悪魔のアプリLv28「Lv:99」 (Pixiv Fanbox)
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体育祭が終わり、期末テストも無事終了。
何だかんだと色々あった、激動の一学期が修了して。
待ちに待った、夏休み。
両親からは海外旅行に誘われたけど、今回は泣く泣く断念。不参加。
海外旅行なんて早々行けるもんじゃないから勿体ないけど、致し方なし。
そう、『DQ』。
『DQ』は、テスト休み中は情報収集に努めて、敢えてレベル上げはせず。
一ヶ月以上ある夏休み期間中に、私は一気に“決めて”しまおうと思っていた。
ゲーマーとして、無理な攻略はしない。命が掛かってるんだから、尚更。
両親は不在だけど、食料等の生活必需品の貯蔵は充分。
空調を調節すれば、半裸で過ごせる季節も相まって。服装の心配も取り敢えず、無い。
「さぁ、一気にやっちゃおう」
ゲーム内での情報収集はバッチリ。装備も問題なし。
後は、“限界”までレベルを上げるだけ。
このゲームでやっと、というか。漸く、気付いたことがある。
断続的にレベル上げしていると、【はんえい】は直ぐに来なくて、遅れる傾向がある。
つまりは、ある程度なら現実の肉体への反映タイミングを操作出来るのだ。
「何か、勿体ない気もするけど・・・」
筋肉の成長を味わう、なんて貴重な経験も、“後僅か”。
嬌声が漏れちゃうぐらいキモチイイ、のは確かなんだよねぇ・・・。
恥ずかしながら、彼氏居ない歴イコール年齢。
男性経験は皆無で、自慰すら試したことない。
そんな私が体験する、“絶頂”。
もしかしたら、男性と“そういうこと”するより気持ち良い、まである。
そんなことを考えながら無心でやっていたら・・・。
「・・・やっと」
ここまで来た。
・・・来ちゃった、そんな感じ。
【みのまもり】ぐらいは“カンスト”するかと思ったけど、しなかった。
と言っても、普通のRPGで考えればかなりのパラメータだと思う。
問題はこの後、これが私の身体に【はんえい】される訳で。
もう慣れたとはいえ、いつ来るかわからないのは未だにドキドキする。
「まあ、もう【レベル】も“99”だし、後は待つしかないよね」
ラスボス戦の最中にもし、【はんえい】が来て、手元が狂っても嫌だし。
ある意味、リアルで起こる最後のイベント。
せっかくだし、楽しもうと思う。
「こんな、感じかな」
上は、Tシャツのみで中はノーブラ。下は、ショーツの上に短パン。
ブラをしなかったのは、壊すにはモノが高価過ぎるのが要因。
下がショーツのみなのは、幾ら夏とは言えど、流石に抵抗があったから。
それでも、部屋着としてはどちらも充分にゆったりとしたものだった。
海外製の、超肥満の人用の超々特大サイズのTシャツと短パン。
XX・・・・・L、な感じで既存のサイズでは表記出来ないレベル。
「・・・ぅ」
・・・ドクン。
「・・・え?」
早くない? いつもなら、最低でも一晩。
間が空く時だと二晩経ってから、って場合もあった。
「気のせ・・・」
ドクン。
「・・・じゃ、ない」
お腹の辺りから熱が広がり、次第に全身に行き渡って行く。
ドクン。
「う、あぁ・・・っ」
快感が迸る度に、全身の筋肉という筋肉が躍動する。
ミチ・・・ミチ。
「あ、あん♪」
ゆったりと余裕があった筈のTシャツの胸元に、“ポッチ”が出来ている。
グニ、グニ・・・。
胸が肥大化しているのか、それとも単に、興奮して乳首が立っているのか。
もしくは、その両方か。どちらにしても、乳首が擦れる度に快感が走る。
「うぅん♪ あ・・・」
快感から時間差で遅れて来るかのように、徐々に“力”が全身に漲る。
乳首どころか、乳房そのものの形がTシャツに浮き彫りになって行く。
ムク、ムクムク・・・ムググッ!
肩や腕、太腿が“それ”とわかるようにドドンと肥大化して行く。
ミチ、ミヂヂッ!
Tシャツ越しでも血管の隆起がわかるぐらいに、筋肉が盛り上がり。
「あぁん、あぁ・・・っ」
肩や袖口に、亀裂が走り。
ピッ、ピリッ!
「何でっ、こんなに・・・」
モリッ、モリモリモリッ!
「キモチイイのぉ~~っ!」
ビリビリビリッ、バリバリィ・・・バァンッッ!!!
