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※拙作の独自設定があります。苦手な方はご注意ください。

※キャラクターの過去に関する捏造があります。苦手な方はご注意ください。



「この度は、誠に申し訳ございませんでした」


 璃月は玉京台。その中でもとりわけ巨大な豪商の屋敷。

 璃月港の中でも七星に次ぐほどの権勢を誇る老人の前に、一人の女が頭を下げていた。


 並ぶ絢爛な調度の中でもとりわけ目立つ薄水色の髪と、その頭に存在する半仙の証としての屈曲した角は、ただそれだけで女が何者であるかを示す。

 璃月七星に仕える秘書官の中でもとりわけ優秀で知られる女――――甘雨は、仕事という一線がありつつもしっかりとした声音で、男に謝意を伝えていた。


「…………どれだけ頭を下げられた所で、損害の大きさは変わらない」


「今回については、月海亭の責任が大きいものとの判断です。

 総務司よりの情報伝達の遅れに伴う損害は、璃月七星の名のもとに月海亭が全額を賠償いたします。つきましては此方の書類に――――」


 差し出した書類を老人は払いのけ、床に書類が勢いよく散らばる。

 月海亭の新人秘書官が情報の伝達を怠ったことで起こった商業的事故。半日前に起こったそれに月海亭総出で対応し、必死にまとめたそれがいとも容易く散らされる。


 感情任せの振る舞いを受け、しかし甘雨はそれも道理だろうと屈みこんで書類を拾ってまとめ、再びそれを渡せる機を待とうとした。

 だが甘雨が書類をかき集めている中、老人はあえて散らばった書類の数枚を踏みつけにしつつ、屈みこんだ甘雨を見下ろして言い放つ。


「スメール教令院とようやく結んだ販路を秘書如きが保てると?

 笑わせるな。貴様等にとってはどうでもいいことかもしれんが、私にとってこれは一大事業の先駆けとなるべき第一歩だったのだ……!」


 秘書に出来るのは精々がサポートまでで、商売に益を成すことはできない。

 商業と交易で発展を遂げてきた璃月港の民として、その認識は確かに間違っていないもので、だからこそ甘雨はどうしようもなく謝罪を続けるしかなかった。


「……最大限の便宜は取り計らうと、月海亭の筆頭秘書官としてお約束いたします。

 スメール教令院との関係についても必ず、この事故についての責任は全て我々が――」


 だが、あくまでも下手に出続けてしまった事が、甘雨の失敗だった。

 妥当な落としどころを探るのではなく、老人の発した感情論に乗る形で自分を下げ続けてしまった失敗を、甘雨は自身を見下ろす男の目から悟る。


「…………ならば、早速その”責任”を取ってもらおうか」


 見下ろす目は老いとは無関係に細まり、好色に甘雨を見下ろしていた。

 そこでようやく自分の過ちを悟っても、ここまで自らの非ばかりを認めてしまった状況では、ここからすべてを覆すのは不可能だ。


 目を伏せて考え込み、それでも「はい」と答えるしかない甘雨。

 “商人”らしい交渉の手練手管—―――あらゆる状況の中で、最適に利益を貪るための交渉の手腕に翻弄されて、甘雨は自分から凄まじい艱難の中に踏み入ってしまっていた。



「ふ、ぅあ、ぁ、うぅぅううぅぐぅううぅぅぅ…………っっ!!」


 豪商の屋敷の地下――――その暗部とも呼ぶべき地下牢。

 商売敵への秘密裏の拷問や無能な部下の折檻に使われる、明らかに非合法なその場所に、甘雨のひどく官能的な呻き声が響き、拘束用の鎖がじゃらじゃらと音を立てる。


 それなりの広さのある牢の中には、甘雨の姿しかない。

 老人は鉄格子の向こうに椅子を置き、璃月の住民であれば誰もが見慣れた衣装をまとったままで性感に悶える甘雨を、表情を下劣に歪めながら眺めていた。


「は、ぁ……っ!はぁ、はぁ……っっぐ、ぅう~~~~ッッ!!!」


 鎖の音と共に甘雨の身体がビクビクと跳ね、深いスリットの入ったどこか扇情的な装束の股間部から、ピチャピチャと音を立てて愛液の奔流が石床に落ちる。

 目を剥き、口を半開きにしたその顔は明らかな絶頂に蕩けていて、同時にその耳元には誰が見ても違和感を覚えるだろう、璃月では見慣れない機械が嵌められていた。


「ふ、ぁ、ひぎ……っぃ、いいぃ……っ!!

