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「ああ、ごめんなさい。一緒に来ている人がいるから」 「っぇ。あ、う。うひひ、そ、そう、だよねぇ……あはは」  夏の海。30歳ほどの肥満体のキモオタに声をかけられたのはかなり際どいビキニ姿の愛想は悪いが綺麗な顔をした美少女にてサキュバスの櫻待 冬子。  普段は眼鏡をしている彼女は海なので裸眼で長い黒髪を後ろで三つ編みにしていた。  そんな冬優子は今日、同居人と言うか性奴隷というかパートナーである春雪という少年の海に遊びに来ていた。  普段から毎日毎日何度もエロいことをしまくっている2人だけど、たまには場所を変えて、かつ学生らしい青春も楽しもうとしての海だった。  そこで春雪がトイレに行っている間に彼女は先ほどのキモオタに声をかけられたのだけど、無表情のままあっさりとお断りをしていた。  キモオタは自分から声をかけた訳ではなく、どうやら仲間内で罰ゲームか何か、悪乗りでナンパをさせられたようで断られると肥満体を揺らして友人たちの元へと戻っていった。   「………………」 「櫻待さん、どうかした?」 「……いいえ、なんでもないわ」  去っていくキモオタの背を見つめる冬子。そこにトイレから戻った春雪が声をかけると、冬子は視線を外したのだった。  視線を外しながらも彼女は、自分の下腹部をそっと手で押さえてそこで生まれた疼きを抑え込もうと必死になっていた。  ―――。  ――――――。 「ふぅう……なんだか今日は少しだけ……おかしな感じ、ね……っぁ♥」  海でそれなりに遊んだ冬子はビーチの片隅に設置された簡易的なシャワールームへと向かった。  今日は浜辺や、人気のない場所で春雪とエロいことをするつもりだった彼女だけどどうにもその気になれずにいて、その気になれないのに何故か身体は発情しているという状況に戸惑っていた。  サキュバス故に身体は男の精液を欲しがってしまっている。興奮で言えば普段以上に興奮して発情しているのに、なぜか春雪とエロいことをする気にならずまるで普通の学生カップルかのように海を堪能していた。  そんな日があってもイイのかと考えつつ冬子は狭い簡易シャワールームのドアを開けて、中に入りながら閉めようとしたとき―――。  ”がっし!” 「っ!?」 「うひ、ひひ……お、お邪魔、しまーっす♥ うひひ♥ おほっぉ♥ やば、やっぱりスンゴイ身体してる、よねぇ、はぁはぁ♥」 「な、なんなの、あなた……っ! 松か。っぁ……っ! むぐ!  ―――でっぷりした汗臭い肥満体の、数時間前に冬子をナンパしたキモオタが強引に中に入り込んできた。  驚き、悲鳴を上げて春雪を呼ぼうとした冬子の口をキモオタは片手で押さえて、完全にシャワールームの扉を閉めた。  シャワールームは簡易的な物でしかなく防音機能などはないのだけど、2人はある種の密室に閉じ込められたこととなった。  口を押えられ、片手を掴まれて身体を密着するように追いつめられる冬子はどうにか抜け出そうと藻掻くのだけど、その動きが徐々に徐々に弱くなっていった。 「……っ♥ っ♥(なに、これ……♥ すごく、凄く興奮してる……私♥)」  彼女自身気が付かなかったことなのだけど、このキモオタの強い精力とそしてオスとしての相性に冬子は無意識に惹かれていたのだ。  ナンパされた時にはただの違和感だったのだけど、こうして2人きりで密着した状態になればそれは完璧に理解できた。  理想的なオスの存在に身体が疼き、無意識にフェロモン垂れ流しにした結果、それに惹かれたキモオタくんは半ば暴走するようにシャワールームへと押しかけたのだ。  どちらかというと陰キャ寄りで、女の子をナンパしたりなどしないタイプのキモオタだけどサキュバスのフェロモンに当てられてしまっていた。  そして、同じくキモオタの性欲にあてられて自分でも訳わからないくらいに発情してしまっている冬子は半ばレ●プか何かのように押しかけられているのに―――。 「…………するなら、早く済ませて……♥」  ―――甘い声で彼を受け入れてしまうのだった。    ―――。  ――――――。 「櫻待さん遅いけど大丈夫かな……っぁ……」  シャワーを浴びに言った冬子が戻らないことを心配した春雪はシャワールームの並ぶ場所へと向かっていった。  海でエロいことをしてこなかったこともあり、冬子の体調なども心配しながら彼がシャワールームへと近づくと―――。 「っぉほっぉ゛♥ っぁ♥ すごっぉ゛♥ っぁ♥ だめぇえ♥ こんなの覚えさせないでっぁ♥ わ、私ぃ、サキュバス、なのっ♥ っぁぁぁあっぁぁぁあ♥ サキュバスなのに負け、負けて、っぁ♥ オチンポに負け、っぁっぁぁぁああ♥」  ―――聞きなれたハズだけど、一度も彼が耳にしたことのない甘く、激しく乱れた冬子の声が聞こえてきた。  外へと声を響かせ、砂浜に雑に固定されたシャワールームを”ガタガタ”揺らしながら、明らかにセックスをしている冬子。   「ぅっぁ……っぁ……」  別に恋人という訳でもないし、冬子のサキュバスという性質上ありえることだと理解しながらも春雪は目の前の光景を信じ切れずにした。   「はっぁあ♥ イク♥ イクぅうぅう♥ っぁぁぁぁ♥ だめっぁ♥ ダメぇっぇえ♥ 本当にだめ、これ、好きになっちゃうからっぁ♥ そんなのダメなのにぃい♥ っぁ♥ っぁぁぁぁ♥」  シャワールームの中は見えない。しかし、何が起きているのかを理解してしまった春雪はその場に立ち尽くし、延々と響く冬子の喘ぎ声を聞き続けるのだった。  自分が聞いたことないほどの媚びた、甘い甘い喘ぎ声を。  

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