Home Artists Posts Import Register

Content



「へぇ、面白い元素の使い方をしているじゃない……💛

 水元素を糸状に組み合わせて、拘束具も兼ねた武器にしてるって事ね?」


 璃月とスメールの国境—―――層岩巨淵の西部に位置する洞窟にて。

 自らのものではない神の目をしげしげと眺め弄びながら、どこか夢見心地に弾んだ調子で術士の女がそう呟いた。


「……まぁでも、理解してしまえば単純なものかもしれないわ。

 邪眼の力でも再現できる簡単な技術――――わざわざ捕まえる必要もなかったかしら💛」


 洞窟の端に転がる女――――夜蘭は、弄ばれる自身の神の目をどう取り返すべきか思案しつつ、愉快そうに笑う女の事を睨みつける。

 衣服は一糸も残さず剥ぎ取られ、水元素の意図を用いた亀甲縛りの要領で身体を海老反りの体勢で拘束され、洞窟の地面に転がされているというのが夜蘭の現状だ。


 地面に転がる石が柔肌に食い込む痛みや、衣服を剥がれて転がされている恥辱はまだ耐えられるし、そもそもその程度は覚悟の上だ。

 けれどいつまでも捕らわれていては、それこそどのような拷問をされるかが分からない。当然に耐拷問の訓練は積んでいるけれど、それでも『耐えきれる』と過信できるほど、夜蘭は自分というものを信用してはいない。


(相手が男なら、隙の作り方も心得ているのだけど…………。

 この状況で女一人を相手にするのは、ちょっと厳しいかもしれないわね……)


 夜蘭が繰る水元素の糸—―――それを邪眼で模した拘束具は、しなやかさこそ夜蘭の操る糸に劣るが、強度に関しては夜蘭の糸を上回ってしまっている。

 膂力で引き千切るのは不可能。関節を外して縄抜けをするのも不可能。誘惑によって拘束を解かせて隙を窺う事も不可能となれば――――。


「……ねぇ、取引をしないかしら」


 あくまで冷静に、夜蘭は”取引”という形で女に対話を呼びかける。

 命惜しさに璃月を売る――――そう見せかけるための”重要そうに見える情報”を夜蘭は最初から数パターン用意していて、それはこうした状況に陥った時のための備えだ。


 情報の重要性を知っている相手――――それも”夜蘭”という女の優秀さを知っている、十把一絡げではない相手ほど引っ掛かりやすいその方策。

 乱用できる手段ではないけれど、少なくともうまく誘導すればファデュイの一個中隊程度なら秘密裏に片づける事の出来るそれは、確かに秀逸で悪辣な一手ではあった。


「この状況では逃げられないし、助けが来る見込みもない。

 有用な情報はいくつもあるから、それと引き換えに解放してくれないかしら」


 怯え縋るような態度を見せるでもなく、夜蘭はあえて冷静なまま言う。

 怯えが滲む態度で接してしまえば、渡す情報を”助かるための出任せ”と判断されてしまう可能性がある。だからこそこういった場では冷静な態度を崩すわけにはいかない。


「…………そうねぇ、それは確かに魅力的な提案ね?」


 夜蘭の神の目を弄びながら、術士の女が口角を持ち上げる。

 どこかおぼつかない足取りと夢見心地の声音ではあるが、女がリスクとリターンを考えられるだけの思考力があり、どちらかと言えば理性的な性質である事はこれまでのやり取りの中で把握済みだ。


 理性的であればあるほど、目の前の有用性には食いつきやすい。

 夜蘭は経験則としてそれを理解していて、だからこそこの場を切り抜けることそのものは決して難しい事ではない――――筈だった。


「――――けど、それはダメ💛

 情報なんかよりもっと有用なモノを、貴女は持っているんだもの💛」


 だが理性と思考を持ち合わせたうえで、それでも女は夜蘭の提案を切り捨てた。

 躊躇わず間違わず、最適解を選んだはずの夜蘭は、まるで予想外の言葉に一瞬表情に動揺を走らせ、そして女の行動で自分の分析の間違いを悟る。


「っ、く…………!!」


「こんな岩と土ばかりのつまらない場所で、折角愉しめそうな玩具を捕まえたのよ?