 こ、これ……っ!これ、なんです、か……っ!?は、ぁ、んぁぅうぅぅっ!!」


「アーカーシャ端末—―――スメールで使われる小型の情報端末だそうだ。

 本来ならば教令院とはこれを主品目としてやり取りする予定でな。貴様の無能な部下がしでかさなければ、璃月にこれを普及させるのも簡単だったろうに」


 厳密には老人に流されたのは”廃棄品”となった粗悪なプロトタイプであり、神の目を持つ者にしか作用しない欠陥品なのだが、老人はその事実を知らない。

 そして同時に、その”被検体”が神の目に選ばれた甘雨であった事こそが老人の勘違いを助長し、同時に甘雨の身を徹底的に苛んでしまう。


「は、ぁ゛……っ!!ぅ、く、んんんぅぅぅっ!!

 ふ、ぁ、いぎ……っひ、ぃいいぃっ!ぁ、あ、ぁ、あぁあぁぁっ!!」


 耳元のアーカーシャ端末—―――それに繋がった缶詰知識こそが、甘雨の身体を触れられもしないままに絶頂させ続けている元凶だ。


 スメール教令院の暗部で秘匿されてきた、教令院の統治に害為すとされた”女”に対して施されてきた数多の性拷問の記憶――――その集合体。

 常人であれば脳が焼き切れるほどの性感の奔流を受けて、甘雨は鎖につながれた身体をただひたすらにビクビクと跳ねさせながら絶頂を繰り返す。


(これ、マズい……っ!はやく、はやく何とかしないと……!

 取り返しが、つかない、事に…………――――――――――――――ッッッ!!!)


「ひ、ぃいぃいいぃうぁあぁッッ!!!は、ぁぐっ!

 あ゛っ!あ゛ぁあぁぁ――――っっ!!?う、ひぎ、ぐ、が、ぁあ゛――――ッッ!!」


 長い年月を生きてきた以上、そうした経験は幾度かはある。

 愛ある行為の温かさも、愛のない行為に伴う絶望感も甘雨は理解しているし、身体こそ未だ少女と呼べるような段階でも経験値は積み上げられている。


 だが”経験値がある”事――――下手に性感を知っている事こそが最悪だった。

 刻晴や胡桃のようなまだ年若い少女であれば、それこそ脳に直接流し込まれる性感によって精神を壊し、少なくとも苦しみからは逃れられたかもしれない。


 だが現状の甘雨は、性感を意識したうえで”耐える”事が出来てしまう。

 強制的に秘部を掻き回される刺激も、乳首を千切れそうなほどに引っ張られながら扱かれる感覚も、何度も何度も潮を噴かされる時の脱力感も。

 悠久の時の中で、それでも璃月港というヒトの営みから離れなかったからこそのヒトの悪意を、甘雨は知っているが故に真正面から受け止めてしまっていた。


「これ……っ!こ、れぇっ!は、ぁうっ!んぅうぅぅぐぅぅ――――っ!!

 は、ぁ、かはっ!も、や、やだっ!ぁ、やめてくださ――――ぁあぁ止めてぇぇっ!!」


 装束の内側で、ひくひくと膣口が蠢きながら愛液を垂れ流す。

 凹凸に富んだボディラインを浮かばせるピッタリとしたその下で、乳首やクリトリスが耐えがたい性感を叫び続けてしまう。


 濡れそぼった薄布が秘部を浮かばせるように貼りつき、僅かな身じろぎすらもが刺激となって甘雨の身体を苛んでいく。

 身体が奥底から耐えがたい熱を帯び、何度も何度も断続的に潮を噴き続けているのに、責めは無情なほどに連鎖し続けて終わりすら何処にも見えなかった。


「わざわざそうまで暴れずとも、所詮は使い切りの道具だ。

 溜め込まれた知識もいずれは尽きて終わる事になるだろうし、そもそも『責任を取る』といったのは貴様の方なのだぞ?」


「んぁっ、ぇ、ひぐっ!ぃぃぃいいッッ!!

