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発明されたばかりの蒸気機関が世界を大きく沸かせている時代。 そのような科学の発展とはまるで無縁の農村に、神話の世界から抜け出したかのような存在が現れた。 木々をも遥か上回り、歩く度に地面を轟かせる巨躯を誇る人間。 俗に巨人と呼ばれる存在が、村の近くの山から現れたのだ。 だがこの巨人は、神話にいるような獰猛で凶悪なものではまったくなく…… 「長老さーん!材木運び終わりましたよー!」 「そ、それは助かるがの……頼むから少し声を小さくしてくれんか。お主が声を張り上げるだけで身体が引き裂けそうじゃ」 「あっ……!ごめんなさぁい……」 とても穏やかで親しみやすい、可愛らしい少女だった。 明朗にして快活。明るく優しく目鼻立ちも整ったこの少女は、身長が16メートルもあるのでなければ村の看板娘にもなり得る魅力を持っていた。 なぜこれほど大きな身体を持つ彼女が、誰にも知られることなくいきなり現れたのか。それは定かでないが、少なくとも彼女が現れてから数日ですっかりこの村に馴染んでいた。 この巨体は農家がほとんどのこの村においては引く手数多であり、人間がやれば時間がかかる作業も軽々とこなす彼女はとても頼りにされている。 切り倒した木々を運んだり、畑を耕したり、生活用水を運んだりと、これら力仕事においては人間の10倍以上もの効率でこなすことができる。 軽く摘むだけで材木の束を運搬できる彼女の力を持ってすれば、1日かけて行うような仕事を1、2時間で終えることも可能なのだ。 その優秀さと、朗らかな愛らしさからたちまち村人から愛されるようになった彼女だが、問題がないわけではなく…… 「ふぅむ……」 「どうかしましたか?長老さん」 「いやなに、お主のご飯についてな……こうも働いてくれとるからには、お腹いっぱい食べさせてやりたいが……」 巨体にはメリットも多いが、当然ながらデメリットも多い。その代表が食事の量だ。 常人の10倍もの背丈、体積にして1000倍もの体躯を誇る彼女の食事量は、当然ながらそれに比例する。 しかし自分たちで作った作物を主食とするこの村において、それだけの食料を急に拵えることは不可能である。 心優しい彼女はこれだけの巨体でありながら人並みの食事を摂るだけで堪えているが、当然それだけで足りるはずなどなく…… 「ご、ご飯のことなら大丈夫ですよ!ほら、材木たくさん運んだってこーんなにげん……」 ぐううぅぅぅーーーー…… 「あうぅ……!」 痩せ我慢を裏切って、特大の腹の虫が鳴り響いてしまう。 さらに食事もさることながら住む場所もまだ決まっておらず、村の近所の平原で寝そべっている状態だ。 衣服も元から着ていたものだけの一張羅であり、着替えが存在しない。 来てからひと月程度と日が浅いこともあり、問題は山積していた。 それを解決するため長老は頭を悩ませるが、そうそうすぐ妙案が浮かぶはずもない。 「最近は肥料も少なくなってきておるしの……水はともかくとして、食べ物だけでもなんとかせんことには……」 「ひりょう……?って、あっ……!」 長老の言う「肥料」の量が、彼女の飢え様を明確に物語っていた。 農耕を主とするこの村において、排泄物は貴重な肥やしとなる。それは普通の人間もそうでないものも変わりはなく…… 常人の1000倍スケールである彼女のものもまた、最大限に活用されていたのだ。 お腹を出した服装がゆえか初日にお腹を下した彼女が盛大に肥溜めへぶち撒けた大量の「肥料」は、瞬く間に肥溜めを満杯にして2週間経過した今でも使い切れないほどだ。 しかし彼女の食べる量が減れば当然、肥料の量も減る。彼女がお腹を下したのも1度や2度ではないが、その度に量が減り今では人並み程度にまで減っていたのだ。 それが何よりも長老にとって心配だった。 「あの、長老……!肥料のことはあんまり気にしないでほしいなって……」 「気にするわい!わしの時代にも何度か飢饉に見舞われたでな……食えぬ苦しみはよう知っておる。わしの分をやるだけでお主の腹を満たせるならそうしておるが……」 「何も食べておらんから出るものも出ん。