 “情報源”なんかにしてしまうのは勿体ない――――ちゃんと目一杯遊んでおかなきゃね?」


 夜蘭の身体を縛める元素の糸の端を引っ張ると、夜蘭の身体に巻き付いた糸がしなやかな肌により一層深く食い込まされる。

 尻の谷間に食い込み、秘部へも食い込み、胸の谷間にも深く埋まるように食い込む冷たい糸。乳房の根元に巻き付く糸も同様に柔らかな双丘の根元に食い込んで、豊満な乳房を強調するかのように根元から搾り上げてしまう。


 夜蘭の狙いそのものは、少なくとも間違いではなかった。

 ただ彼女の失策は、仮面の下で嗜虐的な笑みを浮かべる女が”理性と知性を残しながら”、”それでも自らの愉楽を優先する享楽主義者だった”事を見抜けなかった事だけだ。


「……本気なの?わざわざ拷問をするなんて、手間を増やすだけじゃ――――っ、く……!」


「うふふふ、心配してくれてありがとう?

 でも私、貴女みたいな綺麗な人を拷問するのは苦じゃないくらいに大好きなの💛」


 夜蘭の肢体に絡みつく糸を操って、女は眼下に組み敷いた身体を地面に大の字に拘束し直し、曝け出された豊満な乳房をまずは撫でるように震わせる。

 亀甲縛りの様相で白肌の上に糸を這わせつつ、拘束の体勢だけを変える芸当。夜蘭ですらそれなりの集中を必要とするその行為を、女はまるで苦も無くやり遂げてしまう。


 ただの雷蛍術士と侮った――――そんな自分の失策を今更後悔したところで、夜蘭にはもう身じろいで拘束から逃れようとする自由すら与えられない。

 ギシギシと軋む拘束の中で乳房のゆっくりと撫で震わせられ、そしてそのままゆっくりと、女は粘着質な指遣いで夜蘭の胸の先端を責め堕としにかかる。


「ん……っ!」


「あら、これだけで声が漏れるなんて随分と敏感じゃない💛

 前に璃月の諜報員を捕まえた事はあったけど、こんなに簡単じゃなかったわよ?」


 胸先で屹立する小さな肉芽を震わせられると、夜蘭の口からはどこか潤んだような艶めかしい吐息が漏れ、その事実が夜蘭の羞恥を煽る。

 根元から搾り上げるように糸を食いこまされた乳房。それは乳房の頂点へ血液を留め、人体として当然に敏感な場所の感度をじわじわと高めてしまう。


 耐拷問の訓練—―――性的な拷問に耐えるための訓練も夜蘭は当然に積んではいるけれど、それでも人体そのものが見せてしまう反応は誤魔化せない。

 豊満な乳房の中心に鎮座する薄桃色の肉芽が、グローブに包まれた指の腹でくにくにと弄ばれるたびに、薄い唇から湿った吐息が漏れていく。


「アハッ……!もう乳首限界?ぷっくりさせちゃって可愛いんだ💛

 ふふ、すっごくいい姿よね?おっぱいもアソコも隠せないなんて、必死に誤魔化してるけれど、本当はすごく恥ずかしいんでしょう?」


「っ、ふ…………!ご想像に、お任せするわ……っ、ぁ、ひ……っ!

 それ、で……っ!何を、お訊きになりたいの……っ、かしら…………?」


 ぷっくりとそそり立ってしまった乳首を弄ばれ、羞恥の呻きを零しながら、それでも夜蘭はあくまでも冷静に振る舞い続ける。

 この場で行われているのはあくまでも”拷問”で、そうであれば打つ手はある――――冷静で理論的な夜蘭はそう考えて、そのための対抗策を揺れる思考に浮かばせ続ける。


「ん~~…………ふふ、それじゃあ”貴女の一番弱い場所”を教えてもらおうかしら💛」


 だが、この場で行われているのは”拷問”ではなく”陵辱”だ。

 女自身がそう言った通り、ただ女が夜蘭の身体を用いて無聊の慰めを求めるだけ――――そんな短絡的な行為のために、夜蘭は剥かれた裸身を弄ばれてしまう。


「そんなの、何の意味が……っ!や、やめなさ…………っ!

