特殊性癖なプロデューサーin346 #15 トライアドデート (Pixiv Fanbox)
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2024-02-28 15:29:12
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2024-05
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俺は今、仕事を一時中断し、ソファに座っていた。
決してサボっているわけじゃない。俺の部屋に来客があったのだ。来客とは言っても担当だけどな。
それは俺の対面ではなく、俺を挟むように座っている、凛と加蓮の2人。
「で、何の用?」
「明日、Pさん私たちでデートでしょ?」
加蓮の言う通り、明日は休日なのでトライアド・プリムスの3人とデートをする約束が入っている。トライアド・プリムスはこの2人に神谷奈緒を加えた3人からなるユニットで、うちの中でもかなり人気があるユニットだ。
「ああ、そうだな。どうした、都合でも悪くなったか?」
「まさか。実はその件で相談があるんだ」
「相談?」
「うん。相談というよりは提案かな」
「まあ、どっちでもいいけど。で、その提案ってのは?」
「デート中に私たちの身体を弄ってみない?」
「は?」
あまりに突飛な提案に思わず、間抜けな声を上げてしまった。
だが、よくよく考えれば面白そうな気もする。この2人は俺の能力については知ってるわけだしな。
「詳しく聞かせてもらおうか」
「Pさんなら乗ってくると思ったよ。簡単に言えば奈緒へのドッキリかな」
「放送できないのが残念だな。ドッキリってことは奈緒にはまだ俺の力のこと教えてないのか?」
「うん。Pさんもまだ奈緒には使ってないでしょ?」
「そうだな。まだだな」
「だから、今のうちに奈緒を驚かせてあげようと思って」
「ホントにお前らは奈緒をいじるのが好きだな」
「だって、あんないじりがいがある子なかなかいないもん」
「まあ、確かにリアクションとかいいしな。それで、俺は何すればいいんだ?適当に奈緒の身体を弄ってればいいのか?」
「ううん。Pさんには私たちが言ったことを実現してほしい」
「例えば、私が会話の中で「奈緒のおっぱい大きくて羨ましいな」って言ったら奈緒の胸を大きくする、みたいな」
「なるほど。それは面白そうだな。その話、乗った!」
今までは大体、俺の欲求のままに大きくしたり小さくしたりしていた。
だが、そうではなく、今言われたように2人に言われた通りに能力を使っていくってことか。
「これは楽しみなデートになりそうだね」
「私たちもPに楽しんでもらえるように頑張るね」
「ありがとうな。今度俺からもお礼が必要だな」
「それなら、今度は同じメンバーで旅行とか行きたいな」
「まあ、予定が合えばそれくらいならいくらでも付き合おう」
「いいね!トリプルデートだね」
「トリプルデートってカップル3組のデートだからちょっと違うんじゃ」
「細かいことはいいの。それじゃ、また明日ね」
「おう」
2人は俺の部屋を出ていった。
さて、俺も仕事片付けますかね。
★
翌日になり、俺は待ち合わせ場所の駅に来ていた。
理由は当然、トライアド・プリムスとのデートである。世間の男たちがこんなこと聞いたら血の涙を流しそうだな。
俺が部屋についたとき、3人ともすでに集合場所に着いていた。
アイドルということもあって、メガネや帽子などでしっかりと変装をしている。まあ、俺の能力をで絶対にバレることはないが。
能力をばらした後は3人と変装とかせずに普通にデートしたいな。
「悪い、遅れたか」
「アタシたちもさっき着いたばかりだから気にすんなよ」
「というか、まだ時間になってないしね」
