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遠未来、星間国家、銀河大戦モノ───大帝国のパロディな銀河戦争モノになります。よろしくお願いします。


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 人類が地球という母星を離れて、果たしてどれだけの時間が経っただろうか。

 もちろん、連綿と連なる人類史の中にはしっかりとその時間は記録され、この貴重な文化こそが人類の生きた証なのだと、国を越えてなおしっかりと保管されている。

 我らが祖先が母なる大地に存在したという証を改竄することは、どんな人間でも犯してはならない禁忌であると、様々なコミュニティに属する人間が唯一共有して抱いている思想だ。

 そう、唯一なのだ。

 人が母なる惑星から離れ、新天地である『宇宙』において爆発的な増加を果たして、ぼんやりと空を眺めてその光を見ることしか出来なかった星星を蹂躙し、ついには寿命も地球の頃よりも五倍近くなるほどの長さとなるほどに文明を発展させてなお、人々はその言葉も思想も、一つのものに共有することなど出来はしなかったのである。

 その程度の、言うならば延々と『科学的進歩』しか出来なかった人類が歩んできた時間は、本当に記録された通りの時間と言えるのだろうか。

 もしも正しいのならば、人間という種はそこまで価値のある生き物なのだろうか。

 そんな事を考えてしまうぐらいには、『宇宙暦』という時代はこの宇宙に拡がる暗黒のように暗い時代であった。


 そう、宇宙暦である。

 西暦から数えて三つも暦の名を変えた末に名付けられた宇宙暦、その225年のことだ。

 現在では大小様々な星間国家が乱立するこの宇宙において、大国と称される国々は幾つか存在する。


 アレリア新宙域連邦共和国。

 北方スルァーヴ共和国連合。

 ドルツ第三銀河帝国。

 大ヤマト帝国。

 グレート・スペース・ブリテン。

 宇宙フランク国。

 ロマン連盟国。

 そして、統一帝国シン。


 これは、眠れる獅子と称された統一帝国シンにおいて、傀儡政権のお飾りとされたとある少年皇帝の話である。



「ワーッハッハッハ! 今回も良くやったものだな、うむ! 褒めてつかわすぞ、カーンシンよ!」



 シンの首都にある王城の中のさらに深き一室にて、まだ年端も行かぬ少年が妙に仰々しい演劇のような口調とともに大笑をしながら、ぐぐぐっと酒を煽っていた。

 美しい少年である。

 肌は陶磁器のように澄み渡り、醜い染みも歪んだ凹凸も一つとして存在しない。

 大きな目を隠すように伸びたまつ毛は一本一本が黒黒としており、少し顔を伏せるだけで意図せずとも沈鬱な印象を与えて強烈な庇護欲を相手に湧かせることは間違いないものだ。

 華奢な体躯はまるで少女と見紛うごとき細さで、その白魚のような長く細い指と合わさって何一つとして苦労を知らぬことを教えてくれる。

 かの少年こそが、この広大な銀河において現存する星間国家の中でも最も歴史深い国家とされている、『眠れる獅子』、統一帝国シンの少年皇帝『フウギ・エイセイ』である。


「う、うへへへ、お、お褒めいただき、こ、光栄です。へ、陛下」

「うむ! 貴様を徴用した朕の慧眼に間違いではなかったようだ!」


 フウギは目の前でコメツキバッタのように小さく這いつくばる、見るも悍ましいブヨブヨの肥満体と、神々しい自分の前においても不敬に声を吃らせる吃音症の男を、それでも嬉しそうに笑いながら迎え入れていた。

 フウギが大きな器の持ち主ということではない。

 むしろ、平時のフウギは『この朕の目になんと悍ましい姿を映したのか! 大罪だ! この者の首を刎ねよ!』となんともヒステリックに喚き散らすような、そんな典型的な暴君なのである。

 それでも、今のフウギはこの肥満体質の醜男――『カーンシン』をにこやかに受け入れていた。


「ほれ、貴様も飲むがよい! 皇帝の秘蔵の酒であるぞ、貴様のような下々民では口にできぬものだ! この一口と一時を生涯の宝とせよ」

「な、ななな、なんと! お、恐れ多くも……い、いえ、しかし、いただかせていただきます!」


 階段状となっていた大上段の最上座からゆらりと降りたフウギは、這いつくばるカーンシンに近づき酒を手に取って渡してみせる。

 それを受けたカーンシンは目を大きく見開き、一度は礼儀として断ろうとしたものの、その断りの文言すら満足に言い切ることもなく、興奮を露わにしてグビグビと下品な音を立てて酒を飲み干していく。


 このカーンシン、とんでもない愛国者であり、皇帝陛下を文字通り神に王権を託された真なる人だと、本気で思っているのだ。

 そんなカーンシンにとって、フウギ皇帝おのずから差し出した酒を断るという選択肢は取れなかったのである。

 不敬罪に問われてこの首を刎ねられても良いと思いながら酒を飲むカーンシンの動きに迷いはなかった。


「フハハハ! やはり良いなカーンシン! 貴様は朕好みの男だ! もう少々見目が良ければより好みなのだが……こればかりは仕方あるまい」


 フウギもまた、この今時珍しい愛国者にして銀河一の『将軍』と呼べるカーンシンのことを高く評価しており、お気に入りの人間として度々呼び寄せていた。

 戦線の最前線で緊張を保っていたカーンシンも、敬愛する皇帝陛下に褒章をくれてやると呼び寄せられれば最速で舞い戻ってくるのだから、そのような犬猫めいた忠誠心もまたフウギにはたまらないものである。


「やはり信じれるのはお前と、リーイと、『研究室』の連中ぐらいなものだ……朕の周りの大人は、全てが嘘をつく。唯一無二の皇帝たる朕を憚ろうとする。なんとも罪深きことよ」

「ゆ、許し難きことでございます……!」


 このように暴君の資質のあるフウギだが、しかし、それは少々仕方のない一面があった。


『歴史深き大国、シン――――かの眠れる獅子が目を覚ませば、大戦真っ只中にある銀河系に大波乱が起きるであろう』


 銀河の中ではそのように重々しく語れることもあるが、しかし、それは嘲りと共に、だ。

 今の統一帝国シンにそんな力は何一つとしてない。

 フウギの十数代前の皇帝はグレート・スペース・ブリテンに敗北し、フウギの数代前の皇帝が、なんと辺境の小国と見なされていた大ヤマト帝国にも膝をついてしまったのだ。

 もはや、シンに大国としての力はないと侮られ――結局、『同盟』という名目で二つの『共和国』に蝕まれるように干渉を受けるようになったのである。


 同じ共和国でも通称『アレリア』こと『アレリア新宙域連邦共和国』と、通称『北方連合』こと『北方スルァーヴ首長国共和連合』ではその主義が異なる。

 アレリアでは大昔に流行り、すでに廃れていたはずの『自由主義』が蔓延し、国主導の競争国家となっているが、一方で北方連合もまた自由主義よりは新しいもののすでに寂れて久しい『全体主義』という鉄の掟で

 この違いはどちらが正しいだとか知識人による革新が起こったというよりも、新たに開拓された『アレリア新宇宙域』には大量の資源が存在したことから国民自体が競うように裕福になっていたアレリアと、厳しい環境下の中で生きていかなければいけないことで国家が国民を縛り付ける必要があった北方連合の事情というものが大きい。

 なるべくしてなった、とまでは言わずとも、お互いに望んでそれを選んだというわけではないということである。

 この違いこそが宇宙に出て遠くなったとしてもなお故郷というものに、領地というものに人は囚われているということの、何よりの証明であった。


 今のシンは、そんな二つの敵対する共和国の代理戦争の場と言わんばかりに国が荒みつつあった。

 奸臣たちは『アレリア派』と『北方連合派』の真っ二つに別れて政争を繰り返し、『神輿は軽いほうが良い』と言わんばかりに少年皇帝であるフウギへと満足な教育を施すことはなかった。

 朝と夜とで言うことが異なる大人たちを前にしてフウギは荒み、唯一の拠り所である皇帝という立場に取り憑かれて、その権力を確かめるように横柄な振る舞いをするようになり――今の暴君の資質を持つフウギ皇帝が誕生したのである。


「良かろう、カーンシン! お主には美姫を与える! ふふふ、好みの女が被らぬところも貴様の良いところだ! 肉を蓄えた年増女、研究室に寄って好きなだけ持って変えると良い!」

「ハ、ハハー! ありがたき幸せ!」


 現在、同盟相手であるはずのアレリアと北方連合との関係に緊張感があるため、軍部のトップの一人である将軍カーンシンは最前線にトンボ帰りをすることとなった。

 だが、カーンシンの顔に不満はない。

 敬愛する皇帝陛下との謁見が可能となった上に、その酒をともに交わすことを許され、さらには『銀河一の醜男』と揶揄された自身と、荒くれ者揃いの特殊部隊の兵たちに美姫を下賜されたのだ。

 沸き立つ心を抑えられずに立ち去っていくカーンシンのわかりやすい姿にフウギ皇帝はますます信頼を寄せて、カーンシンは軍部でさらに昇格していくだろう。


「さて……では行くか」


 そして、フウギ皇帝は立ち上がる。

 武の『カーンシン』とともに文の『リーイ』という、自身の価値観で言えば醜いことこの上ないが、それでもなお重用をしているほどには信じることのできる二大将軍の他に、フウギ皇帝が絶対の信頼を寄せる存在があった。

