Home Artists Posts Import Register

Content

※最新話までのネタバレを含みます。未読の方はご注意いただければ幸いです。



 お世話になってます。ミズウミです。


 本日8月3日で、拙作『クリプターBチーム』は開始より丸2年を迎えることが出来ました。

 正直なところ、途中で飽きて放りだすか誰にも読まれずにフェードアウトしていくかが関の山だと思っていたので、ここまで続けられたのは嬉しい限りです。

 これも読んでくださっている読者の方々のおかげです。本当にありがとうございます。


 それでは今回も、裏設定や今後のシナリオの展望なんかを語っていきたいと思います。

 読まなくても作品自体に支障はない部分ですが、考察や推察の材料や、作品世界を広げる手助けにしていただければ幸いです。


 それではまずは、ネタバレ含む形での北欧編から語らせていただければと思います。



≪第2章:『無間氷焔戦記 ゲッテルデメルング ~暁を断つ氷牙狼爪~』≫


イメージOP:『レイメイ / 酸欠少女さユり×MY FIRST STORY』

イメージED:『Ref:rain / Aimer』



〇章全体のテーマ


 1周年の際に明かした「悪ではない敵との戦い」が根底テーマです。

 それと同時に、綺麗な意味での「恋と愛の話」というのもテーマの一つだったと思います。


 FGO本編では、世界全てを”愛”していたスカディと、世界全てを敵に回しても(無自覚な)”恋”に殉じたオフェリアが北欧編のテーマの一つだったとミズウミは考えています。

 そこに「恋に殉じた愛の人」という意味での佐倉をプラスしたのが、拙作における北欧編の話でした。


 世界観としての残酷さはロシアなんかには及ばない世界でしたが、それでもその分だけ人間的な苦しみや心情の動きを書けた気はしています。


 キャラクターとしてかなり極端な精神構造のキャラが多かったのも、個人的にはダイナミックに心情を動かせて楽しい部分でした。

 「オルトリンデ→ナポレオン→佐倉」のスルトに対する抵抗のシーンなんかは、個人的にはこの章の中で一番テーマにそぐうものだったかと。


 とはいえ、スルトやフェンリル周りのような手放しに描き切れたとは言えない部分も多かったため、個人的には反省点も多い章です。

 この北欧編の展開は後々にも影響してくるので、その辺りで上手い事挽回していきたいところ。



〇佐倉秋葉


 受動的かつ内向的な”いい子”が、自分のエゴを自覚して成長する。

 佐倉秋葉というキャラクターを作った時点で、彼女がそういう道筋を辿るという事は実は最初から決めていました。


 ロシア編におけるBチームと藤丸の対比軸が「目的意識と責任感」だったとすれば、今回の藤丸と佐倉の対比軸は「善良である事」だったと思っています。

 とはいえ、善良である分だけ立場的な対立軸は根深め。おそらく読者の皆さんの大多数は「仲間になってくれるのでは?」と推察してたと思うんですが、そこを納得していただいた上で外せていれば嬉しいです。


 あとはオフェリアとは意図的に”被って見える部分”を作って、それを物語の進行に合わせて徐々に別々の方向にシフトさせていく試みもしました。

 そういう意味で言えば、佐倉秋葉というキャラクターは、”周囲からの要請に合わせて進化していったキャラ”なのかもしれません。


 彼女の結末については、最初から決めていたとはいえ賛否両論があるかと思います。

 とはいえ、個人的にあの結末は動かしがたいものでしたし、現状だと無駄死にでも、彼女の死が影響を与えるシナリオもまだ残しているつもりです。


 FGO本編でカドックにアナスタシアが遺していた加護のように、彼女が村正に頼んだ”最期の仕事”が果たしてどのような結果を生むのか。

 構想は出来上がっていますので、その先を楽しみにお待ちいただければ嬉しいです。

 