「そう言ってくれると助かるよ。」
「さ、そろそろ行くか。今日はみんなの行きたいところに行くんだよな」
「そうだね。のんびり歩きながら行こうよ」
「わかった」
俺たち4人はのんびりと歩き出した。
「にしても、Pさんって大変そうだよな。私たちのレッスンの様子見たり、企画とか考えたりさ?」
「Pさん以外でこの仕事量こなせる人なんていないだろうね」
「ホントホント。約200人のアイドルをプロデュースして結果まで出してるんだしね。うちの事務所所属でPさんに頭上がらない人いないよね」
「そうだろうな。絶対うちの稼ぎ頭ってPさんだよな」
「「確かに」」
「俺の話はしなくてよろしい」
なんともむず痒い話をされてしまった。
確かに仕事は大変だけど、好きでやってることだ。それに仕事に対する報酬も弾んでもらっている。
ブラック企業かどうかの基準は労働内容と報酬が釣り合っているかだと俺は思う。
労働内容>報酬であればブラックだし、逆に労働内容≦報酬であればホワイトと言っていいように思う。
俺の勤務状態は後者だと思っているのでうちは決してブラックではないと言っておこう。
まあ、今の状態で俺に辞められると困るって言うのもあるだろうけどな。
「奈緒がPさんのこと癒してあげなよ」
「それいいな。俺はいつでも待ってるぞ」
「はぁっ!?なんであたしなんだよ!」
「えぇ、嫌なの?」
「嫌じゃないけど、その、恥ずかしいだろっ!」
「いいじゃん。せっかくそんな大きな胸持ってるんだから使わないと宝の持ち腐れでしょ?」
「は?加蓮何言ってるんだ?加蓮とサイズ変わらな…ってなんじゃこりゃぁっ!?」
俺は加蓮の発言を聞いて早速能力を発動させる。
俺は奈緒の胸を10cmほど大きくした。確か元々Dカップとかだったはずなのでサイズで言えばHくらいだろうか。
元々、ある程度は膨らんでいた奈緒の胸が1周り2周り大きくなり、胸元を大きく持ち上げている。
そんな自身の身体に起きた、いきなりの変化に奈緒は大声を上げた。
何も知らずにこんなことが起こればリアクションとしては正しいのかもしれない。
「どうしたんだ、奈緒。急に大きな声出して」
俺は白々しく、奈緒に声をかける。
奈緒は大きくなった胸を必死に腕で抑えている。
「く、来るなぁつ!」
「えぇ…。加蓮、凛、何かあったのか?」
「いや、急に奈緒が大きな声出したから私たちもびっくりしてるところ」
「奈緒の胸の話してただけなんだけどね」
「それだけ?加蓮が奈緒の胸いきなり揉んだりしたんじゃないのか?」
「今日はしてないよ」
「今日はって。まあ、いいや。奈緒、調子でも悪いのか?」
「そ、そうじゃなくて、誰も気づかないのか!?」
「気づくって何をだ?」
「何か変なことある?」
「いつも通りじゃない?」
「あ、あたしの胸がこんなになってるんだぞ!」
奈緒も覚悟を決めたのか、自分の大きくなった胸を隠すのをやめた。
ばいーんとその迫力が増した奈緒の胸に意識を吸われそうになるが、そこを必死に耐える。
「何、自慢?」
「Pさんにアピールしてるの?まだお昼だけど?」
「ち、違うって!Pさん!」
「いや、いつも通りじゃないか?」
「よく見ろよ!明らかにデカくなってるじゃん!」
「えぇ、また成長したの?奈緒だけズルいなぁ」
「少しくらい私たちに分けてくれてもいいのに」
「なんで誰も気づかないんだよ!一体どうなってるんだ!」
「「「?」」」
「まあ、よくわからんがあまり大きな声は、な?」
「え、え、どうなってるんだ…」
奈緒は誰も自分の変化に気づかないことに戸惑いつつも、俺たちに着いてきている。
まあ、戸惑うのも仕方ないだろう。急に自分の胸が大きくなってるのに誰もそのことに気づかない。事情を知らない奈緒からしたら明らかな異常事態だ。
「うわっと」
「おっと、大丈夫か、奈緒」
奈緒が何かに躓いたのかこけそうになったので、俺がとっさに抱き留めた。