 それは、研究室――――『人体改造研究室』である。





 フウギ皇帝が宇宙船を用いて向かった小惑星は、その惑星自体が『人体改造研究室』の研究棟となっている特別惑星である。

 木々は枯れ果て酸性雨は降りしきり、防護スーツなしで大気を吸えば絶命さえしてしまうという、人の愚かさが詰まったような小惑星だ。

 研究室へと下賜したこの小惑星の荒んだ有様に、フウギ皇帝が『開発のし過ぎではないか? 植物も動物も見えないではないか!』と尋ねれば、研究室の面々は『でも邪魔でしょう、あいつら?』と返した逸話がある。

 その振り切れた様子にフウギ皇帝はますます研究室の面々を気に入ったということもあるのだが、ここは割愛しよう。

 なにせ、今日の本題は別にあるのだから。


「フハハハっ! 良いザマだな、総統閣下どのよ!」

「っ……!」


 どのようなことがあっても人体で破壊することは出来ない特殊ガラスに囲われた『貴人特別牢』の中には、重罪人のように真っ白な拘束スーツを着せられて黒いベルトで身体の自由を奪われた、金髪碧眼の美しい少女が居た。

 フウギ皇帝も眼を見張るような美少年であるが、しかし、この金髪の美少女はそれを凌駕するのではないかと思うほどの美貌である。

 もちろん、他の人々はフウギ皇帝が激高するとわかっているので口に出さないし、フウギ皇帝に盲目的な崇拝を向けているカーンシンとリーイはそのようなことは口にしないし、人付き合いというものを放棄している研究室の面々でも『面倒なことになるから』という理由で、誰も口にはしないのだが。


 話を戻そう。


 その少女は、正しく少女だった。

 小さな顔の中に大きな瞳と高い鼻。

 華奢なフウギ皇帝よりもさらに狭い肩幅。

 内臓が本当に中に入っているのか疑わしくなるほどの細い胴。

 ギュッと握れば折れてしまいそうな儚い手足。

 子供が産めるか心配になるほどの小ぶりなお尻。

 フウギ皇帝が嫌う、『大人』という要素が存在しない、まさしく『偶像<<アイドル>>』そのものである美少女だった。


 そう、このものこそがドルツ第三銀河帝国の首魁である『アイドル総統』、その名を聞けば泣きだした第三帝国臣民も笑顔になり、逆に敵対する国家はもっと泣き出す、『アデリナ・ヒンメル』である。

 先の銀河を巻き込んだ大戦争で敗戦国となり、多くの戦勝国にその国家資産を奪われて死に体となっていた第三帝国の前身、『ドルツ共和国』をたった一代で立ち直らせ、二大国家と呼ばれるアレリアと北方連合に比肩する大軍事国家を創り上げた、天才的な少女である。


 ちなみに余談ではあるが、先程も述べた通りこの宇宙暦では延命技術が遥かに向上しているために、アデリナは地球の段階だとローティーンほどの少女に見えるが、実年齢はその倍はあるのだ。

 閑話休題。


「無礼にも『帝』を僭称するヤマトの姫などは、朕の男根欲しさにある惑星の臣民の命を捧げたほどだ。アデリナよ、すぐに貴様もそうなる。朕の情けを欲しさに全てを捧げる、愚かな豚になるのだ!」

「特殊ガラス越しでも臭う臭い息でアデリナと呼ぶな、私の名が腐るだろうが」

「っ……! 皇帝たる朕に対してなんたる無礼な口を……!」


 傲慢に言い放つフウギ皇帝の言葉を、拘束されながらも淡々と言い返すアデリナ。

 その言葉に青筋が立てるほど怒りを示しているフウギ皇帝の姿を見れば、どちらが為政者として、人を率いる器が大きいのかということは火を見るよりも明らかであろう。

 だが、現実ではフウギ皇帝が勝者であり、アデリナこそが敗者である。

 なんと、統一帝国シンはドルツ第三銀河帝国に宣戦布告し、電光石火の勢いで勝ち抜き、首都ベルリンを制圧してアイドル総統アデリア・ヒンメルを捕虜としたのだ。


「ふんっ! まあ良い! 良いか、アデリナ! 朕が信じるものは二つある!

 一つはこの皇帝という絶対的な力であり――――ふふ、二つ目は、抗うことが出来ない性欲は存在するという、厳然たる事実だ!」

「馬鹿らしい……」

「皆、そのような顔をする! 北方連合の思想に毒されていた朕の乳母と乳兄弟も、国の情報を持ってアレリアに亡命するつもりであった朕の家庭教師の女も! 誰も彼もが、朕と研究室を嘲笑ったのだ! そして今は……ふふふ、どこかの辺境で男へと涙を流しながら媚びへつらう言葉とともに股を開いているのだ!」

「…………」


 フウギの顔を冷めた目で見つめるアデリナだが、フウギはそれがまた心地よかった。

 誰も彼もがその目でフウギを見つめるが――最後まで、その目を維持できたものはいない。


 強い信頼を向けていたのに全体主義の思想で自分を穢そうとした乳母とその娘も。

 敬愛できる師だと信じていたのに上昇志向が強いために国を裏切ろうとした教師も。

 前々から目につけていた気高い東方の姫も。


 最終的には、犬畜生となんの代わりもない無様な牝に堕ちて、今も男に抱かれることだけが幸せという哀れな存在に堕ちてしまったことを、フウギは経験として知っているのだから。


「それでは、早速やるとするか……よし、やれ!」

「はーい」


 フウギ皇帝の言葉に対して、研究室の室長である『シバイ』なる男がなんとも気の抜けた言葉とともにポチリとボタンを押す。

 その瞬間、特殊ガラスの向こう側の貴人特別牢にだけピンク色のモヤがかった煙が充満していく。


「んっ……!? この煙は……!?」

「承知の通り、ただの煙ではないぞ。我がシンが創り上げた特製の媚薬煙だ。呼吸をすれば散布されたナノマシンによって肺を作り変える、研究室の狂人共の発想に許可を出したものだ! そのまま呼吸を止めてみせるか? そのまま惨めに窒息死すれば尊厳は保たれるかもしれんな! フハハハ!」

「くだらない」

「…………なに?」


 それはシンが誇る恐るべき人体改造学が導き出した、呼吸をするだけで人の身体をつくりかえるという魔の煙だ。

 アイドルのように国民全員から崇拝され、その崇拝に相応しい成果を上げてきていた――ただのお飾り皇帝であるフウギとは異なる、本物の支配者の器を持ったアデリナに対して嗜虐的な笑みを向けるが、アデリナは恐怖一つとして魅せはしない。


「私は総統、私は国家。ここで自死を選ぶ理由がないし、必要もない。私の臣民が私を助け、シンと再戦をし、先ほどの戦における奇跡は起こらず、フウギ皇帝、その首を刎ねるでしょう。

 それまでの屈辱も、一つの勉強よ……どれほどの力でどれぐらい抵抗できるのか、ヤマトごとき小国の技術力しか持たない国の姫が施された程度では参考にもならないものね。

 まさか、なんの対策もしていないと思っていなかったの?

 我がドルツの科学力は銀河一、こちらも対策用のナノマシンを体に取り込んできているわ。

 シンが手に入れたというその新技術、どれ、一つ味わってやろうじゃないか……ってだけよ。終わればエールの一つでも用意しなさい、皇帝陛下」

「っ……!」


 思わず、フウギ皇帝が喉を鳴らしてしまった。

 これがアデリナ・ヒンメルである。

 敗戦国に過ぎなかったドルツを、銀河開拓時代の新星ロマン帝国、大戦国時代のドルツ帝国に次ぐ、第三の帝国――――『ドルツ第三銀河帝国』を創り上げた、叩き上げのカリスマのみが放つ、魔力のような迫力なのだ。

 拘束具付きのスーツをつけたアデリナと、絢爛豪華な装飾を纏ったフウギは、見た目だけでもはっきりとした違いがあるが、そんなものはハリボテに過ぎないとアデリナはその少女らしい言葉遣いの中にはっきりと残る支配者のオーラで叩きつけてきたのである。

 それは、傀儡皇帝であり、たまたまフウギが皇帝であるというだけで崇拝をしてきていた、古めかしい思想の、それでいて超が幾つもつく有能な臣下と、奇跡によってドルツ第三帝国を倒せただけの、そんな平凡なフウギが欲して仕方がないものだった。


「くぅぅ~~! ええい! シバイよ、さっさとやれ!