 こ、こん、なッ!こんな、の、責任じゃ、ありませんっっ!!ぁ、あ、ぁ、や、いやっ!ぁ、あああだめだめだめだめまた深いのくるぅううぅっ!!」


 老人の表情は下劣に歪んではいるが、それでも老人が求めているのはあくまでも”検証”であり、自分の興奮などは二の次だ。

 それこそ自分の興奮――――年甲斐もなく久々にそそり立った性欲の処理は、この検証を終えた後に目の前の女で済ませればそれでいい。


 “缶詰知識”というスメール特有の技術――――それがどこまで使える技術であるのかを検証し、その上でどれだけの金額で流通させるのが適切であるのか。

 商売人として物品を流通させるためには、まずはそれを知り尽くしていなければならないし、現状だとそれは少しばかり情報が足りていない。


「随分と簡単に絶頂するようだが、貴様は処女ではないのかな?」


 だから老人は、あくまでも検証の一環として甘雨に下種な問いかけを向けた。


 甘雨が半仙である事を知る者は、璃月港にはあまり多くない。

 彼女自身がそれを徒に広める事を避けているのもあり、璃月港の大多数の者から、甘雨は”若くして月海亭の筆頭秘書官を務める才媛”と認識されている。


「くひ、ぃ、んぅぅあぁぁっ!なん、で、そんな事……っ!!

 なんで、そんな事、教えなきゃ――――っっ、ひ、ぁ、ぁ、あぁぁっく、んぅぅぅっ!!」


 長い年月を生きてきた甘雨は、当然経験として処女ではない。

 確かに処女ではないが、それを教える理由が甘雨にはわからない。大切な思い出も忘れたい記憶も、それを今ここで明かす必要性がまるで理解できない。


「必要性を貴様が考えるのか?たかが秘書風情が思い上がるな。

 そのような淫乱な身体で処女という事もあるまいが、巷で”清楚可憐”と噂の甘雨秘書官だ。もしも処女であれば、その身体で賠償をしてもらってもいい」


 処女であるならば商売相手との交渉の道具にすればいいし、処女でないのならばこのまま次の”缶詰知識”の実験に気兼ねなく使えるというもの。

 元より璃月の表側ではなく裏側――――娼館街や宝盗団まがいの連中相手に流すために仕入れた品である以上、実験台の処理も裏に流せば事足りる。


「は、ぁ……っ!ぅ、んぅぅぅあぁぁあぁっ!!

 お断り、します……っ!そんな、事……は、賠償には……っ!!ぁ、あぁぁ、関係ないっ、でしょうっ!?っっふ、んぐっ!ぅ、ぃぁあぁぁっ!!」


「そうか。ならばまた別の女に実験の協力を要請するまでだ。

 “玉衡”辺りに責任を取らせても良し。雲翰社への支援を見返りに座長の小娘を使うのも良かろう。ああ、それとも――――――」


 老人は甘雨を嬲るために、この一件にはまるで無関係な者たちへの危害をちらつかせる。

 刻晴、雲菫、煙緋、胡桃、申鶴、香菱—―――男の言っている言葉は明らかに甘雨を釣るための下劣な策謀を宿した言葉だ。

 けれどもしも甘雨が拒否をし続ければ、男が躊躇なく彼女たちに牙を剥くことも、甘雨はここまでの責めの中で理解してしまっている。


「ふぁっ!ぁ、ぁ、ぁ、だめ、だめですっ!!

 言う、言いますっ!言います、から゛っぁあぁっ!!だから、他の、方々には……っ!」


 身に張り付く装束の内側で、性感の熱が秒読みで炸裂し続ける。

 下着はぐっしょりと濡れそぼり、乳首やクリトリスが装束から僅かに浮かび上がってしまうほどに屹立して、耐えがたい羞恥と狂いそうな淫蕩を叫ぶ。


 だがそれでも、甘雨は他者を優先してしまう。

 『璃月港に生きる民たちを守る』という岩王帝君との契約を守るため、甘雨は帝君すら望まない形で、自らの身を躊躇いなく差し出してしまう。


「ならば早く言う事だ。まだ言葉を発していられるうちにな」


「は、い……っ!!さ、最初は……は、ぁうっ!ん、くぅぅぅっ!!」


 自らの性体験を、凄まじい性感の奔流の中で思い出しながら語る。

 それは傍から見れば何てこともない行い――――ただ性拷問の中で口を割っているだけのように見えて、けれど甘雨にとっての内実は異なる。


「さい、しょは……っ、ひ、ぃいッ!ぁ、や、や、ぁ、あ゛ぁ……っ!!

