Home Artists Posts Import Register

Content



「うぷぷぷぷぷ――――困るなぁ、困るんだよねぇ、霧切さぁん」


 濁った声を響かせるモノクマ――――希望ヶ峰学園の学園長という、個人的に因縁深い肩書を自称する、悪趣味なツートンカラーのマスコット。

 霧切響子は自らの膝と同じ程度の身長しかないそれを睨みながら、自らの失策の結果である現在の状況に、怜悧な美貌を屈辱に染め上げた。


(油断をしていたつもりは――――なかったけれど、油断はあったわね。

 モノクマが律義に校則を守るなんて、そもそもアテにするべきではなかったというのに)


 学園の調査中に隠し扉を見つけ、そこに隠匿されていた資料の調査中に背後から襲撃を受けて昏倒させられ、目を覚ました結果が現在の状況だ。

 コンクリートが打ちっぱなしになり、壁や天井にまで配管が剥き出しになった小部屋。その中でも一等太い天井の配管に結びつけられた鎖によって、両手を一纏めにされてつま先立ちになるように、響子はその身を拘束されている。


 そして何より厄介なのは、眼前に据えられた一台のテレビカメラだ。

 何も言われずとも下劣な目論見を察する事が出来るそれに、響子は紫陽花色の瞳を万感の不快に染め上げ、忌々しげな顔で既に起動しているカメラを睨んだ。


「確かにね?学園の情報を探る事は校則違反には当たらないよ?

 けどさぁ――――それにしたって限度があると思わない?あんまり熱心に嗅ぎ回られたりなんかしたら、さしものボクだっていやーな気持ちになるんだよ?」


「……それでも校則違反に当たらないなら、罰せられる謂れはない筈よね。

 学園長ともあろう者が、”不快”などという私情で生徒を罰していいものなのかしら」


「……ンモー!屁理屈、屁理屈だ!

 まったく……全然反省の色が見えないね、霧切さんは!」


 どういうメカニズムなのか表情をわざとらしい怒りの形に歪め、モノクマは肩を怒らせながら響子の言葉を力技で切り捨てた。

 対等な”話し合い”であれば通用しない態度ではあったが、そもそもこの状況にある響子とモノクマの関係性には、絶対的な上下が定まっている。


「そんな悪い子には――――”お仕置き”が必要だと思わない?」


「…………私を処刑するつもり?随分とルール無用なのね。

 その短絡的な行動は、いつかあなた自身の首を絞める事になると思うわよ」


 オシオキと称した悪趣味な公開処刑は、このコロシアイ学園生活という凄惨な状況の中では恐怖と失意の象徴でもある。

 けれどそれは超高校級の学生たちを縛る枷であるが故に、モノクマの側からしても乱用するわけにはいかない諸刃の剣だと霧切は読んでいる。


 モノクマはルールを順守しない――――そんな理解が広がってしまえば、大神さくらやジェノサイダー翔のような武闘派が一か八かで実力行使に出る可能性も捨てきれない。

 特にジェノサイダーは、十神白夜という厄介極まる”ご主人様”を持っている。十神の悪知恵とジェノサイダーの武力を同時に相手取るのはモノクマとて避けたい筈だ。


「うぷぷぷぷ、ご忠告ドーモありがと!

 けど残念!これからするのは”オシオキ”じゃなくて”お仕置き”だからね!」


 音としての響きは同じだが、込められた意味は違う言葉。

 だが音としてだけ響くその意味を響子が理解できることはなく、ただ”お仕置き”という言葉を実行に移すように、壁や天井の配管が一斉にガスを噴出させた。


「っっ――――!!」


 有毒ガスの危険性を、霧切響子は一般的な高校生よりも深く理解している。

 一呼吸でも体内に取り込めば、それだけで致命傷になるものだって珍しくはない、人体を害するために形作られた悪意の結晶が、どれほど凄惨な結果を生むか。

 響子は理解している危険性を即座に行動に移し、縛めの鎖を身じろぎでジャラリと鳴らしながら、必死で下唇を噛んで外気を吸い込まないように試みた。


「うぷぷぷ、残念だけど危険なガスじゃないよ!