 あの高慢な女が終わった後もその減らず口が叩けるか楽しみだ!」

「減らず口はどちからしら、傀儡皇帝様」


 薄っすらと浮かべた笑みが、煙の中へと消えていく。

 フウギはそれを歯ぎしりしながら見つめ、同時に、あのアデリナ・ヒンメルならば、この人体改造手術を乗り越えてしまうのではないかという、底知れない恐怖を抱えるのだった――――。





「ん゛ほ゛ぉ゛ぉ゛っ゛っ゛ぉ゛ぉ゛っ゛ぉ゛ぉ゛っ゛❤ お゛ぉぉ゛っ゛❤ ほっ゛❤ ほぉ゛っ❤ お゛っほぉ゛ぉ゛ぉっ゛っ゛ぉ゛ぉ~~~~~❤❤❤❤」

「ふはははは! なんだ、なんなんだ、そのザマは! クハハハ、は、腹が、腹が捩れるっ!」


 だが、そんな恐怖はアデリナ・ヒンメルが見せてくれた、あまりにも無様な『絶頂』によってすぐに霧散していった。

 『私の精神力とドルツの技術力が、そんなものに負けるはずがないでしょう』という澄ました顔で宣言したアデリナは、なんてことはない、自分自身の精神力というものが必要以上に過信したことで生まれる、根拠など一切存在しない妄想に過ぎなかったのである。

 それでも、この人体改造研究の恐ろしさとおぞましさを良く知っているフウギ皇帝であっても、『も、もしや、しかし、いや、アデリナ・ヒンメルと第三銀河帝国ならば、耐えられてしまうのではないか……!?』と怯ませるほどの胆力と威圧感を持っていたのは事実だ。


「服が溶けて、アイドル様が見せてはいけないヘアヌードを晒していることに気づいていないのか、う~ん? ドルツ第三帝国の民にこの映像を売り払えば、何人の男がチンポをシゴきながらシンに寝返るか楽しみだなぁ」

「ほぉぉぉぉっ❤ おぉぉっ❤ おひ、あへぇぇ❤ んひぃぃぃっっっぃぃ~~❤」


 特殊ガラスの奥に居るアデリナへとスピーカーで語りかけるが、アデリナは一切反応を示さない。

 ただ、耐えられると過信していた性的な快感にその聡明な脳細胞がバチバチと破壊されていることに身悶えしながら、知性の欠片も感じない、ケダモノの遠吠えのようなオホ声を叫び続けるしかなかったのである。

 自身の身を包んでいたはずの拘束具は特殊薬剤で溶かされてしまい、臣民では見ることの出来なかった裸体を曝け出してしまっている。

 機械式アームで固定されているため、フウギの目にはその輝かしい未成熟な体が一糸まとわぬ姿で晒しているのだが、アクメの嵐の中に叩き込まれたアデリナには気付くことも出来ない。

 それを見て、フウギはさらに嬉しそうに笑う。


「ははははは! 良いぞ良いぞ! シバイよ! 早速いつものように解説を頼むぞ!」

「はい、皇帝陛下。まずはこの煙に乗じて肺に流し込んで交感神経を昂らせることで脳細胞に――――」

「おいっ! 朕にもわかるにも説明せぬか! 貴様は何度と言わせるつもりなのだ!」

「……そろそろ陛下も学んでくれていると思ってたのに~」


 研究室室長であるシバイへと解説を求めたくせに、フウギは自身の理解を超える話となる気配を感じ取った瞬間に特徴的な、ヒステリックな怒声を口にする。

 シバイは眉をひそめつつ唇をすぼめて不満を示すような、中年男性にしては少々幼気な表情を作った。

 多くの研究者にも多いが一種のオタクでもあるシバイとしてはこの解説が楽しいのだが、それでも皇帝であるフウギにもわかるように簡単な説明を行っていく。


「ええっと、まずは煙を吸い込ませることで肺を改造します。先ほど陛下も仰った通り、煙の中に含まれているナノマシンの仕事ですね。

 これで彼女は呼吸をするだけで性的な快感を覚えることになり、皇帝陛下好みの言い方をすると、『肺自体がクリトリス』になるんです。空気を取り込むことはもちろん、呼吸で収縮をさせることで強烈な快感を覚えるようになり、言うならば息切れを起こすような行為をするだけで性的な絶頂に達します」

「ほほう! それは愉快だな! ふははは! アイドル総統様は、これで満足に歌を口ずさんで臣民を魅了することも、ダンスを踊って臣民を鼓舞することが出来なくなったというわけだ!」


 まず、改造されたものは肺である。

 このピンク色の煙はナノマシンが散布されており、呼吸によって体内に入ることで煙自身の機能として肺へと入り込んでいく。

 そこから肺自体と結びつき、その性的感度を上昇させるのだ。

 こうすることで、シバイが説明した通りに肺全体がクリトリスのような敏感な性器へと変貌する。

 それこそ、普段の呼吸の時点でクリトリスをゴリゴリと愛撫されるような快感が常に襲いかかってくるわけで、アデリナはこれから生きているだけでアクメに達しかねないような人生を送ることが決定してしまったのだ。

 それだけではない。

 息切れを起こすなどをして肺への負担がませば、当然それだけ刺激を受けるということだ。

 『アイドル総統』はその名の通り、アイドルのように歌を口ずさみステージで踊ることから始まったのである。

 偶像主義、主君に対して臣民が熱中することで国を一つになるこの政策は、そのアイドルがアデリナ・ヒンメルというカリスマ政治家であったことから、仮初めのアイドルから本物の偶像へと昇華されたのだ。

 それでも、アデリナは自身のスタートを忘れぬためと言って、少なくはなっているが未だに『総統ライブ』を行っているほどである。

 そのドルツ第三銀河帝国のための輝かしいライブが、統一帝国シンが持つ冒涜的な研究から生まれた肺改造によってアクメショーになることが約束されてしまったのだ。


「肺を改造した時点で大分頭がおかしくなったので、続いて皮膚改造に移りました。こちらも肺と同様に極端な性感の増強です。

 今の段階で見えますかね、あの機械アームが所持している注射やブラシなどで特殊な媚薬液を肌に注入し刷り込んでいきます。

 これでこの女は風で肌を撫でられるだけでアクメに達するほどの感度……実に『3000倍』ほどは上昇させました。こちらが用意した性感抑制剤や麻痺手術を常用しなければ、一日と持たずにアクメ死するでしょう。

 ああ、あと、この女はアイドル――ダンスを踊ることがあるというので、足裏は特に感度を上昇させました。複雑なステップを踏めば踏むほどにアクメを決める……ということになりますが、現実には気持ち良すぎて踊ることも、いや、歩くことも出来ないでしょうね」

「ふふ、歩いて服が擦れるだけでアクメをキメることになるとは…………これで人前に出てゲリラ的に披露するナマ演説が持ち味の、『会いに行ける指導者』というカリスマ美少女の持ち味が死んだわけだな!」


 続いては皮膚の改造である。

 十にも登る機械式アームによって注射やブラシなどによって、銀河四万年の歴史を誇る中華星域だけが持つオカルトじみた薬効を元にした特殊媚薬を注入していくのだ。

 そうすることで、まるでオマンコが裏返ったかのように、皮膚が膣襞のごとき敏感な性器へと変貌してしまうのである。

 先程も言ったが、歩いて風を感じるだけでビクンビクンとアクメ痙攣をしてしまうことが間違い無しの、歩くマンコになってしまったのだ。

 それこそ、そのままにしていれば一日でアクメの連続で死亡してしまうために、生きるためにはシンだけが生成できる性感抑制剤、通称『不感薬』を用いる必要があるため、アデリナの生殺与奪の権利はこの瞬間に統一帝国シンに握られてしまったのである。

 しかも、肺を変貌させた薬とは別の媚薬であるために、その『不感薬』を用いても呼吸機能による性的快感を治める事はできないというおまけ付きであるし、そもそも不感薬を使用しても皮膚の性的快感が完全に消えるわけでもないのだ。


「もっと続けろ、シバイ! この生意気な成り上がり総統はどのような変貌を起こしているのだ!」

「咽喉全体も変えさせていただきました。先程も言いましたが、肺の影響で歌うことも難しくなりましたが、この喉の性器化によってその快感がさらに強まります。

 あと、味覚も変貌させましたね。お決まりにしてる『特定の体液の摂取』が快感に結びつくのはもちろんのこと、美食による心的な快感が性的な快感へと変貌します。まずい食事ならば問題ないので、質素な生活を心がければ問題ない範囲ですが」

「ははは! 良かったな、アデリナ! これで食欲と性欲を同時に満たせる身体になったぞ! なんとも羨ましい限りだな~!」

「あ、それから陛下がお好きな、陛下の体液を銀河のどの美食よりも甘美に感じる味覚変化もちゃんと行ってますから安心してくださいね」


 さらに、シンの悪魔たちはアデリナから『食事』という楽しみを奪った。

 舌や喉によって感じる快感、すなわちは美食の喜びがそのまま肉体に置ける性的快感へと結び付けられて、セックスをしているような感覚に落ちてしまうのである。

 泥のようなレーションならばその快感を味わわずに済むため、アデリナはこの強烈な性的快感を抑えようと思えば一生涯、美食を楽しめない身体になったのだ。


「だが、まだだな? 肝心の部位が改造されていないぞ? んん~? どうなんだ、シバイよ!」

「はい、膣も完全改造です。処女のようですので、せっかくですから脳を弄って破瓜に絶頂を結びつけました。普通ならば処女喪失の痛みで快感を覚えることは難しいはずですが、この性感を極限まで上昇させた女はそれだけでアクメ失神をする変態女となっています。

 もちろん、膣穴の機能も変えました。硬い膣肉は柔らかなものに、男根を拒むきつい膣道はゴムのように伸びますし、熟れていないはずの子宮でボルチオアクメを決めれる調教済みの膣で固定しています。

 皇帝陛下のリクエスト通りの処置です」


 もちろん、本当の性器もまた玩具のように弄られていく。

 アデリナは正真正銘の処女なのだが、処女膜を残したまますでに何百人の男に抱かれた娼婦のような柔らかで熟れたオマンコをしているのである。

 それこそ、フウギ皇帝の少年離れした巨根の、ジャストフィットするよりも少しだけ狭いぐらいのオマンコだ。

 これは有能な統治者であるアデリナ・ヒンメルに対してコンプレックスを抱いているフウギが、アデリナのきつめのマンコを無理矢理に犯すことで快感だけでなく苦悶の声を上げさせて、その惨めな劣等感を少しでも拭い去るためである。