腹を掻きむしりたくなるほどの苦しみはもう二度と味わいとうないし、味わわせとうない……」 年頃の少女にとって自分の排泄物に関する話をされるのは恥ずかしいことこの上ないが、相手の真剣さを見ると何も言えなくなる。 長老の頭を最も悩ませているのは、この食糧問題だった。巨人の少女に割り当て過ぎれば、その分ほかの村人が食べられなくなる。 ただでさえいきなり現れた存在であるため、普通の1人分でも予想外のことであるのにその数十あるいは数百倍である。頭を悩ませるのも無理はない。 だが長老にとって最大の問題はそれでも、少女にとっては些か異なっていて…… ぶるるっ…… 「と、ところで長老さん。工事のほうはどうなってますか?」 「む?そうじゃの……この調子なら今日中には出来上がるじゃろうな」 身体を震わせながら長老に確認する少女。 彼女が確認したのは、この村で行われている一大工事についてである。 人手が足りているとはいえないこの村で、本業である農耕を放って何をしているのか。それは先ほどの肥料の話とある程度関わってくる。 彼女の1000倍スケールの「固体の方の」肥料は、出した分だけ大事に使われている。 だが液体の方は、貯めておく場所もなければ出す場所もまだ用意されていない。 身長に比例して体積が常人の1000倍である少女は貯水能力もそれ相応であり、飲み食いの量にさえ気を付けていれば数週間ほどは排泄をせずに済ませる事が出来る。 大きい方のは頻繁に出しているが、それはお腹を下しているからであり、そうでなければこの食事量なら1ヶ月は出さなくとも問題はなかっただろう。 しかし最大まで我慢したものをいざ出す時は壮絶な量となってしまうことは彼女が最初に出した大量の「肥料」が証明しており、固体のそれと違って液体であるもうひとつの排泄物を処理する場所が必要だった。 場所がないことから食べ物と同様にあまり摂取しないよう気をつけているとはいえ、それでも彼女が現れてから1ヶ月の間1度もしていない。 いくら水をあまり摂っていなくとも期間が期間である。恐らく今頃は数百リットルほどが少女のお腹に溜まっていることは間違いない。 そんなものをその辺りに出してしまえばどれほどの被害をもたらすか想像もつかず、それを貯めておける場所作りは急務と言えた。 少女にしてもその巨大さゆえ隠れられる場所が少なく、恥ずかしいところを誰にも見られることなく済ませられる場所がどうしても欲しかったのだ。 そのために彼女の1000倍スケールの肥料と排水とを貯めておけるような肥溜めを造り、そこで用足しをしてもらおうというのだ。 「きょ、今日中……ですか。わかりました……」 「すまんのう……人の手ではどうしても作業に時間がかかるでな。かといってお前さんでは穴は掘れてもその後の補強はできんし……」 「だ、大丈夫ですよ長老さん!まだ大丈夫ですから!」 「まあ、今日のお主の作業は終わっておるでな。もう昼も過ぎたし、ゆっくりしとるとええ」 肥溜めを作るにしても、ただ穴を掘れば良い訳ではなく、木々をその都度打ち付けて崩れないよう補強しなくてはならない。 そうしなければ事故に繋がるし、せっかく掘った穴が埋まってしまう。人の手で地道に穴を掘り、木材で壁を作るのが時間はかかるが最も効率的なのだ。 巨体ゆえ力仕事では無類の能力を発揮する少女も、釘を打つなどの細かな作業にはその巨体が仇となって全く向いていない。 そのため、この工事においては少女の手伝えることは皆無と言っていい。 きちんとした時計のない村で、太陽の位置から推測される現在時刻は午後2時。 自分の作業を終えた少女は、巨大肥溜めの建造予定地へと向かいその進捗を見守ることにした。 工事そのものは無理でも他に何かできることがあるなら手伝おうと、少しでも早く終わらせようと、そんな思惑もあって。 ざくざくと小人が土を掘り進む様を、延々と眺め始めた。 1時間後_________ ざく、ざく、ざく、ざく…… (村のほとんどの男の人が集まってる……あたしのため、だよね……後でお礼言わなきゃ) 2時間後_________ ざく、ざく、ざく、ざく…… (すごいなぁ、みんな休まずにずっと掘り続けて……あたし、これからこの穴に向かって……する、んだよね……なんか申し訳ないなぁ……) 3時間後_________ ざく、ざく、ざく、ざく…… (ぅ……日が傾いてきた……でもみんなまだ頑張ってくれてるんだから、弱音なんて吐いちゃだめ……!