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リクエストで書かせていただきました。

↓こちらの作品の続編となります、よろしくお願いします。

幸せになったと笑う桜が結婚式直前に士郎と凛によって寝取られ女となり、ハーレムの一員となる本当の幸せを手に入れるお話

   ────きっと、私は幸せなんです。  そう語る間桐桜の顔にあるものは、遠坂凛が知る幸せというものではないように思えた。  遠坂凛だって、自分が取った行動の全てがいい方向に進んでいると本気で信じていたわけではない。  手のひらから取りこぼしたものはあるし、拾えなかったものもある。  それでも、最悪では...


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 いくら美綴綾子と言えども、恋をして、結婚をして、出産をして、育児をすることで、『現実』というものを理解するようになった。


 世間に多く存在する夫婦というものはドラマや漫画で描かれているような関係性のほうが少なく、不倫や浮気というものはワイドショーを放送するテレビ越しにしか存在しないものではなく、ずっと身近にあるものなのだ、と。

 あまり気持ちのいいものではないが、パートに出ている自分の耳にも休憩時になればそういう話を開けっ広げに語る既婚者も多くはないが確かに存在する。そういう時、面倒くさく不快ではあるが、周りに合わせてヘラヘラと笑って過ごすだけだが、その度に別の職場を考えてしまうぐらいには暗い気分になってしまう。

 きっと自分は変わってしまった、のだろう。

 大学卒業と同時に交際を重ねていた年上の恋人と結婚をして、一年後に男児を出産。実の両親や夫の義父母からのサポートも受けながら育児を続けていき、息子が幼稚園に入園すると同時にパートに出るようにした。夫は高給取りで、義父母の財産もかなりのもので、綾子が無理に働く必要はない。必要はないのだが、それでも息子のこれからを考えれば先立つ物はいくらあっても足りないし、なによりも、家庭に収まってしまって夫と息子のために毎日を過ごすような人生を想像してゾッとしてしまったのだ。

 だけど、出たパートの仕事では綾子はさらに窮屈な思いをすることとなる。

 世の中には綾子が気に入らない人間というものは溢れかえっており、その気に入らない人間と仕事をしなければいけないのだ。

 だけど、そこで気に入らないからと辞めてしまえば、大卒後すぐに専業主婦となった綾子は『所詮は社会に適応できない人間』と見下されるような気持ちがして、結局、今は周囲に合わせて笑いながら過ごしているのだった。

 そう考えれば、高校時代や大学時代はもっと単純で、もっと明快で、もっとかっこよく生きることが出来ていたと思ってしまう。


「……遠坂はやっぱり綺麗になった、よな」

「そう? あなたも随分と大人っぽくなったじゃない」


 柄にもなくそんな風に考えてしまうのは、懐かしい友人に再会したからだろう。

 数ヶ月前に、愚弟がついに結婚をして嫁を娶った。

 その愚弟の嫁となった人物は綾子の高校時代の後輩であり、それはもう器量よしという言葉では片付けられないほどに麗しく控えめな性格の美しい女性である。

 その愚弟と後輩の結婚式でこの人物──『遠坂凛』が姿を現したのだ。

 思わず息を呑むほどに美しく、さらにはその美しい凛に勝るとも劣らない二人の美女と連れあって新婦側の席についたその三人は、本来ならば新郎と新婦にとっての人生最大の見せ場となるものを奪ってしまうほどの華やかさを持っている。

 そう、本来ならば、だ。

 式に現れた、義理の妹となる『間桐桜』、改めて、『美綴桜』となった新婦は、遠坂凛とその連れ合いの二人──『アルトリア・ペンドラゴン』と『ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト』と比肩するほどの美しさを持っていたのである。

 むしろ、このような美女が集まった式となることでその式の華やかさはさらに増し、それこそ出席した人々にとってはあらゆる意味で忘れられない式となったのであった。

 そこまでは、良い。


「美綴先輩も、とてもおきれいですよ。お子さんを産んだ体つきとは思えません。お世辞でも何でも無く、本当に羨ましいです」

「そりゃ、私も一介の美女としてはだな、贅肉を残すような生半可な鍛錬をしちゃいないよ」


 今、綾子は義妹となった桜と、高校時代の友人である凛と、とある喫茶店の個室でティータイムを楽しんでいた。

 息子は幼稚園に通っているために一息をつけるこのタイミングでの懐かしい人物を交えた息抜きは、最近の行き詰まりを感じる綾子の人生に恵みの雨が降ったような、なんとも言えない悦びを抱かせてくれる。

 だが、同時に目の前の美女二人を見ると、抱きたくもない妬みのようなものを抱いてしまう。

 綾子のことを『子供を産んだ経産婦には見えない』と称してくれた桜ではあるが、だが、綾子本人からすれば自身の体にはあまりよろしくない肉の乗り方をしていることは自覚している。

 その『徐々に女ではなく母になっている』体を鏡で毎日と見ている綾子の意識はその服装にも現れており、あまりお洒落とは言い難い、無地のパーカーとシャツ、さらには質素なジーンズを纏った、如何にもな『お母さんスタイル』となってしまっていた。

 つまり、自分のことを美女だと軽口を叩きながらも、心の何処かでは着飾ったら恥ずかしいような衰えが見えているのだと思ってしまっているのである。


「……それで、だな。その……聴きたいことが、あるんだよ」


 そして、このお茶会を開いたのは他ならぬ綾子自身であった。

 冬木に戻ってきた遠坂凛と、その凛とベッタリとくっついている桜。

 それだけならば、良い。

 この二人の間にはただならぬなにかがあるのだろう、それは桜の兄である間桐慎二の振る舞いから見てもわかる。これでも綾子は勘の良い方なのだから。

 なにかわだかまりのようなものが桜と凛の間にはあって、それがなにかの理由で解けたというのならば、それは義妹と友人にとっては喜ばしい事実だと綾子は祝福できるだろう。

 だが、ことはそれだけでは終わらない。

 終わってはくれない。


「衛宮も、まだこの冬木に残っているんだろう?」


 衛宮士郎。

 凛と同じく、綾子にとっては懐かしいかつての友人である。 

 高校時代の士郎は平均的な男子高校生程度の身長しかなかったが、桜の結婚式で現れた彼はすっかりと大人の男になっていた。あどけない顔立ち自体に大きな変化はないものの、その身長は綾子の頭一つ、いや、二つは高く伸びており、さらには礼服越しでもはっきりとわかるほどに筋肉を敷き詰めた肉体を持っている衛宮士郎は、すでに綾子の知る友人とは別の人間になったのだろうと感じてしまうほどの変化がある。

 なぜだか、置いてけぼりにされた子供のような気持ちとなった。

 あの頃よりも美しくなった女たちとその中心にいる優れた男の構図は、綾子の中にある妬みが生まれてしまうのである。

 だけれど、それだけなら良いのだ。

 自分が浅ましいだけなのだから。


「それで、桜も凛も……衛宮に抱かれているんだろう?」


 だが、ことはそれだけでは終わらなかった。

 数ヶ月前に新妻となったばかりの義妹・桜は遠坂凛とともに衛宮士郎の『女』になってしまっているのである。

 信じがたい裏切りであり、血を分けた弟が今も気づかずに受けている屈辱は腸が煮えくり返るほどの怒りを覚えてしまうものだった。同時に、それでも綾子にとって桜は大事な後輩でもある。桜が常に携えていた、諦めにも似た哀しみの念というものがその裏切りによって消え去ったことへの、虚しい喜びというものもある。この結婚そのものが間違いだったのではと、姉として考えるべきではないことを思ってしまうのだ。


「そうですよ」

「ッ!」


 興信所を使って調べた信じたくなかった真実を決死の想いで尋ねた綾子とは裏腹に、桜はニコニコと笑みを浮かべながら、当たり前のようにその言葉を肯定したのである。

 怒りが湧き上がってくる。

 せめて、申し訳無さというものを見せてくれたのならばと思わずにはいられない。


「桜っ……!」

「落ち着きなさいよ、綾子」

「落ち着きなさいじゃない、遠坂! お前と衛宮が繋がっていることだって知っている! そもそも、お前が桜と衛宮の間を繋げたんじゃないのか!?」


 ガタリ、と立ち上がり、嬉しそうに笑う桜と凛を見る。

 不倫など、珍しいことではない。

 浮気など、どこにでもあるものだ。

 そう思っていたけれど、綾子の胸のうちにはどうしようもないほどの怒りがとめどなく溢れてくる。

 義理の妹とかつての友人に裏切られたのだから、これは正当な怒りであった。


「わかってるのか!? これは……これは、裏切りなんだぞ!? ……桜、今ならまだ間に合う。そんな奴らとは縁を切れ! 元に戻ってこい!」

「それは桜が決めることじゃないからしら?」

「遠坂は関係ないだろう、こっちは弟の家庭のことでもあるんだぞ!」

「そういうなら私だって関係あるわよ、桜は私の血の繋がった妹なんだもの」

「ッ!? そ……そうだとしても、今の桜は私の弟の妻で、私の義理の妹だ! お前と同じ姉妹だ!」


 遠坂凛と美綴桜の血の繋がりなんていう、知る由もなかった驚愕の事実を突きつけられても、それでも怒りによって綾子は言葉を続けた。

 予想通りの複雑な関係だが、その関係を持って衛宮士郎との不貞行為がなしなるわけでもない。

 むしろ、凛が桜の実姉だというのなら凛自身が桜に道理を説かなければいけないはずだ。それなのに、その桜を説き伏せるどころかそれを煽るような言動をしているなど、凛に対しても潔癖な怒りを覚えてしまう。


「じゃあ、どうするの? あなたのの弟くんに話す? 傷ついて、別れて、桜は士郎についていって、彼は結婚早々に浮気されて一年も持たずに離婚された笑いものになるだけだと思うけど?」

「……衛宮と話をする、連れてくるんだ。あいつなら、まだ良識があるかもしれない」


 遠坂の言葉に、さすがに綾子も言葉が詰まる。

 そもそもとして、すぐに弟にこのことを話さずにまずは桜へと問い詰めようと思ったことも、桜にべた惚れの弟に聞かせるにはあまりにもショッキングなことだと考えたからだ。縁を切らせれば、何事もなかったように元に戻れるはずだ。ひと月ほど前に遠坂とお茶をした際の話が正しければ、冬木に戻るのはこの一年だけで、あと半年もすれば衛宮は遠坂や二人の美女を連れてイギリスに戻るという話なのだから。

 もちろん、そのイギリスへ戻る時までズルズルと関係を続けさせて、後は自然消滅をしてしまうのを待っても良かった。だけど、持ち前の正義感という潔癖症というか、綾子はこの関係性を『辞めさせなければいけない』と思ってしまったのである。


「ふふっ」

「なにがおかしいんだ、桜……!」


 だが、そんな説得をしている相手の桜は、驚くほどに色っぽく笑った。

 この状況にまるでふさわしくない、同性であるはずの綾子自身も胸が高鳴って頬が熱くなるような、艶やかな笑顔である。


「ごめんなさい、美綴先輩……だって」


 そんな笑みを浮かべながら、桜は悪びれた様子もなく綾子を見据えながら言葉を続けていく。

 その赤い唇がゆっくりと動いていく、その様子すらも官能的な、自分の知らない桜の姿に思わずゴクリと息を呑んでしまった。


「結局、美綴先輩も先輩と会って抱かれたいんでしょう?」

「なっ─────!?」

「だから、先輩に会いたいんですよね? 先輩に抱かれている私たちを妬んでいるんでしょう?」

「あら、そうなの?」


 そんな風に桜のエロティックな雰囲気に呑み込まれてしまっていた綾子に浴びせられた声は、侮辱という言葉では表現できないほどに信じられないものだった。

 自分が、衛宮士郎に抱かれたいと思っている?