 これはあくまでも”お仕置き”だからね!自分の無鉄砲を反省してもらわないと!」


 だが結果として見れば、響子の危惧は過剰反応ではあった。

 モノクマが言う通り、配管から噴き出したのは”有毒ガス”ではない――――だがそれは、ある意味で有毒ガスよりも惨い結果を、すぐさま響子の身体へともたらしてしまう。


「っ、ふ…………っ!ん、ひ……っ!」


 超高校級のスイマーである朝日奈であれば、それこそまだまだ呼吸を止め続けていられただろうが、霧切響子にそのような身体能力はない。

 必死で止めていた呼吸に限界が訪れ、そうして鼻腔の内側にやけに甘ったるい匂い――――腐乱した果実のような異臭が飛び込んだ瞬間、その身体が大きく震えた。


「やっほう!始まった始まった!

 ねぇねぇどんな気持ち?いまどんな気持ちかなぁ?」


 縛めの鎖が鳴り、響子の表情がみるみるうちに動揺に染まっていく。

 モノクマの下劣な煽りの言葉は、本当ならば睨みつけて皮肉の一つでもぶつけてやるものだったけれど、今の響子にはそれすらも出来ない。


(何、これ……っ!?何のガスを吸わされた……!?)


 目の粘膜への痛みや痒みはなく、呼吸に関する苦しさもない。

 ただ自覚できる症状は、身体の奥底からこみ上げてくる”暑さ”と、それに伴って体全体が奇妙な疼きを――――有体に言えば”性感”を抱いてしまっている。


 乱された痕跡もない衣服の下で、肌が奇妙に熱を帯びていく。

 あまり大きくはない乳房を包むブラジャーの下で、自ら弄ったことすらほとんどない華奢な乳首がむくむくとそそり立ち、耐えがたい淫らな痺れを発する。

 短いスカートの下の大人びた黒いショーツによって秘されたクレバスは、触れられてもいないのにビクビクと陰唇を震わせ、その奥底をジワリと濡れそぼらせてしまう。


「っ、く、ぅぅぅ……っ!何を……何を、吸わせたの……っ!?」


「あれあれ?ご自慢の推理はもう打ち止め?

 推理してごらんよ!真実はいつも一つだけとは限らないけどね!」


 動揺が滲む言葉を愉快そうに切り捨てられ、響子の表情に嫌悪が滲む。

 実際の所、既に推理は出来ている――――というよりも、推理などするまでもなく真相は明らかで、けれど『信じたくない』という感情論がそれを認めようとしないだけだ。


 現実的に考えて本当にあり得るのか、というのがまずは一つ。

 そしてもしもそんな短絡的な推理が真実であったならば、このガスが充満した小部屋の中で、自分がどうなってしまうのか分からないというのがもう一つ。


「っう……!ふ、んぅ……………!

 は、ぁ、ぁ、あ、んぅっ!く……っ、ひぃ……!」


 じわじわと這い上ってくるように、身体の奥底が淫熱を叫ぶ。

 沈着冷静で頭脳明晰な少女探偵—―――霧切響子はそんな存在ではあったけれど、それでも彼女はあくまでもまだ”少女”と呼べる程度の年齢でしかない。


 性感を知らずとも衝動だけは抱いてしまう、過渡期にある不完全な心身。

 ブラジャーの裏地に擦れる乳首の疼きも、奥底から濡れそぼっていく膣奥の熱も、それらは文字通りの”一呼吸”ごとに高められていってしまう。


「うぷぷぷ、イイ声だねぇ霧切さぁん!