「乳首もご希望どおりです。あまり乳房のサイズは大きくありませんが、スペンス乳腺や乳輪まで含めて敏感なものへと変えておきますね。

 さわさわとセクハラのようにタッチするだけで喉を曝け出すほどに大きく仰け反ってしまうほどのアクメ快感を覚えてしまう、ド変態貧乳になっていますよ」

「ふ、ふふふ、ふはははは! 良いな、これこそが女の理想だ! 無駄な肉など一切存在しない、スラリと伸びた、未成熟とも言える青い媚体……せっかくの貧乳の美少女を連れてきたのに、変な気を回して巨乳化させたときは首を刎ねてやろうかと思ったが、シバイよ、お前も理解してきたではないか!」

「恐縮です。男ってみんな巨乳が好きだと思ってたから焦りました~」


 最後に、フウギが何よりも好む美微乳への改造だった。

 手のひらに収まるサイズよりもさらに小さい、見た目だけではぷっくりとした膨らみしかないような乳房が簡単にアクメを決める変態美微乳へと改造させたのである。

 フウギはニヤニヤとした、その美少年フェイスでも隠しきれないほどの醜悪な、見るものに不快感を嫌でも覚えさせる笑みを浮かべながら、ねっとりとした視線でアデリナを見つめていく。


「んほぉぉっぉぉぉっ❤ おっ❤ おっ❤ おほぉぉぉぉっっ❤ おひぃぃぃ、ふぅぅ、んぎゅぅぅっっっぅ~~~~っ❤ ちぬっ❤ ちぬぅぅっっぅっぅっっ❤ しんでしまうぅっっっぅっっ❤ おひぃっっぃっ❤ お゛ほ゛ぉ゛っ゛ぉ゛っ゛っ゛ぉ゛っ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛~゛~゛❤❤❤❤」

「くくく……ハーッハッハッハッハ!」


 楽しくて仕方がなかった。

 あのアデリナ・ヒンメルが、臣民の心を掴んでやまなかった歌声を披露していたはずの喉から地響きのような低い喘ぎ声を出している。


 あのアデリナ・ヒンメルが、臣民の脳に刻まれた指先の角度まで計算された高いパフォーマンス性を持つダンスを踊っていたはずの体は、拘束されたままバタバタと陸に上がった魚のように動かしている。

 あのアデリナ・ヒンメルが、臣民の瞳に焼き付いてしまった自信に満ちた輝かしい笑みを見せていたはずの顔は、間抜けなアヘ顔を晒してしまっている。


 なんて――――なんて、心躍る光景だろうか。

 笑いが止まらないとはまさにこのことである。

 呵々大笑としながら、フウギは聞こえてもいないであろうアデリアへと冷酷な言葉を言い放っていく。


「ふははは! ははは! はーはっはっはっは! まだまだこれは始まりだぞ、アデリナ! お前の人生はまだ終わらぬ! 成長抑制剤で永遠の少女のまま、朕の所有物として永遠の悦びを味わうと良い!」


 統一帝国シンの一部を除いた多くの臣民からは軽んじられているお飾り皇帝フウギ・エイセイは、ドルツ第三銀河帝国全ての臣民から忠実を向けられている絶対的アイドル指導者アデリナ・ヒンメルを奴隷とすることに成功した。

 そして、奴隷にすることで終わるわけではない。

 自らの手に落ちた、自らも優秀な指導者に、フウギの惨めな境遇が産む歪んだ暴力性を向けられる人生が続いていくということを意味しているのである――――。





 人体改造を終えて二日が経った。

 その間に何があったかというと、端的に言えば、何もなかった。

 アデリナは人体改造手術のあまりの激しさに失神した後、意識を取り戻した直後にボロボロの体に胆力を取り戻すために睡眠を行ったことで、ようやく目が覚めたのがこの二日後なのである。

 その間に、アデリナの意識を保つために複数の薬が投与されていることも知らないほどに、本来はショートスリーパーとして一日一時間睡眠で足りるアデリナ・ヒンメルが二日間も寝込んでしまっていたのだった。


『んほぉぉっぉぉぉぉ~~❤❤❤❤ おぅ❤ おぉぉっ❤ おっほぉぉぉぉぉんっっぅっぅぅ❤』

「これが貴様の惨状だよ、総統閣下」

「やめなさい……! それ以上、私を侮辱するのはやめなさい!」


 その人体改造の途中経過はフウギの趣味と研究室の探索心から一秒とも抜けがなく、様々な角度のカメラによって記録されており、意識を取り戻したアデリナはそれを見せつけられていたのである。

 今のアデリナは拘束具を解かれて、『アイドル総統』としてのユニフォームを改造したものを身に纏っていた。

 アデリナがアイドル総統となるために新たに作られた、『機能性よりもデザイン性が重視された軍服』である。

 単純なデザイン性だけならば敵国の民ですら『でもドルツの軍服はガチ』と称さざるを得ない、センスに溢れた軍服をモデルにして、清純派アイドルらしく首元まで覆うトップスと軍用コートをまとい、それでいて下半身はピッチリとしたズボンでその美しい足のラインを露出が少ないままに見せつけていたのだ。


「私の服をこんなふうにして……どこまで辱めるつもりなの!」


 だが、そのアイドル総統に相応しい『かっこかわいい』コスチュームは、フウギの歪んだ趣味によって改造されてしまっている。

 軍帽と軍用コートはそのままだが、しかし、トップスはそのささやかな美微乳が丸見えになる形で乳房だけが切り抜かれており、それは足の全てを纏う軍用ズボンからショートパンツとニーソックスへと変わった下半身も同様であり、オマンコと尻の穴が丸見えになってしまう形で股間部分の布が存在しなかった。

 いや、細かいところ見ればそれだけではない。

 真っ黒な軍帽と軍用コートやベルトについていたドルツ第三帝国の国章が、統一帝国シンの国章に変わってしまっている。

 これはすなわち、アデリナ・ヒンメルというドルツ第三銀河帝国のトップが、統一帝国シンの尖兵になったとアピールをしているようなものだった。

 アデリナにとって耐え難い屈辱、いや、『国辱』である。

 絶え間なく湧き上がるその怒りを、アデリナはフウギにぶつけていく。


「どこまで辱めるつもりか、だと? どこまで~……? そんなもの、全てに決まっているだろうが! 朕のような気高き血筋を持たぬ、軍属時代はただの伍長であった貴様が朕よりも優れた指導者として評価されるなどあってはならない! 貴様は朕の前に這いつくばる婢女にすぎないと全人類が理解するまでは、貴様を貶めさせてもらうぞ!」

「っ……! この、コンプレックスの塊の子供めっ……!」


 そんなアデリナの怒りも、フウギに届くことはない。

 フウギはどこか壊れた印象を与える暴力的な笑みを浮かべて、アデリナの全てを奪うと宣言していく。

 そこには自身の生い立ちから生じるどうしようもない矛盾に苦しめられて、ついには人としての善性というものを粉々に壊してしまった、哀れな少年の姿とおぞましい怪物の姿を同居させた、歪みに歪んだ存在が立っていたのである。


「アデリナよ、薬によって性感を抑えられている今のうちに偉そうにしておけ!

 人体改造手術はな、完全に馴染むまでは時間が必要なのだよ! 最初から手術された通りの感度で生活しようと思えば、どれだけ不感薬を投与しようともそれだけでは、耐えられない。そのため、最初のうちはそれを感じないように身体自体に手術を施すのだ! そして、徐々に徐々に、その快感に体を馴染ませていく……クククッ! そのうち、その生意気な口も聞けなくなるぞ!」

「ふざけるな! 私がそんな無様な真似を――――ふぎゅぅぅっぅぅぅっぅ❤❤❤❤」


 むぎゅぅぅぅぅっぅ~~❤


 アデリナが言い終わるよりも早く、フウギはその無様に露出された乳首を思い切りひねり上げる。

 当然、アデリナの改造されて敏感になった体はピィィンッと背筋を伸ばして性的快感に容易く翻弄されてしまう。

 それでも、手術が数値通りに反映されていれば、この乳首ひねりでアクメ死をしてしまうほどの快感を覚えてしまったはずだ。


「う~ん? まさか……『ならば、まだ感度は通常通りということか?』などとでも考えたか? 間抜けめ! 今の貴様は乳首が取れるほどに強く捻っても感じてしまうような、変態女の体になっていることに代わりはないのだ!」

「ふぅぅぅ、ぅうぅっっ❤ や、やめろぉぉっ❤ 乳首を、ひねるなぁ❤」

「まずはこの美しくささやかな胸を楽しませてもらおうか。なぁに、先も言ったが、たっぷりと不感薬を投与しているから死ぬことはない。ただただ、普通の人間では味わえない快感を味わえるだけだ。お得だなぁ、総統閣下どのよ。さぁ……たっぷりと乳首の快感というものを覚えていけ!」

「や、やめ、ひぎぃぃぃっぃつ❤ おぉぉっ❤ ふぎゅぅぅぅっ❤」


 まるで豊胸マッサージをするように、フウギは腋下にあるスペンス乳腺を刺激するように美微乳を絞る形で揉みしだいていく。

 手のひらに収まるというよりも、手のひらで隠しきれると言ったほうが良い微乳は敏感そのもの。

 しかも、アデリナがオナニーをする時はオマンコのビラビラを優しく刺激する程度の、お子様オナニーであったために、この美微乳はアデリナ自身すら開発されていない新雪の野原に等しい。

 その新雪が募った大地を自分の足跡で汚してやると言わんばかりに、執拗にフウギは乳房を愛撫し続けていた。


「おぉぉっ❤ く、くるぅっ❤ 知らない感覚がくるっ❤ これは、なにっ❤ あぁっ❤ と、とぶ、どこかに飛んでいってしまう❤ ふぅぅぅ、ぅぅぅっっ❤」


 びくんびくんっ、びくんっ!

