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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆  いつからか、オレの周りにいた女の子が変わりだした。  気づかないようにしていたけれど、その変化はどんどん広がっていって、もう取り返しのつかない状態にまで広がっていた。  オレは、自分の周りにいつも彼女たちがいてくれるのが当たり前だと傲慢にも思ってしまっていた。  そんなものはただの幻想だと気づくこともなく。  ―――。  ――――――。    いつもの、何も変わらないはずの彩南高校の教室。  オレ、結城リトの通うここは普段と変わらない……ハズなのに……。 「やー、なんかこうなってくると、クラスの活気がないよなぁ、リト?」 「…………そう、かも、な……」  自分の席に座るオレに声をかけてきたのは親友の猿山。  教室を見回してそう告げてきた言葉通り、クラスの活気がない―――というかオレの周りの活気がないのかも知れない。  理由はわかっている。  オレは教室におかれたいくつかの机に視線を向けていく。 「………………」  その机たちの持ち主はしばらく学校に来ていない。  ララ、春菜ちゃん、小手川、オレの周りにいた、いてくれた彼女たちがいつからか学校にこなくなっていた。  しかも、それは三人だけではなくて、モモも、ナナも、ヤミも……京子ちゃんやルンまでも、だ。  いつからか一人、また一人といなくなっていったというか、オレから離れていってしまった。  理由もわからないし連絡もつかない。  不安で心配だけど、先生に聞いても何も知らないというし、誰に尋ねても知らないという。  みんなが行きそうな場所を巡ってもだれ一人として会えない。  うちに住んでいたララたちも家に帰ってこなくなっていた。 「みんな……どこいったんだよ……」  こんなに寂しい気持ちになるなんて思ってもいなかった。  その寂しさに胸元をギュッと握って抑えた。  そうしないと、オレの中の寂しさが溢れてしまいそうになっていたから。  ―――。    ――――――。 「…………」  みんながいなくなって数か月もたった頃、オレは学校である噂を聞いた。  それは―――。 『古手川、今エンコーしまくってるらしいぞ?』 『かなり安くやれるってさ』 『聞いた話だけど5000円でやれるとか』  ―――そんな最低の噂話。  あまりにも最低な話にオレは怒り、そいつらに殴りかかってしまった。  古手川はそんな女じゃない、真面目で厳しくて、だけど優しくて可愛い女の子だって知っていた。  だから、そんな噂は絶対に嘘で、信じられない物だった。  その嘘を証明しようとオレは噂に聞いた古手川が援助交際をしているという近辺を探していた。  あんまり治安のよくない、学校でも近寄らないように言われている、風俗とかのある区画を少しおっかなびっくり歩いていく。  こんなところに古手川がいる訳ない、そう思っているところに着ている意味がないくらい肌を見せた服を着て、肌をミルクチョコレート色の焼いた、金髪の女性が声をかけてきた。  咥えタバコに、きつい香水の香り、どう見ても『そういうことをしている』感じのお姉さん。  胸は小さいけど、手のひらよりも幅が狭いチューブトップで寄せていてかなりエッチだった。 「ね~❤ そこの童貞くさいおに~さん❤ チンしゃぶ一発2000円でどぉ? あーし、マジおしゃぶり上手いよ?」 「!?」  しかも、かけられた言葉は予想以上にエロいというか下品すぎる言葉だった。  あまりの言葉に顔真っ赤になって、何も言えないし、かつ服装がエロすぎて直視も出来ない。  上はチューブトップで下は前をあけた食い込みまくりのホットパンツで、ビキニみたいな下着が見えていた。  アクセサリーも色々つけていて、しかも、よく見ると下腹部、ホットパンツから見えちゃっているおまんこの上あたりには男子トイレマークの入れ墨まであった。  