「あ、ありがとうPさん//」
「もう気を付けてよ」
「ああ、ごめん。なんか足元が…、いや、なんでもない」
ああ、足元が見えずらいのか。普段からその大きさなら何かしら対処できるかもしれないが、いきなりの巨乳化だからな。
「ライブに向けてのレッスンもあるし、疲れがあるのかもな。ちょくちょく休憩は挟んでいくか」
「奈緒、大丈夫?」
「もしかして、ホントに調子悪いの?」
「え?いや、大丈夫だ。Pさんの言う通り、ちょっと疲れてるだけかもな」
「そう?なんともないならいいけど」
「無理はしないでね?」
「ああ」
2人とも演技派だな。実行犯は俺だけど計画したのは2人なんだけどな。
2人といっても、多分言い出したのは加蓮だろうな。凛はそれ聞いて乗っただけな気はする。
奈緒は奈緒で2人に心配かけまいとしているようだ。
「それにしても奈緒が急に胸を見せつけてきたときは何事かと思ったよ」
「そうじゃないって!えっと、だから…。それはもういいだろ!ちょっと動転してたんだよ!」
「動転するようなことあった?」
「アタシにはあったんだよ!」
「変な奈緒。胸を見せつけるってことは、もしかして胸大きくなったの?」
「凛!お前、わかってk」
「なんだ。それで私たちにおっぱいの大きさが近づけて嬉しかったんだ」
「え?何言ってるんだ?って、へ!?」
「何って、どうしたの?」
「また、大きな声出して」
「いや、2人とも、その胸!」
俺は凛と加蓮の発言を聞いて、今度は凛と加蓮の胸を大きくすることにした。
奈緒が93cmのはずだから、2人の胸はそれより大きくなるようにする。
キリよく100cmくらいでいいかな。
確か、凛が80cmで加蓮が83cmだったな。
俺は2人のバストが100cmになるように成長させた。
そう言えば凛の胸を大きくするのは初めてだな。
凛と加蓮の胸が一瞬で大きく膨れ上がり、奈緒の胸よりさらに1周り大きくなった。
「ん?胸?何か変?」
そう言って凛は自分の胸を下から持ち上げてみている。
「いつも通りじゃない?あれ?もしかして、凛、また胸が大きくなった?」
「そんな急に大きくならないって」
なってます。
「これ、アタシがおかしいのか?夢、夢なのか?」
もう奈緒が自分の正気を疑い始めてしまった。
「大丈夫?奈緒?さっきからなんかおかしいくない?」
「ああ、いやうん。大丈夫だと思う」
今度演技の仕事絶対もって来よう。うちの子たち演技派だわ。
★
3人と一緒に歩いていき、着いたのは駅から近くにあるショッピングモール。
様々な店が入っているため、いつも多くの人でにぎわっている。
奈緒は人の視線が気になるのか、いつも以上に周囲をキョロキョロしている。アイドルだし、胸もデカくなってるしで気になるのはわかるが、これに関しては残念ながら自意識過剰だな。
凛と加蓮はそんなことまったく気にしていないようだし。俺も変な視線は感じない。
「奈緒ってばさっきからそんなにキョロキョロしてどうしたの?」
「い、いやなんか視線が」
「そんなに感じるかな?」
「まあ、気にするに越したことはないけど、そこまで挙動不審だと逆に怪しまれるぞ。
いつもみたいに堂々としてればいいよ」
「そ、そうだよな」
奈緒は吹っ切れたのか、一瞬胸を張ったが、すぐに顔を真っ赤にして俺の後ろに隠れた。
「なんだ、今日の奈緒は随分と甘えん坊だな」
「ち、違うからな!」
「でも、奈緒の身体だと完全に隠れないんじゃない?」
俺は凛の発言で能力を発動させる。
奈緒の身体が少しずつ大きくなっていく。
「え!またっ!?」
「何がまたなんだ?」
「何がって…、おかしいと思わないのか!?」
俺と会話しながらも奈緒は徐々に大きくなり、俺より少し小さく位くらいの身長まで成長した。