 ぷしゃっ、ぷしゃぁぁぁっ!


 アデリナの体が痙攣すると同時に、布地の存在しないオマンコから激しく潮が吹かれていく。

 カリスマ指導者アデリナの人生初のアクメは、歯牙にもかけなかったはずの傀儡皇帝による愛撫だった。

 しかも、それだけでは終わらない。


「感謝せよ! このシンの皇帝フウギ・エンセイの手で貴様を快感の果てへと導いてやろう!

 朕の指が触れただけで――いや、朕の指を見ただけでアクメに達する、無様な牝になるまでな!」

「ふぎぃぃぃっぃっっぃ❤ も、もうやめ、やめてぇぇえぇぇっ❤ 気持ち良すぎて脳みそが壊れるぅぅぅっっぅっぅっ❤」


 好みにピッタリと当てはまる理想的な美微乳を前にして、フウギは自身の男根を気持ちよくして射精することすら忘れるほど熱中してしまう。

 それこそ三日三晩、この銀河時代においては寝食を必要としない上で安全な薬を作ることが出来るため、アデリナの可憐な乳首と美微乳を弄び続けていくのだった。





 ここはフウギ皇帝のためのプレイルーム。

 『チェス』などの古式ゆかしいボードゲームはもちろんのこと、『フェイレン』という数十年前に生まれたばかりの真新しいボードゲームまで、様々な遊戯を行えることが出来る空間だ。

 その空間の中で、ニヤニヤとした笑みを浮かべたフウギはゲームテーブルを挟んでアデリナと向かい合っている。


「ふぅぅぅぅ~~❤ ふぅぅぅぅ~~❤ ぅぅっぅぅっ~~~❤」

「どうした、アデリナよ。貴様の手順だぞ。まさか、投了か? ならば、チェスにおいても朕の連戦連勝となるな~?」

「く、ぅうっぅうっぅっ❤ だ、だみゃれぇ……❤ くひぃぃぃっぃ❤」


 フウギとアデリナが行っているのは、地球暦の時代から行われていたボードゲーム、チェスである。

 多くのその時代のボードゲームは忘れ去られてしまったが、唯一、このチェスだけは原型を保ったままこの銀河歴の時代でも、権力者から平民まで多くの層に楽しまれるゲームとして残されていた。


 フウギのチェスの腕前は大したことはない。

 元々の地頭が良くない上に、ヒステリックで短気な性格が災いして少しでも不利になれば喚き散らすものだから、周囲の者はフウギに気を使って接待チェスしか行いため、実践でこそ磨かれる腕前の上昇の機会にも恵まれなかったためだ。


 対して、アデリナは宇宙的に有名なチェスの達人である。

 まだアレリアとの関係が悪化していなかった、『アイドル総統』に就任した直後に、会談の余興として当時のチェス名人であったアレリアの大統領を叩きのめして、当時の敗戦国としての他国にコンプレックスを持っていた国民たちの心を掴んだというエピソードがあるほどだ。


「はぁぁ、はぁぁぁっ❤ こ、これを、ひぎっぃっぃぃっっぃぃぃ❤ な、なんで駒が震え、ふぎゅぅぅぅぅっっ❤❤❤❤」

「おっと、お手付きだ! 全く、これだから下賤な育ちのアイドルなどという売女は困る! 負けているからと言ってこのようにチェス盤をひっくり返されてはな……故に、アデリナの反則行為によって朕の勝ちとさせてもらおう!」

「おほぉっっ❤ ほぉぉ、んほぉぉぉっ❤」


 だが、今はまるで違う。

 フウギが圧倒的な優位で進んでいた状況でもなんとか勝利を得ようとコマを動かそうとした瞬間だった。

 『ぶぶぶぶ……』、と、なぜかバイブレータ機能があるそのクイーンの駒が震えだして、その震えだけでアクメに達してしまったアデリナが盤上に倒れ込んでしまったのである。

 チェスの駒は床へと転がっていき、それを見たフウギは偉そうな態度と偉そうな声で自身の勝利を宣言するのだが、アデリナはその言葉に反論一つせずに、その小さな口を開いて間抜けなオホ声を奏でることが出来ない。


 このチェスという知的遊戯でアデリナという天才が愚鈍なフウギに連敗し続けていることこそが、アデリナが侮っていたシンの肉体改造技術は、アデリナの想定を遥かに上回っていた何よりの証明であった。

 アデリナはシンが肉体改造というおぞましい技術に対して長じているという情報を得ているため、宇宙一とも名高いドルツ第三銀河帝国の科学技術によって、人体改造に対抗するための特殊ナノマシンを体に埋め込んでいたのは本人が語った通りである。

 これを行うことで、所詮は『眠れる獅子』、『アレリアと北方連合の静かな紛争地』に過ぎないシンが開発できた程度の人体改造など耐えられると高を括っていたのだ。


「くしょぉぉぉぉ❤ くっしょぉぉぉっっぉ~~❤」


 その結果が、このザマだ。

 ただ呼吸をするだけで背中をビクンビクンと痙攣させ、腕を動かすだけで服が擦れて股間に電流が走り、振動する駒を指で握っただけで密かに行っていたオナニーでは感じられなかった甘美な絶頂に思考を途切れさせてしまうのである。

 こんな状態で満足な思考が出来るわけもない。

 それこそ、ドルツ第三銀河帝国の臣民ならば十になったばかりの子供でもできるような簡単な計算問題も解けないほどに、アデリナの脳みそは快感でどろどろに溶け切ってしまっている。

 こうして、チェスに限らず様々な知的遊戯で、傲慢で低能な少年皇帝に手も足も出ずボロボロに負けてしまい、嘲笑を浴びるという生活を送っていた。

 自身は天才であるという強烈な自負を抱いているアデリナにとって、これ以上とない屈辱である。


「なあ、アデリナよ。『パブロフの犬』というものを知っているか? 『古代ソビエト』の学者が発見した後天的な反射現象のことだ」

「にゃ、にゃにをぉ……❤ パ、パプルホの、犬ぅ……?❤」

「フハハハハ! 馬鹿め、パブロフの犬だ! これだから下賤な者を教養に欠けるから困るのだ!」


 当然、アデリナはパブロフの犬ぐらいは知っている。

 だが、このアクメの海で溺れた頭ではすぐに思い出せないのも事実だった。

 フウギ皇帝のような、血筋しか取り柄のない低能な少年にバカにされる屈辱を感じながらも、体と脳で暴れまわる快感は抜けてくれない。


「それ、これを見てみろ……このクイーンの駒が見えるか?」

「ほぉぉっぉ、ぉおぉっぉ~~❤ にゃ、なにぃ、なんなのぉ❤ ち、乳首がコリコリってされてるみたいな、んほぉぉぉぉっ❤」


 それだけではない。

 フウギが床に落ちたクイーンの駒を手に取り、こねこねと手のひらで弄んでいくのを見るだけで、まるで火がついたようにアデリナの乳頭に激しい快感が起こってしまった。

 ゲームテーブルに突っ伏したままのアデリナは、見せつけるように高く上げたお尻をぶるぶると激しく痙攣をさせてしまう。

 何かをされたわけでもないのに、クイーンの駒を撫でられただけで――いや、クイーンの駒を撫でる『指の動き』を見ただけでアクメに達したのだ。


「今の貴様がまさにそれよ! 朕が毎日毎日仕込んでやった、乳首責めの快感! パブロフが犬の唾液分泌が決められた条件になると必ず発生することに気づいたように、今の貴様の体は朕が乳首をこねる動きを見せることと乳首の快感が結びついてしまっているのだ! 欠片も触れられていないというのに、朕の指が動くだけで貴様の体は乳首をひねられていると勘違いをしてしまい、すっかりと染み込んだ乳首アクメをするようになったのだよ!

 もはや貴様は低能動物と同程度の存在になったということだ、アデリナ!」

「き、貴様ァァァァァっ!」

「ふふふ、ほぉ~れ♪」

「ふぎぃぃぃぃっぃっぃ❤ なぜ気持ちよくなるぅぅぅっっ❤ 種を明かされたのに、勘違いだと認識したのにィィィッィッ❤」


 これは催眠でも暗示でもなんでもない。

 フウギによって執拗なまでに刷り込まれた度重なる乳首アクメ体験が、体が覚えきっているのだ。

 そして、人間とは快感に抗うことは出来ない。

 なぜならば、気持ちいいからだ。

 そんな心地よいものを阻むことなど、愚かな人類にできるわけがないのだ。

 あの快感を、頭が壊れてしまうほどの歓喜を、また味わいたい。

 理性でどれだけ拒絶しようとも、本能はそれを求めているのである。

 クイーンの駒を乳首に見立てて動かし、それを見せつけるだけでアクメをキメてしまう、元・カリスマ指導者の姿を視て、フウギは気持ちよさそうに高笑いを続けていくのだった。





 統一帝国シンから全世界に向けて、捕虜としていたドルツ第三帝国が総統アデリナ・ヒンメルによる全面降伏の宣言が行われるという発表があった。

 銀河に緊張が走った。

 元々、シンが近隣国である大ヤマト帝国を奇襲のように侵略したことによって、同盟国であったドルツがシンへと宣戦布告したことで『シン・ドルツ戦役』が起こったのである。

 事の始まりが宣戦布告を行わない侵略行為だっただけに、国際社会からは当然のものだと受け入れられたため、シンの同盟国であるアレリアも北方連合も満足な助力を行うことはなかった。