その下品すぎる姿に言葉も失っていたんだけれども、あることに気が付いた、まさか、とも思えることに。  視線をそらして俯いていたんだけど、ゆっくり、脂の挿してないロボットみたいにゆっくりと頸を上げてその顔を見た。 「どする? あーしのおしゃぶり、買う? マジきもちーよ?」  タバコを指で持って反対の手で何かを握る様にして口の下で構えながら、その握った何かを舐めるように舌をレロレロさせる最低な下品ジェスチャーをするその顔は―――。 「さ……西蓮寺…………?」 「ん? んん~? あ、もっかして結城くん? うっわ、マジなっつ!」  ―――オレが好きな女の子、清楚で女の子らしい女の子”だった”西蓮寺春菜だった。  古手川を探しに来て出くわしたのは、どう見てもロクでもないビッチになってしまった春菜ちゃんだった。  あまりのことに絶望的な気持ちになり、どうやって立っているのかもわからないほどのショックを受けてしまう。  見た目も、口調も、ほんの数か月前とはまるで違うその姿にオレは、何も言えなくなってしまっていた。  ただただ、口をパクパクさせていくけれど、酸素を取り込むことはロクに出来ていなくて苦しくなる。  春菜ちゃんは「童貞臭いって思ったら結城くんとかマジウケる❤」とタバコを吸って下品に笑っていく。  オレに見られて焦ったり慌てたりする様子もなくて、それはもう彼女が完全に今の自分に染まっていることを示していた。   「で~、結城くんは何しに来たん? あーしの噂でも聞いてハメにきたん? でもにゃ~、結城くんのチンポちっさめだし、高めに取っからね? こんくらい★」  何も言えないでいるオレに見せるように、片手の指を三本立てて見せてきた、金額を表しているのだろうけれど、それがいくらかはオレにはわからない。  聞かないと、なんでこんなことをしているのか、効かないと。何か言わないと! と、焦っているけれど、口は震えるだけで何も言えない。  そんな風にオレが固まっている間に、春菜ちゃんの背後に気づけば人影があった。  それはがっしりとした体格の若い男で、ピアスに入れ墨、そしてタバコ。どう見てもロクでもない、まともじゃない見た目の男だった。   「なにやってんだよブス、しっかり稼いでんのかぁ? ああ?」 「ぁっ❤ マサトさんっ❤ ブスとか酷ぉい❤ はるにゃって呼んでくださぃよぉ❤」  その男に、春菜ちゃんはさっきまでのオレに対してのバカにしたような態度じゃなくて媚び切った声で、実際そのホットパンツに包まれたお尻をフリフリしながら身体を寄せていく。  その姿にも驚くオレだけど、そんなのは無視で春菜ちゃんは媚びた声で身体を摺り寄せて、片手は『マサト』そう呼んだ相手の股間を撫でていた。 「いきなりチンポ触ってんじゃねぇよブス、金はどーしたんだよ?」 「にゃぁあん❤ ちゃんと稼いでますよぅ❤ そこの童貞から3万とるんで10万になる予定でーぇす❤」  当たり前の様にオレを指さして『童貞』呼ばわりしてく。  指さしながらも、オレのことなんて見向きもしないで、男に媚びていた。  そして、マサトさん、とやらはそこでオレに気が付いたらしくタバコを吸いながら―――。 「なに、お前童貞なん? こんなブスで童貞捨てるのやめとけやめとけ、マジオナホ以下のユルガバまんこだしよ❤」 「あ~! 酷いこと言ってる~! これでもはるにゃ、結構人気のおトイレちゃんなんですよ~?」 「安いからだろ、なのにガバマンで3万とかぼったくりが過ぎるわ」  ―――オレが好きな女の子をブス呼ばわりしていく。  それに春菜ちゃんはこれっぽっちも嫌そうではなく、口では嫌がってるようなことを言うけど、その声自体が嬉しそうであった。  それを見ながらオレがやっと言葉にできたのは―――。 「ど、ぅいう、かん、けい?」  ―――というそれだけだった。  それにマサトさんは簡潔に―――。 「肉便器兼財布に使ってやってるだけ」  ―――と答えた。  