「ふざけるなっ!」


 そう考えた瞬間に、無意識と言ってもいいほどに口から罵声が飛び出た。

 衛宮士郎の人間性を嫌っているわけではない。

 かつての衛宮士郎そのままなのだとしても、それはあくまで友人としての親しみを覚えるだけで、綾子の『好みの男性』というものとはかけ離れた男だ。

 そんな相手に抱かれたくて、実際に抱かれている凛と桜を妬んでいるなんて言われるのは侮辱以外の何者でもない。


「衛宮? はっ、バカなことを言うなよ! 確かに昔と違ってグッと背丈は伸びて筋肉もついて男らしくなったみたいだけどな、結婚した相手と不倫を続けている上に他の女とも関係を維持している、最低の『ヤリチン野郎』なんて私の心は動きはしない!

 お前らも頭と目がおかしいんじゃないか? あんな男のどこが良いんだ! 複数の女をコマして悦に浸ってるクズとしか思えないぞ! まさかあんなやつだとは思わなかったが……それでも事実は事実だろうが!

 誰も彼もがお前たちのようなヤリチンとビッチだけだと思うんじゃない!」


 かつての友人と義妹にかける言葉ではないとわかっていても、その言葉を投げつけられても文句が言えないようなことを桜は口にしたのだ。

 フーフーと息を荒くしながら声を荒げて罵声を投げつけるものの、しかし、桜も凛もどこ吹く風と言わんばかりに気にした様子もない。


「……っ! 不快だ、帰るぞ! だけど、良いな! 必ず別れるんだ、桜! 二度目になるけれど、まだ間に合うんだからな……!」


 その余裕綽々と言った様子がどうにも気に入らずに、胸がムカムカとすることを自覚しながら、この場にはいられないと言わんばかりに立ち去っていく。

 それでも二人の顔を見ずともその背中に嘲笑を向けられていることが気配でわかってしまい、綾子の心の中で収まることはなかった。



 桜の言葉が耳に残って仕方がない。

 桜が口にした、『結局、美綴先輩も先輩と会って抱かれたいんでしょう?』、『だから、先輩に会いたいんですよね? 私たちを妬んでいるんでしょう?』という馬鹿げた言葉を忘れることが出来なかった。


「ねえ、今日なんだけど……」


 だから、というわけじゃない。

 綾子はその日、それこそ三ヶ月ぶりに綾子自身から夫をベッドに誘ったのだった。

 そう、三ヶ月である。

 美綴の家に婿入りをした夫は良い夫であるために、夫婦間が不仲であるというわけではない。

 ただ、綾子の夫となった男は性的にひどく淡白な人間であった。

 そのこともあり、二人はほとんどセックスレスと言っても良い関係である。

 三ヶ月前のセックスにしても、実弟の実典と桜の結婚式で久々に湧き上がった興奮によって体を重ねただけの十数分にも満たない、早熟な中学生でも行わないような児戯めいたセックスであった。

 つまり、綾子の夫という人物はセックスという物自体に嫌悪感を覚えるというわけではないが、それでもセックスに興味がない人物であることは間違いがない。

 そう言った、雄としてがっついた部分がないところも綾子は好んではいたが、それでも限度というものがある。綾子は今が女の盛りというものであり、出産という女の本能を刺激する体験をしたこともあって、むしろ未婚時代よりも性欲が旺盛となったというところもあった。

 そんな綾子にとって、この優しいが淡白な年上の夫は夜の生活においては不満を抱くに十分な夫といえる。


「あの子も寝たし……ね?」


 普段遣いの寝巻きよりも幾分か可愛らしい寝間着を纏い、その下には美綴綾子という女には似つかわしくない少しだけ卑猥な下着を履いた状態で、頬を赤らめながら夫を見つめる。

 勝ち気で姉御肌の綾子のそんな様子を見て、興奮しない男は居ないはずだ。

 さらに、綾子はその体を大人の女となることで豊満に実らせていた。

 そのバストは妊娠の影響で媚肉がたっぷりと載り93センチという日本人女性としては巨乳と呼べる大きなサイズになり、そのヒップはさらに大きく96センチという卑猥なデカ尻に変貌している。それでいて、本人は気にしているものの、武道で鍛えられたウエストは62センチと柔らかな肉を残しながらもその下に筋肉を蓄えた上でしっかりとくびれているのだ。

 おおよそ、女の官能さをそのまま形にしたような体つきで、その顔もまた気の強そうな美人顔である。この女を抱けるとなれば、男の冥利に尽きるというものだ。


「ああ、ごめん。今日はちょっと疲れてて……先に休ませてもらうよ」

「…………え?」


 だが、綾子の夫に関してはそうではなかった。

 筋肉の薄いひょろりとした体躯と、成人男性の平均と言えば聞こえは良いが、綾子と数センチしか違わない170にも届かぬ身長。タレ目がちなその顔立ちは優しげではあるものの、その体躯も合わさって頼りなさげにも見える。

 その知的で優しげな容貌と立ち振る舞いにこそ惹かれたというのもまた事実であったが、さすがにその魅力というものもここまで性的に淡白に振る舞われると


「まだ二人目の子供は良いだろう?

 僕も大事なプロジェクトを任されて仕事も忙しいし、君も働きに出たばかりじゃないか。

 それに、お義父さんやお義母さんに預けているわけでもない、あの子の寝てる家でそういうことをしているなんて……君も、母親になってもう三年以上経つんだから、いい加減、母親としてしっかりしてくれないと」

「…………」


 くたびれた顔でそう言い放つ夫を前にして、綾子は自身の高鳴っていた胸がすぅっと冷えていくことを感じ取った。女が自分から誘うことがどれだけ勇気のいることは知らないのだろうか、と夫を批難する考えが止めどなく湧いてくるのである。


「……そう、ね。ごめんなさい、変なことをして」

「いや、良いんだよ。じゃあ、おやすみ……」


 夫婦のベッドで隣り合って眠りながらも、その心の距離はひどく離れていた。もしも、切っ掛けというものあるのならば、その大きなものはこの一夜であっただろう。

 綾子はすぐに寝入ってしまった、実際に疲れていたのであろう夫の気配を感じ取ると、そっとベッドを離れる。

 そして、浴室へと向かって、スマートフォンを開く。スマートフォンの中にはメッセージアプリを通して、義妹である桜から動画がいくつも送られてきており、その動画の一つを震える指でタップしたのだった。



『あぁっ♥ 先輩っ♥ せんぱぁいっ♥ もっと、もっと犯してくださいっ♥ わたしのオマンコ、先輩の形に調教してくださいっ♥』

『んじゅるぅっ……ちゅぅっ♥ 士郎、桜のオマンコはどうですか♥ 肉付きのよい、ゆるふわ人妻オマンコ♥ 士郎のことを愛しているくせに、神前で別の男との愛を嘯いて、その仮初めの夫を魔術で眠らせて、その日のためのウェディングドレスを纏ってあなたに抱かれた最低の女のオマンコは♥ ふふ、士郎も随分と悪い男になりましたね……♥ んちゅぅ、れろぉぉ、ちゅぅぅ、ちゅっ、れろぉぉぉっ♥』

『仕方のないことです♥ シェロ、あなたの魅力を思えばこれはある種の道理なんですから♥ この逞しい胸板……ちゅっ♥ ああ、シェロの胸に唇を這わすだけで、雌の本能がうずいてしまいますわ♥ 出会ったあの日からあなたは魅力的でしたが、歳を重ねれば重ねるほどに、あなたは男としての魅力を増していきましたもの♥ ちゅぅ……ちゅっ♥ それなのに、乳首に唇を重ねればピクピクと体を動かせて……可愛らしいですわ♥』



 その動画で、桜は二人の外国人美女と並んで衛宮士郎という雄に抱かれていた。顔は幸福に蕩けきっており、士郎がズンと力強く腰をつけばまるで楽器のように喉を鳴らして悦びの音を上げていく。

 桜ほどの肉感的な体の、一メートルを超える爆乳とくびれた腰を持った美女を抱けるならばそれだけで脳みそが溶けてしまいそうな快感を覚えて、猿のように腰振りに夢中になってしまいそうなものなのに、士郎は桜を抱くだけでは飽き足らず、アルトリアとルヴィアの二人の外国人美女から舌奉仕を受けているのである。

 アルトリアはその幼さを残しつつも造り物のような美しい顔を朱く染めながら士郎の唇に熱烈なベロチューを続け、ルヴィアはその豪奢な美貌に崇拝にも似た色を浮かべながら士郎の厚い胸板に指を這わせつつ乳首へと舌愛撫を続けていた。

 この世の極楽があるとすれば、まさしく今、この動画の中のベッドの上が極楽と呼ぶに相応しい場所だろう。


「あぁっ……くぅぅ……ふぅぅっ……♥」


 綾子はスマホを壁にかけて固定させてその動画を見ながら、夫のために用意したはずの淫猥な下着姿でオナニーを続けていた。豊満なお尻を浴室の床につけて、肉付きのよい脚を伸ばして大きく股を開き、右手を股間に伸ばして左手で巨乳を揉みしだいていく。

 そのオナニーはじわじわと綾子の性感を高めていき、ともすれば淡白な夫とのセックスよりも気持ちいいといえるものだった。


『ねえ、これでいいの? 動かしてないんだけど、本当に動いてるの? 実は撮れてないっていうのは嫌なんだけど』

『んぅう、ふぅぅ、はぁぁんっ♥ だ、大丈夫です、よ、姉さん♥ それで、先輩のかっこいいセックスが撮れていますから♥ 姉さんも、一緒に……んぅっ♥ 美綴先輩に見せつけましょう♥』


 そんな動画の中に、また新たな美女が現れた。

 遠坂凛である。

 かつての少女性は失われて、成熟した大人の女としての美貌を携えている凛を見て、綾子は思わず気圧されてしまう。

 それは凛と再会して最初に抱いた感情で、かつては宿敵とさえ呼んでいた相手を、もうそう呼ぶことは出来ないと思ってしまった。旧友ではあっても、あの美しく気高さと優雅さを持った女と相対することは出来ないと、今の不平不満を抱えて、それでも正すこともせずに生きている自分はもはや凛の敵にはなり得ない。

 そんな屈辱的な感情を抱いてしまう相手が現れても、綾子の興奮は止まることはない。むしろ、無駄な肉の一切ない美しいスレンダーな体つきの凛にも欲情してしまったところはあるかもしれない。それほどに、凛の肉体は同性も魅了する官能さを携えているのである。