 当初の予想では軍事国家ドルツの手によって、ついに眠れる獅子が斃れるのだというのが大方の予想だったが――――なんと、わずか数ヶ月でドルツは首都惑星を征服されてしまったのである。

 これは、ハニートラップによるドルツの内部分裂と、天才軍師であるカーンシン将軍の差配、なによりも天運に恵まれて奇跡と呼べる現象が複数回も起こったことが原因であった。

 こうして、ドルツのアイドル総統はシンに囚われてしまったのである。


 そうして捕虜となってからは国際社会に現れなかったアデリナ・ヒンメルの全面降伏に、銀河中の注目が集まっていた。


「……………………」


 アデリナは幾つものカメラの前に立っていた。

 顔はこれ以上ないほどに真っ赤に染めつつ、大きな軍用コートは首元から足首まで全身を覆っているため、そのコートの下にどのような衣服を身に纏っているのか想像もできない。

 そのまま、降伏会見のライブ中継が始まって、アデリナが一言も発せぬまま数分が経とうとしていた。


 幾人ものしびれを切らしそうになる中で、この会見を主導しているはずのシンはアデリナに対してなんの指示も出していない。

 ただ、苦悶の表情のままマントを脱ごうとしてやはり脱がないということを続けているアデリナの様子を、じっとカメラで撮影し続けるだけだ。


「わ、私……私は……ドルツ第三帝国の総統、あ、アデリナ・ヒンメルだ……!」


 アデリナはついに意を決したようで、俯いていた真っ赤な顔を上げて正面のカメラと視線を合わせて、震えながらも必死に言葉を紡いでいく。


「私はっ……私は……わ、私はぁ!」


 そして、ガバリ、と軍用コートを脱ぎ捨てたのだ。

 その瞬間、銀河中で悲鳴があがった。



「こ、これよりぃ! ドルツ第三帝国は、総統である、このアデリナの独断によって! 統一帝国シンを『宗主国』とした『属国』となることを宣言するっ! 『同盟国』ではなく、『属国』である! ドルツは最高民族であるシンに、下等民族として奴隷の忠誠を誓うのよ! と、統一帝国シン、万歳っ! 偉大なりしフウギ皇帝陛下、万歳っ!」



 宣誓の内容もさることながら、コートの下から飛び出した姿があまりにも衝撃的だった。

 シンのフウギ皇帝より改造を施された、胸部と股間部分だけがくり抜かれた無様過ぎる改造軍服を身に着けているが、今回の無様さ演出はそれだけでは終わらない。

 なんと、そのオマンコとアナルに一つずつ『二種類の旗』が挿入されてしまっていたのである。

 オマンコに挿入された旗は、ドルツ第三帝国の国旗。

 アナルに挿入された旗は、染み一つない真っ白な白旗。

 さらに、乳首には穴あけ式ではなくクリップ式のピアスがつけられており、そこから旗竿に向かって銀の鎖がついていることで、より無様さを強調していた。


「ほぅっ❤ ほっ❤ ほぉぉっぉっぉぉ~~❤ み、見なさいっ❤ これが、アイドル総統による、シンへと忠誠を捧げる、服従のダンスよっ❤ ほぉぉぉぉ~~~~っ❤」


 そして、歌とダンスを顔で国民を魅了してきたアイドル総統は、ガバリと足を肩幅まで広げてからがに股になるように膝を外に向ける形で中腰となって、腰をぶんぶんと激しく前後に振っていく。

 当然、ドルツの国旗と降伏の白旗がふりふりと風にたなびくように揺れ動いていくではないか。

 これが、服従と降伏のダンスだ。

 誰がどう見ても頭がおかしくなったとしか思えないダンスを踊っている間、アデリナは屈辱に耐えながらフウギの言葉を思い出していく。



『アデリナよ、お前の崇拝者がお前を取り戻さんと我がシンへと侵入したとの連絡があった』

『なっ……!?』

『なぜ知っているか、だと? ふははは! 貴様はやはり頭が足りんようだな! どうやって我がシンが軍事にかまけた脳筋国家のドルツを打倒したと思っている! 性欲を知り尽くした我らがハニートラップによるセックス中毒者とした、内通者はどこにでもいるのだよ!』

『卑劣ね……! まともに戦うことも出来ないの!』

『う~ん、負け犬の遠吠えは耳に優しく染み込んでくるなぁ、クハハハ!

 まあ、恐れ多くもシンの首都に密かに踏み込んできたその負け犬の舎弟どもはひとり残らず殺してやったが……だが、これがいつまで続くだろうなぁ? お前が生きている限りは、お前のカリスマを信じて多くの人間が貴様を救おうとやってくるだろう!』

『くぅぅぅっっ……!』

『敗北を宣言せよ、アデリナ! それもただの敗北ではない、貴様のカリスマが地に堕ちるように朕が徹底的にプロデュースした、無様な屈服服従宣言だ! それをせぬ限り、貴様の大事な臣民は無為に死んでしまうだろう!』



 思い返すだけで、涙がこぼれそうなほどに悔しい。

 今までのアイドル総統として行ってきた国政を思うと、そのような発言を無視してなんとしてでも外部と連絡を取り、『捕虜となった総統を無視して、それでもシンに屈さず総玉砕になる覚悟で戦え』と伝える手段を考慮するべきなのかもしれない。


「くぅぅっ……!」


 だが、もはやアデリナの心は折れかけていた。

 このまま再起することなど出来ないほどに、だ。

 シンの肉体改造の技術が、アデリナには何よりも恐ろしい。

 フウギ皇帝が言ったように、この技術を転用させてハニートラップでセックスをした男性の快感を増強させてセックスの虜とし、裏切り者に仕立て上げることなど容易いだろう。

 愛する国民が自身を救わんと助けに来ても、その中にいる裏切り者によって皆殺しにあってしまうのがわかりきってしまっている今、降伏宣言をするのは一つの手と言えた。

 そんな都合のいい言い訳に、あの銀河の麒麟児アデリナ・ヒンメルが飛びついてしまう愚者となるほどには、この調教は苛烈だったのである。

 屈辱は人の視界を著しく狭め、快感は人の思考を著しく単調にする、まさしくその証明であった。


「シンは素晴らしい! 私が名乗る、『ドルツ第三銀河帝国』という僭称とは異なる、本物の『帝国』だ! その強靭さに、わ、我らのような愚鈍な国家が勝てるわけがなかったのよ!

 こ、これが服従のダンスよ~! 諸君らが愛してくれたアイドルとして磨いてきたダンスの腕前を、シンの偉大さを示すものとしても活用できることを、諸君らも喜んでくれるわよね!?」


 そのため、アデリナは売国奴を演じる。

 演じるのは得意だ。

 アイドルになるのも、総統になるのも、結局はアデリナが計算してどのような振る舞いが国民に受けるかを考えて行っていただけなのだから。

 だから、その国民が愛想をつかして――――いや、自身に憎悪を向けるぐらいの、とびっきりの無様を晒さねば、何度となく特攻を繰り返すだろう。


「そ、それでは宗主国であらせられる偉大なるシン、その属国となったドルツの、『新たな国歌』を発表させてもらうわ! アイドル総統として諸君らも愛してくれた我が歌声を聞いて、その在り方とともに素晴らしい歌詞を心に刻んでちょうだい! 明日には老人も子供も、偉大なるシンを思いながらこの歌を口ずさめるようになるのよ! これは国民の義務なんだから!」


 とびっきり惨めに、とびっきり無様に、とびっきり邪悪に。

 この会見に脚本はない。

 愛する母国を貶める内容をアデリナ自身が考え、アデリナ自身が披露していくのだ。

 そうすることで、アデリナの自尊心はどんどんと傷つけられていく。

 元々の地頭がいいから、余計に国家を侮辱する方法が思いついてしまうのである。


「んっ、んんっ! すぅ……!」



 ――――その極めつけが、この新たなる『国歌』の斉唱だった。



「いざ、マンコを高く捧げよ♪ オチンポ様は固くそそり立った♪

 主君がチンポを突き入れる♪ 雄々しく頑固たる威容で♪

 戦友は竿姉妹♪ 夫は遊戯で去勢された♪

 しかし、その心は忠義に溢れて奉仕をする♪


 いざ、マンコを開けよ♪ 偉大なりし雄様を迎えるのだ♪

 期待に満ちた何十億もの牝がオチンポ様を見上げる♪ 

 自由とザーメンのために頭を下げるのだ♪


 いざ、突撃の合図が吹き鳴らされる♪

 マンコは皆、子供を作る準備が完了している♪

 すでにシンの子種が全ての子宮に染み込んでいる♪

 永遠の苗床奴隷となれるのは、後もう少しだ♪」



 それは、最低と呼ぶのも憚れるほどの歌詞だった。

 国辱と呼称することすら生ぬるい歌を、アデリナはにこやかな笑みを浮かべ、マンコとアナルにドルツ国旗と白旗を挿入して腰を激しく振りながら、華麗な歌声で歌い上げていく。

 一度歌い終われば、また最初から。

 それが終われば、当然最初から。

 それを何度となく繰り返していくのだ。


「おおぉっぉ❤ ほぉぉぉっ❤ せ、戦友は竿姉妹、ほぉぉおっぉっ❤ お、夫は遊びで、去勢、んほぉぉぉぉ~~❤」


 しかも、その最中に何度となく体を痙攣させてアクメに達していくではないか。

 それは人体改造による感度上昇の手術による影響だ。

 もはやまともな日常生活さえ送れなくなったアデリナは、このように腰を振りながら歌とも呼べぬ歌を口にするだけで、その皮膚が、肺が、喉が、大きな性的快感を生む、人間として終わった体に改造されてしまっているのである。