 ふ、んく、や、や、や、ぁうっ!?ぁ、あぁぁっ!あ、あぁぁ――~~~~ッ!!」


 甘雨の最初の性体験は、初めて璃月港を訪れた時の事だ。

 知識としてしかヒトの営みを知らず、だからこそ彼女は浮浪者の集団に騙されてそのねぐらに連れ込まれ、数日の間壮絶な輪姦に晒された。


 何もわからず、助けを呼んでも意味はなく、ただひたすらに欲のはけ口にされた数日。

 異常を感知してすんでのところで駆け付けた降魔大聖に救出されなければ、あるいは甘雨という女はどうしようもなく心身共に打ち壊されていたかもしれない。


「は、ぁ、んぐ、ぅ、浮浪者に、輪姦、されて………っ!!

 ぁ、あ、ぁ、胸も、アソコも……っ!指や舌で――――ひ、ぃうッ!!掻き回されてぇッ!」


 残酷な偶然だが、今の甘雨を苛む圧倒的な性感の奔流—―――数人分の”性拷問の感覚”を濃縮したその感覚は、その時の感覚に酷似してしまっている。

 語らねばと意識すればするほどに、全身を覆う性感の熱が異様なほどに高められるような感覚があって、言葉を紡ぐよりも先に絶頂が声音を揺らがせてしまう。


「は、ぁ、うぅぅぅ~~~~ッッ!!んく、ぁ、ぁ、ぁ、や、やぁぁぁあっ!!

 ぁ、だめっ!ぁ、出て、出ちゃ――――っっひ、ぎぃぅううぅぁああああ~~~~っっ!!」


 触れられてもいない筈の膣肉がきゅうきゅうと収縮して、何もない虚空を強く締めつけながら勢いよく潮と愛液を噴出させる。

 縛めの鎖が虚しく鳴いて、石の床に落ちる飛沫がぱしゃぱしゃと音を立てて、音はいつまでも止まらぬまま聴覚から甘雨を犯してしまう。


 絶頂に絶頂が重なる、性感帯の全てを同時に嬲られる徹底的な責め。

 甘雨の頭の中には耳元のアーカーシャ端末を介して、”媚薬に濡れた乳首を根元から扱かれる感覚”と”包皮から剥かれたクリトリスを扱き上げられる感覚”と”Gスポットを徹底的に指の腹で掻き回される感覚”が流し込まれ続けている。


 そのどれもが拷問のために最適化された、女の身体を責め立てるための動き。

 その感覚を脳に一挙に流し込まれ続けて、その状態で浮浪者たちに輪姦された壮絶な記憶を思い出すのは、それこそ拷問と呼ぶにも悪辣すぎた。


「ひぎっ!!ぁ、あ、ぁ、ぁう……っ!そ、して……ッ!!

 は、ぁ、代わるっ、代わるに、挿入を、され、てぇっっあ゛っ、ぁ、かはっっ!」


 色褪せぬほどに刻み付けられた、悪夢と呼ぶにも鮮明な数日間。

 純潔を破られ、何度も何度も欲望任せに膣奥を穿たれ、その間にも今より小さかった胸を揉まれ、乳首やクリトリスを刺激され続けた。


 絶頂しては潮を噴き、その有様を嘲笑われ、そしてまた絶頂させられる。

 女として生まれたことを呪いそうになるような責め――――百年余り璃月港に近づけないほどになった徹底的な責めの追体験が、現状の甘雨を揺らがせてしまっている。


「んぁ、ぁ、待っ、てっ!!くださ――――ぁ、あぁあぁぁっっ!!!