 く、ぅ、んく……っ!ふ、ぁ、ぁう……っ!ぁ、あ、ぁ、あぁぁ、や……っ!」


 覆い被さるような体勢で裸身に影を落とされ、そのまま左胸の先を指先でくすぐるようにじわじわと刺激される。

 身じろぐたびに強固な拘束が軋み、乳房が震えるたびにその根元に冷たい糸が食い込んで、疼き痺れるような感覚が胸先の肉芽を打ち震えさせていく。


 そして同時に与えられるのは、右胸の先端に舌が這わされ、ぬるりとした唾液を帯びた軟体によって敏感な場所がくすぐられる感覚。

 指よりも可動性が高く、それ故にどう責められるかの予測がつきにくい責め。”予測”によって備えるしかない夜蘭に、その責めはあまりに相性が悪かった。


「く、んぅぅ……っ!ふ、ぁ、やめ……っ、ぁ、や……っ!

 ふ、ぅうぅぅぅ……、っ、ぁ、あ、あ、あ、あっ!……はぁ、ぁ、ぁぐ、ぅあ……!」


 拘束の中で、スレンダーながら凹凸に富んだ肢体がビクリと跳ね震える。

 唾液が奏でる”ぴちゃ”、”ずちゃ”と響くどこか下品な音もまた夜蘭の羞恥を煽り、彼女はらしくもなく表情に羞恥と屈辱を滲ませてしまっていた。


「っっ……!!ふ、ぁう……!こ、の……っ!!

 こんな、事をして、楽しいのかしら…………っ?こんな、下劣な――――っ、ひぁっ!?」


 見下すように言っても、女は夜蘭の乳首から唇を放そうとはしない。

 むしろそこに答えを返すように乳首の根元を舌先で嬲られ、夜蘭はひどく繊細で緻密な責めの前に、生娘のような悲鳴を上げてビクリと身を震わせてしまった。


(これは、もしかすると想像以上にマズいかもしれない……!

 まずは逃げる事を優先しないと、取り返しのつかないことになってしま――――!)


 予想しているよりもはるかに速い、自らの身体が陥落していく予兆。

 神の目は諦めてでも逃れなければ――――だがそんな決断はあまりにも遅きに失し、その決断の遅さを嘲笑うように、新たな責めが夜蘭を襲う。


「っ、や…………!!」


 左胸の先を嬲る片手。右胸の先を嬲る舌と唇。

 そして空いたもう片方の手は、元素の糸を食いこませた夜蘭のクレバスへと這わされて、陥落の予兆を見せ出した女体を更なる責めによって追い込んでいく。


「っう、やめ……っ!やめなさ――っぁ、ぁうっ!

 は、ぁ、ぅく……っ!は、ぁ、あ、ぁ、あ……っ!ぅうぅ、ぁあぁぁぁっ……!」


 クレバスに食い込んだ糸を引っ張って退かせ、それと繋がる尻の谷間の糸をより強く食いこませながら、女は晒されたクレバスへとしなやかな指を滑り込ませた。

 乳首への責めで潤みを帯びた、程よい締まりで指を迎え入れる名器。簡単な任務であるが故に”仕込み”を怠った自分を恥じても、しかしそれはもう遅すぎた。


「ん……っ!ひ、ぁ、ぁ、あ、やっ!!」


 “くちっ”とまずは粘着質な水音が響き、それを皮切りにしたように水音が連鎖する。

 膣内の浅い場所でただ指を蠢かされているだけ。だというのに夜蘭の身体はそれを無上の快楽として受け止めて、後から後から浅ましく愛液を湧きたたせる。


 両胸の先と敏感な膣内。自分でも”弱点”と認識してしまっているその場所。

 女として避けられない脆弱性を突くように嬲られて、夜蘭の口から零れる喘ぎは、とうとう嬌声と呼べるほどにまで高められてしまった。


「んふ……!ふ、ふふふふふ…………っ!ふ、ふふ、んむ……っ💛」


 右胸の先を舌で舐りながら、女は含み笑いをわずかに響かせる。

 洞窟の中を反響する嬌声によってかき消されるほどの小さな声。けれどそれは夜蘭の右乳首を微細な振動で震わせて、湧き上がる疼きをより鮮明に高めてしまう。


 小さな虫に性感帯を這われているような、間断のない微細な刺激。

 丁寧に丁寧に、痛みもないままに疼かされていく性感帯は、やがて絆されるように熱を全身へと運び、物足りない疼きでもってしなやかな痩身を屈服させようとする。


「んひ……っ!く、ぅぅぅ…………っ!