「ほひぃぃぃぃぃっっぃ❤ イクぅ❤ 腰振りダンスで国歌斉唱気持ち良すぎて、潮吹きアクメきめるぅぅぅっっぅ❤」


 やがて、ぷしゃぁぁと潮を吹いてしまう。

 流れ出た潮と愛液によってドルツ国旗がオマンコからすっぽりと抜け落ちていく。

 それだけではない、アナル調教もされているアデリナは腸液を愛液のように垂れ流してしまったため、白旗もまたアナルから抜け落ちてしまったのだ。


「ほひぃぃぃっ❤ ふぎぃぃぃぃぃっ❤ こ、国旗が、国旗が取れるぅぅっ❤ 乳首と繋がった鎖が重くなって、ち、乳首イクぅぅっぅぅっ❤ で、でも、腰を振らなきゃ❤ 降伏のダンスを踊らなきゃぁぁっ❤」


 だが、それが地面につくことはない。

 先程も行ったように、クリップ式のピアスについた銀の鎖によって、乳首のピアスと国旗は繋がっているのだ。

 右乳首はオマンコに入っていたドルツ国旗に、左乳首はアナルに挿入されていた白旗に繋がっており、未だに腰振り降伏ダンスを踊っているアデリナによって、その二つの旗はぶらんぶらんとアデリナの股間の下で垂れ下がっているのである。

 その状態をも利用して、アデリナは恥をかきに行く。

 全ては、ドルツ国民が無為に命を捨てないため――『という都合のいい言い訳に飛びついて』、アデリナは自分の意思で無様を晒していくのである。


「ほぎぃぃ、いぃぃっぃっ❤ でる、でるぅぅっっ❤ おしっこ、出ちゃうぅぅぅっ❤ 国旗に当たっちゃうのに、おしっこ止められないのぉぉぉっっ❤」


 じょぼぼ、じょぼぼぼぼ、じょばばばばばばばばばば……!


 激しい勢いで、股間からおしっこが飛び出していく。

 当然、その間にも腰を前後させる卑猥で無様な降伏ダンスを止めることはないため、マンコからぶら下がっているドルツ国旗はもちろんのこと、アナルに繋がっていたことで後ろに着ていた白旗も、腰の動きで前に来た瞬間に黄色い尿で汚れていくのだ。

 その瞬間、アデリナはどうしようもないほどの快感を得てしまう。


「んほぉっぉぉぉっぉぉっっぉ❤ おしっこ、気持ちいいぃぃぃっっぃ❤ 愛しの母国の国旗を汚すの最高ぉぉっぉっっぉ❤」


 もちろん、人体改造の結果として排尿や脱糞といった生理現象ですらアクメをキメる変態女に改造されてしまったという影響もある。

 あるが、それだけではない。

 精神も、アデリナは知らず知らずのうちに狂わせていたのだ。

 こうして無様を晒すだけで、アデリナはマゾ性癖が刺激されて、無様すぎて気持ちよくなってしまうのだ。

 しかも、ただのマゾ性癖ではない。

 もはや日常生活にさえも影響を及ぼしてしまうほどのド級のマゾ性癖、ドマゾ性癖だ。


「は、はへ、はへぇぇ……❤」


 ぺたり、と。

 アデリナはあまりにも気持ち良すぎてついにはその場で尻もちをついてしまう。

 誰もが、この人間としての誇りを溝に捨てた変態女によって起こった最低最悪の茶番が終わったと思っただろう。

 このような催しを開くと聞かされたシンの臣下も、これを見ている敵国も、絶望によってすでに自殺するものが現れたドルツの国民も、アデリナでさえも――――そう、性格が捻じ曲げられてしまった、少年皇帝以外は終わったと勘違いしてしまったのだ。


「全く、我がシンの品性さえ落ちる最低の降伏宣言だったな!」

「あ、あぁぁ……❤」


 カリスマ美少女指導者アデリナ・ヒンメルをここまで貶めた邪悪な存在、シンの皇帝フウギ・エンセイが現れたのである。

 言葉とは裏腹にニヤニヤとした表情は、あの銀河に轟くアイドルにして敵性国家の誰もが恐れる魔女指導者アデリナが家畜にも劣る存在になるような無様を晒してみせたことに、例えようのない快感を覚えていることは明らかだった。

 そして、フウギはここで自分の発案でアデリナを家畜へと貶めることを決めたのである。

 フウギは足を肩幅よりもさらに大きく開き、不快感を煽る邪な笑みを浮かべたまま、アデリナへと一つの命令を行った。


「さぁ、属国の首脳であるアデリナ・ヒンメルよ! 宗主国の皇帝であるこの朕の股をくぐるが良い!」


 アデリナに『股くぐり』を強要したのである。

 公衆の眼前で股の間をくぐるということは、シンにおいてはこの上ない屈辱的な行為とされている。

 そのような文化がないドルツからしても、犬猫のように四つん這いとなって、見世物のように股をくぐることは屈辱に感じるはずだ。

 普通の状態のアデリナならば、行うはずのない行為である。

 しかし、今のアデリナがそれを断れる理由はない。


「は、はぁぁ……❤ はぁぁ……んひぃぃっっ❤」


 膝が地面に擦れるだけでクリトリスを激しく擦られたような刺激を感じてしまうアデリナは、普通の四つん這いで動くことも出来ない。

 そのため、手を指だけで地面につけ、さらに膝を地面につけないようにお尻を高く掲げて足の指で動いていく、赤ん坊の四つん這いではなく四足の畜生としての四つん這いのままで動いていくのだ。

 しかも、フウギの立ち位置の都合上、そのヌレヌレに濡れそぼって、尿で汚れたドルツ国旗を引きずるような惨め過ぎる構図でカメラに撮影されていたおまけ付きである。


「はぁぁ……はぁぁ……こ、これで――――」


 のろのろと、しかし、確かに股の間をくぐっていく。

 そして、頭部が股の間をすり抜けた、まさにその瞬間だった。


「フハハハ! ここでズドンだ!」


 フウギがいきなり地面に向かってその尻を落としたのである。

 すでに無数のアクメによってまともに力を入れることが出来ないアデリナは、そのまま首にフウギの尻を乗せる形で倒れ込んでしまう。


「おほぉぉっぉぉぉぉっぉぉ❤」


 ぷしゃっ! ぷしゃぷしゅっ! ぷっしゃぁっっっぁぁぁっ!


 その際にピアスを付けた乳首はもちろんのこと、胴体の全てを激しくざらついた床に擦りつけてしまったために、お尻を高く掲げた姿勢のまま潮吹きアクメを披露してしまう。

 変態女ということすら憚れる、人間だとは到底思えない無様の極みのような姿だ。


「あ、あへ、あへぇぇぇ……❤」


 そのままぐるりと眼球を裏返し、ぐったりと倒れ込んでしまう。

 あまりの快感にアクメ失神をしてしまったのだ。


「はははは! 見たか、ドルツの民よ! 貴様らの絶対的指導者、総統アデリナ・ヒンメルはご覧の有り様だ! さすがに、このようなバカ女が首脳であった貴様らには同情するよ……朕が、そちらを治めてやろう! こちらから連絡を起こすから、宗主国と属国として新たに話をしようじゃないか!」


 そんな失神している国民的アイドルにして偉大なる総統のアデリナを座布団にするように座り込んだ、フウギは高らかに宣言した。

 これにて、銀河中の人間が目を疑った、前代未聞の降伏会見は終わりを告げた。

 ドルツはシンへの反感を更に強めてゲリラ戦を激化――――することはなく、諦めたようにドルツは属国となる道を選んでいく。

 これは、すでに残されていた国のトップたちがシンのハニートラップから生まれる、セックス快楽による籠絡が済んでいたためである。

 そして、残されたアデリナは――フウギ皇帝のお気に入りの玩具となるのだった。





 降伏宣言を終えた、その夜のことだ。

 フウギはついに、アデリナの処女を奪うことを決めたのである。

 そう、アデリナは今まで処女のまま調教をされてきたのだ。


 処女のくせに食事をすればイク、変態女に。

 処女のくせに排泄をすればイク、変態女に。

 処女のくせにチェスの駒がバイブ振動すればイク、変態女に。

 処女のくせにフウギの指の動きを見ればイク、変態女に。

 処女のくせに腰を振って歌を歌えばイク、変態女に。


 銀河でも有数の偉大な指導者であると言われいてたドルツ第三帝国の総統アデリナ・ヒンメルが、そんな無様な変態女になっているという事実は、平凡な傀儡皇帝フウギの自尊心を大いに満たしてくれた。

 その極みが、あの降伏宣言だ。

 楽しかった。

 あれほど心が踊った瞬間は、生まれてから一度としてなかっただろう。

 それこそ、あの瞬間にすべてが終わってもいいというほどに、フウギ・エイセイという少年は満たされたのである。

 自分と同じ惨めで哀れな立場まで――いや、それよりも下の立場まで、天才が落ちていく様を見ていくのは何事にも代えられない心的快感を生んでくれるのだ。

 これから先のシンは、あまりの非道に銀河の敵として周辺各国から非難を浴びて、凄技の名のもとに宣戦布告されるかもしれない。

 だが、別に良かった。

 自身を利用しようとしていた奸臣どもが慌てふためいている姿を見るのは愉快だったし、ここで殺されたとしても、自身はあのアデリナ・ヒンメルを銀河史に残る最低最悪の変態女として披露することが出来たのだ。