〇フェンリル


 たぶん☆5アヴェンジャー。期間限定実装だと思います。


 言うことを聞かないスルト系かと思ったら、実はかなりの忠義者だった。

 皆さんの目にそんな風に映ってくれれば、フェンリルを書いた甲斐があったと思います。


 個人的にはシグルドと並ぶ、北欧編随一の人間力を持つキャラクター。

 神特有のスケール感と厳しさ、後は異常な量の魔力消費にさえ耐えられれば、たぶんクリプター内屈指の当たりサーヴァントです。


 能力的にはスルトが”力と炎”のイメージだったので、フェンリルは”速さと氷”のイメージ。

 作中ではスルトとフェンリルが拮抗している感じでしたが、ミズウミ的には「スルト>フェンリル」という戦闘力のイメージで書いてました。

 作中でフェンリルが押せていたのは、オルトリンデやナポレオンの援護が効いていたのと、スルトがフェンリル相手に精神的に崩れたからです。


 ”愛”や”恋”を描く形になった北欧編において、たぶん唯一”忠義”として未熟な主に仕えた者として、ミズウミ的にもちょっと気に入ってるキャラクターでもあります。

 それでも一応テーマの中に彼を当てはめるなら、彼はスカディと同じく北欧世界に生きる人間を愛していた、優しい終末装置だったのだと思っていただければ。



〇副題について


 「”世紀”→”戦記”」への変更。

 これは単純に、拙作北欧編自体が「スルトとフェンリルの因縁の対決」をメインの一つに据えている事に由来しています。


 スルトとフェンリルの永い戦いの終焉もまた、拙作における重要なファクターです。

 なので「恋と愛の話」や「悪ではない敵との戦い」とは別の枠として、副題部分はあくまでも”神々の息づく戦場”の部分をなるべく大きめにクローズアップする形にしました。


 スルトとフェンリルの関係性はちょっと特殊で、「宿敵であると同時に最大の理解者」というイメージで書いてましたが、伝わったかどうかはイマイチ自信なし。

 イメージ的には『四畳半神話大系』の”私”と小津、あるいは『魔神探偵脳噛ネウロ』のネウロと6のような関係性をイメージしてたんですが、はてさて。


 『暁を断つ氷牙狼爪』は、表向きはスルトVSフェンリル。

 あとは”暁”の部分を”温かい場所”の意味に掛けて、「今まで温かい場所にいた佐倉が、フェンリルという力を得て戦いを決意する=温かい場所を切り捨てる」という意味も込めていたと思います。


 とはいえ、ここは割合すんなり決まった部分なのでうろ覚えです。

 他にも何か意味があったりしたかもしれないですが、ひとまずはこの辺りで。




それでは続いて、1周年の段階ではほとんど語れなかった6章以降の情報です。



≪6章『混成円卓領域 アヴァロン・ル・フェ ≪大嘘吐き物語≫』≫

≪6章崩壊編『混成円卓領域 アヴァロン・ル・フェ ≪戴冠せし悪華≫』≫


前編OP:『Hello,world!』BUMP OF CHICKEN

前編ED:『誓い』Do As Infinity

後編OP:『asphyxia』Cö shu Nie

後編ED:『雲外憧憬』FantasticYouth

崩壊編OP:『誰ガ為ノ世界』志方あきこ

崩壊編ED:『MASK』Aqua Timez



〇章全体のテーマ


 本編での展開と同様、「VSクリプター」は5章で一段落。5.5でやり残しを一つ。

 本章からは今までは”クリプター”として描かれてきたキャラクターも、それぞれの思惑によって動き出すことが増えてくる章の予定です。


 現状だとシナリオの外骨格部分しか出来上がってないので、テーマと呼べるほどのものではないですが、たぶん「成長」「願い」「変化」辺りがシナリオ骨子になると思います。

 とはいえ原作シナリオの出来が抜群に素晴らしい章なので、なるべくシナリオの骨子は変えずに、所々でミズウミらしさを足して行ければいいなと思ってます。



〇ヴァルナー・シルヴァ


 デザインコンセプトは「黒猫」「鴉」「鼠」辺り。

 飄々とした害獣というか、どことなく不吉でホラーチックな印象の女性です。型月的な意味ではないですが「魔女」とかもコンセプトに近いかも。


 実は彼女については、明らかにする情報を現状だとかなり絞ってます。

 要するに、彼女のパーソナリティとか能力とか過去とかは、そこそこ6章のシナリオの中で意味を持つ予定です。


 ただ、あえて言うなら”善人”ではないです。

 間違いなく悪人であり、だからこそ彼女があの妖精國でどう生きるのか。おそらく数年は先の話になりますが、楽しみにお待ちいただければ。



〇■■■■■■■■■■(ヴァルナーのサーヴァント)


 最初は円卓の騎士であるローエングリンを想定して、「悪党女と正義の騎士」っていうコンビを作ろうと思ったんですが、やめました。

 6章のシナリオを読んだときに、パーシヴァルが想像以上にヒロイックだったのと、シナリオ中での円卓の騎士たちの活躍を見た時に、敵側に円卓勢がいない方がいいだろうと判断したためです。