 これ、も、むり、せめ、せめて、止めてっ!ぁ、あ、ぁ、も、もぉ、熱いっ!!クリトリスも、乳首も、あつくて……っ!ぁ、あ、ぁあぁうぅううぅぐぅぅ――――ッッ!!」


 必死になって求められた言葉を――――陵辱の記憶を言葉にしようとしても、性感に脳を焼き切られるような現状では意識を保ち続けることすら困難だ。

 沸騰するように頭が熱く、甘雨は自分が鼻血を流している事も気付けないままに、必死に口をパクパクと蠢かしながら鎖を鳴らして身をのけ反らせる。


 全身が燃える。連鎖する性感が炸裂し続けて止まらない。

 膣口が叫ぶようにひくひくと蠢き、その感覚までもが絶頂を呼び起こして、同時に屹立しきった乳首とクリトリスが布地に擦れる感覚でも絶頂してしまう。


 何も語れない。思い出される記憶だけが頭の中をぐるぐると回る。

 老人はそんな甘雨の惨状と痴態を、興奮と冷徹を混ぜ合わせた商人としての態度で椅子に腰かけたまま眺め続けて、


「ふむ…………時間的にはそろそろか」


 と、独り言の調子で冷酷に呟いた。

 そしてそんな言葉から一瞬も置かず、明らかな”変化”が甘雨の身体を襲う。


「へ、ぁ、ぁ、え――――い、ぎぃいッ!?

 は、ぁ、ぇ、や、や、や、ぁ、はいって……っ!?ぇ、ぁ、な、なんでっ!?ぁ、あぁぁぁはいって、はいってますっっ!!ぁ、あああいやぁあぁっっ!!!」


 触れられてはおらず、当然ペニスを挿入されているわけもない。

 けれど間違いなく”挿入されている感覚”――――甘雨の腕ほど太く、膣奥どころか子宮口を深く抉ってもまだ余るほど長く、熱を帯びて張り詰めるほど硬いペニスが膣内に埋められた感覚が、唐突に甘雨の内側を痺れさせた。


 何にも抉られていない筈の膣肉がビクビクと蠢動し、虚空を締め付けるように蠢いては、内側から滝のように愛液と潮を零れ落ちさせる。

 存在しないペニスを締め付けるように膣壁がきつく収縮し、けれどありもしないそれを咥えこんでいる実感が、甘雨に凄まじい屈辱感を湧き起こらせた。


「”性拷問”の記憶に、挿入の記憶があるのは当然の事であろう?

 とはいえ、そのためにわざわざ前戯と挿入までの時間を計り、記録するためにそれを一致させるなど……まったく学者共のこだわりは分からんものだ」


 老人は鼻を鳴らしたが、しかしその言葉はもう甘雨にはほとんど届いていない。

 散々に感覚だけで性感帯を嬲られ続け、そこにいきなり与えられた数人分の”挿入”の感覚。


 そして当然、性行為は”挿入”だけで終わるものではない。

 精液を吐き出すためにペニスに刺激を与え、興奮を限界まで高める行為――――ピストン運動と呼ばれる行為の”感覚”が、怒涛のように甘雨の脳へと元素を通じて流れ込む。


「あ、あ、あ、あぁあああぁぁぁっっっ!!?

 ぇ、ぁ、な、なん゛ッ!?ぁ、はぁ、ぅうっ!ぁ、あぁんっ!あ、あ゛――――ッッ!!」


 膣奥を強く深く穿たれながら、小刻みに何度も何度も膣壁を擦られる。

 同時に乳首を捻られクリトリスを扱き上げられ、膣口を指で掻きまわされながらGスポットを指の腹でノックするように嬲られ続ける。


 真っ当に”犯されている”状況であれば絶対にありえない、文字通りに”全ての性感帯を同時に嬲られる”という極限の責め。

 人体の限界を超越した、”感覚”しか存在しないからこそ与える事が出来るその責め方は、甘雨の身体と心を性感の渦に呑み込んでひどく惨めに揺さぶり続ける。


「お゛っ!!ぁ、あ゛うっ!ぁ、あ、ぁ、あぁぁいやっ!いやぁぁぁっ!!」


 受難に耐えるように窄まった秘部からは、勢いよく潮と愛液の飛沫が噴き出し続け、そのまま断続的に尿の飛沫も連続していく。

 衣服は纏ったまま、局部は一切晒される事もなく、けれど間違いなく甘雨は男たちの欲望によってその身と心を蹂躙され、限界を超えた恥辱に浸され尽くしてしまう。


「ぅ、うぅぅ~~~~っっ!!は、ぁあぁっ!もぉ、むり、むり、です……っ!!