奈緒からすれば人前で少しずつ、20cm弱も大きくなってるんだから、これに気づかない方がおかしいのだ。それはさっきの胸もそうだけどな。
今回は胸よりも明らかに変化がわかりやすい。しかもさっきまでみたいに一瞬ではなく、少しずつの成長である。
にもかかわらず、自分以外誰も気づかない。しかも不思議なことに服のサイズはぴったり。
きっと奈緒の頭の中はクエスチョンマークで埋め尽くされていることだろう。
「おかしい?」
「いつも通りの奈緒じゃん」
「変なものでも食ったか?」
「何がどうなってるんだ!?」
奈緒は周りをまた見回すが誰もこちらの方を見向きもしていない。
俺たちだけでなくほかの人たちも奈緒の身体が不自然に成長していることに気づかない。
これは混乱しても仕方ない。今の奈緒に残された道は割り切って、流れに身を任せることだけなのだ。
「もう、奈緒ってば大声出すなって言われたばかりでしょ」
「いや、そんなこと言、ああ、いや、もう!」
「奈緒、大丈夫?」
「わからん!」
「元気そうではあるな。体調が悪くなったりしたらすぐ言えよ」
奈緒は「ああ」と小さく口にするだけだった。
にしても女という生物はウインドウショッピングが大好きだな。
買いもしないのに、いろいろと見ては満足して店を出る。
んー、理解しがたい。女性アイドルのプロデューサーという立場上、そこらの男より女性について理解しているとは思うが、これに関しては理解できん。
まあ、それはもうなれたものだ。アイドルたちと買い物に行くときはほぼ100%の確率でウインドウショッピングの予定が入る。そんなことで目くじらを立てたり、気にしたりはしていない。気になるのは横の奈緒の態度である。
さっきから横に並んで歩いているときに時折俺の方を見てはすぐ顔を背けている。
俺自体は何も変わってないし、見慣れた顔のはずなんだけどな。俺たちが恋人同士でもあるという関係上、至近距離で顔を見ることだって当然あるわけで。
「奈緒、さっきからこっち見てはあっち向いてを繰り返してるけどどうかしたのか?」
「え、あ、いや、あの、顔がいつもより近い、というか、その…」
「そうか?」
「ああ、いや、デート久しぶりだからかな」
「ふぅん」
とぼけてはみたが、確かにそうだ。奈緒からすれば横に歩いている俺の顔を見るには普段は少し見上げる必要があった。しかし、今の奈緒の身長であればほぼ同じ高さに俺の顔がある。それで少し意識してたわけか。かわいいやつだな。
「あぁっ、奈緒だけPさんとイチャイチャしてる!」
「抜け駆けは感心しないよ」
「違うって!」
「Pさんはみんなの共有財産なんだからね!」
「わかってるって!」
俺、共有財産なのか。まあ、しょうがないか。何股とかいうレベルじゃないからな。
全員が喧嘩せずにいるのなんて奇跡以外の何物でもないからな。
今思えば、まさかみんなとここまでの関係になるとは思ってもいなかったな。
「まったく、奈緒ったら油断も隙もないんだから」
「だから、違うって言ってるだろ!」
「それは見てる側が決めることだよ」
「え、そうなの?」
「そうそう。本人がどれだけこれが真実だ!って言っても見てる側がどう受け取るかは別の話でしょ」
「確かにそうだけど、考え方が高校生のそれじゃないのよ」
「そして、奈緒以外の3人がイチャイチャしてると言ってるならそれはもイチャイチャしてたってことなんだよ!」
「アタシ以外の3人って、Pさんはまだ何も言ってないじゃんか!」
「俺は奈緒とイチャイチャできてよかったぞ。もっとしてもよかったけど」
「Pさん!?」
「ってことで、奈緒は抜け駆けした悪い子なので、Pさんの両手は私たちに譲ってね」
「そうだね、賛成」
そう言って、凛と加蓮は俺の手を握り、腕にしっかり抱き着いてきた。
2人の大きくなった胸が俺の腕にしっかり当たっている。
加蓮に言えば「当ててるんだよ」とか言ってきそうだ。凛は顔を赤くするかな?