 クールな女の子のエッチな声って、裸を見るよりも興奮するよね!」


 下種な煽り。睨み返す目――――だがそれは段々と潤んで蕩けていく。

 響子は既に呼吸を止める事など考えられぬまま、ただ『認めたくない』という感情論だけに突き動かされて、目の前の真実から目を背けてしまう。


「は、ぁ…………っ!!」


 鼻腔に滑り込む甘ったるい異臭。喉に絡みつくような媚薬の混ざった空気。

 小部屋の中に噴き出す媚薬ガスは、室内の湿度をじわじわと高め続け、響子の本能に直接”呼吸”と”発汗”という抗いようのない生理現象を強要する。


 汗ばんだ肌に布地が貼りつき、スカートから伸びた細い脚を汗の雫が伝い落ちる。

 疼く乳首や蠢くクレバスにブラジャーとショーツを構成する薄布が貼りつき、その感覚が一層淫らな疼きを引き立てて仕方がない。


「うぷぷ!もじもじしちゃって可愛いんだ!

 これはすっごく捗る映像になるぞぉ!うぷぷぷぷひゃひゃひゃひゃ!」


「っ……!黙りなさ……っ!ぅ、あぅっ!

 や、や、だめ……っ!ガスを、止め、てぇ……っ!」


 僅かな身じろぎが鎖を鳴らし、爪先立ちの脚が空を掻くように虚しく揺れる。

 白く華奢でありながら肉感的な太ももは、響子自身が望んだわけではないにも拘らず汗ばんだ状態で内股に擦り合わされ、それでも引かない疼きに時折跳ねてしまう。


 長く美しい銀色の髪は、汗ばんだ額や頬に貼りついてどこか淫靡に紅潮した表情を、よりいっそう儚く美しくも淫らなものとして彩る。

 必死に身じろぎを抑制しようとして、それでも抑制しきれない身の強張りが鎖の音となって響くこともまた、響子の高いプライドを羞恥によって傷つけた。


「っく……!ふ、ぅうぅぅ……!ぅぁ、や、ひぅ……っ!!

 ん、く、んぅぅ……っ!!は、ぁ、や、や、いや…………っ!」


 そして何よりも残酷なのは、響子の目線の先に存在するテレビカメラだ。

 それが稼働している事を示す赤いランプと、ちょうど響子の全身を治める画角に存在する高精度なレンズは、間違いなく響子の痴態を”記録”するためのものだ。


 拘束され、不可視の媚毒によって淫らに身悶え、淫蕩に表情を染める少女探偵。

 けれどそれは動画としてだけ見るならば、『拘束され、”触れられもせずに”淫らに身悶え、淫蕩に表情を染める少女探偵』という一つの淫らなシーンにしかならない。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁぁ…………っ!!

 うぅぅぅ、エッチだ……!とってもエッチだよぉ霧切さぁん……!」


 そしてそんな響子の痴態を嘲笑うように、モノクマは短い脚で胡坐をかくように床に座り込み、これもまた短い手で股座付近の虚空を扱き上げるように掻き続ける。

 わざとらしい荒い息を吐きながら、存在する筈もないペニスを扱くフリをして、響子が見せてしまっている痴態の淫らさを伝えようとしてくる下劣な行為。


 だがそれにどれだけ嫌悪を抱いても、響子を苛む現状は変わらない。

 噴き出すガスは止まらず、一呼吸ごとに身体の奥底からこみ上げてくる熱は激しさを増し、荒くなる息も体の震えも止める事が出来なくなっていく。


「ふ、ぅぐ……っ!だま、りなさ――――っ、ひ、ぅあっ!