『んちゅぅっ♥ ちゅる……ちゅっ♥ れろぉぉ♥ あらら……お尻の中がヒクヒクしてるじゃない、士郎♥ 女の子みたいに震えて、そんなに気持ちいいのかしら♥』

「なっ……お、お尻を舐めて……!? あ、あの遠坂が……!?」


 そんな遠坂は四つん這いになって士郎のお尻にその美しい顔を埋めて、『じゅるるる』と音を立てるほどに激しくアナルを舐めはじめたのであった。

 アナル舐めというアブノーマルなプレイをしているというのに、目を離すことは出来ない。

 あの淡白な夫としかセックスをしたことがない綾子は、そのエロ過ぎる体とは裏腹に男性経験がほぼ皆無と言っても良い。アダルトビデオなどの性処理用の映像や写真などもあまり見ない、それこそ女性誌の読者投稿による経験談ぐらいのものだ。

 綾子が見る初めての過激なセックス、それが桜から送られてきた一人の雄と四人の美女によるハーレムプレイなのである。


『せんぱいっ♥ 先輩ィッ♥ わ、わたし、イッちゃいますっ♥ イクっ♥ 先輩と一緒にイキたいですっ♥ 先輩の、熱い精液っ♥ 私の一番奥で射精してくださいっ♥』

『ちゅぅぅ、ちゅるるる♥ じゅるっ……んぐぅ、ごくぅ♥ 士郎、桜の求めに答えてあげてください♥ 女にとって愛する男の子種をその身で受け取るのは何よりもの悦楽♥ それは私自身も深く感じるところのあるものですので、桜にもそれを味あわせてあげたいのです♥』

『そのとおりですわ♥ それに今は避妊をしていますけれど……シェロの血を受け継ぐ子はいくら居ても足りないほど♥ 諸々の費用はエーデルフェルトの財から援助させていただきますので、シェロは気にせずその逞しい体で女性にその昂りを吐き出してくださいな♥』

『ほーんと、士郎ってば果報者よねぇ♥ 士郎自身も思ってるでしょ♥ 私と桜とセイバーとルヴィアのお腹を一緒に膨らませて、『この女達は自分のものなんだ~』って自慢したいんでしょ♥ ふふ、でもいいのよ♥ 誰だって私たちを見たらそんな夢を見るけど、でも士郎だけはその夢を現実にできるの♥ ほら、桜が求めてるわよ♥ 『俺の精液でこの爆乳女をはらませてやる~!』って腰を振りなさいよ♥ アナル舐めて応援してあげるから♥』

「あぁっ♥ くぅっっ♥ ふぅぅっ♥ んぅぅっ♥ あっ、イクっ♥ イクイクっ♥」


 その動画も終わりを迎えようとしていた。

 桜に絶頂が訪れそうになっていたその時に、士郎もまた射精をしようとしていたからである。

 桜と士郎、二人の限界を敏感に感じ取ったアルトリアとルヴィアと凛の三人は、挑発をするように男にとって心地の良い言葉を投げつけていく。

 これを囁かれれば、男なら我慢など出来るわけがない。根拠のない、いや、愛という不明瞭なものだけを根拠にして自分を万能だと思い込んで、その快感を味わうことしか出来ないはずだ。

 五人が作り出しているそのエロティックな雰囲気は動画越しにもひしひしと感じ取ることが出来、綾子もまたその雰囲気に呑み込まれて、オナニーで絶頂に達しようとしていた。


『桜、イクぞ……! 桜ぁっ!』

「ふぅぅんぅぅぅぅっ♥♥♥♥♥」


 そこで、今まで強烈な快感で喘ぐことしか出来てなかった士郎の喉から、低い声が響き渡る。

 その声はかつてのまだ少年らしさを残していた士郎の元とは少々異なるかすれた声で、その士郎の肉体も合わさって『大人の男』としての魅力が溢れていて、スマホ越しにその声を聞くだけで女の芯とでも呼ぶべきものが揺るがされてしまった。

 じゅくじゅく、と綾子は指でオマンコを弄りながら、じっとその動画を見続ける。


『おぉぉ、うおっぉおっぉぉっ!』

『あぁぁぁっ♥ イクっ、イクイクっ♥ 先輩に、夫の実典くんじゃない精液を流しこまれて、イクぅぅぅっぅ♥♥♥♥♥』

「くぅぅぅぅぅぅぅぅぅううぅぅぅぅぅっ♥♥♥♥♥♥」


 どびゅぅぅぅううぅぅぅ! どびゅるるっ! びゅるるっ! どびゅびゅぅぅぅ! どびゅううぅぅぅぅぅ!


 士郎が体を震わせて射精を行うと、桜もまたその射精の熱と勢いを受けてアクメに達したようだった。その二人の満たされたセックスを見て、綾子もまたオナニーで絶頂に達してしまう。

 ピシュピシュ、とオマンコから潮が吹き出して、浴室のタイルを汚していく。やはり、直感に従って浴室でオナニーをしようと決めたのは間違いではないようだった。


「はぁ……はぁ……♥ う、うわぁ、すっごい量……♥ え、衛宮のやつ、どれだけ射精してるんだよ……♥ さ、桜のオマンコから溢れ出してるじゃないか……♥ こ、これが、衛宮の精力……って、次は遠坂とやるのか!? くっ、ぅぅうぅ……♥」


 そうして、士郎の雄としての精強さを見せつけられて綾子の雌はさらに疼きだしてしまう。

 結局、綾子はそこから三時間もオナニーを続けてしまったのであった。


[newpage]


 それから三日。

 綾子は、メッセージアプリで桜から送られてきた動画の山を見ながらオナニーをする日々を過ごした。

 翌日は寝不足の体で息子の世話をした後にお昼のパートへと向かい、そこで朦朧とした頭のまま、それでも持ち前の能力の高さで業務をこなして、帰宅後にやはり息子をお迎えに行った後に息子と一緒にお昼寝。だが、寝不足の体にはそのお昼寝は長すぎたようで、残していた家事を処理できないような時間に目覚めてしまい、妻になってから行っていなかった手抜き飯を行ってしまった。

 綾子の得意料理はどちらかというと大雑把で粗雑な料理が多いものの味は保証されているが、その日の夕食はそういう意味ではなく白米を炊くことも出来ない冷凍ご飯と冷凍食品が並ぶことになっていた。そこで仕事帰りの夫から苦言を呈され、綾子はただ謝ることしか出来なかったのである。

 二日目はもっとひどかった。

 やはり前日の夜にオナニーをし続けてしまい、なんとか仕事に出向くものの、ずっとあのエロ過ぎるハメ撮り映像が頭に残っていてミスを連発してしまった。さすがに息子のお迎えを忘れるようなことはなかったものの、それでも家事も中々にひどいものであった。

 三日目にいたっては目も当てられない。

 ついにはオナニーに夢中になって仕事を休んでしまったのだ。

 このままではいけない。

 そう考えた綾子は、震える手でスマートフォンでとある人物へと連絡を取るのだった。



「さあさあ、いらっしゃい♪ 綾子がこの家に来るなんて何年ぶりかしら♪」

「っ……!」



 そうして、綾子はパートが休みとなる今日。昼の盛りから遠坂凛の邸宅に足を踏み入れることとなった。遠坂凛の憎たらしい笑みを見て、どうしようもないほどの怒りを抱いてしまう。それは凛に対する怒りと、そんな凛に見透かされている考えを抱いている自分自身に対しての怒りだ。

 綾子が遠坂邸に向かった理由は単純。

 この盛りに盛った雌の体を、あの動画で何度となく見たあの『逞しい男』に慰めてもらうためである。


「ふふ、こんなエッチな体をしているのに……旦那さんには頼れないのかしら?」

「ひゃぅんっ♥」


 いたたまれなさのあまり、ギュッと自分の体を抱きしめてしまう綾子だが、その際にその巨乳を強調するように両腕を胸の下に回してしまった。高校時代とは比べ物にならないその浮かび上がった、大人の女として熟しに実った巨乳を、凛がその美しい手で揉みしだく。

 すると、綾子の喉から飛び出たとは思えない可愛らしい嬌声が飛び出してしまう。

 一気に、かぁ、と顔を赤く染めてしまうが、綾子はそれでもその嬌声を誤魔化そうとはしなかった。こんな風に同性に巨乳を揉まれるだけで性的な快感を覚えてしまうほどに、今の綾子の体は昂ぶってしまっているのだ。


「……わかってるんだろ、桜から聞いてるんなら」

「そうね。あなたの旦那さん、おちんちんがちっちゃいんでしょ? 性的にあんまり逞しくないって話で、性欲も精液も薄いって桜によく愚痴ってたらしいじゃない」

「そこまでは言っていない!」

「そうね、自分を求めてくれなくて寂しいってだけよね。ふふ、綾子のくせして乙女チックな悩みじゃない」


 綾子はいくつか桜へと『愚痴』を零していた。

 それは女性として少々明け透けな話であまり大きな声で言えるものではなかったが、だが、凛が言うような旦那を小馬鹿にするような内容ではない。むしろ、綾子自身が『自分の魅力がないのでは』と思い悩むような話だったはずだ。


「でもね、綾子。はっきり言うけど、あなた、その男と一緒になったの失敗よ。あの美綴綾子が暗い顔をして自分の魅力を疑うなんて……そんな風にさせる男、あなたに相応しくないわ。

 高校時代の小娘としてなら、まあ、それでもあり得ないことだけど、それでも今のあなたを見て男としての欲望を駆り立てられないなんて、あなたの魅力がどうこうの問題じゃなくて、単なる性的な弱者なだけよ」


 本来ならば、凛の言葉を否定するべきなのだろう。

 私が愛した男を馬鹿にするなと、跳ね除けるべき言葉なのだろう。


「っ……」


 だが、今の綾子にはそれが出来なかった。

 この三日間、あれほどフェロモンという名の発情臭を漂わせていた綾子と生活をともにしていたのになんの反応も示さなかった。いや、むしろ、鬱陶しそうに、面倒くさそうに顔を歪めていた夫には失望の念を抱いていた。

 結局、夫が求めている綾子は『家庭の母親』としての綾子でしかないのだと思い知らされた。

 そんな綾子の不満を慰めるような凛の肯定的な言葉は、どうしようもなく心に染み入ってしまうのだった。


「……士郎は、違うわよ♥」

「っぅぅっ♥」

「じゃあね、綾子。あなたにとって素敵な一日になることを祈ってるわ」


 そう言い残して、凛は立ち去っていった。

 他人の家の寝室に残されたのは、素っ気のない外行用の私服、淡いピンクのパーカーとジーンズを身に纏った、いかにも『お母さん』というスタイルの自分だけである。

 今なら、引き返せる。

 数日前に桜に言い放った自分自身の言葉を、綾子は思い出した。

 そうだ、今なら尻尾を巻いて逃げ出すことは出来る。

 このまま待っていれば士郎に抱かれて、自分は心のなかで蔑視していた不倫や浮気を楽しむ最低な人物たちと同じ場所に堕ちてしまうのだから。


「この、ベッド……動画の……」


 だけど、綾子はドキドキとしながら、ベッドに腰掛けた。

 このベッドには見覚えがある、動画の中で何度となく士郎が女達を抱き続けていたベッドなのだから。

 すぅっとシーツを指先でなぞるだけで、熱くなっている体の芯がさらに熱を持ちはじめてしまう。

 この熱を覚えてしまえば、もう戻ることは出来ない。

 桜の気持ちが、ここに来て綾子も理解できてしまったのである。


「……えっと、美綴。その……久し、ぶり」

「っ♥」


 そして、その時がやってきた。

 衛宮士郎がやってきたのである。

 無地の白シャツと、綾子と同じくジーンズ姿のラフなスタイルの士郎は、しかし、そのようなラフな格好だからこそ、そのスタイルの良さというものがはっきりとわかってしまう。