 とはいえオベロンというジョーカーがシナリオ中にいてくれたので、代役候補というかサーヴァントの候補はすぐに決まりました。

 文脈から察していただけるように、たぶん相当なジョーカーです。クラス的にはまだ未定ですが、たぶんルーラーじゃないかなと思ってます。



〇副題について


 「妖精→混成」への変更。6章の副題はすごく悩みました。

 変更部分についてはBチームを加えたことで、「汎人類史VS妖精國」という原作の軸となった対立構造だけではたぶん話を描き切れないだろうという判断からです。


 前後編の副題の『大嘘吐き物語』は、まぁそのまま受け取ってもらえればと思います。

 シナリオの大筋は原作6章に沿う形になりますが、「まぁ拙作を読んでて原作をプレイしてない人はいないでしょ」という事で、ちょっと視点を動かしたいなと。


 そして崩壊編の副題である『戴冠せし悪華』は、逆に文字通りに受け取っていただいた上で「どうしてそうなった」と思っていただければ嬉しいです。

 “戴冠”も”悪華”も、6章の中ではそこそこ理解しやすいフレーズだと思いますが、一方で原作中では結びつかなかったフレーズです。


 そこを上手く結びつけられるラストの展開を書ければと思ってます。

 おそらく数年越しになると思いますが、楽しみにお待ちいただければ嬉しいです!




≪幕間章『偽霊長生存圏 ツングースカ・サンクチュアリ ≪虚無縹渺の箱庭≫』≫


OP:『GET YOUR WORLD』touch my secret

ED:『悪魔の子』ヒグチアイ



〇章全体のテーマ


 「踏み出し」「旅立ち」「決別」「決意」辺りが骨子になると思います。

 実際、書きたい部分はそれなりに定まっていて、そういう意味では『クリプターBチーム』にとっては岐路の一つになる章かもしれません。


 書きたい部分はかなり定まってますが、それに必要な割り振りがまだミズウミの中では甘いので、細かく詰めていかなければならない段階。

 とはいえ幕間章なので、半年くらいでさくっと終わらせられればいいなーと思ってます(フラグ)。



〇副題について


 「非→偽」への変更。これもかなり悩みました。

 文字面として”非ず”という完全否定から、”偽”という真実性の否定へと少し表現が薄まっている理由は、実際すぐにわかるだろうと思ってます。

 ミズウミが『クリプターBチーム』の中でこのツングースカをシナリオの中に組みこんだ理由なんかを考察していただければ、理由は間違いなくそれです。


 副題の『虚無縹渺(きょむひょうびょう)』は、「何もなく、どこまでも広がっている風景」を表す四字熟語。

 これについては原作にはない要素に類する部分なので、ここからの拙作の展開からゆっくりと予想していっていただければ。




≪6.5章『懐想顕現界域 トラオム ≪価値なき幻想の価値≫』≫



〇章全体のテーマ


 「再出発」「立ち上がる事」「過去と未来」辺りが主題になると思います。

 オリジナル要素を加えるのが難しかったので、最初は欠番にしようと思ってたんですが、ふと思いついた展開が手前味噌ながらかなり熱かったので、現在原案を製作中です。


 とりあえずこの辺りからが『クリプターBチーム』の集大成と考えています。

 ここに来るまでに多くのキャラが犠牲になる――――現状のBチームでも王と佐倉が犠牲になってるわけですが、その上で藤丸たちがどう生きるのか。

 そしてそれだけではない積み重ねも、この辺りからきっちり描いていければと。何年後になるかはわからないですが。



〇副題について


 「死想→懐想」へと変更。

 とはいえ、話のクリティカル部分に触れるので現状だとあまり言えないかなーと。


 副題も同様ですが、この部分はホームズにも掛かってくる予定です。

 ホームズ自体書くのが難しいキャラなのであれですが、ミズウミなりにこの章でホームズを掘り下げられればとは思ってます。




 それでは続いて、Bチーム各キャラの名前の由来なんかを、語れる範囲内ではありますが、多少なりと解説させていただきます。



〇アサキ・アイビス


 ”硬い印象”と、”優雅だけど長過ぎない字面”を大事にして名付けました。

 Bチームのリーダーなのでキリシュタリアとの対応部分も作りたかったのですが、その辺りは”優雅な印象”というふわっとした部分になってしまった感じです。


 とはいえ、響きの部分は個人的には結構気に入ってます。

 名前の割とシンプルな感じも、これから書くことになるだろうアサキの心情やパーソナリティにも掛かってくる部分だと思うので、ここからの展開を楽しみにお待ちいただければ。