私はつい、快感に任せて妙な“善(よ)がり方”をしてしまう。
何度かやって覚えてしまった、『マスキュラーポーズ』をしてしまったのだ。
変な台詞で嬌声を上げた挙句。全身の筋肉を盛り上げて服を弾き飛ばす、なんて。
変態の中でも、かなり特殊な部類に位置する・・・気がする。
「はぁ、はぁ・・・」
何か、ドッと疲れた感じがある。
実際の“エッチ”も、終わった後はこんな感覚なのかな。
「あ、あれ・・・?」
気付くと、私はいつの間にか真っ裸になっていた。
大きくなった乳房や、未だに脈動している筋肉群が露わになっている。
「う、っそ・・・」
Tシャツや短パンどころか、ショーツすら跡形も無い。
幾ら余裕のある衣服とはいえ、破れるかも、ぐらいを想定していた。
でも、まさか消し飛ぶ程の肥大化になるとは思ってもみなかった。
「・・・え」
何度お世話になったかわからない、姿見鏡。
定例になった全身の確認作業、なんだけど。
「え、え・・・」
“秘所”から下しか映っていないのは、前(※Lv23参照)と同じ。
だけど、今回はその“秘所”が鏡の上端ギリギリだった。
腹筋は無理でも、その下の、下腹部はちゃんと映っていたのに。
今や、その下腹部すら映っていない。
「え。イヤ、イヤ・・・」
首を振るポーズこそ取らなかったものの、“初っ端”から否定したい気持ちで一杯だった。
縦も厚みも、ある程度になるのは想定していた。
だけど、幾らなんでも伸び過ぎ・・・。
前回ですら縦に15cmは伸びたのに、今回は目算でも20cm近い。
「ん、っしょ・・・」
身長を測る前に、一先ずは『膝立ち』で確認。
「・・・・・」
私は、絶句した。
前は確かに、たわわ過ぎる爆乳までちゃんと鏡に収まっていた。
それが、乳首が入らなくなって、下乳しか姿見鏡に映っていない。
正座・・・は出来ないので、胡坐座りか体育座りになるけど。
そうでもしないと、姿見鏡に乳房が映らないのだ。
「あ、そうだ」
ふとした、思い付き。
「ん、っと・・・出来た」
“それ”は、思いの外、簡単に実現した。
『逆立ち』。別名、『倒立』。
正確には、肩を入れずに腕力だけで立つのが逆立ち。肩を入れて立つのが倒立らしい。
両手を広げて床に付け、腕を支点にして身体全体を盛り上げる動作。
運動音痴な私は、一生出来ないと思っていたのに。いとも簡単に出来てしまった。
「まあ、自動車に比べれば・・・」
腕力にモノを言わせた、パワー逆立ち。
ミシ・・・。
「・・・あ」
“部屋”が、軋んだ。
正確には、天井が軋む音が聞こえた。
何と、逆立ちした結果、上を向いた両足が天井に付いてしまったのだ。
逆に言えば、立ったまま万歳していれば、天井を触れることになる。
私の部屋は、ドア枠の高さが2mなので、部屋の高さは3m以上、4m未満ぐらい。
具体的な高さは兎も角として、天井と床に同時に触れられる女子高生って一体・・・。
因みに、片手倒立は勿論の事。
片手倒立のまま、腕を曲げ伸ばしする腕立て伏せも楽勝だった。
後で体重を知って、やれた事の凄さに驚くことになるんだけど・・・。
「・・・・・273cm」
紐と巻尺を駆使して、測った結果の身長が、これ・・・。
明子と同じだった筈の、元の私。その時の身長は、150cm。
たった数ヶ月で、二倍・・・。いや、まだ二倍じゃないけど、ほぼ二倍。
言い方を変えれば、ほぼ人間一人分だけ縦に身長が伸びたって訳で・・・。
「・・・え」
私は、事前に準備していた紐を胸周りに回した。
測り易いだろうってことで、『3m』ジャストで用意していた紐が、ギリギリだった。
「う、っそ」
目算で、3cmぐらいしか余っていない。
つまり、トップバストが297cmっていうことになる。
身長273cm、バスト297cm。
こうやって書き並べると、何の冗談かと思う。
体長273cm、体幅297cmって書くと、まるで大型の猛獣みたい・・・。
「アンダーが・・・240cm」
アンダーバストは比較的大人しい・・・訳が無かった。
大胸筋プラス広背筋とはいえ、下胸周りが240cmって・・・。
前回(※Lv25参照)、アンダーが遂に2mの大台を超えて203cmだったのに、それを更に更新。
おっぱい関係なく、純粋に胸板と背筋だけで37cmもの増加。
地味にアンダー差も増えていて、バストは『Sカップ』とかいう訳のわからないサイズに。
カップタイプのアイスクリームか何か、かな・・・。
「『Aカップ』だった時代が懐かしい・・・」