 鍛えられたその体は、夫にはない魅力に溢れている。


「え、衛宮……♥」

「まあ、その、シャワーは浴びたんだろ?」

「えっと、まあ、先に……うん……♥」


 最低限の準備というものは凛に言われて行っている。

 その際に下着を、あの日に夫を誘ってみせることも出来なかった卑猥な露出過多のセクシー下着を身につけていることがバレてあのからかうような笑みを浮かべられたが、とにかく美綴はすでに『抱かれる』準備が出来ていた。

 恐らく、士郎もそうなのだろう。

 肌が少しだけ赤らんで、髪も乾かしたようだが僅かに湿っているようにも見える。

 綾子は『衛宮も私を抱くつもりなんだ』と感じてしまい、それがどうしようもなく雌の本能を刺激してくれるのだ。


「……なあ、衛宮。わ、私も、その、恥ずかしいけど……でも、衛宮以外に頼れる相手が居ないんだよ」


 綾子は意を決して立ち上がって士郎の側まで歩み寄ると、ギュッ、と士郎の手を握った。

 大きな手だった。

 ゴツゴツと骨ばった、鍛錬による筋肉疲労で形を不格好なものにした男の手である。

 これでも武の道に進む女である以上、その意味をしっかりと理解できてしまう。

 手を握っただけで、雄の威圧感を覚えて雌として悦びを感じてしまうのだ。


「美綴……綺麗に、なったよな」

「っ♥ な、なんだよ、昔は綺麗じゃなかったっていうのか♥」

「そ、そうじゃない! いや、美綴は昔から綺麗だったよ、みんな言ってただろう!?」


 手を握りながら、至近距離で見つめ合って、ただ言葉をかわすだけでドキドキと胸が高鳴っていく。

 かつては夫にも感じていたそれを忘れたのはいつ頃だっただろうか。

 その忘れていた感覚を、まさか衛宮士郎相手に抱くことになるなんて綾子は想像だにしなかった。

 綾子のそんな昂りが士郎にも伝わったのだろう。

 士郎は目を閉じて、その顔を近づけてくる。

 いつかのあの日の少年の面影を残しながら、それでも大人になった整った顔立ち。

 それが迫ってくる現実を前にして、綾子は──。


「待った」


 ──手を差し込んで、その無骨な唇と自身の唇が重なることを拒絶した。


「キスは、さすがに勘弁だ」

「……ああ、そっか。そうだよな。すまん、美綴」


 その差し込まれた左手の薬指には結婚指輪が嵌められており、綾子の最後の一線でもあった。

 浮気をする際に結婚指輪を外す人間が多いと聞くが、綾子は忘れないための最後の一線として指輪をつけることを選んだのである。

 キスは許さない、あくまで性欲処理のためだけの関係。結婚指輪は自分の心が浮ついて奇妙なことを行わないための『くさび』としたのである。


「それじゃあ、ベッドに行こうか」

「ああ……その、よろしくお願いしま、すっ?♥」


 おどけたように、自分の中の罪悪感を誤魔化すようにペコリ、と士郎に頭を下げる綾子。


「おぅ、おぉぉっ♥」


 だが、その瞬間、ビリビリと背中に奇妙な感覚が走った。

 今まで感じたことのない快感である。

 綾子は理解できておらず、思わず顔をアヘ顔の三歩手前ほどに歪めた程度だったが、これが最終分岐点だった。この時に奇妙な感覚こそが自分の体の異変そのものだと気づければ、それこそ戻ることが出来たのかもしれない。

 この奇妙な感覚、説明してみれば実に馬鹿らしく、実に単純なものである。

 綾子が今まで見てきた、桜から送られてきたハーレムプレイ動画は全てが衛宮士郎を『王様』に模した、圧倒的な男尊女卑セックスであった。士郎の足元に這いつくばって、この男の寵愛を媚びることで成立しているようなプレイであった。

 それで激しいオナニーをし続けていた綾子はすでに精神的なマゾ性感が開発されており、たとえ、単なるジョークの延長だとしても男に『セックスをしてください♥』と頭を下げることで強烈なマゾ快感を覚えてしまったのである。


「美綴……脱いでくれ」

「え、衛宮……お前、その体、すごい鍛えたなっ……♥」


 いつの間にか、士郎はそのシャツとジーンズを脱いで、黒いボクサーパンツのみの姿になっていた。

 士郎はどうやら着痩せする体質のようで、服越しでも鍛えられているとわかっていたはずの体が顕になったことで綾子の子宮と胸がキュンキュンと高鳴ってしまう。

 割れた腹筋、膨らんだ胸板、太い腕にガッチリと固まっている脚。

 そのどれもが、非現実的とさえいるような逞しい肉体だった。

 男の魅力に対してたくましさをそれほど求めはしないはずの綾子ですら、雌として疼いてしまうほどの雄の体である。

 頬だけでなく体全身が赤ちゃんのように真っ赤に染まっていくことを自覚しながら、士郎の言葉に従って、その赤みを誤魔化すように衣服を脱ぎ捨てていく。


「……♥」

「美綴、その、すごい着痩せするんだな……! それに、その下着もすごく色っぽくて、綺麗だ」

「は、恥ずかしい事言うなよ……♥」


 下着姿になった綾子の体を見てゴクリと息を呑む士郎。

 セクシーランジェリー姿の綾子は、値踏みするかのような遠慮のなさで見つめてくる士郎の姿にどことなく女としての喜びを感じてしまっていた。

 夫では、こうはいかない。

 士郎のように欲情に満ちた視線を向けてくることなどしない。

 女として認められているようなこの感覚、どうしようもないほどに興奮が止まらなかった。あるいは、学生時代ならば嫌悪を覚えていたかもしれないが、夫から女ではなく母親としてしか求められない今の綾子には自尊心を満たしてくれる、心地の良い視線となっているのである。


「俺が脱がすから、美綴が俺を脱がしてくれないか?」

「うへぇ……衛宮って結構変態なんだな……♥ まあ、良いけど……♥」


 ボクサーパンツ越しでもはっきりとわかるほどに勃起をしてしまっている士郎の股間を見ながら、ゆっくりと綾子は頷いた。

 士郎の手が綾子の背中に回る。

 すると、ブラジャーのホックがパチリと簡単に外されてしまう。それは、士郎がどれだけ女のブラホックを脱がすことに手慣れているヤリチンであるということがわかる手付きだった。


「うわ……おっきいな、これ……」

「桜のとか、その、ルヴィアって人とかで見慣れてるだろ……♥」


 ぶるん、と。

 ブラジャーを外すことで解き放たれた綾子のおっぱいに、士郎は驚いたように息を呑んでいた。

 そのぶるんぶるんと重量感たっぷりに揺れる様は士郎の性欲と好奇心を刺激してならない。

 確かに、大きさだけならば桜やルヴィアの方が大きいだろう。

 柔らかさならば桜に勝るものは居ないと士郎は言えるし、張りに関して言えば華麗ながらも常に鍛えられているルヴィアはまるで重力に逆らっているようなものを持っていると士郎は知っている。


「いや、その、大きさなら確かにそうだけど、なんていうか、美綴のおっぱいは、なんだろう、ずっしりって、重さを感じるんだ」

「んぅぅっ♥ こ、子供じゃないんだから、おっぱいで遊ぶなよ……♥ まあ、でも、良いけど……どんなおっぱいか、確かめてみろよ……おぉぅっ♥」


 だが、目の前で揺れる綾子の巨乳は、それらの特色とはまた違う、『重さ』というものを感じさせる揺れ方をしていた。

 その性欲の入り混じった好奇心に従い、士郎は綾子のおっぱいを下から持ち上げるように触ってみせると、やはり手のひらにずっしりとした重みを感じる。

 桜やルヴィアよりもサイズは小さいはずだというのに、重さは綾子のほうが重く感じるという奇妙な感覚であった。

 これが経産婦のおっぱいなのだと、士郎は感動に震えながらプルプルとおっぱいで遊び続ける。

 そのまま、手が伸びていく。

 本人は自覚などないだろうが、世間的に見れば綾子の言う通りとんでもないヤリチン男である士郎は女が喜ぶことというものを実感として知っているのだ。


「んぅ゛ぅっ♥ ぉお゛っ、ほ゛ぉぉっ♥ お゛ぉぉ゛ぉおお゛おぉぉ゛っぅ゛っっぅ゛♥♥♥♥」

「うわ、美綴からそんな声が出るんだ……!」


 スペンス乳腺と呼ばれる、おっぱいの付け根と腋の間にあるラインをなぞるように愛撫をしていくと、綾子の喉から女の声とは思えないオホ声が響き出す。

 どこか濁った色のあるそのオホ声は、綾子の中にあるスペンス乳腺が刺激されたことで出る未知の快感の成果であった。もちろん、未開発のスペンス乳腺を刺激されてもここまで快感が与えられることはない。

 それなのになぜここまで反応したのかというと理由は単純で、綾子はオナニーでその胸をイジることがなによりの好みだった。知らず知らずのうちにスペンス乳腺をセルフ開発のようなものをしていたのである。

 そこに士郎の逞しい手で愛撫される精神的な興奮が相まって、今まで人生で一度も出したことのないオホ声を出しながら、今までの人生で一番気持ちのいい快感を味わっていたのだ。


「ぬ、ぬがすっ♥ わ、わたしもお前を脱がすぞ、衛宮っ♥」

「ああ、俺も、美綴のオマンコ見せてもらうからなっ……!」


 このままではおっぱいだけでアクメに達してしまうと思った綾子は、オホ声を必死に堪えながらその手を必死に士郎の下着へと伸ばしていく。それに合わせて、士郎も綾子のおっぱいで延々と遊んでいた手をセクシーランジェリーに移していく。