 それほどの快楽と優越感を得たというのならば、なんの未練があろうか。


 そして、フウギはこの膨大な快感の礼として、アデリナを抱いてやることに決めたのである。


「ふぅぅぅぅっぅぅ❤ ぅうぅぅっぅぅっっ❤」

「よくやった、アデリナ! 褒めてやろう! 下劣で愚昧な貴様でも、この朕を楽しませることが出来たとはなぁ!」

「うううう、うるさいぃっ❤ い、いいから、はやく、早くセックスしてぇ❤」


 一方で、アデリナももう我慢が出来なくなっていた。

 フウギという個人に屈服したわけではない。

 もはやまともに知的思考もできないほどに性的快感によって脳細胞を翻弄されてしまっているアデリナだが、それでもフウギのことは愚鈍な傀儡としか認識できていない。

 自分を支配するような器ではないと、本気で思っている。

 だが、しかし、快感には抗えない。

 この男の最低の愚物だが、それでもこの男の与えてくる快感には勝てない。

 生意気な口ぶりをしながらも、それでもセックスを求めるのはそんなアデリナの限界を迎えた精神性の現れでもあった。


「はははは! 良いだろう! ドルツ国民の誰もが奪いたいと願ったアイドル総統の処女を、いや、今は最低最悪の売国奴の処女を、この偉大なる皇帝が貫いてやる! 感謝し……ろぉっ!」


 ずぶちぃ、ずぶずぶ、ぶちゅりぃ、ぷちぷちぃ、ずぶりゅぅぅぅぅぅぅ!


「あひぃっぃぃっぃっぃぃぃぃぃっっぃっっぃ❤❤❤❤」


 腰に力を入れて一息に処女膜をぶち破った瞬間、アデリナの世界が爆発した。

 アデリナ・ヒンメルという少女の体を宇宙にした場合、ビッグバンにも等しい衝撃が起こったのである。

 バチバチとものすごい勢いで白い光が点滅するように何度となく光っていくのを感じながら、アデリナの意識は一瞬で刈り取られてしまった。


「んほぉぉっぉぉぉ、ぉぉおぉ、おほぉぉぉっっぉぉ❤❤❤❤」

「くぅぅ、これは、なかなかのキツさだ! ヤマトの姫君よりも更にきつい……って、は、ははははは! なんて、なんて顔をしている、アデリナ!」


 挿入したフウギは、処女と言えどもあまりにもキツすぎるオマンコに最初は歯を食いしばって腰を動かしていたが、そこでようやくアデリナの顔を見て、思わずと言った様子で大笑いをしてしまった。

 それほどに、アデリナの浮かべている顔はあまりにもブサイクで惨めな、まともな尊厳を持っている女であればその場で自死をしてしまうこと間違いない顔となっていたのである。


「ぉおぉっっ❤ 気持ちいい、これがセックス❤ セックス気持ちいいっ❤ あ、頭が壊れるっ❤ チンポがガツンガツンって子宮を叩く度、脳みそまで叩かれてるみたいになるぅぅっ❤」

「は、鼻、鼻血! 鼻血が出てるではないかっ! 気持ち良すぎて鼻の中の欠陥が切れたのか? なんて無様な女なんだ、お前は! 眼球も今にも裏返りそうで不気味だぞ! おまけに大きく鼻の穴を広げて……こんなブサイク女をアイドルとして崇めていたとは、ドルツはなんて馬鹿な国なんだ!」


 あまりの衝撃に鼻の中の欠陥が切れてしまい、その鼻からはぼたぼたと血が流れ落ちている。

 幾人もの女を抱いてきたフウギであったが、気持ち良すぎて鼻血を流してしまう女はアデリナが初めてだった。

 肉体改造をして人間とは到底呼べない最悪の淫乱ボディに変えたのはフウギ本人だが、それでも人間とはここまで無様な生き物になれるとは思っておらず、湧き出る笑いを止めることが出来ない。

 それでもキツキツのアイドル総統オマンコはかなりの名器で、フウギは笑いながらも腰をパンパンと振るという、それはそれでフウギも馬鹿らしいことをしているぞと言いたくなる


「どうだ、これが朕と貴様の差だ! 貴様はセックスをされただけで死にかけ、朕は悠々と腰を振る! 男と女、皇帝と平民、その差なのだ! よく覚えておくが良い!」

「ち、違うぅぅっっ❤ これは、これは違うからぁっ❤ セックスが気持ちよくさせられただけで、お、お前が凄いわけじゃないぃィッィッ❤」


 偉そうに胸を張るフウギに対してアデリナが放った言葉は全面的に正しい。

 フウギは何もしていない。

 たまたま自身に心酔している優秀な将軍と政治家を手に入れて、たまたま中華四万年の歴史に基づいて人体改造実験に夢中になっていた集団を発見しただけだ。 

 フウギが凄いことなど、何ひとつもない。

 だが、そんな正論もここでは意味がないということに、聡明なはずのアデリナは全く気づいていなかった。


「黙れ! 何を利口ぶっている! 朕はセックスに溺れず、貴様は溺れた! それが全てであろうが! 朕の皇帝に相応しい巨根はどうだ! 気持ちよければ、媚びろ! それが牝の、民の義務だぞ!」

「ふぎゅぅぅっぅぅぅっぅっぅ❤❤❤❤」


 ぱんぱんっ、ずぶずぶずぶぅぅぅ……ばしぃぃんっ!


 正常位の形でアデリナを犯していたフウギの皇帝がさらに激しくなっていく。

 俗に言う、種付けプレスという姿勢だ。

 フウギが身体的に未成熟な少年皇帝なのは確かである。

 しかし、アデリナも『成長抑制剤』という、フウギが好む未成熟な少女のままの体で居ることを強制する薬を服用させられている華奢な少女なのだ。

 全力の種付けピストンを受ければ、ビリビリとした快感によって脳みそが支配されていく。


「ぉおぉっっ❤ ち、チンポすごいぃぃっ❤ これ、頭が壊れるぅぅっぅ❤ ほおぉぉぉっ❤ オチンポ、チンポチンぽっ❤ オチンポ気持ちいいっィッ❤ もっと、もっとついてぇぇ❤」


 そのあまりの快感に、強がりさえも出来なくなっていき、組み敷かれたまま『迎え腰』としてアデリナ自身も腰を動かすようになっているではないか。

 さらにチンポやマンコなど、口にするどころか考えたこともなかった言葉が勝手に溢れていく。

 これもまたフウギによる調教の成果である。

 臣民を鼓舞させ、魅了するその見事な演説を放っていた口が、男を興奮させるために卑語を放って媚びるような淫売の口に変わってしまったのだ。


「くぅぅっ! 射精るっ! 射精するぞ、朕の子種を……高貴なる者の種ではらめ、下賤の民め!」

「ひぎゅぅっっぅぅぅっぅ❤ おぉぉっっ❤ 来るぅぅ、ザーメンくるぅぅぅっ❤ 気持ちよくなりながら敵国ザーメンで孕むぅぅぅっっ❤」

「敵国ではない、宗主国だっ!」


 どびゅるるるるぅぅっ! びゅるるるっ! どぶぴゅうぅぅぅっっ! びゅるるるぅぅ!


「んひぃぃぃっぃぃぃっっっぃ❤❤❤❤ きたぁっ❤ 宗主国ザーメンで孕む❤ 孕むための穴になる、私が、変わってしまうぅぅっっぅ❤」


 フウギの肉棒チンポも、アデリナの蜜壺マンコも、同じようにビクンビクンと激しく痙攣していく。

 チンポの痙攣はマンコに快感を与えて、マンコの痙攣はチンポに快感を与えていくという奇妙な循環を起こしていき、お互いが互いに性感を高めていくのだ。

 そのセックスだけが起こせる快感に、アデリナの脳みそがザーメンに染められてしまったように快感に溺れていくのである。

 そして、性感に敏感になっているその体は、どんどんと貪欲に快感を求めていき、かつてのアデリナ・ヒンメルでは演技でも口にしなかった言葉を口にして、自分が惨めで淫らな存在だと自覚することで、倒錯的な快感を貪るのだった。


「ほぉぉ、ぉぉおっ❤ きもち、きもちいいぃ……もっと、もっと犯してぇ……❤」

「くは、ははは……! いいぞ、アデリナ……! 朕が犯してやろう! その優秀だったとされる頭脳と朕の高貴な血が混じれば、それは銀河を統べる大器を秘めた子となるだろう!」


 この快感の波が一度引けば、アデリナは再びあの生意気な姿に戻るだろう。

 そして、またセックスをすればこのように無意識ではあるがチンポとフウギに媚びていくのだ。

 それを繰り返すが――永遠に続くわけではない。

 いずれ、心の芯からポッキリと折れてしまい、平時でも媚びていき、無邪気に快感を貪るだけの売女へと変わるだろう。

 その時、フウギは心の底から笑えるだろう。

 自分とは対極にあった天才が、本物の指導者が、自分に媚びる牝となる。

 その予感にさらに男根は昂ぶっていき、さらにさらに、とその美体を貪っていくのだった。



 これは銀河のとある時代の一幕。

 『銀河統一帝国シン』が誕生した、その偉大なる『銀河始皇帝』の裏にあった、歪みに歪んだ性根の物語なのである――――。



(終)

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