 は……っ!や、だめ……っ!ぅ、ぁ、だめ、だめ、だめ…………っ!!」


 そしてとうとう、霧切響子という少女の身体が快楽に浸されたという証拠—―――絶頂などよりも余程些細で、けれど少女の心を絞め潰すには十分な証拠が漏れだす。

 ひくひくと蠢く膣口と、引き結ばれたようなクレバスに纏わりつく濡れそぼった黒いショーツ。その表面に愛液の染みが浮かび、すり合わされた太股を染み出た雫が撫でていく。


「……おやおやぁ?なんだか汗じゃないモノが流れ落ちてった気がするぞぉ?」


 そしてそんな微細な変化を、モノクマの悪辣さは見逃さない。

 いつもならば勘違いだと受け流せたはずの言葉を、けれど媚薬と湿度によって冷静さを削られた響子は、真正面から受け取って表情に羞恥を滲ませてしまう。


 汗ばんだ太ももがすり合わされ、ガシャガシャと虚しく鎖が鳴く。

 冷静さはもう外形程度――――それもほとんど保ち切れていない程にまで剥ぎ取られ、響子は荒い呼吸を繰り返しながら、身を焼く淫らな衝動を受け止め続けるしかない。


(落ち着け、落ち着きなさい…………!

 こんなもの、動揺さえしなければ何ともないじゃない……!)


 歯噛みをしながら心の内で自分を鼓舞すれば、けれど”鼓舞しなければならないほどに追い込まれている自分”を自覚させられるだけだ。

 身体の内側からこみ上げてくる、神経を羽箒で直接くすぐられているような掻痒感。動揺を抑え込もうとするほどに、それは染み出すように響子の心身を嬲りつける。


「うぷぷ!イーイ顔をしてるねぇ!ナイスナイス!ナイスですねぇ!

 本当はもうちょっとブラウスとかはだけさせたいんだけど、ボクはコンプライアンスに配慮が出来るクマだからね!」


 非実在とはいえ、超高校級の学生を剥くわけにはいかないなぁ!

 そんな意味不明な言葉を吐きながら、モノクマは存在しない筈のペニスを扱くように、胡坐をかいたまま股座の虚空を上下に扱くように手を蠢かす。


 悪辣な煽り――――けれどそれ以上に響子の表情に焦燥を浮かばせたのは、『これ以上衣服をはだけさせることはない』という事実上の宣言の方だ。

 汗ばんだ肌の上で疼く乳首や、ひくひくと蠢きながらジワリと愛液を滲ませてしまっている秘部。そこに絡むように纏わりつく布地は、もう響子にとっては責め具に等しい。


「ふ……っ、んぅ……!は、ぁ、ぁう……っ!く、んぅぅぅ……!」


 身じろぎの度に鎖が鳴り、敏感な場所が布地に僅かに擦られる。

 パブロフの犬のように、鎖が鳴る度に与えられて強まっていく性感。耳を塞ぐことも身じろぎを封じることも出来ず、響子はただひたすらに身悶え続けるしかない。


 擦り合わされた太股に、その中心から零れ落ちた淫らな滴がするりと這わされる。

 一滴が零れ落ちていったことを悟ってしまえば、それはもう止められるだけの手立てもなく、汗よりも粘つくような感覚を持って響子の感覚を蹂躙していくだけだ。


「はぁ、はぁ、はぁ……!エッチだぁ……!

 すごくエッチだよぉ、霧切さぁん……!はぁ、はぁ、はぁ――――うぷぷ!」


 どこか苗木誠の口調を真似るように、モノクマが虚空を扱く手の動きを速める。

 不快な動き、不快な言葉――――そこに心底から不快な声音を組み合わせられ、響子の表情が一瞬、明らかに冷静さを欠いて憤怒に染まった。


「この……っ!!く、んぅぅっ!ぁ、や……っ!!

 ふ、ぅぅぅ、んぐ……っ!く、ふぅぅ、う、ぅう~~~~っ!」


 だが冷静さを欠こうが憤激しようが、それこそ霧切響子にはあり得ない事だが矜持を捨てて泣き叫んで許しを乞おうが、既に結果そのものは定まってしまった。

 “超高校級の薬剤師”――――数代前に希望ヶ峰学園に在籍し、”とある事件”によって退学処分を受けた学生が開発した興奮剤を改造した気化型の媚薬。

 それは既にこの小部屋の中に充満しきり、霧切響子の細く華奢な体躯には余るほどの効果をもって、既に彼女の身体を浸し尽くしてしまっている。


 散布される媚薬には、副作用はないが解毒剤もない。

 媚薬が自然に排出されるまでの間、霧切響子は抵抗すら出来ぬままにその身を淫らな疼きに支配されて、屈辱と羞恥に焼かれる有様を記録されるしかない。


「っっ……!!く、ぁ、止め、なさい……っ!