 ドキドキと胸が高鳴る事を綾子は自覚した。

 ただ下着を脱ぐだけなのに、こんなにも興奮をしてしまう。

 なら、このままセックスを行えば、どうなってしまうのだろうか。

 ごくり、と息を呑み、二人は同時に下着をずり下ろした。


「ぉぉお、おぉぉ、で、でっかぁ……♥」


 ぼろん、と。

 勢いよく飛び出た上でさらに天へと向かって強く突き出している士郎のチンポを見て、綾子は蕩けた吐息を漏らしてしまう。

 そのチンポは、あまりにも大きかった。

 夫の粗チンとは比べ物にならない。

 太く、固く、長く、臭い。

 ただそこにあるだけで雌を畏怖させる、優れた雄だけが持つ威圧感を嫌というほどに放ち続けて、綾子の雌心を掴んでは離さない。

 そのフォルムはよく鍛えられた剣にも似た美しさを持っており、綾子は気圧されたように後退り、ぺたりとベッドへと腰掛けてしまった。


「み、美綴の、オマンコ……なんだ、すごい、興奮する……!」

「っ♥」


 ふるふると震える脚は自然と広がっていき、そこから覗けるオマンコを見た士郎は思わずと言った様子で言葉を漏らした。

 頭髪と同じく栗色の陰毛が汗と愛液で濡れそぼっており、すでに綾子が我慢の限界だということを言葉ではなく視覚でアピールしてくる。

 そんな女を前にしてもじもじとしているほど、衛宮士郎という男は優しさと弱さを履き違えた雑魚オスなどではなかった。

 ズンズンと綾子へと迫りきて、その肩を軽く押して大きなベッドの上に寝かせて、覆いかぶさる。

 だが、そこでふと気づいてしまった。


「あっ、ゴムは……」

「だ、大丈夫だっ♥」


 苛立ちの表情を浮かべた後にコンドームを探そうとする士郎の手首をつかんで、綾子はその体を離さないと引き寄せた。

 その間も士郎のチンポから視線が離れていない。

 すごいチンポを見て、それが欲しくて欲しくてしょうがない。

 この逞しい雄に自分の雌を満たして欲しいという願いが胸から溢れ出そうな綾子にとって、そうやってお預けをされるなんてものは我慢できない。


「あ、安全な日だから……そ、そのチンポ、生で味わわせてくれ……♥」

「っ! み、美綴ぃっ!」


 士郎はヤリチン男だが、同時に心の何処かで童貞のような『がっつき』が消えることのない男でもあった。

 簡単に言えば、性欲旺盛なのである。

 ある程度シチュエーションが整ってしまえば、その後先を考えるよりも性欲が優先されてしまう、どうしようもないほどの雄の本能に忠実な男なのだ。

 綾子の名前を呼びながら、そのビキビキに勃起したチンポをズブズブと挿入していく。


「おぉ゛ぉお゛ぉ゛おっっ゛♥ お゛ぉ゛ぉ゛ぉぉっ゛っ♥ おほぉ゛っ゛♥ ん゛ほぉ゛ぉぉ゛ぉ゛ぉ゛お゛ぉぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉぉ♥♥♥♥」


 ずぶずぶぅぅぅぅ、ずぶぅぅうぅぅぅぅぅぅ! ずぶぅぅぅ、ずぅぅぅぅぅ、ずぶっ!


 一息に、綾子のオマンコの奥の奥まで挿入し切る。

 その際に零れ出た、濁声と言ってもいいほどの耳心地の悪いオホ声は、美綴綾子のものとは思えないほどの無様な嬌声だった。

 それは雑魚オスである夫では絶対に掘り出せなかった、美綴綾子の隠された本性の一つである。

 本来、美綴綾子という人間は『女丈夫』と言ってもいいほどに気丈でしっかりとした『かっこいい女』である。だが、その奥には男に犯されることで理性をなくした獣のように快感に溺れてしまうマゾ性癖を持っている変態女でもあったのだ。

 その、本来ならばこのまま隠されきって人生を終えるはずだった綾子の本性が、衛宮士郎という逞しい雄のチンポ一本で掘り起こされてしまう。


「おぉぉぉっ♥ こ、こりぇぇぇ♥ この、おちんぽっ、おっきすぎっ♥ お、おくっ♥ おなかの、おくが♥ おチンポでぇ、ゴリゴリってえぐられてるぅっ♥ お、お腹の奥がひろがって、おぉっ♥ つ、つらいのに、きもちいぃぃっ♥」

「くぅ、み、美綴のオマンコ、なんだ、これ……! か、固い……? 子供を産んでるのに、すごい肉が固いぞ……!」


 一方で、士郎は困惑していた。綾子が経産婦であることはすでに知っていたし、桜の結婚式では息子を抱いている姿を見たほどである。

 だから、そのオマンコは経産婦としての特徴の強い、悪い言い方が少々『緩い』オマンコだろうと想像をしていた。

 なのに、実際の綾子のオマンコはまるで違う。

 『狭い』というより、『きつい』というより、『固い』のだ。

 異物を挿入された経験がまるでない、処女のようなオマンコである。

 その意味を理解した時に、士郎は言いようのない怒りというものを覚えた。


「こ、こんなのっ♥ こんなのはじめてだっ♥ え、えみや、もっと、もっと強く抱いてくれっ♥ こ、壊れちゃいそうなんだっ♥ 苦しいのに気持ちよくて、こ、怖いんだよぉっ♥」

「美綴、美綴ぃいっ!」


 この素晴らしい女が、今まで女として粗雑に扱われてきていたのだ。

 女としての悦びを与えられないまま、精力の弱い夫におざなりに抱かれて、この体は女として開花させられることもなく萎んでいくことが決まっていたのである。

 そう思うと、士郎はどうしようもないほどの怒りを覚えてしまった。

 美綴綾子は、そんな扱いを受けていい女ではない。

 出会った時にどこか自信なさげな顔をしていた美綴綾子を見ておかしいと思ったが、すでに違う道にいる自分が何かを言うことはないと思っていたが、こんなことならば話は別だ。

 この素晴らしい女の性欲だけでも俺が満たしてやる。

 傲慢極まりない考えであるが、そう考えてしまうほどに美綴綾子という女は特別な女なのだ。


「おぉぉぉっ♥ す、すごぃっ♥ こ、これが、これがセックスっ♥ い、いままでのとは、ぜんぜん違うぅっ♥ ほぉぉっ♥ おぉぉっ♥ お、お腹の中を、チンポでボコボコにされてるのにっ♥ い、いたいはずなのにっ♥ くるしいはずなのにっ♥ き、きもちよくて、脳みそを直接殴られてる、みたいなっ♥ だ、だめだ♥ こ、これ、頭が狂うっ♥ 頭がおかしくなるぅっ♥ ふぅ゛ぅぅ゛ぅ、う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅっぅ♥ おっ♥ おほぉぉぉっっ♥♥」

「もっと、もっと気持ちよくなれ、美綴! お前はもっと気持ちよくなって良いんだ! セックスは、俺もお前も気持ちよくなるものなんだ!」


 バンッ! バンッ! バンッ!


 士郎は性欲と怒りを動力にして腰を力強く綾子の体に打ち付けていく。

 ともすれば女性側の負担が大きくなりすぎるような強いピストンであるが、しかし、綾子はそのピストンをしっかりと受け止める。

 オマンコの肉は未だに固さを残すものの、本来は綾子の体はこれぐらいの激しいセックスを受け入れることが出来る……いや、求めているものなのだ。


「き、きもちいいのかっ♥ 衛宮も、私を抱いて気持ちいいのかっ♥ あ、あたしだけじゃなくて♥ おほっ♥ 衛宮も気持ちよくなってくれてるのかっ♥」

「当たり前だろ……! 美綴みたいな女の人を抱いて、気持ちよくないわけ無いだろうが! あ、あの時よりもずっと大人っぽくなって、胸もお尻も大きくなったのに、あの頃みたいに腰はキュッとくびれてて……! そうだ、そうだよ! 俺は美綴が人妻だって言うのに、美綴を抱けるって聞いて悦んだ最低の男だよ! でも、そうなってしまうぐらい、美綴はいい女なんだ!」


 士郎の言葉は嘘偽りないものであった。

 様々な面で変わってしまったように見える士郎だが、そう言ったところには変わりはない。

 この天然ヤリチン男が、自分を強く女として求めている。

 その興奮がどうしようもなく伝わってきて、美綴綾子の枯れようとしていた女としての自尊心が蘇ってくるのだった。自分は女として優れているのだという、性欲と言葉で教えてくれる士郎に対して愛おしさすら湧いてくる。

 千の言葉よりも、一つの性欲とそれから漏れた単純な言葉が嬉しいこともあるのだと、綾子は生まれて初めて知った。

 正常位で繋がれていたその体が、その腕が、その脚が、ゆっくりと士郎にまとわりついていく。


「だしてっ♥ だしてくれ、衛宮っ♥ おまえの、おまえの興奮をあたしの中にっ♥ だ、だいじょうぶだから♥ 今日は孕まないから♥ おまえの性欲をあたしに受け止めさせてくれ、たのむよぉっ♥」

「くぅぅ、み、美綴ぃ……!」


 だいしゅきホールドでグッと引き寄せられたことで、士郎は至近距離で綾子の顔を覗き込むことになる。すでに口の端から唾液をこぼすほどに感じてしまっている綾子は、それこそその表情だけで射精をしてしまいそうなほどのエロティックな女になっていた。

 きゅぅぅ、と下腹と尻に力を入れて暴発を防ぎながらも、そのピストンをさらに強めていく。

 射精をすると、決めたのだ。


「イクぞ……イクぞ、美綴っ! お前の膣内に、俺の精液を注ぎ込むからなっ! 旦那じゃない男の精液を、お前に植え付けてやる……! それで気持ちよくなれ、女として幸せを感じてくれっ!」

「あぁっ♥ クるっ♥ お、オマンコの中のチンポが震えて、ぶるって震えてるっ♥ こ、これ、射精するんだな♥ あ、あたしもだっ♥ あたしも、ゾクゾクって♥ え、えみや、怖いっ♥ こ、これ、アクメっていうんだろ♥ あたし、こんなの知らないっ♥ へ、へんなのがくるっ♥ えみや、えみやぁ……♥」


 あの美綴綾子が、まるで幼女のように泣き縋ってくる。

 性的に弱者である夫としか性経験がないためにアクメを味わったことがなく、その初めて味わうアクメが怖いのだと怯えているのだ。

 それは、どうしようもない興奮を誘うものだった。

 士郎は、綾子の肉付きの良い体をギュッと抱きしめる。


「俺を掴んでくれ、美綴っ! 俺がいるから大丈夫だって、そう思いながらその怖い感覚を受け入れてくれ! イクぞ、一緒にイクぞ、美綴……! くぅぅ、おぉぉ、うぉぉぉぉっ!」

「あっ♥ あぁぁっ♥ イクっ、イクイクっ♥ イクぅぅぅぅっ♥♥♥♥♥♥♥」


 どびゅるぅぅぅぅううぅぅっぅうっっ! びゅるるっ! びゅるぅぅぅぅ! どびゅどびゅぅっ! どびゅるるぅぅぅぅう! どぶずびゅるぅうぅぅぅぅぅぅ!


