スポンジの水を絞るような音が、ドア越しにかすかに聞こえてきた。 それと同時に聞こえてくる、彼女の慌てふためく声 トイレの中で起きていることを嫌でも想起させる音がいくつも聞こえてきて、最後にようやく…… ぶっっっっっっしゅうううううううぅうぅうぅううーーーーーーー!!!!!!!びしゅぅっ、びしっ、しゅういぃいぃいいいいいいぃいいーーーーーーー!!!!! もう記録を取るまでもない、廊下にまで響く大きな大きな音が聞こえてきた。 それは昨日からずっと我慢し続けてきて、ようやく出すことのできた彼女の生み出す音。 爽快で壮大な、彼女の解放の音。 音消しも何もなく放たれる、盛大な女の子の音を扉越しに聞きながら、僕はほのかな高ぶりをひた隠すように部屋へと戻っていくのだった。 ______________ 「……あの、勇くん……今日はその、ありがとう……」 『大丈夫だよ。またいつでも付き合うからね』 それからしばらくして彼女は部屋へと戻ってきた。 長い我慢で疲れたのか、多少ふらつく素振りを見せてはいたけど…… それでもしばらく休んだら良くなったようで、今は玄関先で彼女を見送る段階だった。 いつもならここで速やかに帰るところだけど、今日はやけに彼女がもじもじとしていて…… まさかまだ出し残しがあるのかと、少しお馬鹿な発想がよぎったその時だった。 「……あ!あのね、ゆうきゅん!」 『は、はい!?』 何があったのか、若干裏返った声で彼女が話しかけてきた。 思わずこちらも驚きながら返事をすると、突然彼女が僕の手に何かを渡してきた。 それは濡れて湿った、何かの柔らかい布のようで…… 白く柔らかな生地、湿ったこの感触、そして渡してきた相手とその形状。 まさかとは思うけど、これは……! 「……しょ、しょの、これ、うちに持っちぇっちゃら、その、親にばれて、大変だから、その……!」 「す、すててもいいから、あずかっててくれませんか!?」 どうやら間違いなく、これは彼女の……さっきまで穿いていたものらしい。 事情はよくわからない。よくわからないけど、でも本人がそう言うのなら。 「あ、ありがとう!それじゃ、その……またね!」 顔を真っ赤にしながら走り去っていく彼女を、僕はひたすらじっと見送るのだった。 _____________ (ああぁ、わたし……やっちゃった……!わ、渡しちゃった……!わたしの、あれ……!) 少し、ほんの少し、魔が差しただけなんです。 今日一日、彼の協力もあってずっと我慢してきて、ようやく出せたそれがすっごく気持ちよくて。 ……ちょっと脱ぐのが間に合わなくて、下着を汚してしまいましたけど…… でも、それくらい我慢できたことが本当にうれしくて。 だから私、魔が差してしまったんです。 (わたしの……ぉ、おしっこで濡れた……下着、勇くんに……!) (脱いだばかりの、さっきまで穿いてたのを……!) もしも彼がこれを受け取ったらどうなるか もしも私のそれが染みたものを渡したらどうなるか ……もしも私の下着を彼が受け取ったら、どうなるか (ど、どうなる……んだろ……臭いとか、嗅がれちゃうのかな……わたしの……おしっこの……!) そんなことを想像したら、試してみたい気持ちがどんどんと膨れ上がっていって。 お腹の中に感じるいけない感覚が、どんどん大きくなっていって。 私は彼の家からの帰り道を、早足で進んで行くのでした。 早く自分の部屋に帰りたい、その一心で。

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