 この、ガス……っ!媚薬、媚薬でしょう……っ!?これ、も、止めて……!」


 推理と呼ぶにはあまりにも単純な、事実から成る結論の推定。

 だが真実というのは、語られなければ本質的には理解できないものだ。その推理から成る結論が正しくとも、如何にも間違いのように断じられては響子にはそれを覆せない。


「…………えー?何それ?”ビヤク”なんてボク知らない!

 ねぇねぇ、それってどういうオクスリなの?説明してよ”探偵”の霧切サン!」


 真実を知っていながら、モノクマは不快な濁声で全てを捻じ曲げる。

 真実を本質的に走り得ない響子が、それを説明するという事がどれほどの羞恥と屈辱になるかを理解したうえで、それは目の前の少女探偵に”絶望”を与えようとする。


「っ……!!知らないわけが、ない、でしょう……っ!?

 こんなもの――――こんな、反応を起こす薬品なんて、それくらいしか……!」


「うぷぷぷ、だーかーらー、そんなオクスリ知らないってば!

 ……え?もしかして推理トチっちゃった?名探偵霧切家ともあろうものが?」


 コロシアイ学園生活という一大イベントを実行するにあたって、”超高校級の絶望”が脅威だと認識していたのは三人だ。

 武力における最高峰の大神さくら。技術力における最高峰の不二咲千尋。そして平凡でありながら周囲を照らす希望の種子でもある苗木誠。

 頭脳においては霧切や十神、セレスなんかも”驚異的”ではあったけれど、そうした”頭脳派”はむしろ対策が容易い部類であるため、”絶望”にとって”脅威”ではない。


「っ、く、ぅぅぅ…………っ!

 この……っ!なん、で……っ、ぁ、う、ふぐ……っっぁ、あぁぁっ!!」


 知識と理論を武器とする者は、相手の善性と絶対的なルールに依拠する事が出来なければ勝ち目を得られない。

 極論を言ってしまえば、どれだけ正しい理論を整然と並べたてたところで、ただ一撃の暴力を振りかざされれば知識と理論は一撃で消し飛ぶのだ。


 霧切、十神、セレスなんかが”強い”のは学究裁判の議場でのみ。

 こうして捕らえ、羞恥と屈辱の内側に閉じ込めてしまうだけで、霧切響子は朝日奈葵や山田一二三にも劣る”無能”にまで成り下がる。


「うぷぷぷ!ぷぷぷ!ぶひゃひゃひゃひゃひゃ!

 太ももの所、もうビチャビチャだねぇ?パンツ穿いてるのも辛いんじゃない?」


 羞恥と屈辱――――それらを怒りに転化した視線を受け流しながら、モノクマは悪辣に虚空を扱きつつ言葉でもって響子を煽る。

 擦り合わされた太股は、もう言い訳の仕様などない程に染み出した愛液で濡れ、汗などとはまるで違う粘り気を帯びた液体が打ちっぱなしの床を濡らしていく。


 どれだけ忌々しいと思っても、モノクマの言葉は図星を突いている。

 濡れそぼったショーツが秘部に貼りつく感覚も、身じろぎの度にブラジャーの裏地が敏感な乳首を掠める事も、もう辛くて仕方がない。


「っっ……!!黙り、なさ……っ、ふ、ぁぅっ!