「お゛ほぉ゛ぉぉ゛ぉ゛ぉぉお゛っ゛ぉっ♥♥♥ ほごぉ゛おおぉ゛おっ゛♥♥♥ ん゛ほぉ゛ぉぉお゛お゛お゛ぉぉ゛ぉ゛ぉぉぉ゛ぉぉっっぉぉぉ♥♥♥♥♥」


 どぶどぶ、と大量に膣内へと流し込まれる精液を感じながら、綾子は生まれて初めての『本当のアクメ』をキメた。今までもオナニーで軽いアクメは体験していたが、それら全てをまとめても届かないほどの強烈なアクメである。

 人の熱を感じることが出来る本当のセックスでのみ味わうことが出来る本当のアクメは、綾子にとってはあまりにも未知の快感で、同時に病みつきになってしまうほどの強烈な快感だった。


「はぁ……はぁ……! 美綴、最高だった……! 美綴の柔らかいのに締まってる肉付きも、固いけど広がるオマンコも、どれも、どれも最高のセックスだった……!」

「あっ……んぅぅ……♥」


 チンポを引き抜きながら、士郎は綾子の頭を撫でる。

 まるで幼い子供にやるようなその手付きだが、不思議と嫌な気持ちはしなかった。

 むしろ、そのゴツゴツとした手の逞しさがどうしようもなく気持ちよくて、安堵の気持ちが胸を支配していく。

 もう、その体にあの収まらない性欲は消え去っていた。

 これで、終わりにしよう。

 最高のセックスだったし、自分は女性としてまだまだ魅力的だと教えてもらえた。

 そう考えながら、綾子はベッドの柔らかさに体を預けながら、隣に寝そべった士郎の逞しい胸板に手を添えながらゆっくりと目を閉じる。



「み、美綴……次も、やろうか……!」



 だが、そう考えていたのは綾子だけだった。


「…………え?」


 士郎は汗の流れる髪を後ろに上げて、擬似的なオールバックの髪型に変えた後に、綾子を見つめながらそう言った。

 それは提案ではなく、当たり前の確認である。

 たった一度のセックスで終わるわけがない、と。

 まだまだお互いの性欲は残っているのだろうから、



 ────その後、結局日が暮れるまで綾子は士郎にハメ倒された。



 耳元で『綺麗だ』とか『魅力的だ』とか『最高に気持ちいい』などと囁かれて女としての承認を満たされながら、同時にそれらは呪いのように綾子の心に染み付いて、自分を求めてくれる士郎に対してどうしようもないほどの感情を抱くようになってしまう。

 かつては同級生としか思っていなかった衛宮士郎が、男としての衛宮士郎としてしか見えなくなってしまったのだ。


「おぉ゛ぉ゛っ……お゛ほぉ゛ぉ゛おっ゛……ほぉ゛ぉ゛ぉ……♥」


 やはり無様な濁声を上げながらアヘ顔失神をしている綾子。

 そんな綾子の体を士郎はギュッと抱きしめる。


「美綴、すごい良かった……」

「あへぇ……んちゅぅ、ちゅぅぅ……れろぉぉ……ちゅっ♥」


 そして、無意識のうちに拒んでいたはずのキスを行っているほどだった。

 それも潔癖症な旦那とは絶対にしないような、唾液と唾液を交換し合う激しいディープキスである。呆けた頭で知ろうの唾液を飲み干していくと、どうしようもないほどの幸福感を覚えてしまう。

 綾子はその行為にすっかり夢中になってしまったのだった。


 結局、その日に家に戻れたのは仕事を終えた夫よりも遅い時間で、裏工作を手伝ってくれた桜によって息子のお迎えや家事をフォローしてもらえたものの、夫からは白い目で見られることとなった。

 どうしようもないほどの罪悪感を覚えてしまう。

 だが、今日が最初で最後だ。

 士郎のことは思ったよりも悪いやつになっていたわけではなかったが、それでも不貞行為を続けるわけにはいけない。

 綾子は夫に真摯に謝罪をして、母親に戻ることを再び誓うのだった。


[newpage]


 だが、そうは上手くいかなかった。

 結局、綾子の性欲はすぐにぶり返した。

 むしろ、士郎という雄をその雌の体に刻み込まれただけに、さらに性欲を燻ぶらせるようになってしまう始末である。

 一度その快感を知ってしまえばもう止めることは出来ず、綾子は唇を噛み締めながら、再び、凛に連絡をしたのだった。


「じゅるるぅ……ちゅぅぅ♥ ちゅぱっ、れろれろぉぉ……ちゅっ♥ ぷはっ……アヤコ、正直なことを言えば……私は貴女を許すつもりはありません。わたくしの愛しいシェロを侮辱したというではありませんか。なんでも最低のクズだとか、スケコマシのヤリチンだとか……全く、失礼なことですわ」

「それは……!」


 その日は先日のように士郎と一対一で抱かれるというわけではなかった。

 綾子がそうであるように、士郎のハーレムに属する女たちもまた士郎なしでは生きていけない雌にされてしまっているのである。そんなハーレムの雌にとっての理想の雄である士郎を何度も独り占めに出来るわけがないというわけだ。

 現に、今もルヴィアと一緒に抱かれることになっているのである。

 しかし、まあ、このルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトという見目麗しいゴージャス美女はとんでもない曲者であった。


「今ではシェロの女となっていたのでしょう? それなら……これぐらいはしてもらわないと困りますわ? 私がしてみせたように、さあ、『アナル舐め奉仕』をやってごらんなさいな」

「うぅぅ……」


 ルヴィアはあの四人の中でも一番に士郎に入れ込んでいる美女であり、士郎のためならばなんでもしてみせると言わんばかりの惚れっぷりであった。

 そんなルヴィアが、綾子がいつか桜と凛に向かって言い放った『ヤリチン男』、『最低の下衆』という発言を許すわけがない。

 だから、ルヴィアは青筋を立てながら綾子にとあるプレイを申し出たのである。


「シェロ、申し訳ありません。先程のように前屈みになっていただけますか……そう、手は膝に置いて、中腰のまま……♥」


 それがこのアナル舐め手コキであった。

 士郎はルヴィアの言われるがままに、野球選手が打球に備えるように足を肩幅に開いてから体勢を中腰に落とす。自然とそのお尻が後方、つまりは絨毯の上で女の子ずわりをしている綾子とルヴィアに突き出されてしまう。

 そのアナルを舐めろと言われたのだ。


「わ、わかったよ……やればいいんだろう、やれば!」

「『やらせてくださいませ』ぐらいは言ってもらいたいものですけど……良いですわ、アナル舐め奉仕はシェロへの奉仕の基本の一つですものね」


 綾子は体を震わせながら士郎のお尻に顔を近づけていく。

 そのアナルはすでに見本としてルヴィアが舐め清めているものだとはいえ、アナルはアナルだ。

 だが、不思議なことに嫌悪感を抱かなかった。

 何度もアナル舐めプレイを動画で見てきたからだろうか。

 その体の震えは怯えや嫌悪ではなく、興奮や期待だったのだ。


「んちゅぅ……♥」


 士郎に許した唇を、そのアナルに寄せることに抵抗はなかった。

 汗と排泄器官ゆえの匂いが綾子に襲いかかるが、それでもその舌を這わせていく。

 むしろ、あのハーレムの中の一員になれたようで、倒錯的な興奮を覚えてしまうほどである。


「そのままオチンポに両手を合わせて……そう、神に祈るように、シェロのオチンポを掴んで上下に動かすんです♥」

「はぁっ♥ ちゅぅぅ、れろっぉ、ちゅるぅぅぅ♥ ちゅっ、れろれろぉぉ♥ じゅるぅ、ちゅぅぅぅぅ♥」


 そのまま、両手で士郎のチンポをシゴいていく。ルヴィアが言ったように、指と指を絡ませるように手を組み、両手で優しくチンポへと奉仕をしていくのである。

 全裸になって中腰で前屈みになる士郎の姿は、ともすれば少しだけ無様とも言えるものだが、しかし、そのお尻に顔を埋めながら両手で優しく手コキをしている女が間に入ってくると、俄然とした『支配者』の姿にも見えてくるのだから不思議なものだ。


「ふぅぅっ♥ ちゅぅぅ、じゅるるる、れろぉぉぉ、ちゅっ、ちゅゅ、ちゅぅぅぅぅぅぅ♥♥♥♥」

「良いですよ、アヤコ♥ そう、とてもお上手です♥ シェロもそろそろ限界なのですね♥ ふふ、可愛らしいお顔……♥ ほーら、シェロ♥ 貴方だけの、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトの爆乳おっぱいをたっぷりと味わいながら、びゅーびゅーってお射精してくださいまし♥」


 しゅこしゅこ、じゅるじゅる、しゅこしゅこ、じゅるじゅる。


 アナル舐め手コキを受けて、士郎もまた限界を受けているようだった。

 綾子の93センチの巨乳よりもさらに10センチも大きい103センチの爆乳で士郎の頭を、ぱふっ、と隠すように覆い尽くしていく。

 美綴綾子というかっこいい大人の女性にアナル舐め手コキされながら、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトというゴージャスな美女のおっぱいをアイマスクのようにする。

 そんなシチュエーションに我慢ができるわけもなく、士郎は射精をするのだった。


 どびゅぅぅぅぅう! びゅっ! びゅっ! びゅるるるるぅっ!


「んぅぅぅっ♥ ふぅぅ、ぅぅぅぅっ♥ はぁっ♥ ちゅっ、ちゅぅぅ、ちゅるぅぅぅっ♥」


 射精するオチンポの脈動を手のひらで感じながら、綾子は士郎の逞しさにうっとりと頭を麻痺させてしまう。先程までの手コキよりも勢いを弱くした、『私の手コキ奉仕で射精してくれてありがとう♥』という感謝を込めた緩やかな手コキを続けつつアナルを舐めていく。

 苦い匂いとチンポの逞しさに、なぜだかどうしようもなく幸福感を抱いてしまう。

 これがハーレムに入る雌の悦びだということを感じながら、それも悪くないと綾子は思ってしまうのだった。



 次の日もまた同じだった。

 士郎との日程があった綾子が向かうと、そこはかつての衛宮邸で、その一室であの造り物のような、天使のような美少女と士郎が待っていたのだ。

 アルトリア・ペンドラゴン。

 どうにもこの美少女が綾子は苦手だった。


「んちゅぅ、れろれろぉぉ……♥ アヤコ、私はルヴィアほど怒ってはいませんよ。客観的に見れば、確かに士郎は人間としてあまり褒められたことではないでしょうから。ちゅぅっ♥ れろろぉぉぉ♥ じゅるっるっ♥ アヤコ、金玉を口に含んで、転がすように奉仕をしてください。男性はとにかく暖かさで快感を覚える性質を持っていますので」


 幼さを感じさせるほどにスラリとしたスレンダーボディ。

 華奢な体躯は抱きしめれば折れてしまいそうなほどに細いのに、どうしてだろうか、この美少女に『勝っている』姿がまるで思い浮かばない。

 様々な武道を収めて、女だてらにかなりの使い手として多くの人物から認められている美綴綾子という女丈夫が、アルトリアに怯えにも似た感情を覚えてしまっているのである。

 それは恩師である超人、藤村大河相手でも抱かなかった、生物的本能に基づく劣等感であった。

 自分はこの美少女には絶対に勝てない、どれだけ鍛えてもその足元にも及ばない。

 それを、天性の勘で感じさせてくる威圧感のようなものをアルトリアは持っており、同時に凛や桜やルヴィアや士郎たちはアルトリアのことを『セイバー(剣士)』と呼び、明らかに一目置いている言動をしているのだ。