今日の感じだと、普通に返してきそうな気もするけど。
「ああっ!」
奈緒が残念そうに声を上げたが、既に俺の両腕は埋まってしまっている。
どうしても3人以上とデートするとこの問題が付きまとう。俺の手は2つしかないからな。交代しながら手をつないでいくしかない。
奈緒は少しムスッとしながら俺たちの横に並ぶ。
「でも、奈緒だと私たちみたいにPさんの腕を挟んであげられないでしょ?」
「な、何言って!」
「奈緒は背は高いけど、胸は小さいからね」
「へ?もしかして、また!?これって元々よりも…」
奈緒って変なところで勘がいいよな。まあ、これだけ同じようなことにあっていれば気づくか。さすがに俺たちが原因だとは考えてもないんだろうけど。どう考えても人知を超えてるからな。
俺は奈緒の胸を20cm小さくした。さっき10cmプラスしたから差し引きマイナス10cmということになる。73cmか…。元のDカップより4カップ小さくなるから、AAか?
随分とかわいらしいサイズになったな。俺がチラッと横目で確認すると先ほどまで自己主張していた巨大な山はなだらかな平原へと姿を変えていた。
奈緒も理解はできていないだろうが、慣れたのか「はぁ」と小さくため息をつくにとどまった。
ってか慣れるなよ。順応性高えよ。
「あ、Pさん、あそこ行こうよ」
「あそこ?」
加蓮が指さした方向にあるのはランジェリーショップだった。
「下着が欲しいのか?」
「うん。最近、少しきつくなったみたいなんだよね」
「あ、じゃあ、私も見ておきたい」
「そうか。じゃあ、俺は奈緒と待ってるから2人で」
「何言ってるの。Pさんに選んでもらうに決まってるでしょ」
「誰のために着けると思ってるの」
「そうか、じゃあ、俺も入るか。せっかくだし、奈緒もいくぞ」
「アタシはいいって」
「問答無用」
奈緒は俺たち3人に連れられ、ランジェリーショップに引きずり込まれていくのだった。
店の中で加蓮と凛は特大サイズのブラジャーを手に持っているが、奈緒は今の小さい胸が恥ずかしいのか、この状況についていけていないのか、はたまたその両方か、下着を選ぼうとはしていないようだ。
店員さんが寄ってきていたが、加蓮と凛が体よくあしらっていた。
「うーん。私たちの大きさだとやっぱりかわいいのがないんだよねぇ」
「そうだね。さすがにこのサイズはデザイン性より機能性が重視されるからね」
加蓮と凛は大きいサイズのブラジャーを胸に宛がってみてはかわいくないなどと言っている。
確かに凛の言う通り、機能性を重視しているからだろうな。
「それにお前らくらいのサイズになると需要も少ないだろうからな。メーカーとしてはそこに時間や金をかけすぎるのは得策ではないんだろうな」
「なんか視点が完全に経営者のそれなんだけど」
「経営じゃないがプロデュース業をやってるとな」
「売り出すものが商品かアイドルかってこと?」
「そういうこと。雫とかは国内じゃ市販のものだとなかなかサイズがないとかでオーダーメイドらしいぞ」
「やっぱり、雫さんは規格外だね。私たちも結構なサイズだと思うけどそれでも雫さんといると小さく見えちゃうしね」
今のこの2人の胸と比較して2人の方が小さく見えることなんてまあないことだとは思うけどな。
「奈緒はやけに静かだな」
「え?ああ、いや、なんか、次元が違うみたいな?」
確かに、今の貧乳状態の奈緒はともかく、元のサイズであっても次元が違う話であるのは間違いないだろうな。
「奈緒もPさんにたくさん揉んでもらえば大きくなるって」