我慢、我慢……!) 4時間後_________ 「うぅ……!」 作業を見守り始めてから4時間。もう日も落ち始めた夕暮れ時になると、少女を襲う黄色い悪魔の誘惑はより1層強くなっていた。 それも無理はなく、少女は今日だけでなく来てからの1ヶ月近くも我慢し続けてきたのだ。いかに彼女の貯水能力が高くとも、限界は間近に迫っている。 もうこのまま、森で済ませてしまおうか。そんな誘惑に屈してしまいそうになる。 だが、ここで頑張ってくれている人間たちに応えたい気持ちは強く、それが彼女を支えていた。 肥料のためと名目はあれど、ここで休むことなく穴を掘ってくれているのは少女が用を足す場所を造るためだ。 ならばその少女が、完成を目前にしてどこかで済ませるような真似はできないし、したくない。その一心で堪え忍んでいた。 できることなら彼らの役に立ちたい。そう考える彼女の元に、作業者たちのリーダー格がやってきた。 「すまねぇ嬢ちゃん、水汲んできてくれねえかな?さすがに水飲まねえと倒れちまうからな」 「は、はいっ!行ってきます!」 そんな時、願ってもない頼み事が舞い降りてきた。 休まず働き続けた村人のために水を汲む。おあつらえ向きの頼み事である。 大きな手にいっぱいの桶を乗せて、少女は川へと向かっていった。 _________ 「ふぅ、こんなものでいいかな」 人間なら30分、少女なら2分の場所に位置する最寄りの川。 そこで10数個もの桶に満杯の水を汲み上げ、少女は村に帰ろうとしていた。 (みんなに早くお水を渡したいし、それに……) チョロロロ…… (川の音は……今はちょっと聞きたくない……!) 急ぐ理由はみんなに早く水を渡したいことと、耳の毒となる川のせせらぎ。 汲み上げた水を零さないよう慎重に手の上に乗せ、歩き始めた時だった。 ガチャガチャ……ガチャ…… 川の向こうの遠いところから村に向かってくる、無数の金属音が聞こえてきたのだ。 こんな森の中でこれほどの金属音を響かせるものなど、そう多くはない。 騎士の山越えというのであれば問題はないが、この村の先には要塞もなければ街もない。騎士団が通る用などはなく、考えられるとすれば山賊くらいしかない。 そしてそれが、いかな理由であれ村に向かっているということ。それはつまり、危険が迫っているということ。 ならば、止めるしかない。それができるのは自分しかいないから。 覚悟を決めて、少女は山賊の集団に向かって駆け出した。 「この山はこれから俺たちの根城だ!近くに村があんなら潰せェ!」 「ヒィャッハーーーー!!」 意気揚々と雄叫びをあげる山賊たち。 そんな彼らの元に、ずしんずしんと地響きが迫る。 「お、おい……なんだ?地震か?」 「なんだよアレ……!見てみろよ、木よりもでかいのがこっちに……!」 「村には……行かせないっ!!」 「き、ききょ、きょ、巨人だぁーーーー!!」 木々を押しのけ現れた少女に戦慄する山賊たち。 その1人をつまみ上げ、ひょいと放り投げると恐怖に駆られた他の山賊が次々と少女に向かって矢を射掛けてくる。 しかし人間の矢などは、少女にとって針にさされるほどにもならなかった。 「や、矢が効かねぇ……!こいつ、バケモンか……!?」 「こ、こんなモン……巨人なんて……ハハ、幻に決まって……!」 「あたしはここだ!山賊ども!」 こんなものは幻だと、巨人などいるはずがないと現実逃避に走る山賊たちを、次から次にちぎって投げる。 彼女にとっては大したことの無い高さでも、人間にとってはケガの避けられない高さだ。加減を間違えれば死ぬことも有り得る。 山賊どもに力の差を見せつけて、早くの撤退を促す。少女の狙いはそれだった。 「怯むんじゃねえバカ共が!矢が効かねえなら松明でも石でもブン投げやがれ!」 しかし山賊の首領の一喝が、それを許さなかった。 食い詰めた人間の多い山賊たちの、方向性が間違っているとはいえ強い執念を彼女は見誤っていたのだ。 明日の食い扶持を得るために盗む。そんな山賊たちは首領の激によって奮起し、少女に集中攻撃を仕掛けてきた。 