「聞いていますか? ちゅぅ、じゅるるっ♥ フェラチオ奉仕は二人一組で行うことも多いですから、アヤコ、あなたも覚えてもらうことはたくさんあります。オチンポを咥えることだけがフェラチオ奉仕ではないのですよ……れろれろぉぉ♥」


 だが、そんなアルトリアも今は士郎の足元にひざまずいてフェラチオ奉仕を行っているのだ。

 自分は士郎の女なのだからこうして奉仕するのは当然だと言わんばかりに熱烈で従順な奉仕を見せつけている。それどころか、後進である綾子に指導をしなければいけないと言わんばかりに的確な性奉仕を行ってしまっていた。

 その現実が上手く受け止められず、綾子はただ教わるがままに教わったその金玉奉仕を続けていくのである。


「んちゅぅっ♥ ちゅるぅぅぅ♥ れろれろぉぉっ♥ ちゅっ、ちゅぅぅぅっ……♥」

「はむっ♥ はぁ、ふぅっっ♥ もみゅっ♥ れろれろぉぉぉ、はむぅぅっ♥」


 フェラチオと金玉奉仕のタイミングが合っていく。

 それは綾子がアルトリアと息が合い始めたということではなく、アルトリアが綾子の奉仕に合わせてフェラチオを行っていくのである。

 そういう意味でも、体を使うことに対してアルトリアは綾子とレベルが違うものを持ち合わせていることがよくわかった。


「じゅるぅぅっ♥ むぅっ♥ 士郎、イキそうなのですね♥ はい、どうぞ出してください♥ 私の口の中に、騎士王の喉へとその熱い精液を流し込んでも良いのですよ♥」

「もむぅっ♥ れろれろぉ、じゅるるるっ、ちゅぅぅ、はむぅぅっ♥」


 アルトリアはフェラチオをしながら上目遣いで士郎を見上げてそのような言葉を放っていく。

 このような美少女にそんなことをされて、我慢できる男なんているわけがない。

 士郎は容易く射精をしてしまった。


 どびゅぅぅぅぅう! ずぶびゅっ! びゅうるっるるるっ! びゅぅっ! どぶどびゅぅぅぅ!


「むぅぅっぅぅぅぅっぅぅぅぅぅ♥」

「れろぉぉぉっ♥ じゅるるるっ♥ ちゅぅぅぅぅっ♥」


 射精の間、ずっと金玉奉仕をしていく綾子と流し込まれた精液を嚥下していくアルトリア。

 あの小さな口の中に士郎のでかすぎるチンポが入るものなのかと不思議に思うが、アルトリアは苦しそうに顔を歪めることもなく容易くチンポと精液を飲み干していくのだ。

 只者ではない。

 そして、そんな只者ではない底知れないアルトリアですら、士郎は単なるハーレム女として囲って、自身の精液をごくごくと飲み干させることが出来るのだ。

 その雄としての強さを感じて、綾子は金玉を舐めながら軽くアクメに達してしまった。



 まだまだ続く。

 その日は桜と一緒だった。

 しかも、場所は衛宮邸でも遠坂邸でもない。

 なんと、恐るべきことに美綴綾子の自宅に衛宮士郎を招いて、そこでセックスを行ったのである。


「あぁっ♥ ふぅぅっ♥ くぅぅっ♥ え、衛宮ぁ♥ やめて、やめてくれぇぇ♥ ここは、さすがに駄目だから♥ お、お茶だけして、終わらせようっておねがいした、の、にぃぃぃっっ♥」

「ふふ、美綴先輩本人がそんなことなんて思ってないくせに……♥ 早く終わらせないと、息子くんが帰ってきてしまいますよ♥」


 その恐ろしい考えを提案したのは、綾子が可愛がってきた後輩であり義妹でもある桜であった。

 うだうだと、まだ士郎とは性欲を解消するためだけのセックスフレンドだと、不貞であることは確かだが、自分の心はあくまでこの美綴の家にあると言い張り続ける綾子に痺れを切らしたのだ。

 桜は甥っ子を口にして綾子に母親としての自覚を促しながら、同時に士郎へと目配りをして徹底的に綾子を犯すように『お願い』をする。


「……すまん、美綴。早めに終わらせてやるから!」

「おぉぉぉぉおぉぉぉぉっ♥ や、やめぇぇ♥ そ、そのデカチンで掘られたら、壊れちゃうから♥ おほぉっ、ほぉぉぉっ♥」


 このハーレムは士郎を頂点とする男根至上主義とも言えるハーレムではあるが、それはそれとして、桜は陰の実力者とでも呼ぶべき、この関係性においてジョーカー的な強みを持っていた。

 桜だけは怒らせてはいけない、と。

 そう考えている士郎は美綴に謝罪をしながら、そして、間違ってもこの不貞行為がバレることがないように、全力でチンポをオマンコへと突きつけていくのである。

 早めに自分が脱落して、セックスの痕跡をなくす後片付けが十分にできるようにという考えであった。


「ほぉぉぉっっ♥ おほっ♥ おぉぉぉぉおぉぉっぉぉ♥ イグッ♥ イグイグっ♥ ち、チンポ、強く出し入れされると、ずっとイッちゃうのぉぉぉぉぉぉぉっっ♥♥♥♥♥」

「あらあら……いつもはあんなにかっこいい美綴先輩が、先輩の手にかかるとこんなにも簡単に雌になってしまうんですね♥ さすが先輩です、私も少し誇らしくなっちゃいます♥

 それで……なんでしたっけ、美綴先輩? 先輩は『最低のヤリチン』で、『女をコマして悦に浸るゲス』、でしたっけ? じゃあ、その先輩のチンポが欲しくてたまらない美綴先輩はなんなんでしょうかね?」

「改めて言われると、返す言葉もないな……くっ、み、美綴のオマンコ、締まってきた……!」


 そして、桜がこのようなことをしているのはひとえに綾子へと反感を覚えているからだ。

 桜にとって綾子は親しく尊敬できる先輩ではあるが、それでも愛する士郎を侮辱した綾子のことを実は桜は許してなど居なかったのである。

 こうして、桜と一緒のプレイのときはとにかく綾子が嫌がることを率先して行ってくる桜に、綾子はすでに若干の恐怖を抱きつつあった。


「くぅぅっ! み、美綴、出すからなっ!」

「良かったですね、美綴先輩♥ 夫婦のベッドで、こうして本当に愛する男性である先輩に膣内射精してもらえるんですから♥ 嬉しいって言ってくださいよ……ほら、言いなさい」

「ひぐぅぅぅっっ♥ う、うれしいっ♥ え、えみやに、えみやにこのベッドでだかれて、うれしいんだ♥ くそっ、そんなわけないっ♥ そんなわけないのに、からだは、からだはよろこんで、ああ、イグっ♥ いぐぅぅぅぅぅっ♥♥♥♥♥」


 どびゅるるるぅぅぅ! びゅるるっ! どびゅどびゅぅぅっぅっ! どぶびゅうるるるるぅぅぅぅっぅ!


「お゛ごぉおぉ゛ぉぉ゛っぉ゛おぉ゛ぉ゛ぉっ゛ぉ゛ぉ゛ぉぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉっ♥♥♥♥♥♥♥♥♥」


 そうして、いつもの濁声を出しながら獣のようにアクメをキメる綾子。

 ペタリ、と。

 夫とのみ使うべきベッドの上に、士郎の子種を腟内で受け止めながら倒れ込む。

 まだ、まだ心は折れていない。

 そう思いながらも、しかし、体はこれ以上ないほどに喜んでしまっている。

 本当はそのフリをしているだけで、実はとっくの昔に士郎の体に堕ちてしまっているのかもしれない。

 だが、綾子は『それでもまだ表面上は認めていないからセーフ♥』と思いながら意識を失っていくのだった。

 背後から、桜の『後少しですね……♥』という怪しい声を聴きながら。



 そして、運命の日。

 綾子は凛とともに士郎に抱かれるその日が、全てが変わることになると朝日がこの部屋を差した瞬間に漠然と感じ取ってしまい、それは真実となった。


「ふぅぅぅぅぅっぅぅっ♥♥♥♥ ふぅぅっぅうぅぅぅぅっぅっ♥♥♥♥」

「うーん、最高っ♥ まさかこの歳になって綾子のこーんな無様な姿が見られるなんて……ね♥」


 遠坂邸で綾子は腕一本脚一本として満足に動けないほどにガチガチに拘束をされてしまっていた。

 猿轡を噛まされた綾子は、涙目になりながら遠坂と士郎を見上げている。

 M字開脚に固定されており、さらに下着をつけいていないためにオマンコがパクパクと開閉している様が丸見えになってしまっており、そこからじゅくじゅくと大量の愛液が溢れかえってしまっていた。

 実はこの綾子はこれが『二日目』なのである。

 桜を使ってアリバイ工作をして、旧友である凛との小旅行に出かけると夫たちに嘘をついた綾子は、前日の丸一日を使って徹底的その体の性感を高められてしまった。

 媚薬やバイブにローター、綾子の今までの人生で一度も見たことがないような卑猥な玩具たちを徹底的に駆使されて、時には見たこともない妖しげな、それこそ魔術の道具かなにかと思うような用具を使われて、綾子は責め立てられる。


「むぐぅぅぅぅぅっ♥ むぐぅっ♥ ぐぅぅぅ、もぎゅぅっっ♥ むぐぅぅぅぅぅんっ♥」

「はいはい♥ それじゃそろそろ外してあげるわよ、綾子ちゃ~ん♥」


 かつては宿敵とさえ見ていた美女がこのような無様な姿を晒しているのが楽しくて仕方ないと言わんばかりに、士郎なんかよりもよっぽどヤリチンのような嗜虐的な笑みを浮かべて、凛は綾子の猿轡を外していく。


「ち、ちんぽぉぉっっ♥ おちんぽっ、ちんぽちんぽちんぽっ♥ いい加減、ちんぽちょうだいっ♥ え、衛宮っ♥ お、おねがい……ううん、お願いしますっ♥ あ、あたしに、人妻マンコにあなたのデカチンを挿れてくださいっ♥」


 恨み言の一つや二つでは終わらないほどに責め立てられた綾子だが、その解放された口から飛び出た言葉は、その拘束されたムチムチのエロ過ぎる体に相応しいなんとも卑猥な媚び媚びのチンポ乞食の言葉であった。

 というのも、理由がある。

 綾子は先日、凛の愛撫と玩具の刺激と媚薬による性感を高められることはされても、衛宮士郎という雄には一切として触れてもらえなかったのだ。

 綾子をおっぱい揉み揉みセクハラだけでガチアクメをキメる変態女に調教してやると、士郎とのセックスではあまり顔を出さないサディストの一面が飛び出た凛は、それはもう綾子をいじめ抜いた。