〇リョーマ・サンダーソン


 明らかに変わり種な名前をつけたくて、そこそこ捻りました。

 ちなみに名前が”リョーマ”である事に深い意味はないです。今考えてる展開なら無理矢理結び付けられそうな気もしますが、少なくとも名付けの意図とは違ってます。


 “サンダーソン”の方は『BIRDMEN』のサンダース管理官から拝借。

 飄々とした実力者で、汚れ仕事を得意とする裏方で、目的至上主義に見せかけてなんだかんだと過去を捨てきれなかったり、情を捨てられない人間臭さがあるタイプ。

 こっちはそれなりにキャラ造形にも関わってきてるので、お暇があれば『BIRDMEN』をお読みいただけるとわかりやすいかも。



〇フレイヤ・クライストス・フェニキア


 作中でも書いた通り、『女神、救世主、魔神柱』の欲張りセットです。

 アサキとは真逆にゴテゴテした字面にしたくて、こういう感じの長い名前にしました。


 ミズウミの周囲に「自分の名前が好きじゃない」というタイプの友人が多いので、そういうイメージでのキャラ造形。

 ある意味で言えば、彼の場合は名前から要請されたキャラクター設定にもなっているのかもしれないです。



〇宮護紀之介


 ”硬く古めかしく、けど悪目立ちしない名前”を考えた結果です。

 “紀之介”は個人的に好きな武将である大谷吉継の別名義(幼名?)から拝借しました。身体的な事情を抱えているという意味では、そこそこあってる名前かと。


 “宮護”の方はシナリオ的な意味の方から要請した名前です。

 これについては語れることもほとんどないので、インド編の公開をお待ちください。



〇佐倉秋葉


 “佐倉”は間桐桜から。”秋葉”は桜(≒春)と相反するイメージからです。

 ヒロインっぽい可愛らしさがありつつ、才能と性格が噛みあっていない部分を名前で表せればと思って名付けました。


 個人的にはそれなりに狙い通りの響きになったので、お気に入りの名前の一つです。

 ちなみに”桜”の名前を冠しているからではありませんが、もしも彼女より先に宮護が脱落していたら、復讐者化して最悪の敵になってたという裏設定があったりします。



〇ヴァルナー・シルヴァ


 他のメンバーと少し毛色の違う、刺々しい名前として名付けたつもりです。

 ちなみに”ヴァルナー”という名前は、現実的には男性名詞として使われているらしいです。


 彼女に関して語れることは現状だとほぼないんですが、名前自体にはそこまで意味がないです。

 ただ、そういう「名前に意味がない」部分に意味が出てくるかもしれないので、その辺りは追々明かしていければと。



〇王高潔


 コンセプトは”名前負け”です。残酷ですがそういうコンセプトで名付けました。

 “王”としては実力不足だったりとか、”高潔”にはなり切れない精神性だとか。名前から逆説で感じられる哀愁なんかがあれば、此方としては狙い通りです。


 とはいえ、”王”はともかく”高潔”の方は、ロシア編を書いてるうちにそこそこハマる名前にまで進化してくれたと思います。

 正直なところ思い入れの薄い方のキャラだったんですが、シナリオの中でどんどん進化してくれたおかげで、ミズウミ的にも今ではかなり思い出深いキャラです。




 というわけで以上、簡単ですが謝辞に代えさせていただきます。


 まだ設定段階だとか構想段階だとかの部分は多く、これから設定を変更したりする部分も多々出てくることになると思います。

 元はと言えば「ミズウミが楽しむために書く」というコンセプトで始めた作品を、2年もお読みいただいているというのは、実際とても頼もしくも気恥ずかしい限りです。


 とはいえ、お読みいただけている限りは作品を続けていきたいと思ってます。

 アルクェイドの実装だとか、水着プーリンだとか、FGO7周年も凄まじい盛り上がりでしたが、拙作『クリプターBチーム』も、その盛り上がりの一助となれれば幸いです。


 それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました!

 今後とも何卒よろしくお願い致します。


 2022年8月3日 ミズウミ


Comments

No comments found for this post.