元、『Aカップ』だった私が、気付けばバストサイズが18段階もアップ。
世の中の女性に分けてあげられるものなら、分けてあげたいぐらい。
「足元どころか、床が全然見えないじゃん・・・」
只でさえ分厚い胸板に、スイカを二回りは大きくした爆乳がロケットの如く載っている。
胸元に、縦横高さがそれぞれ40cmぐらいの段ボール箱がくっ付いている、のと同じ。
スマートフォンとか時計とか、壊れそうな大事な物を床に置いてたら、さあ大変。
体重測定は後からやるけど、超々重量級の私が踏めば、どうなるかは一目瞭然。
「ウェストとヒップは・・・」
胸周りが肥大化している以上、例に漏れず腰やお尻も凄いのは言う迄も無く。
B:W:H=297:120:204
「・・・・・」
ウェストが、某ネコ型ロボットの129cmまで、残り後9cmと迫った。
ボディバランス的にはキュッと縊れたウェストなんだけど、ボディビルダーの胸周り並。
「ってか、お尻・・・」
ヒップが遂に、2mの大台突破・・・。
普通ならいわゆる、“デカ尻”も良いところ・・・なんだけど。
「でも、“こっち”のが、酷いよね・・・」
218cmと、ヒップに続いて大台を超えた太腿。
当然、姿見鏡に入り切る訳もなく、ハミ出てしまっている。
成人男性の太腿が大体、平均で50cm程度らしい。
大腿四頭筋の一つが、それだけで男子の太腿と同じ太さ。
つまりは、私の太腿は男の脚四本分ってことになる。
いや、正確には四本分より私の太腿の方が太いんだけど・・・。
「腕、は・・・」
伸ばした状態だと、98cm。
ギリギリ、1mの大台は超えなかった。
他の部位が凄過ぎて大した数値じゃないように見えるのが、もうね・・・。
1mの二の腕なんて、力瘤を盛り上げたボディビルダーよりも太い訳で。
「んぅ・・・っく」
力を抜いた状態の腕は、力を籠めると加速度的に太くなって行き・・・。
モリモリモリッ。
「む、無理・・・」
モゴゴォッ・・・ギュギュギュゥッ!
『90度』、つまりは上腕に対して前腕が直角になった所が限界だった。
上腕二頭筋が、肩と上腕の間の空間を全て埋めてしまったのだ。
前腕筋と上腕二頭筋の“押し競饅頭”は、流石に上腕二頭筋に軍配。
力瘤の真裏、上腕三頭筋は遮る物が無いせいか、力瘤の1.5倍もの大きさ。
「・・・220cm」
遂に、力瘤サイズまで2m超え。
身長、トップバスト、アンダーバスト、ヒップ、太腿。
これらに続いて、我が肉体で六つ目の大台突破。
人体で一番、伸縮性のある部位で。且つ、曲げた状態とは言え。
ヒップや太腿よりも太い・・・。余りにも太過ぎる、力瘤。
前回の『測定値』だと、176cmだった力瘤。
44cm増えたと見るべきなのか、1.25倍に膨れ上がったと見るべきなのか。
明子をビックリさせた、『腕力:1104kg』。
単純に1.25倍すれば、1380kg。
「まあ、確かめようが無いよね・・・」
両親の自動車は、既に片腕で楽に持ち上がるレベルになっている。
こうなっては、また『研究所』に行って測定して貰うか。もしくは・・・。
「トラックぐらいなら・・・」
2.5t超えの物体があれば、今の腕力を確認出来ると思った。
でも、身近でそんな高重量、トラックとかバスぐらいしか思い付かない。
「・・・いや、無いわ」
バスは無理にしても、トラックなら違法駐車してるのを探せば見付かるかも知れない。
だけど、外の往来でもし仮にトラックを持ち上げたりしたら、それこそ騒ぎになる。
恥ずかしい、とかは思っても。
“トラックを持ち上げられないかも”とは一切思わないことに、私は気付いていなかった。
そんな感覚が狂っている私でも、体重計の結果には度肝を抜かれた。
『ERROR』
「え、嘘。何で」
何度やっても、結果は変わらず。
それはつまり、『ERROR』表示こそが“正常”って訳で。
「嘘。【200】で数値補正してるのに・・・」
前に、補正して『272kg』まで表示していたのは覚えてる。
普通に考えれば、『300kg』まで表示は行ける筈。
で、今は【補正値:マイナス200】。
「え。って、ことは・・・」
実体重からマイナス200kgした状態で、それでも尚、300kg超え。
「嘘。う、っそ・・・」
今日、何度呟いたかわからない。『嘘』って単語。
『Sカップ』になろうが、力瘤が220cmになろうが。
それでも、この“事実”には霞んでしまう。
「私、体重が500kg超えちゃったの・・・?」