 だけど、士郎はイジメてくれない。

 それどころか、どんなに気持ちが良いのかを嫌というほど思い知らされたあのチンポを、遠坂凛という自分を虐める憎い女が独り占めしだしているのだ。

 怒りを覚えて仕方がなかった。

 だが、それも夜になる頃には消し飛んだ。

 徹底的にいじめられて、なにかを口にすることも猿轡で許されず、ただ凛が士郎とラブラブイチャイチャセックスをしながら自分を虐めるだけの時間が過ぎていく。

 しかも、眠ることさえ許されないのだ。

 綾子は知るよしもないが、凛が用意した不眠のお香によって睡眠欲は徹底的に吹き飛び、ただ性欲だけが頭の中をぐるぐると回っていく夜。

 その夜が明けた頃には、もう、綾子の心は折れてしまった。


「やったっ! やーっと、素直になったわね……おめでとう、士郎。あの頃の男が誰でも恋人にしたいと思った、思わなくてもセックスはしたいと思った美女があなたの女になったのよ。

 そうでしょう、綾子♪」

「そう、そうだよっ♥ ああ、もう、認めるよっ♥ とっくの昔に旦那のことなんてどうでもよくなってるっ♥ 息子のことだって、もう忘れそうになってる♥ 衛宮のオチンポが一番上にあるんだよ♥ あのおちんぽにどうやって抱かれるかっていうのが生活で一番重要なんだ♥ 不貞だとか、不倫だとか、浮気だとか……そういうのじゃないっ♥ あたしは……美綴綾子は、衛宮士郎とそのチンポにガチ恋してしまってるんだよっ♥ もう、認めるしかないぐらいチンポ乞食の変態女になっちゃったんだよ♥」


 そう認めてしまう。

 本当は、夫のことなんてもう微塵も愛情を抱いていなかった。

 向こうが自分を妻ではなく息子の母として求めているように、綾子もまた夫のことを生活を成り立たせる気のいい同居人としか思えなくなってしまっている。

 子供に関しても、それはまだ愛情を抱いているし可愛いとは思っているが、それでも、ここまで『待て』をされて発情した体にチンポを挿入されれば、その気持ちも吹き飛んでしまうと確信していた。

 自分が終わってしまうセックスだとわかるのに、それが我慢できない。


「……美綴ぃっ!」

「お゛こ゛っ゛♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥」


 それは綾子だけではなく、士郎も同様だったようだ。

 遠坂凛という最高の女を抱きながらも、同時に目の前で美綴綾子という別種の最高の女が悶える姿を見せつけられている。それは、凛よりも綾子のほうが優れているというかタイプというわけではなく、ただ、凛も味わいたいし綾子も味わいたいという傲慢で強欲な男らしい欲求である。

 士郎のビキビキに勃起したチンポを綾子の濡れそぼったオマンコへと挿入されていく。


「お゛ほ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉお゛ぉ゛っ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉぉ゛おっ゛ぉ゛ぉぉ゛ぉぉっ゛♥♥♥♥♥♥♥♥♥」


 狼のような大きな遠吠えが鳴り響く。

 美綴綾子という女丈夫が出す、野生の本能丸出しの雌の声である。

 挿入されただけでオホ声アへ顔をさらけ出す変態女の姿としての美綴綾子を見る度に、それを何度も見ているはずなのに、士郎はかつての美綴綾子を思い出してしまう。

 その思い出した美綴綾子は目の前の変態女とはかけ離れた清々しい美少女だというのに、それでも目の前の変態美女は確かに美綴綾子なのだと思わせる顔立ちをしていた。

 生み出されたギャップが士郎の興奮を駆り立てて、M字開脚で拘束された綾子をベッドに押し付けて、強く腰を打ち付けていく。


「ほぉぉっ♥ きたっ、ぎだぁっ♥ オチンポきたぁぁっ♥ これ、これが欲しかったのっ♥ ああ、最高っ♥ ち、ちんぽを突きつけられるだけでぇ、もう、頭がこわれるっ♥ あたしが、今までのあたしがこわれるっ♥ だ、大事だったものが、それよりだいじなオチンポで塗りつぶされるっ♥ ああ、衛宮、衛宮ぁ♥ あ、あたし、お前のことが好きになっちゃった♥ た、タイプとか、そういうわけじゃなかったはずなのに♥ 旦那よりも衛宮のほうが好きだ♥ え、衛宮の女になりたいっ♥ 頼むっ、頼むぅぅっ♥ あ、あたしを、衛宮の本当の女に入れてくれっ♥」

「美綴……ああ、もち────」

「あら、それは都合が良すぎるんじゃありませんの、『ミセス』ミツヅリ・アヤコ?」

「ぅっぅっ♥♥♥♥♥」


 綾子が行ったセックスをしながらの熱烈な告白に、士郎は頷こうとした。

 その瞬間に、扉が開いてまた別の美女が現れた。

 輝ける金色の髪をゴージャスに巻きに巻いた縦ロールと凹凸に激しい爆乳が特徴的な美女、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトである。


「ちょっと、今、良いところだったんだけど」

「いいえ、アヤコにはまだやってもらわなければいけないことがあります。

 それをはっきりとしてもらわずにシェロの女になって都合よく抱いてもらおうなど、他の誰が許しても私が許しません!」

「……ああ。それは……そうかも……」


 そんなルヴィアにイライラとした様子で突っかかるのは凛だ。

 旧友である綾子が自分たちの仲間になれたと思ったのに、それに待ったをかけたのだから当然である。

 だが、ルヴィアの言葉を聞いてその勢いは萎んでいく。

 では、その『やらなければいけないこと』とはなにか。


「私は構わないと思いますが、ですが、ケジメというのは大事かもしれません。いえ、実際に行動には移さずとも、誓いを立てるというのは大事です。騎士としてそう思いますし……アヤコは武士のようですから、そういう意味でも同じ考えを抱いていると思いますが」


 ルヴィアだけではなく別の乱入者も現れた、アルトリア・ペンドラゴンである。

 アルトリアは、不貞をしているとはいえ、竹を割ったような性格の綾子のことを好んでいるため、正式にハーレム入りすることはむしろ喜ばしいことだ。

 だが、騎士であるという自負も強いアルトリアは同時に『やらなければいけないこと』を『ケジメ』という形で求めたのである。


「わかりますよね、美綴先輩♥

 なにをすればいいのか……ほら、これですよ、これ♥ こうしてあげますから……ほら、咥えてください♥ さあ、さあさあ♥ 先輩に……屈服してください♥」

「……そうね、これも面白そうだし。ほら、綾子、早くやっちゃいなさい」


 こうなると当然、桜も現れる。

 桜もまたルヴィアのように今のまま士郎の正式な女となることを許さないようで、『やらなければいけないこと』の重要なアイテムである、綾子の左手の薬指について『結婚指輪』を抜き取っていく。

 そして、そのままその指輪を綾子の唇に持っていき、それをはむっと噛ませた。

 それを凛もまた肯定する。

 異常な美女の四人に囲まれた綾子は、ゾクゾクと体を震わせた。

 興奮である。

 背徳的な行為をすることで背徳的な集団の一員となれることに、強い興奮を覚えているのだ。

 綾子は、決意を決める。


「んぅぅぅ、ぺっ♥」


 口に含んだ後、唾液でたっぷりと汚した後に、それを汚いもののように吐き出した。

 床にころんころんと転がっていく結婚指輪を、誰も注目しない。

 誰もが綾子の次を待っている。


「え、衛宮っ……あ、あたしはもう衛宮だけの女だっ♥ け、結婚の誓いの指輪も、捨てたっ♥ もうあんなのはいらないっ♥ お、おまえとおまえのチンポだけあればいいんだっ♥ だ、だから、たのむっ♥ あたしも、遠坂や桜みたいに、お前のおんなに……してくださいっ♥」

「美綴ぃ……もちろんだっ!」

「おほぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ♥♥♥♥♥」


 士郎は肯定の言葉とともに強くオマンコを突いていく。

 二人の体が深く重なっていき、チンポとマンコがつながったことで完全に一つの肉の塊になるほどどろどろに蕩け合っていく。

 これ以上ないほどに、綾子は快感を覚える。

 同時に、幸福にも襲われる。

 強い雄の一部になることは、雌にとって最大の喜びなのだ。


「イクっ……イクぞ、美綴っ! 受け止めてくれ、俺の精液、お前の体で!」

「きてっ♥ きてきてきてぇぇ♥♥♥♥ 衛宮の精液で、あたしの子宮をいっぱいにしてくれぇぇぇ♥♥♥♥」

「くぅぅぅ、おぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


 どびゅぅぅぅううぅぅぅ! どびゅるるっ! びゅるるっ! どびゅびゅぅぅぅ! どびゅううぅぅぅぅぅ!


「お゛ほ゛ぉぉ゛ぉお゛ぉぉ゛ぉぉぉ゛ぉぉ゛ぉぉ゛ぉぉぉ゛ぉぉ゛ぉお゛おお゛おぉ゛っ゛ぉぉ゛ぉ゛お゛っぉ゛っぉぉ゛ぉぉ゛っ゛っ♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥」


 浴びせられる精液。

 それを受けて、綾子はまるで子宮の中に脳みそがあるかのように理性が精液漬けにされてしまった。

 もう、他の何も要らない。

 この逞しい雄のものになると決めた。

 それに対する幸運は、今までの人生の悦びのすべてをかき集めても足りないほどに大きなものである。


「しゅ、しゅきぃぃ……♥ えみや、だいしゅきぃぃ……♥」

「俺も好きだぞ、美綴……美綴みたいなキレイな女の人と一緒になれて……すごく嬉しい」

「うぅぅぅっぅっ♥ えみやっ♥ えみやぁぁぁっ♥」


 拘束された体では士郎を抱きしめることは出来ないが、その代わりに士郎が抱きしめてくれる。

 女として満たされる快感に、綾子はどうしようもないほどに頭を蕩けさせてしまった。


「それじゃあ、美綴先輩は人妻セフレオマンコでいいですよね?」

「そうね、人妻って希少価値だし。わかった、綾子? 旦那さんとは別れないでね? 私たち、これから一年ぐらいかけて拠点を日本と英国の二つに分けようと思うから……半年ぐらいしたらその準備に日本を離れて会えなくなるけど、安心しなさい」


 そんなバカ女になってしまっている綾子に向かって、遠坂凛と美綴桜、改め、数カ月後には夫の美綴実典と離縁して間桐桜になる女は不穏な会話をしていた。

 あそこまでして士郎の女になると誓った綾子に、人妻という属性を維持するために離婚はするなと言っているのである。

 だが、綾子は何も思わなかった。

 だって、その後に続く言葉が、どうしようもなく魅力的だったからだ。


「士郎の子供、産ませてあげるから退屈じゃないはずよ……♥」

「ぅっっぅぅっ♥♥♥♥♥♥」


 衛宮士郎の子を産める。

 それを旦那を最低の形で裏切るということだが、そんなことどうでも良かった。

 その幸福を噛み締めながら、綾子は意識を失っていく。


 ────こうして、美綴綾子は堕落したのであった。


Comments

カツ

不貞不倫fateシリーズ好きです。 これからも応援し続けます

谷澤晴夫

このシリーズ美綴がエロくて最高でした。堕ちていくその過程が本当に良かったです。