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そんなもん、ありません。


さて昨今、コスパやらタイパなどがより重要視される時代になりました。それは昔より情報化社会が進み、より質の高い情報がお手軽に手に入れられる時代になったことも関係してるでしょう。そんなわけですから、できるだけ手軽に最大の成果を得ようとする動きがより加速していき、情報を発信する側もそういう人間をカモにするため、あの手この手で甘美で誘惑的な言葉を使い、インプレを伸ばそうとしてきます。


しかし、世の中そんな単純ではありません。人それぞれ、IQも違えば学力も違います。感性や性格も千差万別です。同じ言葉を伝えても、全員が全員同じ受け取り方をするわけではありません。


特に絵が上手い人というのは初心者の気持ちがわかりません。例えば絵が上達する上で“質か量、どっちが大事?”と聞かれると、上手い人ほど質を選択しがちです。納得いくまで描かないと上手くならないよ、と言ってたりします。しかしこれは大きな勘違いです。そもそも下手な人は質を上げることそのものが難しいのです。

予備校の先生をしていた時、高校1、2年生の子達を短期ですが指導していた経験からすると、いわゆる下手な子は途中からもう集中力が完全になくなってしまいます。それは今の自分の力では描きあげられないことを薄々感じてたり、隣で描いてる子はちゃんと上手く描けてたりするのをみて、自分に少し絶望してたりします。逆に下手でも、バリバリ描き進められるような子は後々上手くなっていく傾向にあったりします。こういう子は上手くなる素質を持ってるわけです。


また、絵をどれだけ描いてきたか、これもとても重要です。私も類に漏れませんが、学校でもらったプリントやノート教科書は落書きで埋め尽くすような生徒でした。紙とペンがあれば条件反射的に何か描いてたもんです。いわば、絵を描くことが習慣化されている人間なのです。昔から運動をしていた人間と大人になってから運動を始めた人間が新しいスポーツを始めた時、上達のスピードに差があるのが当たり前であるように、絵もまた今までどう向き合ってきたかが上達にものすごく差が出ます。


ただ、たまにそこまで経験値は高くないのに上達がめちゃめちゃ早い、いわゆる“勘のいい子”というのが存在します。藝大を現役で受かっちゃうような。ただそういう子も5年10年のスパンで見ると最初こそ伸びは早かったけど、止まるのもまた早かったりします。才能というのは早熟な人と晩成な人といます。こればっかりはどっちがいいというのはありませんが、自分の経験上、晩成タイプの方が長く制作を続けかつ面白いものを作ってくるイメージがあります。創作において“ネバる”というのは変え難いとても重要な才能だと思っています。早熟なタイプの子は頭がいいので、ある一定のところまでは難なくいってしまうゆえ、ネバる能力が意外と欠けており、成長が止まるとそこからはなかなか打開策を見つけられないまま創作活動をやめてしまうというのもよくみます。


なので、最短で上手くなる方法が仮にあったところで、その道を歩むことが幸せにつながるかと言われると、なんとも難しいところがあります。


そこで私が強いてあげる最短で上手くなる方法というのは以下の3つ


・絵を描く習慣を身につけること

・絵を描き上げる習慣を身につけること

・絵が上達する方法を模索する習慣を身につけること


大事なのはとにかく習慣です。習慣というのはいきなりは身につきません。


行動(勉強や読書など)に関わるものは1ヶ月

生活(運動や早起きなど)に関わるものは3ヶ月

思考に関わるものは6ヶ月


それくらいはかかると言われてます。もちろん実際はもっと長期戦になるのでまずは楽なことから始めるといいです。カラーが無理なら線画だけ、線画が無理ならラフだけとか。なんでもいいのです。まずは毎日少しの時間でいいので絵と向き合うのが大事です。


技術論やデッサン力の話、テーマ設定や構図なども今はどうでもいいです。それはもちろん大切なのですが、とにかく描けばいいんです。題材もなんでもOK。自分が好きな人の絵、好きなキャラ、顔の向きも左向きの描きやすい角度でいいんです。(ぎっちょの人は右向きかな)


そしてそのうち自分が描く絵がいつも一緒だったり、新鮮味がなくなってくるでしょう。そしたらいつもと違う構図とか、描いたことのない顔の向きで描いてみるとか、違うキャラを描いてみるとかそんなことをじっくりゆっくりやっていけばいいのです。SNSで伸びないのが嫌ならSNSなんてやめちまえばいいのです。大事なのは先ほどの3つの習慣を持続できるかです。他人のうまさが妬ましいならその感情を絵にぶつけてやればいいのです。


とまぁ、今回はこの辺で締めようかと思います。今回はメンタル的な話がメインでしたが、具体的な技術論はまたそのうち気が向けば書きますね。ではでは。

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