「でも、Pさんの小さな手で揉めるかな?」
「小さな?」
「確かにPさんって身長120cmくらいだっけ?下手したら奈緒の胸まで手が届かないんじゃない?」
今度は俺か。俺は自分に向けて能力を使う。175cmほどの平均より少し高い程度はある俺の背が縮んでいく。現在、170cmほどの奈緒の身長は一瞬で下回り、165cmの凛の身長も下回った。さらに加蓮の身長も下回り、俺の頭がちょうど、奈緒の胸よりも下になったくらいで縮小が止まった。
「Pさんが縮んだ!?」
「縮んでねえよ!奈緒、お前、少し背が高いからって!」
「もう、奈緒ったら。Pさんのコンプレックス刺激しちゃダメじゃん」
「背が高い子が好きなくせに自分の身長のことは言われたくないんだ」
「それはそれ。これはこれ!」
「かわいいから私はいいと思うけどね」
「私も、奈緒は?」
「え?ああ、確かにかわいく見えるな」
「俺、男だからかわいいとか言われてもうれしくないからな!」
「なんか、子どもが駄々こねてるようにしか見えないな」
「子どもじゃねえ!25だから!酒飲める大人だから!」
「でも、これ第三者目線だと絶対誰かの弟に見られるよね?」
「まあ、身長は完全に小学生だしね。よいしょ」
「お、おい!凛!」
凛が俺の脇の下に手を入れ、そのままひょいと俺を持ち上げた。
持ち上げられたとて普段の俺の視線よりは低いのだが、この身長と浮遊感のせいか、やはり高いと感じてしまう。
「ほぉら、P。凛お姉ちゃんに甘えていいんだよ?」
「お前、何ぐもっ」
凛は俺をぎゅっと抱きしめた。
そうすると、普段の凛よりはるかに膨らんでいる胸が俺に当たるというか、完全に埋められてしまう。
「あ、私もやりたい!かわって!」
「しょうがにないなぁ。はい」
まるで物でも受け渡すかのように、俺は空中で凛から加蓮に引き渡された。
そして、加蓮もそのまま俺を抱きしめる。今度は加蓮の胸に埋まってしまう。
「あ、奈緒もする?」
「えっと、そう、だな。せっかくだし」
そして、今度は加蓮から奈緒へと引き渡された。
奈緒も俺をぎゅっと抱きしめるが、2人と違って今の奈緒は身長こそ高いが、胸はない。
かすかに柔らかい感触がある程度だ。
「Pさんも奈緒みたいに胸も背も大きい年下の子に抱っこされて嬉しいんじゃない?」
「奈緒のスタイル、Pさんの好みそのものだもんね」
「まさか、また……」
俺は奈緒に能力を使う。俺に当たる胸の感触が段々大きくなっていく。
貧乳と呼ばれるサイズを脱し、元のサイズくらいに戻ってもまだ成長は止まらない。
さらに体積を増していく奈緒の胸。どんどん大きくなり、2人よりもさらに大きくなる。
適当に大きくしてしまったが120cmはあるかもしれない。
俺の頭は完全に埋もれてしまい、このまま放置されると、窒息する可能性もある。
「また、デカく…。しかも、これ2人より大きいんじゃ…」
「今更何言ってんの」
「どう見ても奈緒の方が大きいじゃん」
「いや、さっきまで……。ああ、もう。なんでもない」
「変な奈緒。でもいつまでもPさんそのままだと窒息しちゃうよ?」
「え?あ、Pさん、ごめん!」
奈緒は慌てて、俺を胸から離した。
「死ぬかと思ったけど、これで死ねるなら本望」
「Pさんに死なれたら私たち困るんだけど」
「責任もってプロデュースしてもらわないとね」
「それは任せとけ」
そのあとも加蓮と凛の指示に従って背や胸の大きさをひたすらいじり続けた。
最後にネタ晴らししたときの奈緒の表情は最高だったな。