その言葉に嬉しそうに春菜ちゃんは笑って、横ピースしながら「お財布おまんこのはるにゃでーす❤ チンポしゃぶってマサトさんのパチ代稼いでまーす❤ ブイブイ❤」なんて最低なことを言っていた。  もう、頭がクラクラしてくるオレに、マサトさんは―――。 「つか、マジでこのブス使うくらいなら、も少し待てばユイくっしそっち使えよ」  ―――そう告げてきた。親切心なのか、もはやわからない、わからないけれど、ユイという名前には引っかかった。 「ユイ……ユイ、って……?」 「あん? あー、ユイってのはこのブスのダチなんだけど、こいつより可愛いしまんこもかなり名器なんよ」 「え~? ユイちゃん紹介しちゃうんですか~? マサトさんに貢ぐ3万円が~……ぶー!」  春菜ちゃんの友達で、ユイ……唯。  その名前はオレがここにくるきっかけの噂。  今でさえ理解できていない、本当に倒れそうなくらい頭が混乱しているのに、まだ先があるのかと吐きそうになってきていた。 「お前はさっさと他で稼いで来いっつの……ま、ユイってのはおっさんに飼われてるやつなんだけど、1万で生本番までいけっしマジおススメ、俺の紹介って言えば割引してくれっしな❤ あいつ俺のチンポ好きだし」 「…………」  おっさんに、飼われている。  その言葉も意味も理解できないままに、マサトさんは「とりあえず俺帰っから、しっかり稼いで来いよブス」と、春菜ちゃんの頭を小突いてさっていった。  雑な扱いをされても春菜ちゃんは嬉しそうにしたまま「ちゃんと稼ぎまーす❤」なんて手を振って、相手が見ていないのに投げキスまでしていた。  それを終えるとオレの方を見てスマホを取り出すと、何やら見せてきた。 「マサトさんはあーいってっけどー、ユイちゃんはやめてあーしにしときなって、マジで! ほらぁ、こんなおっさんとラブラブってやばいっしょ?」 「…………!」  スマホの画面には、綺麗だった黒髪を金色の染めて、春菜ちゃんと同じく肌をミルクチョコレート色に焼いた古手川がいた。  しかも、なんだろう、ヒョウ柄のボディコンとでもいうような服を着た彼女は、どう見てもスケベそうな、校長みたいな男と濃厚にキスしていた。  春菜ちゃんは画面をスライドさせていって更に、フェラチオ、セックスなどなど、おっさんと楽しそうに幸せそうに絡んでいる古手川の写真を見せていく。 「1000万貯めたらおっさんと結婚するとか言ってるんだけどー、マジ無理? 結婚資金として渡して貯金して貰ってるって本人いってたけど、キャは❤ 全部使われちゃってんだよね~❤ あーし、このおっさんに奢って貰ったことあっし❤ 財布がいくらでも稼いでくるからって❤ マジウケる❤」  楽しそうに笑う春菜ちゃん。  なんで、どうして、なにがどうなっているかもわからないで固まっているオレに彼女は―――。 「つーわけで、こんな頭悪いビッチよりあーしで童貞捨てるの確定じゃね? 2万にまけとくし❤」  ―――そう笑顔を見せてきた。  オレは、何も言えないまま、何も出来ないまま、その場を走り去るしか出来なかった。  走っていく中で、路地裏からフラフラと出てきた髪を左右で小さなツインテールにしたナナによく似た、だけど服装がまるで違うし、何よりも妊娠したようにお腹を膨らませた女の子とぶつかったけれど、オレはただただ走っていくことしか出来なかった。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ _(:3 」∠ )_〈初のお寿司コースご支援にテンション上がってのリクエスト消化、でしたが四日ではこれで限界でした……! _(:3 」∠ )_〈本番にいかずに申し訳ございません!

Comments

シモヘイヘ

リクエストありがとうございます!とても十分なクオリティでした!もし次を書く予定があれば、本番までよろしくお願いします!ありがとうございました!

双nari

_(:3 」∠ )_ 〈余裕があれば、この後の唯ちゃんから何からみんな書けたらと! _(:3 」∠ )_ 〈こちらこそありがとうございました!