 は……っ、ぁ、あ、ぁぐっ……!やめ……っ、ぁ、ん、んぁっ!!」


 小刻みに身体を震わせながら、夜蘭はらしくもなく全身を汗ばませ、表情に焦りと屈辱を滲ませながら、込み上げる喘ぎを必死で抑え込まんとする。

 常通りの”冷徹な諜報員”の姿はそこにはなく、そこに在るのはただの女――――強制的な快楽に身悶える、ただの弱々しい雌の姿でしかなかった。


「っ、く……!!わかっ、た!教える……っ!

 私の、弱い場所……っ!教える、からっ……!ふ、ぅあっ!や、や、ぁ、あぁんっ!」


 夜蘭の言葉に合わせて、女が口にした無意味な皮肉。

 それに合わせて夜蘭が譲歩を口にしても、そこには当然意味など生まれない。


 そもそも女が求めているのは、情報ではなく”暇潰し”だ。

 答え合わせのように本人から弱点を申告されたところで、それはゲームの攻略法を最初から調べておくようなもの。

 そんなつまらない事はしたくないと、女は右乳首から唇と舌を離し、そのまま夜蘭の唇へ貪りつきつつ、膣内に埋めた指をより乱雑に掻き回していく。


「んぅ……っ!んく、ふぁ、ぁ、あぅっ!あぁぁっ!!」


 胸先への責めが止んだ代わりに、鮮明さを増してしまう秘部への責め。

 口内を舌で蹂躙され、膣内を指で蹂躙されるという上下への波状の責めは、夜蘭に”耐える”という行為すら許さずに、その身を徹底的な快楽の渦へと引きずり込んでしまう。


 例えばこれが欲望を貪るための責めであったなら、夜蘭には耐えて機を窺う事が出来るだけの自信はあった。

 諜報員として拷問に耐えるための訓練は積んでいる。膣奥に異物を挿入されたり、生爪を剥がされたり――――そんな行為であれば、夜蘭はここまで追い込まれずに済んだ筈だった。


「んく……!ふ、ぅぁ、あ、ぁ、あぁぁっ!ぁ、んぁ、あんっ!

 や、やぇ――――くひ、ぃ、んむ……ッッ!!ふ、ぅぅぅ、んく、ぅうぅぅっ!!」


 だがこの場で与えられる屈辱の中には、当然に想定される筈の”痛み”がない。

 与えられるのは快楽だけで、夜蘭の精神はどれだけこの場から逃れようと試みても、彼女の内側の本能が与えられる”快楽”を浅ましく甘受しようとしてしまう。


「ふ…………っっ!んぁ、ぁ、ぁぐ――――ふ、ぅぅぅ、んむ……っっ、っ、ッッ!!」


 そしてとうとう、夜蘭の身体がビクビクと臨界を示して跳ね震えはじめる。

 強靭な元素の糸がギシギシと軋み、覆い被さってくる女の身体に自らの身体を密着させるように腰を持ち上げ、そうして夜蘭は目を剥きながらまず一度果てた。


「――――っくぅううぅぅぅ!!!!

 ふ、んぁ、ぁ、ぁう、ふ、んくぅぅ……っ!!」


 唇を貪られ、舌と舌を絡められたままの絶頂。

 唾液の音が淫靡に奏でられ、膣口からとろりと泡立って白く濁った愛液が零れ、けれど絶頂の最中にもまだ”暇潰し”のための責めは続く。


「く、ぅぁ、あ、ぁんっ!ぅぁ、ひ、ぃうっ!