 ぁ、あ、ぁ、く……っ!く――――っっ、ひ、ぁ、あ、んぅ、ぁあぁ……!」


 微かな身じろぎ、鎖の音、鼻腔を撫でる甘ったるい腐臭。

 自らの身体が示してしまうあらゆる反応が辛くて辛くて仕方がなくて、それでも耐えなければと霧切響子は自らを律そうとしてしまう。


「あぁぁ、そんなエッチな声を出されたら――――出る、出ちゃうよぉ……!」


 だが本能を直接揺さぶる性感は、たかが自律程度で抑えきれるものではない。

 『出る』という言葉と共に虚空を扱く手の動きが早まり、そこからの連想と知識が結び合わさって、響子の身体をいっそう屈服へと誘導していく。


 知識と連想を用いた、初歩的な思考の誘導術。

 だが初歩的だからこそ逃れ難いそれは、性感によって全身を浸された響子の思考を染め上げ、同時にその身体を最悪の屈服へと運んでいく。


「ふ、ぅ、ぁ……!だめ、だめ、だめ…………っ!!

 ぁ、く、ぅうぅぅぅ……っ!ぁ、だめ、だめぇ……っ!いや、いやぁ……っ!」


 ベルトコンベアに乗せられて、意思とは無関係に最果てへと送られる。

 一度たりとも体に触れられることもなく、ただただ身体の奥底からこみ上げる淫らな熱と、敏感な場所に擦れる布地の感覚だけが響子を女としての最果てへ送ってしまう。


 身じろぎ、身を強張らせ、鎖が鳴る音にすら身体が跳ねる。

 喉奥から甲高い音がこみあげて、身体の内側を淫らな電流が駆け抜けて――――そしてそのまま、一度大きく心臓が跳ねた。


「――――っっっ……!!!」


 そして続けざまに、響子の身体の奥底の堰が勢い良く弾け跳ぶ。

 衣服は乱されずに纏ったまま。一指たりともその身体には触れられず、ただただ拘束されたまま媚薬ガスを吸わされ続けただけ。


 だがそれでも、結果はどこまでも残酷だった。

 奥底からこみ上げる熱は響子の身体を大きく突き上げるように跳ねさせて、彼女はそのまま勢いよく、その無様な有様を見せつけるように果てる。


「っう、ぅ、ぁう……っっ!!ぁ、あ、ぁ、あ、ぁ、あぁぁあぁぁぁっ!!

 ダメ、や、止まっ――――とま、って……っ!ぁ、だめ、だめ、だめ、いや……っ!ぁ、あ、ぁぐ、く、ぅううぅううぅぅ――――~~~~っっ!!!!」


 短いスカートが翻り、クレバスの形を浮かばせた黒いショーツの布地から、零れ落ちるような勢いで淫らな液が噴出していく。

 表情に宿っていた羞恥と屈辱――――それらを全て淫蕩に塗り替えて、淫らにその身を痙攣させながら果てる有様は、哀れましくも異様な程に艶めかしい。


「うぷぷぷぷぷ!イっちゃったねぇ、派手派手に!

 “潮の呼吸”ってやつ?ぶひゃひゃひゃひゃひゃ!あーっひゃひゃひゃひゃひゃ!」


 あくまでも軽薄かつ愉快そうに、モノクマは絶頂に至った響子を嘲笑う。

 拘束を解こうともせず、カメラを止めようとすることもなく、”お仕置き”をまだまだ続けるように悪辣な”絶望”は少女探偵を絡め取っていく。


 一指とて――――本当に一指とて、モノクマが霧切響子に触れる事はなかった。

 それでも霧切響子という少女探偵は、媚薬によってブーストされていく性感によってその身を徹底的に蝕まれ、その目に宿る叡智の光が消えるまで徹底的に凌辱され続けた。


≪了≫



お読みいただきありがとうございました!


次回は2月3日に投稿予定。

内容はまだ未定ですが、『原神』より「夜蘭さんのレズレイプ」を構想してます。


それでは次回も楽しみにお待ちいただけると嬉しいです!


Comments

No comments found for this post.