矢による攻撃はもちろん、首領の言葉どおり松明も石投げも総動員して。 「こんなの効くもんかっ!無駄なことしてないでさっさと帰って!」 しかし体格差は歴然で、石投げも松明投げも意味を成さない。 それを見せつけて帰らせよう。いかに山賊とはいえど殺したくはなく、なるべく痛めつけることなく終わらせたい。 そんな彼女の思いなど知る由もなく、山賊らは絶えることなく少女に攻撃をしかけ、そして…… 「うぐ……!?」 とうとう、その身に唯一響く攻撃をすることができた。 巨体ゆえ皮膚の厚みも違う少女に刃物はほとんど意味をなさないし、鈍器も破城槌や投石器のような兵器レベルのものでなければ普通はほとんど効かないだろう。 だがそれは通常時のことで、今は少し事情が異なる。 分厚い皮膚と筋肉に守られているはずの内蔵だが、ただ一点だけそこからせり出しているものがあった。 長い我慢によって膨らみ、前にせり出した下腹部の水風船。 少女の恥ずかしい熱湯がぎっしり詰まった膀胱に、山賊らの投げた石が直撃したのだ。 「効いてるぞ!腹ァ狙え腹ァ!」 彼女の服は原始人が着るそれのように大事な部分を動物の毛皮で覆っただけの簡素なもので、肌の露出がかなり多い。 よく見ればお腹の膨らみも伺える無防備なお腹に、こぶし大の石が次々にぶつかっていく。 普段ならなんのことは無い攻撃も、弱みを抱えた今ではかなりの効果をもたらした。 サイズ差ゆえにダメージはそれほどでもないが、ぶつかる度にたぽんと「中身」が波立つ。それは戦闘と我慢との危うい綱渡りを繰り広げる少女のバランスを崩しかねないものであり、お腹への集中攻撃を受けて少女は吹き出そうな尿意を堪えるので精一杯になってしまっていた。 その場にしゃがみこみ、かかとでぎゅうぎゅうと股間を押さえつける。必死さゆえの少女の行動が、致命的な隙を生んでしまった。 「おいチャンスだぞ!ケツに槍ブッ刺せ!」 盗賊たちには到底届かない位置にあった少女の尻が、しゃがみ込んだせいで手の届くところにある。その隙を見逃す盗賊たちではなかった。 「きゃひぃぃん!?」 少女にしてみれば槍もつまようじ程度にしか過ぎないが、それでも刺されれば痛い。特に我慢へ全神経を注いでいるなら、なおのこと。 精神を張り詰めた所に針を刺され、ぴょんと飛び上がった少女の股間からは熱い雫が飛び出していた。 我慢しきれず溢れ出たそれは、獣の皮を縫い合わせて作った衣に染みを作り……わかりやすい我慢の証拠となってしまう。 「なあ、なんかあいつ股のとこ濡れてないか?」 そしてある1人の盗賊が放った言葉が、確信とともに盗賊たちの間を駆け巡る。 先ほどからの少女の奇妙な動き、股の染み、腹部の膨らみ、それらを総合して考えられるのは、少女の抱えた秘めるべきピンチのこと。 相手の弱みを握った盗賊のすることは、1つだった。鬼の首を取ったようにそれを騒ぎ立て、おちょくりに来たのだ。 巨人はトイレの躾もなっていないのかと、口々にはやし立てて。 「ち、違うもん……!あたしは身体が大きいから……場所がないからだもん……!」 それに対して反論したところで、大した意味を持たず相手の口撃は加速していく。 そうこうしているうちにも少女の我慢は危険域に達し、盗賊たちを一刻も早く撃退しなくてはならないが、手加減しながらでは難しい。 少し加減を間違えれば殺してしまうが、かといって優しくし過ぎれば意味が無い。殺さないようにしつつ動けなくなる程度に痛めつける力の加減など、そうそうできるものではない。 迫り来る尿意と、盗賊への対処。圧倒的な戦力を持ちながら少女は、追い詰められていた。 手加減しながらでは勝てない。トイレに行きたい。早く村に帰らないと。様々な思いが頭の中でこんがらがり、そして少女は…… ドズウウウゥゥン……! 手近な木をもぎ倒し、盗賊を数人その下敷きにした。 巨大な影を盗賊たちに落とすその姿は、見ているだけで身の毛もよだつ殺気を放っていた。 「……いいよ、そんなに言うなら……本気でやってあげる」 「悪いけど生きて帰れると思わないでね。あんたらの言う通り、あたし今すっごくおしっこしたいんだから」 度重なる罵倒と焦りにより、とうとう少女の堪忍袋の緒が切れてしまった。 