 うぅぅぁああぁぁあぁぁ……っ!んぃ、ぉ、お、お、おぁ、ぁ、あぁぁっ!!」


 締まりの良い膣は湧き出す愛液によって完全に蕩け切り、だからこそ女の指は抗えない快楽の極点—―――包皮に守られた陰核を見つけ出してしまった。

 それをすりすりと指の腹で撫でてやれば、それだけで夜蘭の口から零れる喘ぎに必死さが増し、くぐもった喘ぎが拒否と懇願を伝えてくる。


「――――――ふふ、弱点見ぃつけた💛」


 舌と舌の間に唾液の糸を引かせながら、嘲るように女が告げる。

 眼下にあるのは美しい顔――――けれど常ならば怜悧な美貌と評すべきその表情は、最低限”睨む”という形を模れているだけで、最早完全に淫蕩に浸され尽くしていた。


「っ、ぁ、やめ――――ぁ、あ、ぁ、あぁぁあぁぁっっ!!

 やめて、やめなさ――――っぁ、ぁぐっ!お゛……ッッ!!は、ぁ、ぁ、ぁう、あぁぁぁ!!」


 クリトリスを柔く抓られ、そのままじわじわと扱き上げるように包皮から剥き出しにされていくと、その過程の中でも夜蘭は何度も絶頂に身を震わせてしまう。

 そこには存在しないモノを締め付けるように蠢く膣肉。噴き出す愛液と潮は止まらず、夜蘭の心は羞恥と屈辱によって埋め尽くされていく。


「ふふ、本当に弱いんだ💛まだ剥き切れてないのにね?

 ほぉら、勃起クリちゃん半剥きのまま撫でられるの、これ結構辛いでしょ?」


「んぁ、か、ぁは………っ!!ぁ、ぁう、ぉ、んぅぅぅぁあぁぁ……っ!!

 やめ、ぁ、ぁぐ……っ!こんな、こんな事、何の意味も……っ!何のために、こんな……っ!?」


 拘束の中で身を捩り、止まらない絶頂に息を荒げながら、それでも夜蘭は理解できない責めを何とか理解しようと試み続けてしまう。

 理解さえ出来たなら、そこからこの場を切り抜けるだけの光明が見つけられるかもしれない――――だがそんな”理論思考”こそが、夜蘭という女の限界だった。


「うふふふふふ、あははは、あはははははははは💛

 理由なんて最初に言ったじゃない。貴女みたいな綺麗な人を拷問するのが好きだって」


 最初から理由などなく、女は夜蘭という女そのものを理由であり目的としている。

 強く美しい女――――夜の湖畔に咲く大蘭のような美しい女であるからこそ、夜蘭はこの場で元素の糸に絡めとられて、痛みすらない辛苦に放り込まれてしまっている。


「ふ、ぁ、何を、言って……っ!んぁ、や、や、や、やぁ、だっ!!

 ぁ、あぁぁだめっ、だめ、だ、めぇぇ…………ッッ!!はァッ……!ぁ、ぁぐ、ぅうぅぅぅ、んぁあぁぁ、ぁ、だめ、出る、出ちゃ――――っっぁあぁぁうぅぅっ!!」


 そもそもが夜蘭には理解できない、”享楽主義者”の刹那的思考。

 だがそれを理解する事を諦めきれないまま、夜蘭は先端だけを包皮から覗かされたクリトリスを抓られて、惨めに潮を噴きながら絶頂させられる。


 膣口に押し当てられた女の手に潮の飛沫が跳ね返り、夜蘭の股座はもう”湿潤”という言葉では済まない程に濡れそぼっている。

 水元素の糸で縛められ、女としての敏感な極点を濡れそぼらせ、ビクリビクリと断続的に身体を跳ねさせるという哀れな姿を晒し、夜蘭は息を喘がせて表情を引きつらせた。


 泰然とした”やり手”の美女。常ならばそんな印象を抱かせる夜蘭の表情は、けれど彼女を知るものであるほどに信じられないだろう恐怖に染まってしまっている。

 潤んだ目を見開き、荒く息を吐き、唇を戦慄かせる。そんな表情を眼下に据えて、けれど女は慈悲を示すでもなく至極愉快そうに笑った。


「――――ふふ💛それじゃあまずは一度、おっきくて怖いのを味わってみましょうか💛」


 ひどく嗜虐的な言葉と共に、女が首から下げた邪眼が鈍く光る。

 水元素を示す青い光ではなく、雷元素を示す鈍い紫色の光—―――そしてそこで夜蘭は女の悪辣極まる狙いに、すぐさま思い至ってしまう。


「ひ……っ!や、や、やめて…………!!