 ぁ、あ、ぁ、あぁぁっ!これ、取って……っ!取ってくださいっ!これ、も、もぉ、むり、むり、ぁあぁあぁぁぁむりなんですってばぁあっ!!」


 無様も惨めも、顧みていられるだけの余裕は既にない。

 甘雨の全身を襲う欲望の再演は、それこそ変態的な行為――――浮浪者たちが及んだ以上の行為にまで及び、甘雨に道と既知の性感を絶え間なく流し込む。


 膣奥を突かれ、膣壁を擦られ、Gスポットを掻き混ぜられ、膣口をくすぐられる。

 乳首を抓られながら扱かれつつ舐めあげられ、乳房を絞りながら揉みしだかれつつ、谷間にペニスを挟んで扱かされ、同時に乳輪をさわさわと擽られる。

 クリトリスを扱かれつつ唇で挟んで舐め潰され、同時に羽箒で撫でられつつ包皮から強制的に剥かれて針を刺されて電流を流し込まれる。

 脇を舐められ鼠径部をくすぐられ首筋を指で撫で上げられて喉奥をペニスで深々と抉られながら髪の毛もペニスを扱く道具として使われ鼻頭に亀頭を押し付けられ脇にペニスを挟まれ手に握らされて扱かされ太ももと足裏に先走りを擦り付けられ尻を撫でられ肛門を犯され尿道に細い道具を差し込まれ子宮口や乳首の内側に細い管のようなもので媚薬を流し込まれて何度も何度も絶頂してそれでも止めてもらえぬまま絶頂し続けて絶頂し続けて絶頂させられ続けて――――――


「ふ、ぅうぅぅあああぁあぁっっっあアぁ゛――――~~~~~っ!

 も、もぉ、むり゛っっ!!ぁ、が、ふぐ、ぅう゛ぅぅ~~~~~~~ッッ!!!!」


 そしてとうとう、甘雨は理性すらかなぐり捨てて性感に絶叫した。

 冷静で穏やかな秘書官の顔も、神秘的で清廉な半仙の顔もかなぐり捨てて、彼女は性感に悶え苦しむ獣として、ひたすらに絶叫して悶え苦しむ。


 性感の終わりを。早く。早く終わりを。

 終わりを。終わりを。終わりをと、彼女はただ求め続けて、求め続けて――――


「――――ぁ、あぁぁぁね、ねぇっ!!きい゛て゛っっ!!きいてくださいっっ!!

 も、もぉ、むり、むりなん゛ですっっ!!とめ、とめ゛てっっ!!これ、こ、これっっ!あ゛っ!も、むり、やだっ!やだぁああぁぁっっ!!!!」


「そうか、だが済まんが止める方法はない」


 けれど、情に縋ったその言葉は残酷な”システムの壁”に阻まれてしまう。


「それは試供用の粗悪品でな。一度走り出せば止める方法はない。

 内側に存在する知識も一度限りの使い切り――――効果そのものは十分なようだが」


 残酷な言葉。立っている事もできなくなりそうな絶望。

 けれど床にへたり込みたくとも、拘束のための縛鎖は甘雨の身体を内股で立たせたまま、牢の中で淫らに狂う状態に留めてしまう。


「ぇ、ぁ、あ、ぁあぁっ!?じょうだ、冗談、冗談、ですよねっ!?

 ぁ、あ、ぁ、これ、え、終わらな、終わらないんですかっ!?ぇ、ぇあっ!ぁ、んんぅぅぐっ!ぇ、うぅぅぇぁっ!?ぁ、なん、でぇっ!?」


 理解できないし理解したくもない。

 流れ込んでくる知識は未だ留まる気配もなく――――事実、様々な性拷問の記録を濃縮したそれは、時間にしてあと三日は甘雨の中にその知識を流し込み続ける。


「あっっあああ゛あ゛―――――――――――ッッ!!!

 らぇ、ぁ゛っ!がぅ、ぃ、ぎぅっっっうぅううぅあぁぁイく、っっああ――――ッッ!!」


 全身を襲う実態なき責め苦は、文字通りに”終わらない”。

 この日—―――甘雨という優秀な秘書官が月海亭から行方をくらました日から数か月後、璃月の裏社会に”ある悪辣なモノ”が持ち込まれる事になる。


 強い依存性を持つ、脳に直接快楽を書き込む”缶詰知識”の粗悪品。

 段々と璃月港の表までを侵食していくそれによって、岩神の築いた都が根元から腐り落ちていくのは、また別の話であった。


≪了≫



お読みいただきありがとうございました!


次回は10月15日に更新予定。

『FE』より「ワユちゃんがイズカの実験体として、なりそこないに犯されながら視姦&言葉責めをされる話」です。


よろしければ次回も楽しみにお待ちくださいませ!

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