元より加減していなければとうに全滅していたであろう盗賊に、木々をなぎ倒し大地を抉る巨人の攻撃を凌げようはずもなく……数分もしないうちに恐怖でいっぱいになっていた。 「ゆ、許してくださいぃぃ!!」 「ごめんなさい俺が悪かったですぅぅ!」 「カシラは置いていきますから俺たちだけでもぉぉ!!」 「ちょ、ちょっと待てコラぁ!逃げんなてめぇ……ら……」 そして盗賊たちは、間もなく首領を置いて逃げ出していった。 1人いけにえとして残された首領は少女に捕まり、にっこりとした笑顔を向けられる。 「……すみませんでした……」 「……許すと思う?」 「……ははっ……」 その2分後、盗賊の元首領は巨人の手により川に沈められ、二度と悪事を働こうとしなくなる程のトラウマを植え付けられるのだった。 _________ 「……やっと村に帰ってこれた……工事、終わってるかなぁ……」 夕方に出発して、すっかり日も落ちた時間になってしまった。 身体中に生傷をこしらえた少女の姿は村人たちから心配の的となったが、しかしそれどころではない事情がある。 先ほどの戦いで少女の貯水能力を持ってしても危険域に入った尿意を何とかして解消しなくては、村が水没してしまいかねない。 そのための場所が出来上がっているか見に行くと……そこにはすっかり出来上がった少女専用おトイレの姿があった。 「ちょ、長老さん!これは……!」 「お主が水汲みから戻ってこぬ間も、みんな頑張ってなんとか終わらせたんじゃよ。さ、行っておいで。わしらは耳を塞いでおるから」 ようやく1ヶ月にも及ぶ我慢が終わると胸躍らせながら、少女は木板の打ち付けられた大穴へと向かっていく。 少女の半身をすっぽり覆うほどの大穴にしゃがみ込むと、巨大な少女の姿は周りからすっかり見えなくなった。 これでもう我慢しなくていいと、安堵のため息をついてお腹に力を込める。 丸々1ヶ月、一日に摂取した水分約50リットル。 常人の1000倍以上もの容積を誇る膀胱いっぱいに溜め込んだものが今、解き放たれようとしていた。 「…………あ」 顕になった、人ひとりを飲み込めそうなほど巨大な乙女の秘割れ。 その上部で今か今かとヒクつく直径50センチの巨大水門から今、1ヶ月に渡り溜め込まれた巨人の爆尿が迸る。 っっっっっじゅじゅじゅおおおおおおおおーーーーーー!!!!じゅどどどどどどどっっっ、じゅばばばばばあーーーーー!!!! それは、その音はある程度距離のある上、全員が耳を塞いでいる村にすら、災害の予感すら伴うほど轟き渡った。 「な、なんだ、なんの音だ!?」 「こ、洪水……?いや、雨なんかここしばらく……」 超極太の尿道から放たれる、秒間10数リットルにも及ぶ大爆尿。この村に来てからはじめて思う存分出すことを許された、1ヶ月分に及ぶ少女のおしっこ。 それはその懸命な我慢の分だけ、猛烈な勢いでもって迸っていた。 小柄な盗賊の投石すら響いてしまうほどぽっこり膨れたお腹をみるみる萎ませて、木板で囲った大穴中に水しぶきを跳ねさせる壮絶な少女のおしっこは、未体験の快感と共にまだまだ続く。 「……っ、ああぁ……!」 大きくため息を吐きながら、お腹に目いっぱいの力を込めて黄色い水流を木板に打ち付ける少女。 ぎしぎしと板がきしむほどの、ともすれば穴すら穿ちかねないとすら思うほどの勢いの放尿は、実に2分間にも及んだ。 2分かけ、10メートルの大穴の実に5分の1までをも黄色い液体で埋め尽くす大放尿はようやく終わりを迎えるのだった。 少女の足首まで浸るほど深い水たまりに、最後のひとしずくを絞り出して、少女は巨大おしっこ溜まりからその身を引き上げた。 (……いっぱい……出しちゃったなぁ……) 去り際にふと大穴を覗き込むと、少女はそこに溜まったモノがこれから有効利用されることを思って赤面するのだった。 そして後日…… 「……嬢ちゃん、言いづらいんだがこの前作ったトイレな、使う回数は控えめにな……」 「え……」 「肥溜めとして使うにも量が多すぎてすぐ一杯になっちまうからさ……」 「ええぇ……!また我慢するんですかぁ……」 少女のおトイレ苦難は、まだまだ続く。

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