 い、いやっっ!!そんな、そんなの、だめ、やめなさい…………っ!」


 クリトリスからゆっくりと指が離され、夜蘭の目の前に濡れそぼった指先がかざされ、その先端に紫色の稲妻が奔り始める。

 絶縁材のグローブを纏っている女にはダメージはなく、けれどそれは確かに”雷元素”というテイワットに存在する理の一つを示していた。


 そして愉快そうに笑みながら、女は稲妻を帯びた指を夜蘭の陰核に近づけていく。

 テイワットにある者ならば誰もが理解している初歩的な理—―――水元素で”湿潤”状態にあるものに、雷元素を触れさせればどんな反応が起こるのか。


 水元素の糸で縛められ、内側から湧いた愛液によって”湿潤”させられた極点。

 そこにゆっくりと近づく指はカウントダウンのようで、夜蘭は美しい顔を恐怖で真っ青に染めながら、必死に身を捩って無意味な抵抗を試みてしまう。


「アハッ…………!!それじゃあ、イってみよっか?」


「や、や、いや、いやだ、やめて…………っ!!

 ぁ、あぁぁ触らないで、や、いや、いや――――――――ッッッ!!?」


 そして抵抗も虚しく、まずは陰核に指が軽く触れる。

 絶頂に至るには遠い感覚は、凄まじい性感の炸裂に備えていた夜蘭の身体から一瞬だけ警戒感を緩ませて――――――。


「――――っあ゛ッッ!!!か、ぁぐ、ひ、ぃいいいぃぃぃぃぁああぁぁぁぁっっ!!!

 ぁ、あぁぁが……ッッ!!く、ぅううぅぐッッ!!は、ぁ、あぁあぁあぁぁっっっああああぁぁあああぁぁ――――~~~~――――ッッッッ!!!!!」


 そしてそんな警戒の緩んでしまった体が、文字通りの”感電”に跳ねた。

 敏感な性感の極点を微弱な電流に甚振られ、夜蘭は瞬く間に全身に伝播してきた性感の雷撃によってその身と心を淫らな熱に焦がされる。


 しなやかな身体が拘束の中で限界まで反り上がり、ビクビクと跳ねまわる。

 クリトリスはずるりと剥きあがるように包皮からまろび出て、膣口はひくひくと蠢きながら高く高く愛液を噴き出して、その身の屈服を示していた。


「ッッッ…………!!ぁが、ぁ、かは、ぅ、ぐぅぅ…………ッッ!!

 くひ……ぃ、ぇあ、ぁ、ぁ、あぅ…………っ!!や、も、やめ、て………………っ!!」


 虚ろに全身を痙攣させながら、夜蘭の口かららしからぬ懇願が漏れる。

 身体に傷はなく、それでも心は折られ――――けれど心が折られたところで、その見目の麗しさと淫らな反応の痛快さは何も変わらない。


 女は再び指に雷元素を纏わせ、打ち震えるクリトリスを今度は摘まみ上げる。

 絶叫が響き、嬌声が後に続き、洞窟の湿った空気に小便の饐えたにおいが混ざって、それでもなお夜蘭が解放される事はない。


 その日、璃月から一人の諜報員が姿を消した。

 だが闇に生きる者の失踪は、大きく取り沙汰される事もなく――――ただ一部のものだけが抱く不吉な予感と共に、商都の日常に埋没していくだけだった。


≪了≫



お読みいただきありがとうございました!


次回は2月10日に更新予定。

内容はまだ未定ですが、『FE聖魔』より「フォデスに犯されるエイリークの話」にしたいなーと思っています。


次回も楽しみにお待ちいただけると嬉しいです!


Comments

No comments found for this post.